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1. ラストキング・オブ・スコットランド
フォレスト・ウィテカーは、どんな役でも楽しそうに演じるのだが、本作はいつにも増してノリノリな印象である。何せ初登場の演説シーンからして度肝を抜かれる。あの地も割れんばかりのダミ声。人懐こい笑顔とユーモアのセンスには、誰もが惹きつけられることだろう。それがどこをどう間違えたのか、内に秘めた狂気がだんだんとエスカレートしていき、気付いた時にはもう遅いという次第。このじわじわ感が本当に怖いです。そういえばウィテカーは、「ハスラー2」でも、どことなく似たような役を演っていたな。史実を巧みに取り入れた脚本は実にお見事である。本作の後に「特攻サンダーボルト作戦」を観れば完璧であろう。ついでに「食人大統領アミン」も押さえておきたいところだ。元大統領は最近までサウジで生きてたんですね。大虐殺のシーンはないのだが(グロはある)、見えないことで逆に、その恐怖がじわじわと伝わってくる。そこに青年医師の、無自覚などうしようないダメっぷりが加わると、鑑賞後も長く、何とも言えないイヤーな感覚が残ることになる。他の作品ではあまり経験できない、複雑な感情を呼び起こすという点で、本作は優れた作品である。[映画館(字幕)] 9点(2007-05-08 01:34:24)(良:1票)
2. ランダム・ハーツ
シドニー・ポラック監督らしい渋い一作。ワシントン、マイアミのハイソな景色に、デイブ・グルーシンのムーディな音楽がよく似合う。サスペンスというのは論外だと思うが、大人のラブストーリーとしては、それほど悪くないと思う。ストーリー、キャラクターともにかなり控えめなので、もう少し映像美と叙情性を追及した方が良かったかもしれない。少々煮え切らない。不倫の真相を知りたがる刑事に、忘れようとする女性議員。これが果たして男女の違いなのか、立場の違いなのか、本作からは判断不能。ハリソン君の気持ちはわかるが、女性の方はこういうものなんでしょうか?亡き妻への複雑な思いに、議員への愛が加わるというかなり微妙な男心を、ハリソン君の演技に期待するのは野暮でしょう。しかし二人でタンゴを見ている時の表情は最高におかしい。それにしても飛行機事故というのはもっと悲惨なものだと思うが、まあ本題と関係ないのでこれでいいのか。航空会社の社員も大変だなあ。遺族の待合室で日本語が聞こえたような気がするが、誰も突っ込んでない。もしかして幻聴か?[地上波(字幕)] 7点(2006-05-11 02:19:32)
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