みんなのシネマレビュー
ミスター・グレイさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

-------------------------



投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617
投稿日付順1234567891011121314151617
変更日付順1234567891011121314151617

201.  三人の狙撃者 《ネタバレ》 ほとんど家の中だけで行われる密室劇が緊張感たっぷりに撮られています。何人か死人がでますがいずれもあっさり処理されるのも逆に印象深いです。特に感電し機関銃を乱射しながら計画をぶち壊し殺されていく殺し屋が壮絶。道具としての銃の使い方なども巧く考えられています。しかし、やはり何と言ってもフランク・シナトラの悪役っぷりがとても素晴らしいです。キャラクター造型自体が秀逸なのですが、見事に冷静そうで神経質で今にも暴発しそうな線上を狂気いっぱいに演じています。最初に保安官が訪ねてきた時に見せる笑みなど異常に怖い。…ただ、何ヶ所か妙な繋がりの部分がある(カットされたのか?)のが残念です。それから、戦争の被害者のような殺し屋を描きながら、最後に夫の戦死が無駄ではなかったと語る妻、それに自己防衛としての子供の銃の存在と、戦争を否定しているのか肯定しているのか良く分からないところがあります。でもまぁ難しいことは考えずに観ればサクサク進んで行くテンポの良さと上映時間の短さがあるので十分に楽しめます。[DVD(字幕)] 7点(2007-09-18 18:06:18)(良:1票)

202.  ジュラシック・パークIII 《ネタバレ》 本シリーズも三作目となり荒唐無稽な話になるのは至極当然であり誰も期待していないと思うのに、わざわざ白湯も同然の薄味な人間ドラマを盛りこむのは労力の無駄だと思うのだが・・・しかし、そんなことよりもこの恐竜映画の最大の問題点は、恐竜界のスーパースターにして最強の暴君・ティラノサウルスを早々退場させたことだ。3になって初めて大型恐竜同士のバトルを見せてくれたのは嬉しいのだが、あっさり終わる上に知名度三流のスピノサウルスを主役に据えるとは…映画ファンはさておいて恐竜ファンの気持ちは心得ていない。確かに三作目も再びティラノに追いまわされるのではマンネリだし芸がないかもしれない。でもスピノサウルスでは水辺のシーン以外はティラノとほぼ同型であり新鮮味はない。それにマンネリを言うならもはや下手な人類よりも賢いラプトルとの絡みの方こそ飽きがくる。・・・それでも一つ見所をあげればプテラノドンのシーンはなかなか面白い。濃霧に浮かぶ翼を畳んだその影はまるで刃物を持った殺人鬼のようであり、鳥小屋は恐怖の館さながらである。 ・・・ところで文句を付けつつも本シリーズが続く事を切に願うわけだが、次回があれば何故か未だに見せてくれないティラノとトリケラトプスの王道対決をぜひとも実現させて欲しい。[映画館(字幕)] 5点(2007-09-13 18:18:09)

203.  アポロ13 極限状況における宇宙船のクルーと管制官の危機感を持った連携プレーが、絶妙な配分で描かれており作品の世界に引き込まれてしまいます。死と隣接している当事者は喧嘩、管制官たちは眠気覚ましのコーヒー片手の姿に温度差を感じさせるあたりも巧妙です。大作にして、宇宙船、管制センター、家の三空間だけで構成される一種の密室劇にし緊迫感を損なわず最後までもっていくのは見事です。感動の無理強いせず淡々とした作りになっているのも好感が持てます。ただ人物描写に関してはやや甘く、個々の演じる役者さんのそれぞれ特性に頼りきっているように思えます。つまりは見事なタイプキャストでもあるわけですけど。[ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-11 18:31:19)

