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701. クライモリ デッド・エンド 《ネタバレ》 前作よりホラー特有の緊張感がやや弱くなりましたが、スプラッタ描写はより過激に。 森の中に罠いっぱい。武器もいっぱい。不自然にならない程度に、バリエーション豊かなアタックが満載です。ビジュアル面で、前作よりパワーアップしています。 また、あんま知らない俳優さん達ばかりなので、誰が中心人物なのかよくわからないのも良いですね。 今作では、序盤をマーラ中心の人間ドラマで構築するという仕掛けを行っています。当然見る人達は、なんとなくこの人が中心なのかなー、と思うことでしょう。そのマーラが前半、いきなり瞬殺。意表を突かれます。これで、『いつ誰が狙われてもおかしくない』という不確定要素の強いサバイバルゲームの出来上がりです。 更には、森に住む人食い一家のファミリー描写を、より鮮明に描いたことも前作と異なる部分です。出産、TV、恋愛、晩餐。特に晩餐シーンは『悪魔のいけにえ』を彷彿とさせるような、狂気と気持ち悪さに満ちています。 一番好きなのは、罠にかかった二人が、なんやら感動的な言葉を交わそうかという最中に、矢で瞬殺されちゃうシーン。その直前で、『よし、おまえやってみろ』みたいな感じで、弓矢を渡して一緒に矢を射てあげるんです。ほのぼのとした家族愛が狂気に華を添えています。 スプラッタホラーとして、なかなかの良作ではないでしょうか。[DVD(字幕)] 7点(2017-09-04 13:07:41)(良:1票) 《改行有》 702. デビルズ・リジェクト~マーダー・ライド・ショー2~ 《ネタバレ》 前作のような荒唐無稽さはなくなり、普通のバイオレンスアクションへ。 スポールディング、オーティス、ベイビーの3人の逃避行が中心のストーリー。そしてそれを追いかける復讐保安官。この保安官の復讐劇がメインの物語なので、もはやホラーとは言い難く、前作とはテイストが全然違います。もはや別物作品と言っても過言ではないくらい。 ただ逃避行中、この3人の犠牲になる家族。このエピソードだけは前作同様の『狂気』を感じられて、サスペンス色の強い仕上がりに。この惨劇が無ければ、凄く物足りない作品になったのは間違いないでしょう。 今回は復讐を誓った保安官が拘留中のマザー・ファイアフライを刺し殺したり、殺し屋を雇ったりとやりたい放題。『毒を以って毒を制す』というのが好きな私にとっては、なかなか見応えのある展開。保安官がクギ打ち機みたいなやつで、被害者の写真を3人に打ち付けていくとこは爽快。もっとやれやれと思っていたのですが、ここがどうやらピーク。後は失速。今まで殺人一家がしてきたことを考えれば、追い込み方が全然足りないです。 よって、全編通してそれなりの見応えはあるのですが、前作のようなイメージを期待して見ると、肩透かしをくらうかもしれません。 正直、どこに焦点をあてて見たら良いのかもよくわからない作品。ジャンル不透明な映画です。[DVD(字幕)] 6点(2017-09-02 16:16:44)《改行有》 703. バットマン ビギンズ 《ネタバレ》 はじめての『バットマン』。思っていたより、しっかりと作りこんだストーリー。 液状の『神経ガス』みたいなものを、水道管へ。⇒『水を気化する装置』を使い、神経ガスを町中に散布。 なんだか回りくどい。凝りすぎ。ピンとこない。ストーリーが作りこんであっても、それが面白さにつながっていないのでは意味がないですね。 黒幕も、『チル』⇒『ファルコーニ』⇒『クレイン』⇒『デュガード』へと次々と変わるため、感情移入しづらいです。バットマンことウェインの行動原理は、『両親の敵』というのが根底にあるのだから、次々と倒すべき対象を変えてしまうというのは逆効果だと思います。 アクションシーンはアップが多く、わかりづらい。今作を見るにあたって、やはりアクションシーンを一番期待していたわけです。