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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1446
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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41.  キー・ラーゴ 《ネタバレ》 ジョン・ヒューストン監督は同年に「黄金」(7点)も監督、アカデミー監督賞を獲得されてますが、この作品で示した力量も加味されての受賞だったんではないかと推測されます。自分はたまたま今回、この二作品を連続して鑑賞しましたが、映画史的には高評価の「黄金」よりもこちらの方が数等面白かった。なんといってもボガートとバコールの見栄えがするツーショットがまず最高。自分、ボガートという俳優さん、それほど好きではないのですが、仏頂面した彼が冴え冴えとしたクールな美貌のバコールの傍に寄り添うだけで、一幅の画になることこの上ない。ストーリー的にまだ何も起きてなくても「何かがこれから起こりそうな」危険で不穏な雰囲気が画面上からムンムンと立ちこめてきます。このお二人が、当時「ハードボイルドカップル」と形容されていた事もむべなるかな。車椅子のホテル主人、戦死した息子の未亡人、友人の退役軍人、ギャングの親分、手下たち、その情婦と、人物配置も舞台の映画化だけあって的確。ただ、終盤の海上に出てからの銃撃戦が割とありきたりなのが惜しい。ホテル内だけでラストまで解決させれば、より纏まりが良かったと思われ、そこが気になった為減点。実はチキンなギャングの親分役、エドワード・G・ロビンソンって誰かに似てるって思いながら観てたら、今期の朝ドラに出てる元芸人の「ほっしゃん」さんにお顔の造作が似てるんだな、ああ、ようやく思い出せてスッキリ。ジョン・ヒューストン監督の自伝「王になろうとした男」を読むと、製作当時ワーナーとの契約等の難事にぶつかりつつも、心身共に意気揚々として真摯に映画製作に向き合っていた様子が伝わってきます。クラシック映画ファンの方なら是非ご一読を!(追記)日本語副題の「殺人ホテル」っていうのは、テレビ放映された時かリバイバル公開された時のものでしょうか?一体、どっからこんなしょーもないタイトルを。ま、粗筋だけ読めば間違いではないけど・・・。せめてハッタリでも効かせて「キー・ラーゴ~ハリケーンに閉じ込められた恐怖の一夜!立ち上がれ、漢・ボギー!~」とか←更にしょーもない[DVD(字幕)] 8点(2021-03-15 09:22:32)

42.  黄金(1948) これは大画面のスクリーンでこそ観たかった映画。DVDでの鑑賞だと、メキシコシェラマドレの地面やゴツゴツした岩肌から立ち昇るギラギラした熱気や臭気、それによって引き起こされる主要人物三人のジリジリジリジリした焦燥感や葛藤がストレートに伝わってこない。もちろんヒューストンの演出が巧みなので伝わってはくるんですが、それは約二割ほど割引された状態で稀薄になってしまってるような。「カサブランカ」以前のボガートは、悪役が多かったって事ですが、その頃の様子が大体どんなだったかはこの映画で確認できます。よって、これは鑑賞状態がDVDだったが故の採点です。[DVD(字幕)] 7点(2021-03-14 08:21:52)

43.  幌馬車(1950) おなじみフォード監督の顔たる、ジョン・ウェインもヘンリー・フォンダも出てこない。常連の地味な脇役役者さんたちを主人公にしたロードムービー。「騎兵隊三部作」の連作期、リキ入れまくりの大作の合間に肩の力を抜いてこしらえた小品だとは思うが、フォード監督独特のモノクロ画面に捉えた西部の詩情を味わえるという点で他作品を遥かに凌ぐ。具が何も入ってない素うどんって、時たま無性に食べたくなる時があるが、フォード監督の数ある西部劇の中では正にこの作品がそれ。具沢山の豪華な鍋焼きうどんもいいけれど、素材の良さをじっくりと味わって頂きたいウエスタンの逸品。[DVD(字幕)] 8点(2021-03-01 08:42:19)(良:1票)