204.  ヒート 《ネタバレ》 骨太のドラマや街中での銃撃戦と見所に事欠かきませんが、やはり二大名優パチーノとデ・ニーロの激突に尽きるでしょう。確かに共演シーンは少ないですし正面向いて一緒の画面に納まっているシーンは皆無に等しいので物足りなさを覚えなくもないです。しかし、これはこれで凄いのです。「庭でバーベキュー、テレビで野球か」と対峙するカフェでの会話シーンなどとても良いです。この場面でも二人は決して共に映りません。あくまでパチーノは刑事であり、デ・ニーロは強盗。追う者と追われる者にしか過ぎず、互いに一目を置き共鳴し合っても相容れない両者だからこそ壁があり交錯しないのだと思います。  また、プロフェッショナルでストイックな彼らは、互いに仕留めずにはいられない獲物を求め、デ・ニーロは逃げずにハンドルを切り、パチーノは一刻も早くと病院の階段を駆け下りる。これは両者の対決の時が迫っていることを暗示させます。そして最後の決闘後、過酷な現実世界を闘った者同士、互いの存在を確認するかのように手を握り合い両者が一つの画面に納まります。誰もいない暗闇の中で死に瀕した最期の時だけ、刑事と強盗という枠を飛び超え人間レベルで互いの心を通わせる。初めてパチーノとデ・ニーロが交錯する。こういうのが男の映画なんだと思いますし、こんなにカッコイイ映画はそうないと思います。[ビデオ(字幕)] 10点(2007-08-28 18:22:18)(良:2票) 《改行有》

205.  オーシャンズ13 《ネタバレ》 テンポが良いので飽きることなく最後まで見せてくれますが…では、良かったのか?と問われると疑問符がつきます。面白いと思えるシーンも良いと感じるシーンもあまりなく、ただただ計画のカラクリを羅列されるだけで記憶に残るようなものではないです。画面分割も効果的とは思えませんし。 そして1人でまとめて13人を握り潰せそうなパチーノ御大を敵役に配しておいて、バンクのキャラはあまりにも無抵抗過ぎます。それはマット・デイモンに一方的にたぶらかされるエレン・バーキンにも言えることで、二人を起用したのは作品に箔を付けたかっただけでは?と物足りなさを覚えます。もちろんこれは安心して主人公の活躍を楽しめる娯楽映画なのですが、これではいくらなんでも刺激不足なのでは? ・・・そう言えばキャストに曙とありますが出てなかったような、カットされちゃったのかな?[映画館(字幕)] 5点(2007-08-24 18:18:27)(良:1票)

206.  メン・イン・ブラック 宇宙人が人間界に潜んでいるという着想が面白いです。エイリアンってのは一体誰のこと言っているんだ?と思いますが、まぁ単純に笑える作品です。強面で冗談が通じなそうなトミー・リー・ジョーンズと底抜けに陽気そうなウィル・スミスのでこぼこコンビが絶妙。バグの宇宙船がギャグっぽく長閑な田舎に落下するシーンとか、プレスリーの曲にノって車を素っ飛ばし料金のコインを投げ入れるところとか、死体置き場のおネイさんのスカートが短くて妙に色っぽいところとか、そういうちょっとしたところが楽しいです。[ビデオ(字幕)] 8点(2007-08-23 18:22:20)

207.  恐竜グワンジ 《ネタバレ》 オブライエンが残した原案らしいのですが、プロットははっきり言って「キング・コング(1933年版)」そのものです。恐竜と西部劇の融合というアイデアは男心をくすぐりますが、島ならともかく谷というのはいくらなんでも少々無理があります。しかっ~し、ストーリーは確かにもう少しどうにかならなかったのかと思うのですが、恐竜〝グワンジ〟が出色!ラストの大立ち回りに壮絶な絶命シーンが凄い。さらに、もう少し出し惜しみしても良いのにと言いたくなるくらいドンドン見せ場を作ってくれています。小型の馬が登場するところからして感動的ですし、恐竜も突然、岩陰からご登場ですからね。嬉しい限りですよ。しかもグワンジとカウボーイたちによる投げ縄バトルまである(そりゃ無理でしょとツッコミたくもなりますが)。欲を言えばラストのバトルは象でなくライオン5匹ぐらいにして欲しかったなぁ。それでもエンディングのキャスト紹介に〝andグワンジ〟と出てきた時は涙ものでした。恐竜、モンスター映画の中では「キング・コング」の次に好きな作品であり、グワンジはキングコングに次ぐヒーローなのです。こういう映画は今ではまず見られません。スピルバーグ監督は何故にオブライエンやハリーハウゼンのように恐竜を描いてくれないのか?ピーター・ジャクソン監督もまた違いました。ビジョンそのものが異なると言いますか、私には彼らはモンスターに対する思い入れやファンタジックさに欠けている気がします。オブライエン、ハリーハウゼン師弟のモンスターはどれもこれも魅力的なのです。[ビデオ(字幕)] 8点(2007-08-21 18:55:40)(良:1票)

