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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
381. ザ・コア いや、確かにこれが50年代SFや60年代の東宝特撮映画なら、出来の悪い子供に頬を緩める親の気持ちで鑑賞することも可能でしょう。娯楽SF映画に「こんなコト有り得ない」と、いちゃもんを付けるのがおとな気ないことも重々承知しています。それにしたって、こりゃいくら何でもありえねー。砂漠の真ん中で、大学にも研究機関にも属してないおじさんが、信じ難い発明をしてるのがありえねー。こんな簡単に地球の核に到達するのがありえねー。7,000℃以上と言われる地核で平気な乗り物がありえねー。マグマに乗って簡単に地表に帰還するのがありえねー。そもそもが、地中に潜ったら「景色」なんて無い訳だから、殺風景でつまらない映画にしかならないってことに気づかなかったことがありえねー。という訳で、3点献上。3点(2005-02-15 02:23:52)(笑:1票) (良:1票) 382. ヒューマンネイチュア 三人の告白で語られるストーリーなのに、そこに三者三様の物語的捻りが感じられないのが残念でしたけど、この映画は見た目以上にブラックな作品だと思った。最初は「ネイチュアヒューマン」(←注意)の物語から、社会のあらゆる階層や常識へ毒を振りまき、ラストで一気に「ヒューマンネイチュア」の物語へと転換して、人間そのものに毒を振りかける。人間にとっては理性も生存本能の内の一つ。損得勘定が他の種より優れていたからこそ、我々は地球を支配出来たのです。そして地球環境云々と上辺だけで叫んでみても、我々はもう後戻りは出来ません。例え恐竜の様に自滅の道を歩んでいることを自覚していたとしても、決して戻ることの出来ないこの不可逆性こそが「ヒューマンネイチュア」なのかもしれません、6点献上。6点(2005-02-15 02:22:53)(良:1票) 383. 28DAYS サンドラ・ブロック主演の単なるラヴ・コメディだとばかり思ってたのに、まさかアル中の更生物語だったとは…。しかし映画の作りは「酒とバラの日々」等とは違って、私の期待したサンドラ主演の他のラヴコメとほとんど一緒だぞ。「酒好き」と「アルコール中毒」は明確に違う筈なのに、フワフワサクサクお気楽に話が進んでいくので、中毒の悲壮感も主人公の再生も全く伝わってこない。コンセプトとしては、アメリカではポピュラーな「精神病院モノ」の一亜流だったのかもしれませんが、シリアスにもコメディにもなりきれない中途半端な作品で終わってしまったという印象です、5点献上。5点(2005-02-15 02:22:30) 384. デッドマン・ウォーキング 製作者側の意識が死刑制度廃止にあることは明白ですけど、被害者遺族の描写や、加害者の魂の贖罪に死刑が一方ならぬ影響を与えてる様にも見えるので、そういうことを超えた完成度になっているとは思う。しかし多くの方が指摘されてる様に、それ以上に本作はキリスト教的考え方に基づいている(尼僧が主人公だから当然と言えば当然ですけど)。やはり肝心なのは量刑の軽重よりも、やった本人がどれだけ後悔し反省するか。それが無ければ被害者も浮かばれません。ま、私も、最も加害者に悔恨の情を与えられる量刑が「死の恐怖」だとは思ってますけど…、6点献上。6点(2005-02-15 02:20:48) 385. マシニスト 個人的に、もうこの手のサイコ・スリラーには食傷気味。大体、鑑賞中はオチを見破ろうと身構えてしまって、純粋に映画を楽しめなくなってしまったし(ま、これは自身が悪いんですけど…)、余程のオチを持ってこられても感動しなくなってしまった。で、本作は、雰囲気的には「メメント」に近い記憶を巡る物語。そしてこの映画の謎は、「地獄の黙示録」のマーロン・ブランドみたいな男が何者かではなく、激ヤセのクリスチャン・ベールを誰が陥れようとしているのかでもなく、「なぜ彼は眠れなくなってしまったのか」の一点のみ。ここをポイントに鑑賞すると面白いかもしれません、6点献上。