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自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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301.  オーメン(1976) 《ネタバレ》 「信じられる事柄以外は除外する」という方針の勝利と思う。ダミアンは超常現象も起こさなければ、乳母も魔術を使うこともなくただ「ドアを開ける」とか「肉弾戦で闘う」というひたすら人間的な活躍に終始する。悪魔崇拝していたと思われる神父たちの儀式場面など全く見せないところも洗練されている。それらは観客の想像力に任されている。 世の中には時々信じられない悲惨な事件が起きるが、通常人々はことが済んだあとで新聞の活字や、TVのニュースキャスターの口からその事を知るだけだ。たとえば「オーメン」のストーリーが実際の事件だったとしたら、「駐英アメリカ大使は妻子を伴ってイギリスにやってきた。妻のキャサリンは慣れない土地で育児ノイローゼになり、自宅で偶然の事故にあったことにより、錯乱して病院の窓から飛び降り自殺。妻の死にショックを受けた大使は精神に異常を来たし、妄想を抱いて子供を殺そうとしたが駆けつけた警察に射殺された」という3行記事に成り得る。これに対する普通の感想は、「まあー、なんて悲惨な事件でしょう。エリートなのにそんな妄想を抱くなんていったいどうしたことでしょう。」というものだ。その3行記事をある方向に膨らませて肉付けし、「もしかするとその3行記事の内幕はこういうことだったかもしれませんよー」というのがこの映画で、観客は「暴露話」を見ているような錯覚に陥るのであった。巧みである。 また、「死」の場面の挿入の仕方もうまい。「これ撮るの大変だったんだよ、うまく撮れたよなー。せめてここも入れちゃえ」という気持ちをあくまで抑えたみごとな編集。低予算とは思えない丁寧な作風である。[DVD(字幕)] 8点(2006-09-09 11:59:56)《改行有》

302.  セント・オブ・ウーマン/夢の香り 《ネタバレ》 なんとも長い作品で、この内容で「ミュンヘン」と同じくらいの長さというのはやっぱりちょっと無理がある。 と長さに不満は残るが、後味はなんともいえずさわやか。 「盲目の退役軍人が後見人席で勝手なことをいったくらいでそう都合よくいくものか馬鹿馬鹿しい」というご都合主義を中和するために、NYでの冒険譚とスレードの鬱および自殺願望を延々と見せたわけでしょう。ラストの演説の時点で最高潮にもってきたところ、常に高低のバランスを意識したつくりと思います。 45径の銃を片手に「養子になるか一緒に死ぬかどっちだ」と言いますね。これは相手が女性だったとしたら、求婚しているのと同じですね。こんなふうにしか、「お前が気に入った。離れがたい。」ということを表現できないなんて、スレードというおっさんはせつないな。それと、このおっさんは男性相手には卑猥な女性蔑視の表現ばかりするんだけど、女性相手になると全然違うのね。どうです、見ず知らずのおっさんに「君の香水は○○だね。」とか言われたら。気持ち悪くてすぐに逃げるでしょう。セクハラな会話ばかりしていても決して女性に嫌われない。ここに至るまでにはひっぱたかれること何百回の修行を積んだことでしょう。真の女好きとはこういうものか、と妙に納得したのでした。 それにしてもパチーノ、生まれる前から役者さんであったかのようなその存在感には今更ながらお手上げです。このところ出演作をよく見ていますが、「これはもう役者さんになるしかないような人」といえましょう。マイケル・ジャクソンを例えにすると、「人前で歌って踊ってお金をもらうことに何の疑問も抱かせない(何であんたなんかがとつっこまれる余地がない)」のが歌い手の条件だという説がありますが、俳優部門でいったら迷うことなくパチーノを推します。誰がつっこめるでしょうか、身長が足りないとか、顔がデカく見えるとか、パチーノが演技しているときに。そういうことがどうでもよくなってしまう不思議な俳優さんです。 私見では、トム・クルーズにはまだ迷いがあります。「身長が足りないのに堂々主役を張っている」という後ろめたい気持ちが、5%くらいは彼の中に残っている。だから見ている私たちも「トムがんばってるー」と応援する合間に「やっぱ身長が足りないから女優さんと並んで映さないのね」とかどこかで思ってしまう。やっぱパチーノはそういう意味で偉大だ。[DVD(字幕)] 8点(2006-09-03 12:48:23)《改行有》