208.  ビッグ・バウンス いかにも夏全快なパッケージと地味ながら強力な役者陣に惹かれレンタルしたのですが…いやなかなかどうしてこれが面白くない…。一転二転のスリリングなサスペンスのはずですがテンポが良くないですし、やはりコメディにしても開放的な常夏のハワイが犯罪劇の舞台では緊張感に欠けています。〝ただお姉ちゃんにビキニ着せたいだけなんじゃ〟とツッコミたくなります。いやもちろんビキニは大賛成なのですが…。それに役者陣をあまり活かしきれていません。モーガンは出番が多いのでまだ良いとして、シニーズはよく出演したなと。そう言えば最近はTVドラマの「CSI」などに出ているようですし、シニーズクラスの役者でも映画の仕事にあぶれるのでしょうか?さすがに厳しいんだなぁハリウッドッ!などとどうでも良いことを考えていました。まぁ見所はセックスアピール十分なビキニ美女と、チャーリー・シーンの愛すべき雑魚キャラぶりってところでしょうか。[DVD(字幕)] 4点(2007-08-15 18:29:09)

209.  プライベート・ライアン 映画館で観終った後、席を立つのが嫌になるくらい虚脱感に襲われたことを覚えている。もう冒頭から圧倒された。ノルマンディーのオハマビーチ上陸シーンは戦場に放り込まれたように臨場感が溢れており、凝視できない光景に気分が悪くなった。実際の戦場など知らない私がリアルだなんて言えないが、悲惨さは十分過ぎるほど伝わってきた。その後始まる本題の物語自体も端的に戦争の不条理さや虚しさを描いている。大局には関係の無いたった一人の命を救うために他多数の命が犠牲になっていく遣る瀬無さ。人物造型は単純だが、ハンクスの教師という設定や同行し観客に近い目線を担うアパムの通訳という設定は、人を育てたり関係を築いたりする資質が戦争下では逆に人を潰すための道具として使われてしまう悲劇を誇張している。・・・だが、全編通して見ると反戦としての訴えはそれほど強く感じられなかった。というのも最後の戦闘シーンが冒頭のそれとは全く違うものになっているからだ。最初の戦場ではハンクス以外の人物の区別がつきにくく、数多の無名の兵士たちの命が一瞬にして奪われ累々たる屍が築かれていく恐怖がある。だが最後の戦場は一人一人の〝顔〟が見えるのである。こうなると娯楽アクション映画と同じで、ハンクス一行の命の方がその他の無名の兵士たちの命よりも重く感じられてしまうのだ。これはドラマとして必然的に起こってしまったことだと思う。神に祈りを捧げ狙撃するバリー・ペッパーなど恰好良く見えるし、バズーカを担いだトム・サイズモアや戦車に発砲し続けるハンクスの姿もまたしかりだ。つまり物語が始まると娯楽要素が強くなるのだ。語弊があるかもしれないが映画である以上、戦争であってもドラマやある程度の娯楽的アクション性を有するものだとも思う。そしてスピルバーグは反戦へのメッセージと映画としての娯楽の二頭を追った。その結果、融合はされておらず冒頭の悲惨な戦場はこれから開始する戦争舞台の壮大なメロドラマのための言い訳に見えてしまう。それは勘繰り過ぎなのかもしれないが、そのアンバランスさがこの映画の印象をどこか腑に落ちないものにしている。[映画館(字幕)] 7点(2007-08-03 18:29:41)(良:3票)