それだけに、何が起こっているのかわかりづらいアクションの連続にはがっかりです。 ウェインが少しずつバットマンになっていくその過程は面白いです。アルフレッドとウェイン、それにルシウス(モーガン・フリーマン)との関係は良かったですね。 全体的には面白い作品だろうとは思うのですが、正直期待を超える出来ではなかったです。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-09-01 16:19:12)《改行有》 704. クライモリ(2003) 《ネタバレ》 前半は不気味なホラー。中盤以降はバイオレンスアクション。プロットが『悪魔のいけにえ』に似ていますが、『狂気』という面では遠く及ばない。ホラーという側面から見ても、これより怖い作品、雰囲気がある作品はいくらでもあります。 なのになぜでしょう。すごくハラハラするし、最後まで目を離せない面白さがあります。脱出劇として凄くスリリングなんですよね。ストーリーがいたってシンプルなのも良いのかもしれません。『森に迷い込んだ』⇒『わけもなく何者かが襲ってくる』。理不尽な暴力。未知なるものへの恐怖。そういったものがよく描けている作品だと思います。 また、襲ってくるものの正体が明らかになった後でも、言語能力を与えなかったことで、一定レベルの恐怖感をキープできています。やはり交渉の余地がないというのは怖いものです。土地勘がない森の中、逃げられそうで逃げられない閉塞感はなかなか。シチュエーション作りはかなり上手いほうじゃないでしょうか。 終盤は一転、反撃に転じるので怖さはほとんどなくなりましたね。その分、アクション映画なみにスカっとする爽快感を味わうことができます。エリザ・ドゥシュクが好きなので、彼女が死ななくて良かったです。 この作品はホラー映画として『突き抜けた面白さ』ではなく、『安定した面白さ』。個人的には好きな部類の良作。友人や家族と『一緒に見よー』と気軽に誘えるレベルのクオリティです。[DVD(字幕)] 7点(2017-08-30 12:19:33)(良:1票) 《改行有》 705. マーダー・ライド・ショー 《ネタバレ》 『悪魔のいけにえ』みたいなのを想像していたのですが、終盤はお化け屋敷状態。「誰?」っていうのが次から次に出てくる出てくる。更にはB級ホラーならではの、『理由』『説明』『動機』というものは一切ありません。強いて言うなら、欲望のおもむくままにやりたいことをやる人達、というところです。ノリと勢いでつっぱしる映画。個人的には嫌いではありません。 スプラッタ描写はたいしたことないですね。ただイカレタ家族の狂気というものはよく描かれていたと思います。 B級ホラーにはこーゆーテイストを求める気持ちが少なからずあります。つまり、私にとってのB級映画のある意味完成形とも言える作品。ただこの作品では被害者側の反撃というものが一切ありません。もちろん作品によってはなくても良いのですが、この作品には欲しいところ。このプロットでやられっぱなしというのは、欲求不満がたまるものです。 それにしてもやたらと画質やカラーの違う画を入れてきていましたが、これは個人的には好きじゃないです。[DVD(字幕)] 6点(2017-08-27 16:02:29)《改行有》 706. プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 特に興味のあるジャンルでもない、にもかかわらず、そんな私に飽きさせることなく見せきった。テンポの良さと演技力、そして音楽で否応無く物語りに引き込むパワーがある作品です。素人にはわかりづらいジャンルであるのは間違いないのですが、少しでもわかりやすく見せようというプロ意識を感じます。おかげさまで全然知らない業界の話なのに、9割以上は理解しました。これって何気に凄いことだと思います。 ストーリーは酷評されがちですが、個人的には好き。 ミランダの解任を知って慌てるアンドレア。でもミランダは周りの人間の何枚も上手。