303.  エニグマ 《ネタバレ》 これはなかなか質の高い力作だ。ミック・ジャガー入魂のプロデュース作品だけのことはある。「いっとき話題になって消えていくより残る作品を」という彼の言のとおりだ。 悪い女にだまされて滅入っているうぶな数学者、という超プライベートなつかみから入って、話が全世界的に放射線状に広がっていく感じはストーリーづくりとしては面白い。 また、戦時中の隠された解読基地というドンパチやっていない場所で、どのように「戦争」を描くのか、ということにも細かな配慮がされている。例えばケロイドだらけの元海軍の片目の情報員、受信基地の女性兵士の発言(自分達の役割は意味の分からない暗号を受信して伝えるだけで戦っていることになるのか)、カチンの森でのドイツ軍による発掘作業、など。戦争映画の棚にあるのに、誰一人血を流して死ぬ場面を写さず、戦争の裏側を描く。ひとつの試みだ。 ヘスターという新しい女性像を登場させて、「女の頭脳が男より劣っているなんてことはない」なんてこの時代に言わせてしまう。彼女は現代でも堂々通用する女性であり、「守られるだけじゃイヤ。あたしだって何かやれるわよ!」というパンチの効いたたくましい女なのだ。このヘスターのキャラが効いていて、基地内での男ばっかの政治的な人間関係でげんなりした女性客をシラッとさせずつかんでいく。しかもブリジョン並みの豊満ボディに変身したケイト・ウィンスレットはなかなか可愛く(甲乙つけがたい)、なおかつ女性の嫉妬心も煽らない、グッドなキャラである。ケイトはいつもこれくらい太っていてもよいのでは。 そしてジェレミー・ノーザムの嫌らしさといったら見逃せない。まんま50年前の映画から抜け出たようなそのクラシックな容姿、イギリス紳士は常に身だしなみをかっこよく、そしてやることはえげつなく。いいですねー、ノーザム。俳優さんとしては、古典的な容貌が邪魔して使いにくそうだが。私はディカプリオだのブラピだのと受けを狙った顔立ちよりこういう正統派のハンサムを見ると、なにか「感動」に近いものを感じるなあ。生き残っていた絶滅保護動物を見るような。 あ、ダグレイ・スコットのアスリート並みの全力疾走は一見の価値あり。早回しか?というほどのド迫力だ。数学者にしてあの徒競走走り、デキる。 [DVD(字幕)] 9点(2006-08-27 21:48:03)(良:1票) 《改行有》

304.  オーメン/最後の闘争 《ネタバレ》 キツネ狩り!金かかっとる! イギリスの緑豊かな丘陵を馬と犬(大量)が同時に疾走するシーンはぜひ一度ご覧いただきたいものです。壮観。危険な撮影で大変だったことでしょう。 アイロン主婦!怖いです。でも憎い相手に一回ぶちかましてやりたい気もする。 それで?24日に生まれた子は全部殺されて、ナザレのイエスの再来も居なくなったのか?なんかオチがないな。でも子供や聖職者や看護婦まで総動員するところが微妙にリアルでよかったかも。集会でダミアンが演説するシーンは冗長に感じた。[DVD(字幕)] 7点(2006-08-26 23:29:40)《改行有》