210.  アザーズ 《ネタバレ》 屋敷の外は霧がかかりボヤけているし、何より屋敷そのものの構造をしっかり把握させてくれない。何処にどの部屋があるのか正確には分からないのだ。この曖昧さが恐怖を煽っている。またピアノや鏡などクラシックながらホラー味あふれる道具の使い方も素晴らしい。その中でも特に鍵付きのドアが印象的である。別次元への空間移動の如くいちいちガチャガチャガチャガチャくどいまでにするのが何とも凄い。部屋ごとに隔てられ視界が限られる上に、一つ一つのドアが重要に思えドアの向こう側に恐怖を潜ませているあたりが本当に上手い。そしてニコール・キッドマンの透き通るような美しさも十分に活かし、この世界に力を与えておりとても良い。 ・・・ただ、惜しむらくは視点こそ違えど「シックス・センス」と同じオチになってしまっていることだ。あの映画とは全く別物だと思うのだが、これではどうしたって比較されてしまうし、免疫のできた観客には驚愕のラストというわけにはいかなくなってしまっている。「シックス・センス」に触発されてできたのではない、ただの後発の作品だったとしたら丁寧に作られているだけにそこが残念である。[映画館(字幕)] 8点(2007-08-01 18:40:02)(良:1票)

211.  トゥルー・ロマンス 《ネタバレ》 何とも元気いっぱいで爽快な作品だが、一番の見所は僅かな登場シーンながら強烈な印象を残すデニス・ホッパーとクリストファー・ウォーケンの対決シーンだろう。ウォーケン演じる海千山千のマフィアはまるで通常業務をこなすかのように、しかしとても威圧感たっぷりに拷問を開始する。これはチビっても仕方ないくらい怖い。対してホッパー演じる優しく素敵な父親は、暮らしぶりから察するにメインストリームから外れたいかにも冴えないオヤジ。だがこのオヤジ実は只者ではない。これはまさにハリウッドの異端児ホッパーのことだ。一通り凄まれた後、皮肉たっぷりにシチリア人にまつわる小話をかましてみせる。結果は〝試合に負けて勝負に勝った〟余裕しゃくしゃくで常に冷静沈着なウォーケンがホッパー相手にブチ切れてしまう。この面白さと言ったらない。それも冷蔵庫に貼ってあるメモであっさり行き先がバレてしまうというオチつき。つまりこの対決の結果は物語上どうでも良いことで、ただの見せ場なのだ。しかしこんなにワクワクするような対決がそうあるだろうか。例えばパチーノとデ・ニーロの対決(「ヒート」)なら誰しも見てみたいと考えるが、これはちょっとやそっとでは思いつかない。この場面を緊迫感たっぷりに撮ったトニー・スコットの手腕と、切れ味鋭い台詞を書いたタランティーノのユーモアはさすがだが、二人にホッパーとウォーケンを配役した人は相当凄いと思う。[ビデオ(字幕)] 8点(2007-07-10 18:15:19)(良:4票)

212.  300 <スリーハンドレッド> 〝ジッシィズッスパッルタッ!〟と咆哮し立てつけの悪いドアでも蹴破りたい気分にさせられるほど高揚感があり、とにかくスタイリッシュでスピーディでパワフル・・・ですが、これは映画(実写)なのでしょうか?ともすればハワイ出身の巨漢力士の突き押しでも食らうかの如く、その勢いに一気に土俵下へすっ飛ばされてしまいそうなのですが、土俵際でふんばってしっかり観てみると…これが案外パッとしていません。全く知らないのですが本作の原作はコミックらしいですね。そのためなのか色彩や質感、戦場での圧倒的な戦闘シーンなどのCG全開の映像は美しく見えるものの、これは〝カリカチュア的な〟というよりも漫画そのものであり、画面を切り取ってコマにおさめて吹き出しにセリフを入れても十分に成立するように見えます。例えば、ペルシアの大軍を象徴する〝日の光をも覆い隠してしまう大量の矢〟のシーン。雨あられどころか空に幕がかかるのかっ?!と聞いただけでもゾクゾクしてしまうこの場面はもっと壮絶なシーンにできたと思うのですが、意外なまでにあっさり処理されています。レオニダスの流れるような戦闘シーンはともかくとして、その他のほとんどの面、ほとんどのシーンにおいて私には非映画的に思えます。 ただ、大ヒットしたようですからおそらく後続作品も生み出されるでしょう。もちろん漫画を読むだけでは味わえない興奮を体感させてくれますし熱気ムンムンですので、こういうのも〝あり〟なのですが、映画というより新形態の映像作品という感じがします。[映画館(字幕)] 5点(2007-06-15 18:29:08)(良:2票)