家族のことでは一瞬人間的な弱さも見せるが、仕事では一部の隙も見せない。この徹底した強さと冷徹さが良いですね。この役柄を演じきっているメリル・ストリープの貢献度は高いです。そしてこの人の話し方が、また貫禄と気品を備えていてぐっときます。 エミリーやナイジェルといった仕事仲間も、それぞれプライドと信念をもって仕事しているのがかっちょいいです。そのエミリーやナイジェルに残酷なまでの仕打ちをするミランダ。にもかかわらず、ミランダから離れない二人。手放しで賛成はしがたいですが、カリスマってまさにこーゆーことを言うのでしょうね。 ただ、『ミランダが凄い』というのが、説明台詞でばかり伝えられてくるので、その凄さを実感できるようなエピソードがもう少しあると良かったかもしれないですね。権力をかさに好き放題やってるブラック上司の面ばかりを強調しすぎているような気がしないでもないです。 あと、コレ観た後に仕事すると、なんかモチベーション上がってます。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2017-08-16 16:10:53)(良:3票) 《改行有》 707. ホステル 《ネタバレ》 問答無用の殺戮ゲーム。かなりグロい上に悪趣味。だから人格を疑われそうで嫌なんですが、このハラハラドキドキ感は本物なので高得点。この作品はもう『脱出劇』として最高にスリリング。また、自分達を騙し、罠にはめた人間たちに逆襲するラストの展開は、爽快感さえあり胸のすく思いです。つまり、基本はスプラッタ要素の強いサスペンスホラー作品に違いない。ですが、ラストのバイオレンスアクション的ノリは、元来やられっぱなしで終わりがちなホラーの常識を、ちょっとだけ爽快なものに変えちゃっているわけです。 だらだらした前半も、『これから何が起きるのか』っていう不穏な空気を纏っているためそれなりに見れます。そしてオリーがいなくなった辺りから、俄然緊張感が増していくわけですが、その種明かしが『人間ハンティング』っていうのは、あまりにも安っぽかったですね。もっと意味のわからない狂気。もしくは国家権力がらみの狂気を想像していたので、少々肩透かし。 また、パクストンが助かるのであれば、パクストン以外の生贄の見せ方が大事だろうと思うのですが、そういった意味ではオリーやジョッシュといった数少ない登場人物を瞬殺しちゃうのはもったいない。 そういえば、ホステルの従業員は明らかにグルなんでしょうが、あの人達は何も制裁受けていないですね。[DVD(字幕)] 9点(2017-08-14 12:03:18)(良:1票) 《改行有》 708. ソウ ザ・ファイナル 3D 《ネタバレ》 『ソウ』シリーズは今までどの作品も高評価をつけていたのですが、最後の最後で期待を裏切られました。 今までのような精神的恐怖感はほとんどなく、あるのはただただスプラッタ映像ばかり。そこに『気持ち悪さ』はあっても、『痛さ』は感じません。 また、いつものように同時進行で起こるゲーム内外のストーリーがどちらもいまいち。前作の『人の命』を商売にしちゃう保険屋に比べ、今作のうそつき男はあまりにも小悪党。そんな人間まで的にかけちゃうなんて、ジグソウ一家、思っていたより器が小さい。 そしてホフマン側の、もう一つのストーリー。これが良くない。ジルは殺しちゃうし、いつの間にかゴードンが黒幕みたいになっているし。そもそもアマンダとは違うのです。、ゴードンはかなり悲惨な目にあっているわけです。足を犠牲にまでして、それでジグソウに加担するのであれば、それだけの説得力ある説明が必要だと思います。いつもだったらその辺の心理をじっくり見せてくれるのに、尺の関係か、説明は一切無し。『ゴードンは実は仲間でした。』その事実を見せるのみ。だったら最初からゴードンはただの復讐者として描いてくれたほうが良かったです。 また、なんだかんだ言っても『ゲーム』を主体に見ているファンにとっては、今作のようにゲームをしている人達が脇役感ばりばりだと、ソウの良さが半減です。 