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プロフィール |
コメント数 |
210 |
性別 |
男性 |
年齢 |
62歳 |
自己紹介 |
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1. めぐり逢い(1957)
「金色夜叉」とか、七夕伝説とかをいい話だと思っているので、この手のストーリーにはどうしても点数が甘くなる。祖母の家で談笑しているときの客船の汽笛、二人きりになったときにダンス音楽から変化する「蛍の光」のメロディ、いずれも音が聞こえてきたときの役者のちょっとした表情の動きで、別れの時が来たこと、航海最後の晩であることを一瞬のうちに納得させてしまうのがなんともうまい。脇役としてふられる男と女がひとりずついるが、ただ遺産を継いだだけの者にはたいしたことをさせず、自分の才覚と努力で生きてきた者には、ふられた後に一仕事も二仕事もさせてバランスをとっているところに作り手の美学が感じられる。また、船着場の場面は、乗客が大量のスーツケースを携えて下船するのでなければ絶対に変なのだが、そこを、知らぬは婚約者ばかりなり、というコミカルな状況設定と役者の視線の動き及びカメラワークで観客を圧倒し、荷物を見せずに乗り切ってしまうところが騙しのテクニックとして秀逸で、これぞ映画ならではの省略でありだからこその名場面なのだと思っている。9点(2005-03-21 12:04:44)(良:3票)
2. メリー・ポピンズ
何人かの方が指摘されている通り、これは大人向けの童話。マイ・フェア・レディの選考で苦杯をなめたジュリー・アンドリュースが、女優生命を賭け文字通りの汚れ役(どこが?じつは顔だ)に体当たりで挑戦しているところが結構可笑しい。という冗談はともかくとして、この映画の白眉は、心に残る名場面にはなりそうにはないけれども、全編を通してただ一回だけある夫婦のキスシーンだと思う。まさにそこしかありえない、という見事なタイミングで挿入されている。やはり、映画表現の最大の切り札は、キスシーンなんだとしみじみ感じる。前半で、みかけではなく中身が大事という旨を、乳母がこどもたちにいう場面ががあるが、それが、けっして美男美女とはいえない夫婦のキスシーンを引き立てるのに効果てきめんだった。
9点(2004-05-17 20:37:30)《改行有》
3. めぐり逢えたら
昨日ケーブルTVにて。始まってからの焦らしがあまりにうまいので、これならクライマックスもさぞかしと期待をふくらませすぎ、ちょこっと尻すぼみの感じ。恋愛映画のくせに、主人公の男と女が会話しているシーンが全部で5分あるかないかというのは最短記録の部類でしょう。8点(2003-12-08 08:18:49)
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