305.  ミュンヘン 《ネタバレ》 それでこの主役の俳優さんはいったい誰、とエンドロールに目をこらしたら、なんとエリック・バーナではないか。あの「ブラックホークダウン」のニヒルなデルタ兵士の。あまりの変わりように、2時間30分もの間気づかなかったという、なんということだ。 フランスの役者さんのことでは、オゾンの近作「5×2」の妖艶美人テデスキさんと、その父役だったロンズデールさん(ジャッカルの日のヨレヨレ警部)がセットで出ていて驚いた。(先日見たばっかり) それにしてもルイにはすっかりやられてしまった気分です。なんという妖しくやばい空気。出番が少ないのにルイの存在感がすごすぎる。「やばい男優」部門第1位を進呈したい。 この重苦しすぎる「ミュンヘン」、興行的成功はまず無いであろう。 私はスピルバーグが最も失敗したと思うのは、ミュンヘンの人質事件の様子ををフラッシュバックで事細かに入れてしまったこと。これは無くてよかった。そうすれば2時間でおさまったでしょうし。 これはだめ。そんなものをビジュアル化して見せるというのは、映画としては格落ちしより茶番に近づくだけだし、モサドのやったことの正当性を補足している感が否めない。モサドやアブナーや仲間の復讐心というものは、その原因となった事件をビジュアルで見せるのではなく、観客の想像力で見てもらうような演出をするべき。そこがダサい。 「憎悪の連鎖」というものに対して、スピルバーグは何かを示したかったらしい。最も得意な武器を使って。それで思い余って「こんなことを続けていてはダメだ」とセリフで言わしちゃった。それもダメだ。セリフで言わすなら言いたいことを本に書くとか広告を打っても同じじゃん。せっかく「映画」という得意技を使ったのになんだかちっとも映画になっていない。真っ向勝負すぎる。 スピルバーグという巨匠(?)にして力みすぎてなんだかなあ。 (「憎悪の連鎖」については、人類ははるか昔に特効薬を見つけていたのに。それは「婚姻」による「混血」です。血を流さない解決法はこれしかないのです。なのに現代ではこの方法がほとんど使われていない。「婚姻の自由」よりも、「憎悪の解決」のほうが重要な場合もあると思うけど(特に要人の場合)。異教徒だから結婚は難しいのがあたりまえだけど、もうこの方法以外には、無い。ためしにイスラエルの首相とPLOの代表の子女が結婚してみたらいい。) [DVD(字幕)] 6点(2006-08-20 12:21:31)《改行有》

306.  チョコレート(2001) 《ネタバレ》 問題のラストシーン。 レティシアの視線は庭の墓石を漂う。 新しく土が盛られたソニーの墓石を見つめる彼女。 そして彼女の視線はアイスを食べるハンクへ移り、納得したかのように軽くうなずいたように見えた。 つまり、ハンクの口から詳しく語られなかったソニーの死が、尋常な死に方でなかったことを確信したのだ。夫の死と無関係ではないことを、知ったのだと思う。 これにより、「夫に直接手を下した人間」でありながら「彼もまた代償を支払っていた」ことを引き換えに、ハンクを責める気持ちが中和されたのだと想像する。 なのでどこにも行くあてがない彼女が、これからもハンクに頼ることの正当性を自分自身に与えた瞬間だったと思う。 それにしてもセックスの仕方で登場人物の変化をあらわすのはキツいなあ。 前戯なしでいきなり背後(しかもお金で)→正常位と女性上位→最終的にはオーラルセックスもOKという流れでハンクという人間の変化を描いたのはひとつの思いつきとはいえるが、身も蓋も無いともいえる。同じことを描くのにほかに方法はなかったのか?やっぱり話題性を狙ったのか?と疑いたくなってしまう。 この話自体は、「レイシストの白人中年男性と、貧しく虐げられた黒人女性が結ばれるさまを誰もが納得するように描いてみたい」というところから始まって、死刑囚だの息子の死だのは、あとから付け加えていったのだと思う。こういう作り方をすると「ありえない」とか「ご都合主義」になってしまうのは仕方ないなあ。ソーントンに努力賞。 [DVD(字幕)] 7点(2006-08-20 12:16:17)(良:3票) 《改行有》