6点(2005-02-03 00:07:41) 386. オペラ座の怪人(2004) 舞台版「オペラ座の怪人」は、音楽や歌以上に「装置」の戯曲です。オペラ座の舞台に見立てたステージが、物語の進行に従ってどんどんと姿を変えていきます。目の前で「現実に」繰り広げられるそのスペクタクルには、内容以上の感銘を受けたもんです。そんな戯曲ですから、表現媒体としては映画の方が合っていると私も思います。しかし、出来上がった映画は丸っきり舞台をなぞっただけで、映画ならでは空間的広がりが全く感じられない仕上がり。しかも、舞台装置のダイナミズムは当然消失しています。クライマックスも、実際に観客の頭上を巨大なシャンデリアが滑り落ちていくスリルに比べれば、どーってことありません。元が元ですからつまらない映画ではありませんし、数々の名曲も楽しめますが、何か平凡な作品になってしまって少し残念に思いました。戸田奈津子の字幕が「ロード・オブ・ザ・リング」並に出来が良くなかったのもマイナスです、6点献上。6点(2005-02-03 00:07:19)(良:2票) 387. ネバーランド テーマ的には「ビッグ・フィッシュ」と同じだと思いますけど、こちらは全く感動できなかった。「ビッグ~」のエドワードの嘘(つーか、彼のは「誇張」ですよね)は、彼に関わる人々をみんな幸せにする。しかし本作のバリの嘘(彼のは「夢想」ですか)は、彼自身の現実逃避にしか見えない。あの親子に肩入れして家に寄り付かないのも、明らかに現実逃避。そういうことも含めてバリは才能を授かっていたのだと思いますけど、凡人には共感できない資質です。また、一つの舞台が出来上がっていくカタルシスが欠けていたのも、ダスティン・ホフマンの役柄同様、拍子抜けでした、5点献上。5点(2005-02-03 00:06:57) 388. タイタス この一種のSF的設定は、舞台ではよく目にする演出手法なので(特にオフ・ブロードウェイ辺りで)、それ自体に新味は感じません。オリジナルの仰々しい台詞をそのまま使うというのも珍しくはない。タイトル・バックみたいな様式美が延々と続くのかと思ったら、そうもならない。そうなると、残虐シーン以外のどこを見ればいいのか解らない。古代でもない、現代でもない、舞台でもない、映画でもないという演出意図が、そのまま中途半端感として伝わってきたので(もしかして製作者側にも「これだ」というコンセプトが欠けてたんじゃないでしょうか)、もっとCG等を駆使して、全体を幻想的に装飾してしまっても良かったかもしれません。それにしてもアンソニー・ホプキンス、いつまで経ってもレクター演技が抜けませんなぁ…、5点献上。5点(2005-02-03 00:06:35) 389. クレイドル・ウィル・ロック 大恐慌時代のアメリカの政治状況を背景に、当時の様々な芸能人・芸術家達の実情を丁寧に描いていく、「ほとんど実話」の群像劇。一般の労働者と同じ様に、芸能人に対しても国が「職」を斡旋していたというのは面白いですね。そうなると表現活動も政府のヒモ付きになる訳ですから、軋轢が生じるのも無理からぬこと。また同時に、労働運動・組合活動からも制約を受けてしまうという二重苦。これは思想的背景を抜きにしても、金の工面と人権の行使の狭間に揺れ続けるプロデューサーの苦悩がそのまま描かれていた様に思います。「ゆりかごは揺れる」がどういう内容なのか解り難かったので、今一つピンと来ませんでしたが、俳優達が舞台に上がらずに徐々に形作られていく舞台劇は、やはり感動的でした、6点献上。6点(2005-02-03 00:06:09) 390. ラスベガスをやっつけろ テリー・ギリアムが砂漠の街らしいやけに明るい色調で撮り上げた、60年代に取り残されたまま70年代を生きるアホ二人を描く世紀末トリップ・ムービー。とにかく何も起こらない。アホ二人が右往左往して、酒飲んで、ドラッグやって、正気に戻って、また酒飲んで、ドラッグやってを繰り返すだけ。ギリアムらしいトリップ映像やジョニー・デップの波平ヘア、ベニチオ・デル・トロの太りっぷり等、見所は満載ですけど、精々ホテルの部屋を滅茶苦茶にする位の出来事を、2時間近く観続けるのはやっぱ苦痛。