このシリーズのファンなだけに、ファイナルがこのクオリティというのは非常に残念。 これだったら前作のラストでジルがホフマンを処刑して完結しちゃったほうが、よほど後味が良かったです。[DVD(字幕)] 5点(2017-08-07 12:32:47)(良:1票) 《改行有》 709. マスター・アンド・コマンダー 《ネタバレ》 まず、長い。必要な尺ならまだしも、『アケロン号を追っかけるだけ』の2時間強、これを冗長と言うのでしょう。 そしてこれだけ時間をかけているのに、人物が全然頭に入ってきません。描き方が中途半端で、個性が足りません。 だから、『海に落ちた後見捨てられる人』『自殺する人』『最後の戦いで命を落とす人』と、描かれている戦の悲劇が、観ている側にほとんど伝わりません。それこそが最大の悲劇と言えましょう。何か起こっても、『そもそもあんた誰だっけ』状態です。 で、その分ストーリーで盛り上げてほしいところなのですが、これがまたつまらない。本当に面白くない。 私はラッセル・クロウが好きで、更にはポール・ベタニー演じる船医が凄く良かったので、何とか最後まで見ることができたという感じです。 それに、冒頭とラストの戦闘シーンは緊迫感があって良かったです。 ただ、正直映画として見る価値はほとんど無いようにも思われます。どちらかと言えば、製作サイドの自己陶酔型映画と言えそうです。 ラストのオチも好きじゃない。 こーゆー作風だからこそ、爽快な勝利を信じて最後まで見ていたこちらの気持ちはどーなんの、っていうオチでした。[DVD(字幕)] 5点(2017-07-27 13:16:08)(良:1票) 《改行有》 710. ソウ6 《ネタバレ》 今までのシリーズに負けず劣らずのショッキング映像でスタート。このシリーズのファンなら間違いなく満足できるレベルです。はっきり言って、6作目にきて、いまだ『痛さ』の形容がパワーダウンしないだけでも、非常に頑張っていると思います。 本編では、ジグソウならではのゲームが盛り沢山。今回のテーマは『命の選定』。悪質な保険会社にぴったりのテーマ。保険会社に煮え湯を飲まされた経験がある人ならば、むしろ爽快にすら感じるかもしれませんね。つまりは、今までの犠牲者と違い、同情の余地が極めて少ないのであります。 また、保険会社のウィリアムの回想シーンが非常にわかりやすくバックグラウンドを教えてくれるのが良い。 全滅パターンが多かったシリーズで、今作の『テーマ』と『ゲーム』の性質上、生存者が結構いるというのも大変興味深い。かなりテーマを反映したゲームとなっているのではないでしょうか。 そしていつもの『連続テレビドラマ』のパート。こちらはいつにも増して緊張感があって良かったですね。 生きていたペレーズ捜査官。追い詰められていくホフマン。これだけでも面白いのに、今作ではジル・タックの回想シーンがプラスされ、新たなる事実が次々と判明します。特に、アマンダに対する評価は、この作品を見ると180度変わること間違いありません。 相変わらず今までのシリーズを見ていることが大前提の作品ではありますが、それだけの価値があるクオリティに仕上がっています。 これだけの内容を90分にまとめきるのも何気に凄い。[DVD(字幕)] 8点(2017-07-23 04:05:49)《改行有》 711. スカイ・ハイ(2005) 《ネタバレ》 こーゆー学園ヒーローもの、大好きなんですよ。よって採点はかなり甘め。 わかりやすいながらも、道徳性を含んだストーリー。この辺りはさすがディズニー。 汎用性の高い能力を持った『ヒーロー組』。マニアックな能力の『サイドキック組』。個人の性格や人格、努力が入り込む余地は無く、『才能』のみで『勝ち組』と『負け組』に二分される社会。スーパーヒーローである主人公の父親でさえ、その社会通念に支配されています。それに対し、主人公や幼馴染の女の子は、『力』がありながらも、その決まりきった慣習に疑問を投げかけるわけです。『本当にそれは正しいことなのか。』『そもそもヒーローとは。』ってね。 