307.  25時(2002) 《ネタバレ》 悪くない。 スパイク・リーを見たのは久しぶりだったけど、期待をはずさない出来だと思う。 明日は楽しい収監日。さあ何をして過ごそうか?というシンプルな話なんだけど、「逃げる」か「自殺する」か「出頭する」かの3つの選択枝の中から、モンティがどれを選ぶか。1番と2番は無いよね、というのは映画の雰囲気からして見るほうはなんとなく分かっているわけだ。じゃあ当然「出頭する」しかないんだけどそうやってそこまでもっていくのか?というツカミで引っ張るわけだ。そして、「チクったのはいったい誰?」。「収監される」というだけで、死刑囚にでもなったかのように、おおげさに苦しむモンティと周囲の人たちに、「??たったの7年でしょ?」と思うわけだが。彼らの認識では刑務所の中は「アメリカンヒストリーX」のような状態になっているらしいのだった。(なぜかこちらもノートンだ) 鏡のシーン、ラスト近くの妄想シーンは他の作品と一線を画すのに効を奏している。 最終的にモンティは己の浅はかさを悔い、友人たちは、モンティに苦言を呈しなかったことを悔いる。 そしてモンティは年貢の納め時を受け入れる。のだが例の妄想シーンの間中、「??これは夢?現実?」と観客を迷わせて技を見せる。「存在しなかった未来」を見せることによって、モンティが諦めたものの重さを示して秀逸だ。 鏡のシーンも異色だった。ニューヨークはアメリカじゃない、と言っていたのは誰だったか忘れたけど、そう、ニューヨークのように人種と文化が混在している都市は人類の歴史から見たら奇形なんだと思う。 たぶん人間の神経には、己と異なる文化を容認する許容量があるのだ。コップの水のように。花粉症の発生点のように。 スパイク・リーもそのことを言いたかったのだが、同時にそれがモンティを免罪するわけではなく、「(自分と異なっているから)おまえらみんな大嫌いだ」と言ったら当然相手も同じ事を思っている、という事実をつきつける。 見る価値はある。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-19 23:20:35)(良:1票) 《改行有》

308.  スカーフェイス 《ネタバレ》 これを見たのは「カリートの道」をより深く理解するためだったといえるかも。 そして私の結論は、「スカーフェイス」は「ゴッドファーザー」を意識していながら超えられず、「カリートの道」はデパルマのリベンジであった。 同じパチーノを使ってわざわざ同じようなテーマの「カリートの道」を撮ったそのワケが、大いに納得がいった。リベンジです。ということは、デパルマはやっぱり「スカーフェイス」に満足が行かなかったと思う。 「ゴッドファーザー後」のヤクザ映画ということが災いし、しかも同じパチーノ主演、「シリアス」となると、「やっぱりゴッドファーザーのほうが面白かったね」という視聴後感を持って映画館を後にした観客が多かったでしょうね。 デパルマは打ちひしがれ頭を抱えたと思う。チェーンソーなんかではダメなんだと。 そして、どシリアスな「ゴッドファーザー」を超えるために「カリートの道」でデパルマが取った方法は「アレ」でした。好みの問題もあるけど「カリートの道」には11点以上をつけたい気持ちです。[DVD(字幕)] 8点(2006-08-13 22:20:47)《改行有》

309.  フライトプラン 《ネタバレ》 だめだ。 思いつきに後から足していった感じがアリアリだ。 保安官が子供をさらうときになぜ誰も気がつかないのか? ジョディを犯人に仕立てるために夫を殺すなんて不自然だ? 夫が死んで子供がさらわれてももしジョディがイカれた行動をとらなかったらなんの意味もないじゃないか? そもそもジョディがあの機のチケットを取ってから「よしよし。俺もこれに乗り込むぞ。」って都合がよすぎないか?しかもあのスッちゃんまで一緒に? ああこんな脚本ダメダメだ。 天下のジョディ・フォスターを、こんな脚本で無駄遣いして。安売りしないでほしい。 最近バカ売れのサースガードも、こんだけ出まくっているとニコール・キッドマンのように見飽きてくる。 「フォガットン」とかぶっているじゃないかあ。テーマの「母性愛」はそのまんまだし。 [DVD(字幕)] 4点(2006-08-13 00:29:52)《改行有》

310.  アウト・オブ・サイト …ゆるい。 メイキング映像から察するに、出演者から脚本家、原作者にいたるまで皆が勝手なアイディアを出したあげくにそれぞれの要望をモザイクのように実現した結果に見える。こういう場合はゆるーいものができますね。 ソダーバーグか?ほんとに? これがソダーバーグだというなら例のデビュー作「セックスと嘘とビデオテープ」や「イギリスから来た男」はなんだったのか。ソダーバーグの作品は当たり外れが激しいというか、「ソダーバーグ印」という安定感が皆無。 「ソラリス」でもコケたようにソダーバーグがクルーニーを出すとロクな事にならないようだが。 だいたい私はクルーニーの出ている映画で良かったものがひとつもないような気がするけど。「オーシャンズ11」もつまらなかったなあ。「シリアナ」はよかったけどクルーニーなんて居ても居なくてもどうでもよかったし。それに一時期全アメリカ女性をとりこにして一人勝ちしていたというクルーニーだが、そのフェロモンも私にはなぜか全然無効なので不感症かと悩んでしまう。 とにかくコント以下。茶番。 [DVD(字幕)] 3点(2006-08-13 00:11:39)(良:1票) 《改行有》

311.  普通の人々 《ネタバレ》 思えば「グッドウィルハンティング」はかなりここからパクっていたんですね。 兄貴が生きている間は家族間の力関係が安定していたために誰も疑問を持たなかった「コンラッドに対する無関心」が、バックが居なくなったことにより表面化してしまった。それでこれからどうしよう?という話ですね。 その「無視」の出所は母親のベスであるわけで。まあどう考えても彼女のコンラッドに対する態度は異常ですよね。なんで今まで気がつかなかったんだ?というくらいに。 カウンセリングを受けなければいけないのは誰よりもベスなんだけど。 みんなが腹を立てているベス、その思考回路について私が想像してみましょう。 彼女のキーワードは「完璧」「安定」「計画どおり」です。こういう人が最も恐れるのは予定を乱されること、突然のアクシデントです。彼らは自分が他人より弱く傷つきやすいと感じており、予期せぬ事態に耐えられないと思っているからです。 そのため予定を立て、家族を管理し、自分の許容範囲を超えたハプニングが起こらないように努めるのです。「不寛容」は、もちろん自分が「寛容」を与えられなかったから出てくるので、「私がこんなにがんばっていることに比べればあんたのがんばりなんて何よ」という気持ちで四六時中過ごしているのがベスのような人です。自分が一番大変な思いをしているという気持ちですね。こういう人は自分のことでせいいっぱい。自分が崖から転がり落ちないようにするだけで力を使い果たしている。「母親のリミットを知れ」と言ったバーガー医師はまことに正しい。 私はどちらかというとベス的な人間なので、分かるところがあるのです。 彼女はたぶん、「いい子にしていればすべてが与えられる」という育ち方をしたのでしょう。だから、大人になった今も主婦として妻として、落ち度の無いようにがんばっているのです。そうしないと「最も恐れていた事態」が起こるかもしれないから。それは「夫に捨てられて生活に困ったらどうしよう」ですね。ところが皮肉なことに、それは彼女が想定していた落ち度以外のところから訪れたのです。 誰もが理解に苦しむベスとは、(たぶん)こんな人です。「魔女」ではありません。 この話の女の子版が萩尾望都の「イグアナの娘」ですね。(マンガだけど)[DVD(字幕)] 8点(2006-08-06 19:36:08)(良:3票) 《改行有》

