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1. 夜になるまえに
悪くない作品だとは思いますけど、一番の失敗は脚本や演出の焦点が絞りきれてないことだと思う。一般向けの映画としては、主題が社会体制批判にあるのか個人の苦悩にあるのかが解り辛い。仮にレイナルド・アレナス個人の物語とした場合も、その主題がゲイであることの苦悩か、表現者としての苦悩か、キューバ人としての苦悩なのかが解り辛く、どのエピソードも淡々と流れていくだけで、私の心には引っかかってこない。母親やジョニー・デップの登場シーン、そして気球のシーン等のファンタジックな演出と、リアルでシリアスなシーンも噛み合ってないと思う、5点献上。[CS・衛星(字幕)] 5点(2005-07-17 00:07:41)(良:1票)
2. 欲望(1966)
《ネタバレ》 “Blow-up”の原題通り、どーでもいい人間のどーでもいい日常が無限とも思えるほど引き伸ばされた前半(つーか、ほとんど全編)がとにかく苦痛。「サスペンス」にしたって、それらしくなるのはほぼ終盤。ラストは見えないボールを使ったテニス、そしてそこから聞こえてくるボールの音。遂には主人公自身も消えてしまう。これは観客に判断を委ねるって言うよりは、主人公と一緒に製作者も逃げ出してしまった様にも感じる。自分の理解を超え、良し悪しの判断がつかない場合は通常5点を献上してるんですけど(この採点基準も我ながらどうかと思いますが…)、これも自身には良し悪しの判らない映画でした(この邦題も良く解らん)。しかし、これだけははっきり言えます。これはもの凄くつまらない映画です、2点献上。2点(2004-08-19 19:38:22)(良:1票)
3. 欲望という名の電車(1951)
男の最も醜い部分を持った男と、女の最も醜い部分を持った女が出会い悲劇が訪れる。スカーレットという名前通りの咲き誇る大輪の薔薇を思わせる生命力を演じたヴィヴィアン・リーが、丸っきり正反対の安っぽく壊れやすい造花のような女を鬼気迫る表現で演じきり、終始彼女から目を離すことができない。確かにこの演技はどうしても晩年の本人と重なってしまい、ラストの哀感には涙を禁じ得ません。相手がブランチだったら私もスタンリーと同じ事をしてしまいそうなので、ラストはより胸に迫ってきました。8点献上。8点(2002-02-18 22:34:28)(良:1票)
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