ドラッグが気持ち良さそうにも見えなかったし、今一趣旨も判りません、4点献上。4点(2005-02-03 00:04:52) 391. 夢のチョコレート工場 「夢のチョコレート工場」って言うより「悪夢の~」って感じではありますが、筋立ては至って解り易い、子供向けの教条主義的教育映画となってます。「わがまま」「偏食」「テレビ漬け」「言うことを聞かない」という、当時の子供の四大悪が悪のまま罰せられ、素直で正直(おまけに貧乏)は善とされ、そこにはタナボタ式の富まで付いてくる。リメイク進行中ですけど、このまま現在に供すことは不可能でしょう(多分、もっと大人の側への戒めが強調されると思う)。個人的に一番ツボだったのは、入り口に掲げられた契約書。あーゆー契約書を使用してる企業、多々ありますよね、5点献上。5点(2005-02-03 00:04:29) 392. THE JUON/呪怨 (ちと長文…) 位置づけとしては「呪怨3」って感じもしますが、中身は「ザ・リング」以上のまんまリメイク。しかし、撮影それ自体がだいぶ贅沢になった様なので、作品の質としては一段も二段も上がってます。時間軸を前後させる構成も、より巧くなってた様な気もするし(何回も同じ物を作れば上達もするか…)、個人的にはオリジナルより楽しめました(唯、伽椰子が殺される理由には多少難有り)。興収1億ドルも突破したし、多分こっちにも「2」があるんじゃないですかね。ところで、本作にはそんなことより画期的な意義があります。日本人が作ってる訳だから当たり前っちゃぁ当たり前なんですけど、それは過去のどんなアメリカ映画にも無かったリアルな日本の描写(若しくは日本で生活する外国人の描写と言ってもいい)。一昨年は「ロスト・イン・トランスレーション」等という勘違い映画が持てはやされましたけど、私に言わせれば本作の方が遥かに上質ですよ。ということで、この製作スタイルを決断したサム・ライミに6点献上。6点(2005-01-28 00:07:11)(良:1票) 393. ライフ・イズ・コメディ ! ピーター・セラーズの愛し方 ジェフリー・ラッシュの、ジェフリー・ラッシュによる、ジェフリー・ラッシュの為の「ピーター・セラーズ、その生と死」(本作の邦題は、多分本年度ワースト1に君臨するぞ)。きっと俳優なら一度はセラーズの様に、千変万化のキャラクターを演じてみたいと思う筈。ラッシュは本作でその夢を果たした。彼はセラーズ本人のみならず、セラーズの演じた映画の登場人物達、そして主要関係者(例えばセラーズの両親やスタンリー・キューブリック等)まで演じ分けてみせる。様々なキャラクターに成りきったことで自己喪失に苦しんだ俳優の内面的物語を、ドキュメンタリー・タッチで演出してるのが個人的に少し不満でしたけど、映画自体は凄く楽しめました。ところで、私にはタイトル・バックのアニメが横山やすしに見えたんですけど…、7点献上。7点(2005-01-28 00:06:43)(良:1票) 394. キング・アーサー(2004) これがアーサー王の真実だと言われても、これもまた一つの伝説に過ぎない。神話的な円卓の騎士の物語も夢があっていいと思うし、本作の自由の故郷を手にする人間の戦いも楽しめました。合戦の規模も、私にはこの映画位で充分(何万人規模だと、単なる「画」になってしまって熱くなれない)。唯「トロイ」に反して、こちらは男優に華が無いのが玉に瑕でしょうか(その所為かどうか、語り部であり右腕であるランスロットの扱いが小さ過ぎる気がした)。本作で一番興味深かったのはキリスト教の扱い。自由と平等を信条とする騎士達それぞれの(無神論も含めた)信仰に対し、本作ではキリスト教が残忍な邪教の様に描かれてる。これも歴史の一断面なんでしょうが、本国ではどのように受け止められたんですかね? 6点献上。6点(2005-01-28 00:06:02) 395. インプラント 「ダークネス」をテーマにしたもう一本のホラー映画(あちらの方では暗闇ブームなんでしょうか?)。サイコ・ホラー風に始まってモンスター・ホラーで終わるという、期待を裏切らないパターンを踏襲。例えば「リング」や「呪怨」であれば、家やビデオ・テープに関わった者が被害者であり、そこには被害者の物語しか発生し得ない。しかし相手が暗闇となれば、それは辺り構わず存在する訳ですから、これは大変なことですよ。なのに話のスケールの小さいこと小さいこと…。このテーマなら、せめて「回路」や「ゾンビ」位に世界観を広げて怖がらせて欲しいもんです。そういうことで、3点献上。3点(2005-01-28 00:05:42) 396. トゥルーナイト 「原作とは別物」という意見にも大いに頷けるものの、ストーリーの基本線は伝説通り。しかしそのアーサー王伝説を、何故かわざわざ遊び人の不倫メロドラマ風に演出した意味が良く解らない。とにかく登場人物全員が、もの凄く軽く見える(って、ジェリー・ザッカーって軽い映画しか撮れない人じゃないの!)。これなら、従来の伝説から大きく逸脱した解釈の「キング・アーサー」の方がずっとアーサー王伝説らしかったです、4点献上。4点(2005-01-28 00:04:58) 397. チャンス(1979) 果たして本作のピーター・セラーズをして「熱演」と呼べるかどうか(むしろ部屋中を七転八倒してマスターベーションしてみせるシャーリー・マクレーンが大熱演だったと思う)。「純なる者は善である」という前提に立てば、チャンスは聖人なのかも知れませんが、セラーズが演じていたのは愚者でも善人でも聖者でもなく、「無」だったんだと私は思う(「ライフ・イズ・コメディ ! ピーター・セラーズの愛し方」の中で、セラーズ本人がそう言ってたから、この解釈は正しい筈)。純度の究極は無であり、それは善にも悪にも染まらない。また、無にはブラックホールの様に強大で無限の吸引力がある。本作での彼の演技は、その「無」のパワーを自然に表現した「演技を超えた演技」とでも評すべきものかもしれません。そういうことで、6点献上。6点(2005-01-28 00:04:35) 398. 名探偵再登場 「名探偵登場」シリーズであることは明確なものの(この映画の邦題は個人的に歴史に残る名邦題だと思う)、探偵小説のパロディである本作は、推理小説のパロディだった前作とはだいぶテイストの違う仕上がりになってます。従って推理小説ファンで前作を気に入った方も、探偵小説好きでないと今回は辛いかもしれないし、逆に前作が気に入らなかった方も、探偵小説ファンなら楽しめるかもしれません。残念ながら私はそのどちらでもありません。そんな私でも、前作はキャラクターが大勢いたのでまだ楽しめましたが、ピーター・フォーク一人では少し苦しかったです、4点献上。4点(2005-01-28 00:04:09) 399. 名探偵登場 例によって推理小説にも疎い私は、誰が誰だかは何となくしか判りませんが、元ネタを知らずとも各々のキャラクターは充分面白く、また、ラストで犯人(?)がとうとうと捲し立てる推理小説のいい加減さには笑わせて貰った記憶があります。ニール・サイモンの脚本はパロディと言うよりは、推理小説に対する挑戦状といった趣が強かったですね。盲目の執事等も単なるお笑いキャラではなく、推理小説には度々登場する、障害を持つ怪しげなキャラクターからきているのでしょう。そういうことで、「再登場」にも再登場するジェームズ・クロムウェルの若きコメディアン振りに、6点献上。6点(2005-01-28 00:03:49) 400. ガウディアフタヌーン アントニオ・ガウディの街・バルセロナを舞台に、小さな事件に巻き込まれたことで、母親との関係と自身の母性に向き合うことになったハイミス女性を描く、小粋なミステリー・コメディ。舞台がスペインということもあって、テーマ的に「オール・アバウト・マイ・マザー」を髣髴とさせましたけど、個人的にはこちらの方が遥かに面白く鑑賞でき、「あらゆる女性(そして母親)の形」の描き方もこちらの方が良かったです。浮世離れした佇まいを見せるバルセロナは、どんな人間をも優しく包み込んでしまう包容力があるようです。評価の分は少し悪い様ですが、私は凄く楽しめたので、7点献上。7点(2005-01-16 00:07:44)(良:1票)
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