312.  シリアナ 《ネタバレ》 「トラフィック2」と言ってもいい構成。今後もこのスタイルで「3」なり「4」を続けて行くんだろうか。 とにかくこの映画の中では、黒人弁護士にしろ、CIAにしろ、クルーニーの諜報員バーンズにしろ、イラン自由化委員会にしろ、マットの経済コンサルタントにしろ、カザフの第一王子にしろ、特攻となったアラブの青年にしろ、「自分の正義」に向かってひたすら突き進んでいるのであーる。中には「不正こそが自分にとっての正義だ」みたいなことを言う奴すら出てくる。とにかく「正義」を描いた話なんだ。(How to be a ムジャヒディンの情景を説得力をもって描いた西側の映画としても評価できる。) そして「What is 正義?」と問い続ける。「人の数だけ正義(の種類)があったら、〝正義〟は無いのと同じ」っていう矛盾した世界のありようを見せつけるのである。 それと「中東」には「魔物」がいる。それにとりつかれた男達はなかなか帰ってこれない(らしい)。 バーンズがホワイティングとのサシの会見で「あんたも84年にベイルートに居たのか」って言いますね。 これ、私の耳には「あんたも〝あの〟女と寝たのか」と同じように聞こえたのだ。つまり、中東は、西側の男にとって「どうしても忘れられない性悪女」のようなものなんだろう。「あんたもあの女にイカれたわけかい。そりゃ、しょうがねえな。」と嫉妬まじりで同病相哀れむような口調になるわけよ。 デスクワークになってビル内に閉じ込められたバーンズの姿は、まるで陸に上がった魚のように哀れだ。「ここは俺の居場所じゃない。」って顔に書いてある。彼は「性悪女」にとりつかれて、元に戻れなくなってしまったのね。マットのブライアンですら純情な少年のように、急に瞳に星が入っちゃってさ、マジに第一王子に「夢」を見出してしまう。あれを「とりつかれた」と言わずして何という。 その中東の魅力がなんなのか、52度もある外気温なのか、迷信深い異形の人々なのか、「資源」なのか、貧困と猥雑なのか、たぶん全部なのだろうが。 それにしてもなぜか地球上で最も資源が集中しているという中東、「別れたいのに別れられない」「見下しているのに捨てられない」「忘れたいのに忘れられない」その姿は「憎みきれない性悪女」そのものだ。そしてこのタイトル、「SYRIANA」。 [DVD(字幕)] 9点(2006-08-05 23:51:44)《改行有》

313.  愛についてのキンゼイ・レポート 《ネタバレ》 …。…。これは失敗だ。 と思う理由それは、まずリーアム・ニーソンとローラ・リネイという俳優としては地味な二人組を中心に据えたこと。ほんとうに画面に華が無いのよね。サースガードが入ると少しは毒気がしてマシにはなるが、彼一人ではとてもじゃないがもたない。「エミリー・ローズ」でも思ったけど、ローラ・リネイは悪くないけど主役を張る女優さんではないと思う。彼女の一挙一頭足に目が釘付けになりますか? それにリーアム・ニーソンのつまらなさ。この人も主役を張る人ではない。しかもキンゼイという稀代の変人を演じるにはあまりにも「フツー」っぽい。もっともっともっと変な人だったと思うのよ、本物は。見てくれだけのことでなく。 そんな「フツー」っぽい二人組に無理して「乱交」だの「絶頂ウォッチング」だのさせるから、見てるほうは「いくらなんでも」とついていけなさを感じざるを得ない。 それと、同性間の性交だのスワッピングだの家族の異常な団欒風景だのの描き方がすごく意地悪だったと思う。これは映画をつくってる人間が、キンゼイの行動のうち、こういった部分を理解も受容もできていないがかといって批判もできないというものすごく中途半端な状態であることをあらわしている。キンゼイ先生は墓の下でどう思っているだろうか。 あまり関係ないが、故中島らも先生は「アマリタ・パンセリナ」の中でこんなことを言っていた。 「必要なのは受容と同化」「観察でも研究でもなく受容と同化」なんと深みのあるお言葉。もちろんこれは各種嗜好品について語っているのであるが。私はキンゼイの異常な行動を見るに、この言葉を思い出してしまうのです。そこのところを単に、「あーあ、学者センセイは世間知らずで変な方向へ突っ走っちゃうからなあ」っていうふうに撮ってたのがこの作品だと思う。だから、キンゼイに対する理解が足りないまま、キンゼイの行動のみを羅列しただけみたいになっちゃって、彼に失礼じゃないかあ? …キンゼイという上ネタを料理したというのに映画としてはやっぱり失敗だ。 [DVD(字幕)] 4点(2006-08-05 23:40:32)《改行有》

314.  ヘルレイザー ワールド・オブ・ペイン 《ネタバレ》 おもしろかった。久々にイケてるB級ホラーを見た。 低予算ということに驚くほど、よくできている。編集もいい。しかも主役の女優さんがどの角度から見てもすごく美人。脇の女の子も良く見るとモデル並み。やっぱ主役の女優さんはキレイでスタイルがよくないとダメ。 あと、アイディアも随所に見られて、のっけから苦労して死体のそばのモノを取るとか、地下鉄の車両が無法地帯になってるとか、壁がどんどん狭くなってくるとか、血が止まらなくても死なないとか(幻覚だけど)、目玉であるピンヘッドさんを出すことだけに頼らない工夫が様々感じられた。こういうのすごく好きなんだよねー。 この女優さんは、アシュレイ・ジャッドに似ているが、私はこっちの方が買い。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-03 22:11:35)《改行有》

315.  リクルート 《ネタバレ》 パチーノが出ているというのにどうしてこう緊迫感が足りないのかと思った。(ゴッドファーザーの見すぎか) このお話では、パチーノが「悪者」であったことがはっきりした時点で観客は「衝撃」を受けなければいけないのだがそういう気持ちにはあまりならなかったのだった。そうすると、他に見るべきところも特にないのだった。なので見たことも忘れていた。 それと、死ぬ気で挑む訓練風景に、色恋を出すのはやっぱりウザいので訓練に集中して見せて欲しかった。あちらの男女っていつもいつも色目を使って異性を釣り上げるのに余念が無いけど疲れないのか?訓練中でもそちらに精を出すことは忘れないほど異性への欲求が強いとは恐れ入る。 サル顔のコリンはやっぱりダメだ。[DVD(字幕)] 5点(2006-07-30 23:14:02)(笑:1票) 《改行有》

316.  スリーサム 《ネタバレ》 これはですね。25歳までに見れば違った感想を持ったかもしれません。 「オールドボーイ」などの強烈なやつは、若いうちに見ないほうがいいけれど、こういう「坊ちゃん嬢ちゃん」の話は、今の私にとって訴えるものがないし。しかも似たような青春の思い出があるわけでも無いし。単に男2人女1人の3人組で究極の(?)3Pへ持っていくまでの話でしょ。そんでどいつもこいつも他人と見ればセックスしたくてムラムラしている発情期。…「腹は減っているがそのこってりしたステーキは出さないでもらいたい」というところでした。何が一番ダメかって、自分が男だったとしてもララ・フリン・ボイルにはこれっぽっちもそそられないであろうこと。(化粧がケバい。薄い唇に真っ赤な口紅。首が短い。下品。肌が汚い。)これは見る人を選ぶ映画だなあ。ボールドウィンの髪型が可愛かった。[DVD(字幕)] 5点(2006-07-30 22:44:50)《改行有》