213.  ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習 《ネタバレ》 お下品なネタを連発しながら異文化を揶揄する形式で逆にアメリカ人こそが不徳であると皮肉っていく。裸、セックス、排泄物、乱闘、差別、侮辱などなどの簡単で低俗な笑いがもっとも大勢に共通してウケるということを作り手は熟知しているようだ。保守的と言われる米国南部でのボラットの奇行の数々、ユダヤ人協会を始めあちこちの機関から訴えられているらしいのでもっと過激な内容を想像していたのだが、ボラットのキャラクターが濃過ぎるため核心に迫るものではなく表面的な過激さという印象が強い。そして最後はあらゆる映画で幾度となく出されてきた〝ありふれた結論〟へと落ち着く。やりたい放題のボラットなのに守りに入り安全地帯へ着陸したのは正直ガッカリだ。しかし、可笑しいのはこれがアメリカでは大ヒットしたということ。アメリカ文化やアメリカ人精神をボラットと共に学んだ結果、思うにこんなのが大ウケするアメリカに世界の主導権を握らせているなんて大問題だ・・・・・・・・・・・・・・ナ~ンテネッ![映画館(字幕)] 5点(2007-06-05 18:18:51)(良:1票)

214.  イン・ザ・スープ 《ネタバレ》 いただけないショットが多い気はするが・・・率直に言ってこれは好きな作品だ。さえない映画屋と協力者の奇妙な友情、モノクロが良い雰囲気を醸し出しているところは「エド・ウッド」と似ているが、こちらの方が少しばかり先だ。真剣に手を伸ばせば届くかもしれないけれど、うたかたの如く不確かな夢。夢を追いかけるのは素晴らしい事だけど、〝誰と一緒に見るか〟というのも大切なんだと思わせてくれる。本作はアレクサンダー・ロックウェル監督が実際に体験した出来事を基にしているらしく監督の思いが詰まっているので、どこか優しい感じがするのだろう。嘘から始まった真の友情、新たな船出に思いを語る中、隣で死んでゆくのは「真夜中のカーボーイ」を彷彿させる、喜劇であり悲劇でもあるが観終わった後、心がほんのり温まる心地の良い作品だ。アルドルフォとジョーの二人の人物造形が実に面白く、ブシェーミのチャチャチャの練習場面やジョーが路地で元気いっぱい踊りまくる場面などとても良い。ユーモアに富む素敵な台詞も随所にありハッとさせられる。ちなみに私の最も好きなシーンはアルドルフォに天使だと言われたアンジェリカが始めて彼に見せる笑顔で、その表情が驚くほど美しい。[映画館(字幕)] 8点(2007-06-04 18:27:22)