44.  卒業白書 「個人教授」「続・個人教授」「卒業生」「卒業試験」「個人授業」「課外授業」「続・課外授業」・・・、モチロン、全て観てるわけではないですが、タイトルからして中高生男子の妄想を逞しくさせる映画が当時はホント、ゴールデン洋画劇場や深夜の映画劇場とかでしれっとフツーに放映されてました。ある意味詐欺的な日本語タイトルと粗筋だけ見れば、この映画もその系譜に乗っ取った、いわゆる年上の魅力的なおねいさんにうぶな童貞君が手ほどきを受ける・・・みたいなイメージ。事実、地方では「ダーティハリー4」(5点)と同時上映で、一体どっちを目的で観に来たのかわからない同年代でいっぱいでした。でも当時から作品選択に長けていた賢いトム君の事、コッポラ監督「アウトサイダー」続編のオファーを蹴ってまで、鶏口牛後の精神で挑んだ作品だけあって、上記の作品群とは一線を画す映画になってました。映画自体の出来はともかくとして。それにしても、最初に書いたタイトルの映画や「グローイングアップ」シリーズ「ポーキーズ」シリーズはじめ、この手の映画って、ホント公開されなくなりましたね、色んな動画やらが手軽に観られるようになって、もうその必要もなくなったのかな?「妄想を逞しくする」事こそ、思春期には重要な事だと自分は思うんですが。[映画館(字幕)] 5点(2021-02-28 09:10:19)(笑:1票)

45.  ポリスアカデミー 中学や高校生の時に観た映画の評価はどうしても甘くなります!!地方じゃ、イーストウッドの異様に暗いアクション映画「タイトロープ」(4点)と同時上映。どうしたって、まだ成長途上なガキにとっちゃこっちの方がメイン料理。何しろ「MR BOO!」シリーズがテレビ放映されるのを楽しみにしていたような頃ですからねえ・・・。毎月購読していた「ロードショー」で、ある批評家の方がこの映画の短評で「差別はいけないが、区別はしないといけない」みたいな意味の事を書かれていて、鑑賞後、なるほどなあ・・・と感心した記憶があります。「ロードショー」の発売日毎月勇んで本屋さんに駆けていった事とか、新作二本立て目当てに、学割前売り券を買い友達と映画館までダッシュしてた頃が、僕が一番正しく映画ファンとして機能充実してた時期だったと思います。これ、果たして今観て面白いと思えるのかどうかは・・・あんまり考えたくない。[映画館(字幕)] 8点(2021-02-26 15:17:36)

46.  海外特派員 《ネタバレ》 ヒッチコックアメリカ渡米後の第二作目。西部劇の主演が多いJ・マクリ―が演じた主人公は、当初ゲイリー・クーパーにオファーしたけれど断られたとのこと。後にクーパーはオファーを受けておけば良かったと悔しがったというエピソードが。でも、この作品に限って言えば、逆に断られて良かったのではないかな、と。クーパーがこの役を引き受けていたら、いかにもヒーロー然として構えて、次から次へ起こるつるべ落ちの危機にも割と冷静に対処し、作品全体の緊迫感が薄まったんじゃないかと思われます。のちの「北北西に進路を取れ」(9点)に連なる、場所から場所への移動サスペンス。流石にラストの航空機海中墜落シークエンスは、屋根の上に更に軒を連ねたような憾みが無きにもあらず。しかしこの時期のヒッチコックの、「観客をハラハラさせるためにとにかく何でもやってみよう」的ショーマンシップサービス精神には、ほとほと感心させられます。[DVD(字幕)] 7点(2021-02-25 10:16:44)

47.  コットンクラブ 僕が映画ファンになった1982年頃は、コッポラ監督作品といえばスピルバーグ監督とともに、公開される作品自体がひとつのブランド商品的な扱いをされていました。製作者として名前を連ねてるだけなのに「スピルバーグ作品」って冠を与えられたり。『アウトサイダー』(7点)、公開初日に映画館に行きました。悪くなかった。原作通りのイメージで、それを凌駕するような作品でもなかったけれど。当時でもコッポラ監督にしては「小品」という評価。僕はコッポラ監督のリキが入った大作を映画館の大画面でどうしても観たかった。地方都市じゃ『ワン・フロム・ザ・ハート』『ランブルフィッシュ』は公開されず。そして待ちに待った久々のコッポラ監督の超大作一本立て(地方の映画館は二本立てが基本)大公開という触れ込み、大人気のギア&ダイアン・レインの初共演作。これも公開初日に勇んで映画館へ行った記憶が。・・・でも不思議な事に、内容は華やかで派手なドンパチも、弾けるようなタップダンスシーンも、ロマンスも含まれた盛り沢山の贅沢なオハナシだった筈なのに、それにしては描写に深みがなく総花的でちっとも後に残らない映画でした。今考えると、80年代前半って、この監督のスランプ時期にあたってたのかなあ、と。映画って観る前に期待しすぎると、その反動が大きくなるって事を僕はこの映画で学びました。そして映画に限らず、何事も期待しすぎない方が、物事上手く回っていくのかなあ、と。[映画館(字幕)] 5点(2021-02-23 08:57:48)

48.  哀愁の花びら 《ネタバレ》 女性向けの大甘メロドラマではありますが、ところどころヘンな魅力があってなかなか忘れられない映画。というのも、主要登場人物の行動が極端にデフォルメされて、安っぽい往年の大映ドラマ並みに波乱万丈な展開の人生行路だから。大芝居の連続で、演技力がイマイチな人が芝居を熱演するとこういう形になるという見本がこの映画では見られます。今だったら主要人物まとめて確実にラジー賞受賞間違いなし。特にパティ・デューク嬢のヤク中絶叫芝居は一見の価値あり。監督が手堅いマーク・ロブスンなだけに、もともとそういうキッチュな味を狙ってたかどうかは私には不明ですが。スーザン・ヘイワードはゲスト出演みたいな扱い。よりによって化粧室でパティ嬢にカツラを引きはがされる役どころなんてホント気の毒。もともとキャスティングされてたジュディ・ガーランドだったら、もっともっと凄まじいシーンになったかも。怖いもの見たさでそっちも見てみたかった。[地上波(吹替)] 6点(2021-02-08 22:27:21)

49.  第十七捕虜収容所 《ネタバレ》 約20年ぶりくらいの再見。捕虜の中の誰がスパイだったのかとか、細かい部分はすっかり忘れていて、初見の時と同様に全盛期のホールデンの男の色気に魅了されつつ、ワイルダーの職人技を堪能しました。前半はスター、ホールデンの魅力に頼らずあくまで捕虜の中の登場人物一人として点景として扱っている点も好感を持ちました。後半の脱走に至るサスペンスフルな展開も申し分なし。ただなあ・・・前観た時も思ったんですが、やっぱりベティ・グレイブル狂のアニマル君と、その相棒の凸凹コンビの扱いにあまりに尺を取り過ぎてるのがもったいないんだなあ・・・。彼らのシーンを幾つか削れば、もっとソリッドな秀作になったと思います。特にクリスマスのダンスシーンとか内容もないのに長すぎる。話は変わりますが、昨日、一年通して久々にフルで観た大河ドラマ『麒麟がくる』最終回でした。好きな戦国時代のハナシ、みごたえがあって面白かったんですが、ここでも尺を取りすぎて、全体のバランスを著しく崩してしまっていた登場人物が何人か見受けられ・・・。ドラマの感想等で既にさんざん語られてるので誰とは言いませんが。コロナ禍でいろいろと製作状況が厳しかったことは理解できるんですが、彼らのシーンを2~3割削ればもっと良い大河ドラマになったと思うんですがね。これももったいない。映画のDVD鑑賞後、たまたま昨日の最終回を観たので、つい、同じような事を思ってしまいました。描写のバランスってホント難しいですね。[DVD(字幕)] 7点(2021-02-08 21:45:15)

50.  ニノチカ 《ネタバレ》 ミュージカル版のリメイク「絹の靴下」(6点)をかなり以前に鑑賞済。ようやく最近になってこのオリジナル版を鑑賞。評価としては同じですが、自分はグレタ・ガルボという往年の大女優の魅力にイマイチ疎いせいか、アンヨの長いシド・チャリシ―が画面狭しと踊りまくるリメイク版のがずっと面白かった。脚本も監督以前時代のワイルダーで伏線も手抜かりなく、演出も纏まっているのに。観ていて興がなぜか乗らない。やっぱり自分はガルボという女優さんが苦手なんだと思う。オハナシの骨格自体、オリジナル起承転結の流れををほぼリメイクも踏襲しているんですがね。鑑賞順が逆ならまた評価が違ってくるとは思うんですが・・・。[DVD(字幕)] 6点(2021-01-08 22:12:04)