最終的にこの作品では、『力を持つもの=ヒーロー』という図式を崩していきます。ヒーローとしての資質は、その心のあり方が大事なのだと。そして終盤の戦いでは、サイド・キック組が一見役に立ちそうにない能力で活躍します。つまり、どんな才能を持っているかより、持っている才能をどう活かすかが大事だと教えてくれているんですね。そーゆー結論を押し付けがましくない程度に、エンタメにポップに表現しちゃうディズニーはやっぱイイ。 まあいろいろ言いましたが、こーゆー作品はもう難しいこと抜き。『楽しい』か『楽しくない』か。それが大事。そーいった意味では、『スカイ・ハイ』は間違いなく楽しい。見ていてずっとわくわくします。色彩豊かでバラエティに富んだ極上のエンターテイメント作品です。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2017-07-22 04:08:06)(良:1票) 《改行有》 712. ハウス・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 かなりゲームを意識しているので、アクション要素が凄く強いです。要所要所では、ホラー映画なりの緊張感もあって、個人的にはかなり面白いです。 ゾンビは大分人間っぽい。だめではないけど、期待していたゾンビじゃないです。 ただのパーティーピーポーだった若者達が、武器を持った瞬間ランボー化する。この悪ノリは嫌いじゃありません。むしろ、ガンシューティングの映画化であればこその、ぶっとんだ内容に満足です。 一人一人、見せ場(死に場)が用意されているのはgood。テンポは良いし、緩急もあるし、バランスも悪くない。 それになにより、この作品を作った人達が、本当にこの元ネタのゲームが好きなんだと伝わってきて、なんだか嬉しくなっちゃいますね。[DVD(字幕)] 7点(2017-07-20 14:13:03)(良:1票) 《改行有》 713. ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 《ネタバレ》 荒唐無稽と紙一重。衣装ダンスから末っ子のルーシーがナルニアに入国するくらいまでが抜群に面白いです。 もちろん、そこから先が本題なわけで、期待しながら見ていきます。 するとどうでしょう。右も左もわからない子供達に、『あなたたちは予言の人だ。』『救世主だ。』(そんなことは言ってないか?)って無茶振りの連続。そしてだんだんその気になってくる子供達。っていうか、『子供達』なら誰でも良かったのでしょうか。それともピーターたちでないとだめな理由があったのでしょうか。そーゆー説明が欲しかった部分は見事にスルー。 その代わり、あれよあれよという間に、おままごとのようなストーリーが延々と続きます。 ビジュアルは凄く良いので、それを見るだけでも楽しいのですが、もはやそれだけの映画。 最後の一大決戦も視覚的には面白いのですが、なにしろそこに至るまでの必然性を感じられないので、カタルシスは皆無。 続編はもう見ません。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-07-19 12:58:01)(良:1票) 《改行有》 714. アンダーワールド 覚醒 《ネタバレ》 躍動感のあるアクション。人類による粛清という緊迫したストーリー。人間社会で暗躍するライカン一族。 今までのシリーズの中で一番好きかもしれないです。8点とまではいかなくとも、7.5点くらい。 不満点は2つ。まず1つめ。ヴァンパイア一族の勢力が、あまりにも弱くなりすぎていること。あくまでヴァンパイアとライカンは対等な力関係でいてほしいという個人的わがまま。 2つめ。魅力のある『敵』がいないこと。今作でその役割を担うのが『巨大ライカン』。圧倒的なパワーに加え、『銀』が効かない無敵キャラ。なのに何故だろう。『1』のビクターやルシアン。『2』のマーカス。彼らにあった威厳みたいなものが、彼には無い。『敵』ってあらためて大事だと思いましたね。 マイケルが出てこないのも寂しい限りですが、代わりに娘のイヴ登場。 before⇒美少女。after⇒妖怪人間。大変魅力的なキャラに仕上がっていて良かったです。 また、今作のセリーンは最高に強い。無差別に人を殺しちゃうとこに、若干『あなたは主人公なんだから』と眉をひそめないわけでもないですが、良い。とにかく、強い。かっこいい。若干老けちゃったことを除いて、最高の仕上がりです。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-07-09 13:28:04)《改行有》 715. ソウ5 《ネタバレ》 今作のゲームは『5人で力を合わせれば、軽微な損傷で助かる』というもの。これは『2』でも出てきたアイデア。こーゆーの好きですね。ジグソウのアドバイスに耳を貸さず、一人ずつ犠牲にしちゃうのも『2』に近いです。 また、もう一つの攻防戦。ホフマンVSストラム。こちらはホフマンの狙いが若干わかりづらくはあったものの、緊迫した雰囲気だけは伝わってきます。オチが良いです。ストラムの最後の選択。アドバイス通り、ガラスケースの中に自分が入っていれば助かったという真実。でもやっぱりそれを選ばないラストは好き。 不満点は最後の大仕掛け。インディ・ジョーンズじゃないんだからさ。もはや個人でできる仕掛けのレベルをはるかに超えている気がします。これはもうやりすぎ。 さて、相変わらず、前作までの内容が頭に入っていることを強制するこのシリーズ。 今作でも、今までの舞台裏が描かれるため、ファンには嬉しい一方で、一見さんは完全お断りの内容。 普段はこーゆーのは映画じゃねーっていうところなんですが、なんかこのシリーズは気になりません。おそらくここまで関連性が強いと、もはや連続ドラマとして見ているからかもしれません。 それにしても、今までのソウは結構平気だったのですが、今作のは、初めて『痛み』を感じましたね。特に冒頭の振り子。そして何といっても回転刃。あれはまいった。まじできついです。[DVD(字幕)] 8点(2017-07-07 13:59:10)(良:1票) 《改行有》 716. ワイルド・レンジ 最後の銃撃 《ネタバレ》 よく言えば丁寧。悪く言えば冗長。 『牛を連れて移動しようとしただけで、難癖をつけられて仲間を殺され、復讐する。』 ストーリーはたった1行で説明できる内容。それを2時間以上かけるわけですから、だれます。必然性のあるシーンもあるのですが、どちらかと言えばなくても良いシーンが多いです。更にテンポも遅い。最初の30分なんか、何も起こりません。『町に買出しに行って、帰ってこないモーズ』このあたりから、ようやく物語が動き始めます。 ですが、ダラダラとしたストーリー展開は相変わらず。淡々とゆっくり時は流れます。欠伸が出てきた頃に、ちょっとだけバイオレンス。『手を出すな』と警告しに行っている間に、馬車とモーズとバトンが襲われます。この辺りからラストまでは、淡々としながらも、緊張感があってぐっと面白くなります。 そしてラスト。長時間がまんしてきたストレスをはらしてくれるかのような、目の覚めるような銃撃戦。・・にはなりませんね、これが。凄腕の殺し屋を一瞬で撃ち殺したり、スーを人質にとる男を瞬殺したり、格好良いシーンもあります。ですが、全体的に見ると、最後の銃撃戦も、やっぱりダラダラしています。これが西部劇のリアルなんでしょうか。よくわかりません。 それに、いつの間にか町の人達が撃ちあいに参加しています。なんで?どうやらチャーリーたちの味方をしてくれているみたいです。町の人達も、『バクスター&保安官』に対して不満を持っていたということでしょうか。そういう空気はありましたけど、まさか撃ちあいに参加してくるほどの恨みを持っているとは思いません。説得力に欠けますね。 みんな似た服。おそろいの帽子。位置関係がわかりづらいガンファイト。少々期待はずれ。 この作品に関しては恋愛もいらんかったかもです。[DVD(字幕)] 5点(2017-07-02 13:23:52)《改行有》 717. アンダーワールド:ビギンズ 《ネタバレ》 正当な前日譚。『1』ときれいにつながっていて良いです。 ただ、『1』でネタバラしをしちゃっているわけですから、『助かるの?どーなるの?』っていうハラハラ感を感じることはできません。それはソーニャもそうだし、ルシアン、タニスもそうです。 にも関わらず、今作は『ルシアンとソーニャのラブロマンス』が物語の中心。結末がわかってる物語。すなわち、この作品の魅力はその結末までのプロセスをいかに魅せるかにかかっていると言えるでしょう。 そういった意味では、パンチが弱い。ストーリーは王道中の王道。悪く言えば普通すぎます。序盤、中盤、この作品の8割くらいは退屈です。 もし、『ソーニャがルシアンを見下している』というシチュエーションから始まれば、面白くなったかもしれません。徐々にお互いを認め合う二人に、より深く感情移入できた可能性もあります。ところが、今作では、『二人は裏ですでに出来上がっている』状態からのスタートです。なんだそりゃ~です。ラブストーリーの醍醐味~。 また、『1』『2』に比べると、アクションのアップがやたら多く、見づらく、何が起こっているのかわかりづらい。 良かったのは『ソーニャの処刑シーン』。そしてクライマックスの『ライカンVSヴァンパイア』。 どのようなシチュエーションであれ、虐げられてきた者達の逆襲というのはカタルシスを感じさせてくれます。 それにしても、この作品で生き残った純血種のほうのライカン達(人間にもどらないやつ)はどーなったんでしょうね。『1』『2』ではウィリアム以外見当たらないようですが、絶滅しちゃったのかな。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-07-01 14:09:13)《改行有》 718. ソウ4 《ネタバレ》 もはや単体で見ることは不可能なこの作品。前作までを見ていないとまるで意味がわからないでしょうね。 ただ個人的にこの作品の手法は嫌いではありません。映画としてはどうかと思いますけど。このシリーズに限って言うと、『その回を見ると、前作までの内容がより深くわかる』という構造が面白いです。それに加え、一応その回その回で決着を着けているので、文句はありません。オチも必ずあります。シリーズ4作目まできて、作品のクオリティが全然落ちない、最後まで緊張感が消えない、サスペンスホラーの良作だと思います。 今作はいつも通り、全然読めなかった部分が多いのですが、すぐに読めちゃった部分もあります。 まずは弁護士。この人が何らかの形でゲームに強制参加させられているというのには、すぐに気付きます。 そして、リッグ刑事が『助けることのへの執念を断ち切ることができるかどうか』が今作のテーマ。すなわち、それがラストのゲームクリアの条件になるというのは、今までのソウシリーズを見ていれば、わりとすぐにわかります。 ただ、冒頭の『ジグソウの体の中からテープ発見』、ここがラストシーンだったとは。これは読めなかったです。いわば、これは今までのシリーズにはなかった、登場人物ではなく、視聴者を騙すためだけのトリック。ずるいとは思いますが、心地よい『してやられた感』です。本編は『3』と同時進行だった。こいつはまいった。 『3』のクライマックスを同時進行で見せてくれるラストは素晴らしい。ストーリーは4作品の中で一番好きかもしれないです。 ただ、いつにも増してカット割が細かい。アップが多すぎ。どーゆー装置かわかりづらい。つまり、見せ方は4作品の中で最も不親切だとも思います。わざとわかりづらくして、それを難解さと錯覚させる、そんな手法はアンフェアです。正直ちょっと目が疲れて、頭痛がしてきたので、映像作品としはやや悪質かもしれないですね。[DVD(字幕)] 7点(2017-06-30 15:23:13)《改行有》 719. バイオハザードIV アフターライフ 《ネタバレ》 『3』よりかは全然好きですね。 