317.  ヘルレイザー リターン・オブ・ナイトメア 《ネタバレ》 「ジェイコブズラダー」のリック・ボータ版といえよう。 しかし、そんなに悪くはない。べつにピンヘッドさんを出さなくても成立する話なんだけど、編集で無駄なところが思い切りよくカットされてるので作品としてはダメじゃない。でもシーツをめくる0.5秒前に分かってしまう。[DVD(字幕)] 7点(2006-07-30 14:02:45)《改行有》

318.  イン・ハー・シューズ 《ネタバレ》 トニ・コレットはお姉さん女優だ。「アバウト・ア・ボーイ」のヒッピーお母さんでしたよね。 キャメロン・ディアスはまぎれもない妹女優だ。「彼女を見ればわかること」の盲目で発展家の妹役、はまってましたね。彼女には1%も「お姉さん性」を感じない。 この作品は前半のヤな感じが、後半でみごとにうっちゃりにもってかれた、そんな大技を感じる映画でした。 ひたすらローズの気持ちになってマギーに憎しみをつのらせる前半。「そうだこんな下品な女死んでも直るもんか」「早く追い出せ。私なら2時間と持たぬ」とこぶしを握りしめるのであった。 フロリダに行ってもお行儀が悪く自分中心のマギーに、「どうしたバーサン、こいつの根性をビシビシ叩きなおしてやれ!」とイライラするが、話は意外な方向へ。マギーがなぜにアバズレとなったか、その理由がはっきりする。LDだっただけでなく、それに対するきちんとした指導も受けられず成長し、大人になった今もそれを隠し続けている彼女。他人の愛情の真贋について、異常なほど猜疑心が強い彼女。「あら、それなりに可哀想な子だったのかも」なんて気持ちになったりして。 一方のローズにも、これまでしがみついていたものをあっさり捨てたことにより、新たな運が訪れる。 そうなの。それって真実で、女の場合は今持っているものを思い切り良く捨てないと、次のものが来ないみたいなのよ。そこが「男の運」と「女の運」の違いなのよね。と「運命研究家」の私はつねづね思っているのです。「ユー・ガット・メール」におけるメグ・ライアンもそうでしたよね(映画だけど。) 姉妹それは決して「仲良し」だけでは成立しない関係。「憎たら可愛い」のが妹。そういう私は姉。 ともかくすっきりハッピーエンド。殺人も犯罪も超常現象も起こらないがたまにはこういうのもいいじゃない。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-29 16:30:09)(良:2票) 《改行有》

319.  悪魔の棲む家(2005) 《ネタバレ》 お約束どおり。あと女優さんがスタイルいいのにブス。(男優さんもマッチョだった) シャイニング後の映画界においては、「一家の主がとりつかれる」てのは、まんまやってくれてもほとんど喜びはない。例えば「エコーズ」では夫婦の機微を細かく描くとか、ケビン君の「掘り芸」を見せるとか工夫をしていた。(それでもパッとしなかったな)マイケル・ベイが得意気にからんでいるからいけないのだろうか。[DVD(字幕)] 4点(2006-07-23 23:48:34)《改行有》

320.  イヤー・オブ・ザ・ドラゴン ずっと前に見たので名場面だというラストの対決も「なんか橋の上?」程度でしかない。が、チャイニーズの女の子が襲われるシーンだけはしっかり記憶に残っている。 なんと彼女の部屋には真ん中には円形のフロがある。そしてこの子は男の子みたいな短髪なのよ。んで貧弱なアジア体型でしょう。その子がものすごく暴力的にレイプされるわけよ。なんか…監督の趣味なんだろうか。いただけない、と当時から思っているので、私の中の映倫ブザーが鳴り響いた一品としてリポートしときます。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-07-23 23:00:34)(良:1票) 《改行有》

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