51.  あなたが寝てる間に・・・ 《ネタバレ》 ストーリー、演出、シナリオ、旬の役者と、素材全てがプラスの方向に噛み合って優れた化学反応を起こしたロマンチックコメディの秀作。それまでずっと、主役二番手あたりの、都合のいいヒロインの相手役に甘んじてたビル・プルマン氏が初めてヒロインを射止めるヒーロー役に昇格した記念すべき作品。サンドラの意思が強そうな男顔の魅力もここでは巧く引き出されていましたね。え~、でも、これもう25年前の作品なんだ・・・。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-01-18 22:45:51)

52.  逃亡者(1993) 公開当時、主役のハリソンが助演のトミー・リー・ジョーンズに喰われたって評が圧倒的に出回ってました。ハリソンの大ファンだった自分は、んなこたあない!絶対ハリソンの方がカッコイイ!トミーは役得だっただけ!って友人達に弁護しまくってました。懐かしい。十代や二十代の頃、おっさんになったらケーリー・グラントやハリソンみたいに絶対なるんだって、真剣に思ってたひたすらバカだった自分・・・。やっぱり、上手く粋に年を重ねるにはそもそもの下地と、キンブル医師みたいなある程度の頭脳と金銭的な余裕がないとね←今になって一体何を。[映画館(字幕)] 8点(2020-01-15 08:25:46)

53.  恋愛準決勝戦 「上流社会」(6点)と同じく、この作品の目玉ナンバーも「ザッツ・エンターテイメント」シリーズに殆ど収録されていて、今回追体験という形で鑑賞したせいか感銘度は意外に薄かったです。例の、部屋中をダンスしながら回転していくトリックシーン、ガキの頃、ドリフのコントやら「ザ・ベストテン」なんかで模倣されているのを先に観てしまっているので、手品で先に種明かしをされた気持ちとでも言ったらいいか。逆の順序で観てたとしたらもっと評価は違っていたはず。つい先日鑑賞した「踊る海賊」より、ミュージカルとしての洗練度という意味では格段にUPはしているんですが、意外にこの作品には、僕のココロにズキュンと響くナンバーが少なかった。せめて、アステアの相手役がシド・チャリシーあたりだったらなあ・・・と、つい、ないものねだりをしてしまう自分。[DVD(字幕)] 6点(2018-11-14 22:29:51)

54.  セールスマンの死(1951) これもジュネス企画さんが出しているDVDシリーズからの鑑賞。有名な舞台劇として昔から名前だけは聞き覚えがあった、アーサー・ミラー原作「セールスマンの死」。まさか、まさか、こんなオハナシだったとは!!邦画の秀作「Wの悲劇」(10点)の中でも、「翔ちゃん、どうだった?ブロードウェイのセールスマンの死は?」「どうしてトニー賞取れなかったのかしらね~?」って台詞に出てきたり、欧米の舞台ではおそらく何回も上演されている著名な、さぞかし面白い舞台劇なんだろうな~とずっと今まで信じこんでいました。だから余計この内容に驚愕したのかも。決して「面白い!」と、諸手を挙げて万人にお勧めできる映画ではありません。モノクロだし、キャストも地味さを極めています。のちに「真昼の決闘」を手掛ける、気骨ある製作者スタンリー・クレイマーだからこそできた映画。当時のアメリカ映画の基準でも、こんな娯楽性のない「老いた1人のセールスマンが自滅していく姿」を捉えた映画、ヒットしなかったと思います。若い時の自分が観てたら、多分この陰々滅滅とした暗い展開に、途中で鑑賞を放棄してたジャンルの映画。主人公に全面的な共感は出来ないものの、自分が50歳を過ぎた今、現実があまりに辛すぎるから、楽しかった過去への逃避や妄想に走らざるを得ない気持ちは良く理解出来る。出来るけど、そうなってしまったのは自業自得だろうとも思える。F・マーチといえば「我等の生涯の最良の年」や「必死の逃亡者」で、「理想的なアメリカの父親」を演じてた俳優さん。ここではそのイメージを見事に逆手に取って、ブツブツ独り言を呟きながら駅や街中を徘徊する、一歩間違えたら病院行きのダメダメ親父を演じています。この父親役は演技派の俳優であれば、一度は演じてみたくなる役どころなはず、と思ったらリメイクはダスティン・ホフマンが演っているんですね。イメージぴったり。機会があればレビューでも評価の高いこのリメイク版も是非観てみたい。[DVD(字幕)] 7点(2018-11-12 21:24:40)

55.  ハリーとトント 《ネタバレ》 僕は基本的に老齢世代のロードムービーには特に点が甘いです。80年代の「バウンティフルへの旅」、最近だと「ネブラスカ」も大好きな映画でした。ビル・コンティの心地良いBGMに乗せられ、極寒のNYから陽光のカリフォルニアまでの長距離ドライブ。ハリー氏とトント君に同乗させてもらい、一緒に道中寄り道しながら愉しませて頂きました。通常ロードムービーだと、出発した場所に最後は戻ってくるっていうのが定番だけど、これはNYを出発してカリフォルニアへ行ったっきりでオーラスになるんですね。ほんの短い場面での登場ながら、エレン・バースティンはやっぱり強い印象を刻みこませる良い女優さんだなあと。僕も先日めでたく?「人生50年」の区切りの歳を迎え、これからの後半生どう生きていくかを考える時期になりました。そんな時にこの作品に出会えて良かったと思います。いや、別にお手本にしたいとかいうような登場人物はいなかったんですが、だってハリー氏はどこか自己中な部分もあるしね。世の中ってホントいろんな人がいるんだなあ、と。奥さんに先立たれたとはいえ、このハリー氏、かなり恵まれた環境の老後人生ですよね、いろいろと羨ましい。[DVD(字幕)] 8点(2018-11-09 23:53:39)

56.  ウェディング・バンケット 《ネタバレ》 うん!ホントに良く出来た映画ですね~、これは。僕は、同監督「ブロークバック・マウンテン」(9点)も高評価していますが、それ以上にこれは良く出来た作品だと思います。まず同じアジア圏の主人公だけあって、より感情移入がしやすかった。人が人を思いやる為についた「優しい嘘」、その嘘をどんどん積み重ねていくたんびに、それぞれの心理の綾が複雑に絡みあって、やがて互いに互いを認め合い心地よいラストシーンへと収束していく・・・。個々のキャラクターも成長も巧みに描かれているし、それぞれの職業も巧く本筋に絡むように設定されて、優れた脚本のお手本のような映画だと思います。最初画面に出てきた時「いかにもゲイ」っぽかったサイモン君、優しすぎでしょ。一見、無機質無感情な主人公が彼に惹かれた理由も何となくわかる。バンケットレストランの支配人さんと主人公の親父さんとの何気ないやり取りとか、サイモン君と親父さんが河を眺めながら語り合うシーンとか、この監督の、一瞬だけ「韻」を踏むような一呼吸入れる演出もいいです。まるで本編に何度か出て来る、部屋に飾った掛け軸の楷書の文字みたいでした。親父さんが実は英語が理解できてたっていうのは読めてましたけど。でもこういうシチュエーションでのカミングアウトって、ゲイにとっては理想形じゃないですか?[DVD(字幕)] 9点(2018-11-08 22:54:13)

57.  ハスラー 60年代「ポール・ニューマン時代」到来を予感させる、クールでスタイリッシュな佳作。それ以前50年代の彼はルックス的にも演技的にも、まだ青臭いというかのっぺりしていてそれほど魅力を感じなかったんですが、この作品あたりから俄然アウトロー的ハイブロウな男臭さが漲ってくるんです。そっち系の魅力が頂点に達したのが「暴力脱獄」。結果的に続編「ハスラー2」でオスカーをゲットした訳ですが、その後最後にアカデミー主演男優賞にノミネートされた「ノーバディーズ・フール」。ここでのレビュー数も多くないので、メジャーな作品とは言えませんが「ハスラー」「暴力脱獄」の主人公が、もし老齢まで長らえたらこんな風に年を重ねたんじゃないのなあ・・・なんて、想像できそうな滋味溢れる名演を見せてくれてます。この映画や、60年代の作品群で彼のファンになられた方はご一見を!映画とは全く関係ない話ですが、昔「ポール・ニューマン監修のサラダドレッシング」っていうのが販売されていました。自分が大学時代、吉祥寺某高級スーパーで初めてバイトを経験した時、一番最初に棚出ししたのが、彼独特の、あの眩しそうに目を細めた満面の笑みがラベルに貼られていたこのドレッシングだったんです。・・・あれ、一度は買って試食してみるべきだったかなあと、今でも後悔してます。オチも何もない、つまらない思い出与太話でレビューを締めくくり大変申し訳ありません![地上波(吹替)] 7点(2018-10-31 23:45:33)

58.  上海から来た女 《ネタバレ》 悪女が男を破滅させる「ファム・ファタール」ものジャンルでは、B・ワイルダー監督作「深夜の告白」が一番の傑作と自分は思っています。そのレベルには及ばないものの、この作品も、ちょいとつつけば穴だらけのストーリーの脆弱さを除けばかなりの出来だと思います。当時リタ・ヘイワースの旦那だったウェルズ氏が、いかに彼女をキレイに画面に映えるように魅せるか、シーンごとに変わる衣装、カメラワーク含め涙ぐましい結晶の跡が伺えます。ホント、この時期のリタは全身パン粉ではたいたような美しさ(←誉めてます)まるでTPOをわきまえない、時には場違いとも思えるおキレイな衣装の数々は一見の価値あり。評価を上げたのは、やはり映画史的にも有名な、クライマックスの「クレイジーハウス」での銃撃場面が良かったから。この映画の結末同様、完成後このお二人離別してしまったようですが、何となくラストのウェルズ氏の表情が「(実生活も含めて)もうお前に振り回される人生は御免だ!!」って言いたげに見えたのは自分の穿ちすぎでしょうか?[DVD(字幕)] 8点(2018-10-30 23:21:47)

59.  踊る海賊 《ネタバレ》 ジーン・ケリーとジュディ・ガーランドご両人の大ファンとしては、数少ない共演作の中では最もポピュラーな大作という事で、ずっと昔っから観たかった映画です。DVD化してくれたジュネス企画さんに感謝!正直『ザッツ・エンターテイメント』シリーズで、ほとんどこの映画のナンバーは収録されてなかった事から、それほどミュージカル映画としての評価は良くないんじゃないのか・・・と不安に思ってはいたんですが・・・。まあまあ、それなりでした(笑)佳作と呼ぶには今一歩。でもお二人のファンの方なら十分楽しめるはず。この映画が製作された40年代後半あたり、まだMGMとしても色々試行錯誤の時期だったんじゃないのかなあ・・・という箇所があちらこちらに。勢いだけはとにかくすごいけれど、どこか雑で隙のあるこの作品あたりから、50年代の洗練されたアーサー・フリード氏製作一連の秀作作品群「雨に唄えば」「バンド・ワゴン」「巴里のアメリカ人」へと昇華到達していったんだなあ・・・と、改めてミュージカル映画史の後付け学習した気分。ジーン・ケリーは、チョビ髭も海賊衣装メイクもそれほど似合わない。逆に、ジュディのコメディ演技のセンスが最も巧く発揮されたのはこの映画なのでは?「雨に唄えば」でも大好きなナンバーだった「道化師になろう!」が、このお二人のデュエットで鑑賞できたのが一番の収穫![DVD(字幕)] 7点(2018-10-15 21:37:13)(良:2票)

60.  天国の日々 《ネタバレ》 確かこの映画、ずーっとお蔵入りだったのを、82年のお正月映画「愛と青春の旅立ち」の大ヒットでリチャード・ギアの人気が日本で大ブレイクしたんで、翌年の春に「あのリチャード・ギア幻の未公開作!」ってふれこみで、急遽公開された経緯があったはず。都内でも「シネマスクエアとうきゅう」単館上映、観たいな~って思っても、私が住んでた田舎の映画館で公開されるような種類の映画ではなかったので、結局鑑賞したのはほぼ40年後の本日になってしまいました。うーん、若き日のギアもサム・シェパードもご両人とも、ほれぼれするほどイケメンさんですね~。どちらかと言えばこの映画では、サム・シェパードの方が儲け役かな。当時から「映像の魔術師テレンス・マリック」っていう評価のみ耳に入ってきていたので、実物は一体どんなもんじゃいと思ってたんですが・・・。噂にたがわず素晴らしかったです。麦の穂が一塵の風でざわざわ揺れるシーンだけでも胸騒ぎが。ボーっと見てるだけで90分過ぎていきました。兄妹と偽ってる二人の言動があまりに無防備過ぎるとか、ケチを付けたくなるような箇所もあるけれど、この映像のチカラの前には、オハナシの脆弱さも含め全て許してひれ伏してしまいたくなる・・・そんな映画でした。ヒロインがよくいる美人顔女優さんじゃないのも効果的。[DVD(字幕)] 8点(2018-10-12 22:42:06)(良:1票)

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