メインはアクションですが、ちょっと『謎』アリ、『ホラー』アリ。限定された施設内からの脱出劇。ちゃんと『バイオハザード』していますね。 今作はスローモーションが多め。『3D』で見るぶんにはメリットもあるのでしょうが、『2D』で見るにはスピード感を損なう原因になっているかもしれません。それに、『突然大きな音を出す』『急に背後に現れる』ってのは、ホラーでは最も古典的な手段。ですので、否定はしません。良いと思います。ですが、ずっとそれに頼るっていうのはどうかと思います。これだけの映像技術があるのです。もっと雰囲気や演出、脚本での恐怖演出にチャレンジしてくれても良いのでは、とも思います。 地下の武器庫へ危険を冒して武器を取りに行くシチュエーション、ゲームっぽくて良いですね。大好きですね。やっとたどり着いた先に武器がわんさかあるのはたまらないですね。ただ、せっかく武器を手に入れたのに、その恩恵があったかどうか、いまいちわからないのはもったいなくないですか。あれだけの銃火器を見せたのであれば、次は皆で手に入れた武器を装備するシーンがあっても良いのでは。そんでその武器を使って、ゾンビたちを蹴散らすシーンがあればテンションも上がるというものです。プロデューサーが仲間を撃ち殺した時点で、『ああ、そういう展開にはならないみたいだな』とがっくしです。そこは王道で良いのに。 また、中ボスのような斧男とのアクションは凄く良かったのですが、ラスボス『ウェスカー』との対決はかなり微妙。だってこれじゃマトリックス。しかもクレアとクリスは圧倒したのに、アリスからは瞬殺されるって、難易度設定どうなっているんですか。一番大事なクライマックスが一番手抜きな感じがして残念です。 プロローグの中島美嘉は凄く良かったです。 まとめ。 冒頭の『アリスアタック in Japan』⇒アクションエンターテイメントとして楽しい。 中盤の『プリズンブレイク』⇒バイオハザードっぽくて凄く楽しい。 ラストの『アルカディア』⇒いらん。 エピローグの『ジル・バレンタイン featuring アンブレラ社員』⇒これ見せちゃったら映画じゃなくて連続テレビドラマでしょ。 とゆーことで、文句はあるけど、楽しい映画です。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-06-29 23:46:07)(良:1票) 《改行有》 720. 愛しのアクアマリン 《ネタバレ》 女の子達と人魚、そしてハンサムボーイの交流を描いたラブコメディ。主役の一人が『人魚』ということ以外は、いたって普通。 駄作、凡作というには可哀想だけど、良作というにはあまりにパンチが足りない気がします。 人魚のアクアマリン。容姿はかわいいのですが、人物的魅力はいまいち。なにしろ脚本が恐ろしくつまらないので、感情移入するのは難しいかもしれません。クレアとヘイリー、この二人は結構良いのですが、ちょいちょい『自分の事しか考えていない発言』が見えちゃいます。どのキャラも、魅力的な人物に仕上がりきれていないのです。 ただ、そんな凡庸な3人だからこそ、願い事の変更シーンが、ちょっとだけ感動してしまいます。 つまり、脚本も演技も演出もイマイチなんですが、作品としてのバランスは良いんですよね。 なんだかんだ言っても女の子たちはかわいいし、ラストもそれぞれハッピーエンドで締めくくられるので、後味は良いです。物足りないのですが、それなりに楽しいです。 細かい注文つけたいところはいっぱいあるのですが、おおらかな気持ちで見れば、雰囲気を楽しめる作品です。 映画通の人には勧められないケドね。 同じ人魚のラブコメなら、『スプラッシュ』のほうが断然面白いと思います。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-06-29 10:18:32)《改行有》
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