215.  パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 《ネタバレ》 簡単に言えば〝かたづける気もないのにとっ散らかして遊びました〟ってところでしょうか(興行の調子が良好なら延長して遊ぶつもりで散らかしまくったのかもしれませんが;)万人が楽しむものなのに複雑だし、そもそもディズニーがこんな殺伐としたもんを作っていいのか?(絞首刑のシーンから導入した時はビックリした)ってところです・・・でもまぁ、そんな事はどぉ~でもよくて、私にとって大問題なのはイカ(タコ?)の料理の仕方です。何もスルメや刺身にしろと言っているのではないのです。なぜ調理過程を見せてくれなかったのかと言いたいのです。もちろんグルメな話をしているわけではありません。クラーケンについて言及しているのです。他が天こ盛りで時間のかかる料理は避けたかったからかもしれませんし、好意的に見て2で度々出したので食べ飽きただろうと思ったからかもしれません。だけど、だけど私は楽しみにしていたのですよ、クラーケンを。「ペットを殺した」って何のこっちゃと思っていたらあんなかたちで登場とは…。まったくターナー親子並にビックリのご対面ですよ。でもそう言えば予告にクラーケンは出てなかったなぁ。退治シーンがあったら目玉でしょうからワンカットでも予告にはさみますね(泣)。ということで期待外れではあったんですけど、もちろん良いシーンもあるんですよ。巨大な渦での戦闘とか、そこでの結婚とか、ああいうのは面白いアイディアだし確かに凄いパワーを感じます。1と2を観た上で水しぶきがかかりそうな劇場で観たし何だかんだで楽しかったのでプラス1点。[映画館(字幕)] 7点(2007-05-29 18:30:55)(良:2票)

216.  ジェニーの肖像 《ネタバレ》 ジェニーが登場すると空気が一変し、どことなく夢心地で幻想世界へ足を踏み入れた雰囲気が出ていて悠久の時を感じさせます。そして津波のシーンでモノクロから切り替わる緑が映え、いよいよもって時の間に突入した緊張感が高められています。さらに最後の最後にきて色彩の豊かさを見せる〝ジェニーの肖像〟が鮮やかであり何とも素敵です。色褪せないとはこのことで、愛と芸術の永遠という普遍性を見事に融合させ一枚の絵として完成させる素晴らしさ。友人をはじめとする登場人物たちが温かく描かれているのも微笑ましく、ファンタジーとはまさにこの作品。[DVD(字幕)] 7点(2007-05-17 18:53:48)

217.  アメリカン・ヒストリーX 《ネタバレ》 人種差別という重過ぎるテーマで、問題視されて久しい現在でも尚起こっている現実に警告するかのような内容でしたが、静かにも熱く心動かされてしまいましたね。兄弟の物語が軸となっているのが観易かった要因だと思います。割と単純な展開で聡明なはずのデレクの改心理由がいささか甘い感じがしますが、ラストにダニーが撃たれてしまった事に抜けることのできない負の連鎖と根深さを感じさせますし、主題が明確になっています。また、人種差別の契機として若者の怒りが扱われているのも興味深いです。大概において自分自身でもその源が不明瞭な衝動的な若者の怒り。これはどんどん蓄積され何か不快な事に対して発散させても、それは所詮真の理由ではないので怒りのゲージはすぐに元通りの満タンになってしまう。そんな虚しい様が良く描かれています。実際にデレクが怒りのままに暴れ殺人を犯してしまうシーンがバイオレンスに痛々しく描かれているのは、逆説的に暴力を否定しているように思えます。・・・それにしてもエドワード・ノートン!恐ろしく巧いです。前に観た彼の出演作が「世界中がアイ・ラブ・ユー」の優男だったので尚更ビックリしてしまいましたよ。それからファーロングも何かこんな役ばっかりな気がしますが、似合っているので良いでしょう。[ビデオ(字幕)] 9点(2007-05-01 18:07:43)

218.  2001年宇宙の旅 おっ~、これが金字塔と言われているものか~。ほっ~なるほど、ふむふむ…もし私が眼鏡を掛けていて鑑賞後おもむろに外し、ツルの先を口の端にくわえ一考した後、「凄いねぇ」と一言発したら少しはインテリに見えるんでしょうね。・・・しかし正直言ってよく分りませんでした;。いやいや分らぬどころか眠気を催すばかりの始末。こりゃイカンと頭ハッキリのお目目パッチリで持ち得る限りの感性と知性を総動員し、改めて挑みもしたけれど箸にも棒にも掛からないとはこの事でものの役にも立たず撃沈…。この映画の良さを雄弁にまくしたてたりすると映画通だったりお洒落さんっぽかたりしてカッコイイんですけどねぇ。残念ながらモノリスのハイレベル過ぎる芸術性には周回遅れでついて行けませんし、内容もつまるところ凄く簡単なことを言っているのかなとも思うけれど、やはり疑問点もあり合点が行かないのです。するとこんな私にも密かに眠る自負心のような余計なプライドがムクムクと呼び起こされまして、良さを解らぬ悔しい気持ちもフツフツと湧いてくるのです。でも熱くなってみたところで悲しいかな、結局のところ〝猫に小判〟〝豚に真珠〟〝私に2001年宇宙の旅〟なのでした。ということで私はマタタビの方ががいいなぁ。[ビデオ(字幕)] 3点(2007-04-26 18:15:24)(良:1票)

219.  サンシャイン 2057 《ネタバレ》 筋はあるものの観念的なストーリーはあってないようなもので感覚で味わうという印象が強いです。ですからセンスの一致如何で見る人を選ぶと思います。個人的にはアジア人がクルーの中心であったりする未来的さや、それとは反対に宇宙服などが非常にレトロなデザインなのにクスっとなりつつ、雰囲気の盛り上げに一役も二役も買っているサウンドにクルーらと共に宇宙空間に居るような気分にさせられましたし、冷めた演出、イカロスの神話をなぞった結末は好きです。・・・ただしかし、本作では太陽光に限らず〝光〟がかなり重要な要素を担っていると思うのですが、どうもそれがしっくりこないのです。光というのは、例えば船長やサールが望んだように気分を高揚させたり恍惚とさせるものとして捉えているのに、多用される暗闇に懐中電灯の光一つとってもあまり刺激的に感じられず心動かされません。そのせいか物語は極めて深刻な状況であるのにちょくちょく退屈なシーンがありました。さらにサブリミナルは効果的としても忙しなく切り替わる画面は観難いです。もちろんダニー・ボイルのことですから確信犯で心理的揺さぶりをかけてきているのでしょうが、それが過ぎているので疲れてしまいます。・・・・・ところで、この退屈さどこかで味わったことあるなぁと考えてみたら私の苦手な「2001年宇宙の旅」でした。そう言えば手緩いHALが登場しますし、ラストシーンに映る黒いあれってモノリスでしょ?[映画館(字幕)] 5点(2007-04-23 18:15:38)(良:2票)

220.  アンビリーバブル ともすれば未来という設定も忘れてしまいそうな近い将来が舞台ですが、これはシュールレアリスムをやりたい監督が冒険し過ぎる危険性を回避して、観客に歩み寄り少しでも物語性を備わせようとしている印象を受けます。なんせ既成概念無視の不可解な現象の連発。説明無し、物語の関連性無しにウガンダ人が空を飛びますし、異常気象を装い夏に雪が降りますし、水が凍結します。この不合理さは未来科学的と言うよりも完全に超現実的であり、同時にその画は詩情的なのです。ですから物語としては不親切と言いますかイイカゲンなのですが、私は何だかとっても惹きつけられるのです。まず最初の異変としてエスカレーターに死体が当たり前のように転がっていてホアキンと共にミステリアスな世界へと誘われる。そして錯覚のようにクレアのそっくりさんが登場するシーンにドッキっとさせられる。この奇妙な謎の数々の答えは提示されませんが、これは〝無人島に行くなら何を持って行く?〟みたいな極論に過ぎず意味など無く、愛についての追求なのだと思います。ショーン・ペンをストーリーテーラーとして使ったのは少々ズルい気がしますが、解り易さも提供してくれるしオトボケ学者キャラは味があります。ホアキンとクレアも役にはまっていますし、特にホアキンの無口で少し困惑気味の表情のアップが良いです。ただこの〝アンビリーバブル〟って邦題はどうなんでしょう?風船の如く空飛ぶウガンダ人だけに捧げられたようで、この題をつけたことがアンビリーバブルです。[DVD(字幕)] 8点(2007-03-30 18:20:48)(良:1票)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS