みんなのシネマレビュー
彦馬さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 450
性別 男性
自己紹介 大阪府出身、岡山県在住、阪神・下柳と同年月日生

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12345678910
投稿日付順12345678910
変更日付順12345678910

61.  ワン・ツー・スリー/ラブハント作戦 ワイルダーが「アパートの鍵貸します」の後、最初に撮った作品です。その前作のタイトルをもじれば「アトランタの娘預かります」といったところですな。さて、東西冷戦を皮肉ったこの作品、その象徴として描くにふさわしいベルリンの街を舞台に、随所に流れる「剣の舞」のごとく、まさに舞うようなテンポで進んでいきます。東ベルリンのホテルでソ連の作曲家ハチャトゥリアンの「剣の舞」をバックに西側のブロンド娘がテーブルで踊り舞う姿、そしてその娘を嬉々と眺めるロシア人3人組(「ニノチカ」だ!)の姿、なんという演出だ・・これこそワイルダーだ・・・ウォッカをコーラで割って乾杯だ!最後まで出世欲で突きぬけたジェームズ・キャグニーもホット、ホット。そしてラストのコーラのラベルオチに大笑い。スカッと爽やか、とは言いませんが、風刺がシュポっとまろやか(←巧い言い方ができず・・)、てなとこで。シュレマー!!9点(2004-09-15 21:41:10)(良:1票)

62.  お熱いのがお好き 脚本の出来のよさもさることながら、目撃シーンのガレージ、列車内、ホテルの室内、廊下など意識的にタテに配置した人物構図はほぼパンフォーカスで、その他隅々までシャープに撮りあげた映像が特徴的なのですが、ましておもしろいのが、レモン、カーティス、モンローの撮り方。レモンとカーティスの会話シーンは、ほぼ2人が同時に画面にのせられ、カットバックはほとんどないのですが、これがモンローとの会話シーンになると、とたんにカットバックが多くなっています。レモンとカーティスを等分に見せる工夫、モンローの魅力を画面にのせる工夫といえましょうか。そのモンローは同じワイルダーのカラーで撮られた「七年目の浮気」ではセックスシンボルぶりが際立っていたのですが、今作は白黒になっていることで実にキュートにモンローのかわいらしさが出ておりますね。列車内、レモンの寝台室に大勢が集まってくるパーティーシーンは、マルクス兄弟の「オペラは踊る」の船室シーンですな。それからジョージ・ラフトが後半、コインを弾いているギャング仲間からコインを取りあげるシーンは、「暗黒街の顔役」を連想させられてニヤっとします。そして、世に評価の高いラストのオチなのですが、どうも私にはこの台詞だけは、苦しまぎれのような感じを受けて仕方がないので、1点マイナスさせていただきます。「完璧な映画なんてない」ってか。9点(2004-09-13 23:38:24)(良:1票)

63.  情婦 数年前、自転車キンクリート公演の「検察側の証人」を舞台で拝見しましたが、やはりおもしろかったです。ストーリィを知っているので、それが逆に役者の演技に伏線を見つける楽しみがありました。みっちょんの役者センスはよかったね~。ということで、ストーリィを知った上で、この映画を見てみるとまたおもしろい。その意味で、やはりロートンの台詞、しぐさ、表情がこの作品を見事に支えています。辣腕弁護士でいながらおちゃめ~。さて、ラッセル・ハーランのカメラは、舞台劇の雰囲気をそのまま表現したような、パンフォーカスが随所にみられます。弁護士事務所、法廷での人物を縦に配置した奥行きあるシーンでたたみかけてきます。弁護士、検察、被告、証人、陪審員、裁判長、これらの登場人物を同じ画面の中では、等分にピントをあてることにより、いったい全体正しいのは誰だ、何が真実で何が嘘なんだという雰囲気を作り上げています。そこへミディアムショットで、それぞれの登場人物のしぐさ、表情を射し込む事により、ワイルダーはこの舞台劇を映画として完成させたのだ、といえるでしょうか。9点(2004-09-03 21:27:35)(良:1票)

64.  キートンのセブン・チャンス 「ラン・キートン・ラン」のようなこの作品、しかしキートン、けっして走るだけではありません。走る車に飛び乗る、クレーンにしがみつく、木の枝に飛びつく、川を泳ぐ、岩をよける、斜面を転がる・・・キートンのアクロバティックなアクションの数々、そのへんのオリンピック選手顔負けの身体能力、そこへギャグが散りばめられているものですから、ひたすら美しくおかしいのであります。女性の大群、岩の大群が彼を襲い、おまけに時計の大群にも悩まされるのが笑います。オープニングで季節がめぐるごとに大きくなっていた犬が、ラスト見事にオチをきめてくれて「一本!」、キートンさんに金メダルであります。9点(2004-08-24 23:18:52)(良:1票)

65.  桃色(ピンク)の店 この作品は、アットホーム賞でもあげちゃいましょうか。文通を媒介にした男女のすれ違いを軸に、タイトル通りに街角の店の話。解雇されるスチュワートが、一人ひとりと握手して店から出て行くシーン、見送る店員の背中(4人であるのがポイントですね)なんかほろりとします。そしてもっとほろりとするのが、クリスマスイブ、雪の降る中、店の前でボスが一人ひとりを食事に誘うシーン。ようやく連れ合うことができたのが新米の少年で、それでも満面の笑みを浮かべるボスが、言葉で並べる食事メニューのなんとおいしそうなこと。ここでこの少年にも粋な役割が与えられるのがあったか~いです。というように、けっしてスチュワートとサラヴァンの恋話に終始していないのが、この作品のいいところ。2人の関係に終始し、媒介のメールの中身そのものを描いたようなリメイク版では、けっして得ることのできない心地よさといえましょうか。ルビッチ作品の中では、少し毛並みが違いますが、肌触りはいいですぞ。9点(2004-07-18 20:23:14)(良:4票)

66.  初恋のきた道 ご飯の支度をする土間に差し込む光、餃子の蒸し器からあふれる湯気、そんな家屋内のショットからも伝わるツィイーの初恋のときめき、純情、一途さ・・・。ツィイーのクローズアップを多々挿し込みながらも、色彩と光あふれる鮮やかな風景に溶け込む登場人物を、見事な構図のロングショットでとらえ続けるカメラセンスにはうっとりしてしまいました。正直、ストーリィが後からついてくるような感覚でした。それでいて、ラストの遺体を担ぐシーンの美しさ。漠々とした大地、静かに流れる吹雪、黙々と歩く人間を撮りあげたモノクロの映像。光あふれる大地の緑から受ける美しさとは、また違った美しさ。死という人間の運命を粛々と描きながら、一人の人間が生きた証、その一人を愛し続けた一人の人間の想いを切々と浮かび上がらせ、じわーりと胸に迫ってきます。うん、初恋のきた道を私も探しにいってみるか、この年で迷子になるのも恥ずかしいけれど・・・。9点(2004-07-10 00:15:29)(良:2票)

67.  メリィ・ウィドウ(1934) ん・・・これまでのルビッチ作品とはなんか違うぞ。そうだ、やたら構図のきれいなショットが出てくるんです。ルビッチ作品は、窓から窓への移動などカメラワークの巧みさに目がいくことはあったんですが、あまり構図を意識させられるようなことはありませんでした。ところが、オープニングのパレードのシーン、バイオリンを奏でる室内、ソニアがテラスで歌い上げるシーンを地上から見上げるショットから始まって、後半のフレンチカンカン、ダンスシーン・・・きまってるんです。キャメラマンは誰だ・・・と後から見ればオリヴァー・マーシュさん。早速マーシュさんが撮った『雨』(大傑作!)を見ましたが、これで納得。なんとも素晴らしいキャメラワーク、構図。ルビッチお得意の恋のかけひきはいつものごとくに、愛嬌あるシュヴァリエ、美しいマクドナルドが鮮やかにフレームに収められた傑作です。9点(2004-07-08 19:06:25)(良:1票)

68.  教授と美女 これはホークスの他のコメディに比して、ソフトな展開であります。やはりワイルダーの原作、脚本であることがその原因でしょうね。ストーリィは白雪姫をモチーフに作られています。世間知らずの純な教授8人の元に現る美女1人。この美女スタンウィックが“火の玉”でして、平穏なる彼らの日常がホットに動き出します。そしてプリテンダーがいつしか本物になってしまうというプロットはワイルダータッチそのもの。しかしクーパー演じる教授が周りの教授たちの祝福を受けながら恋を盛りたてられていく様は、男の友情を描いたホークスタッチといえましょうか。かのトーランドを要したキャメラは、パンフォーカスによる教授陣の一体感を巧く表現しておりますね。それから「妻の証言は無効である」というアイデア。というと『情婦』を思い出しますが、クリスティの「検察側の証人」が発表されるのはこの作品のもっと後ですから、この時点からワイルダーがこのアイデアを暖めていたことに感心させられましたです。しかし当然ながらスラングいっぱいのこの作品、日本語字幕の作成にはさぞやご苦労なされたでしょうねー。さーみんなでコンガを踊りましょう。9点(2004-06-28 13:14:44)(良:1票)

69.  第七天国(1927) 階段を1階から徐々に上がっていくシコとディアンを移動でゆっくりと捉え上昇するカメラ。この一歩一歩“第七天国”へと近付く2人の姿はラストシーンを暗示しているようで実にいいシーンですねー。そしてシコの神との距離感。無神論者だと言ったり、結婚を神に認めてくれるようお願いしたりとその距離感がラストに効いてきます。目が見えなくなって、神を信じることができたという事実。神という見えざるものを感じるのは心であるという真理。神父の前で抱き合う2人に差し込む神々しい光、神そのものである光。神から祝福される2人には思わず拍手を贈ってしまいました。ウェディングドレス姿のディアンを抱き上げたまま部屋を歩き回りキスをするシコ、そのシーンに代表されるように全体を甘いムードが包むこの作品ですが、戦争の惨禍や姉をムチで打つディアンの形相など、ピリッとしたシーンを挿し込み全体をひきしめています。♪上を向~いてあ~るこお~~涙が~こぼれ~ないよ~おに、といっても涙がホロリとするサイレントの傑作です。9点(2004-06-20 20:36:22)(良:2票)

70.  生活の設計 おっなんだ、フランス語かこの映画は・・・んなわけなくこれも伏線でした。さて、『極楽特急』に続き、ミリアム・ホプキンス嬢が登場。オープニングの列車のシーンだけ見るとこっちが『極楽特急』かと思ってしまいますが、そんなことはどうでもよくて、ホプキンス嬢は前作の泥棒役さながら、今度は男性二人の心を同時に奪ってしまった・・・が、ジルダも2人を愛してしまった。ジルダは2人に「ノー・セックス」。おー、ソフィスティケーション・コメディの本質が語られた。それだけでもこの映画には価値がありそう、だ。見せない演出の醍醐味は終盤に登場。パーティーを無茶苦茶にする2人を扉の向こうの音だけで表現。今ならここぞとばかりのドタバタがこれでもかと描かれる場面ですね。扉といえば笑ったのが「20の扉」。NHKの人気ラジオ番組ですが、ルビッチだけに「20の扉」というのは出来すぎてるなー。最後にタイプライターの“チーン”だけで象徴された愛、これには、この野郎またやりやがったと毒づいてしまいました。あー、私の部屋ではむなしく電子レンジの“チーン”が今日も鳴るのでありました。9点(2004-06-11 23:55:52)(良:1票)

71.  暗黒街の顔役(1932) カポネをモデルにした映画だそうで、ホークスが語るところによると、実際にカポネが見て偉大な映画だと言っていたそうな。なんかそれを知るだけで凄いもんですね。さてさて、この顔役さんは、無邪気で子どもっぽくて寂しがりやにして、征服欲、独占欲にあふれたギャングであります。トンマなシショをずっと雇っているところや、妹から撃たれないところなどなんか憎めません。突然の発砲音にも平然とする強さと、周りの人物がもがれうろたえる脆さ、そこがなかなか魅力的なのですが、ラストは大きく×の刻印が打たれたかのように突き放されてしまいました。この×印の使い方、まーいろいろと出てくるんですが、私は妹のドレスが一番気になりました。妹が派手になり背中にはドレスの×のラインが・・・、顔役のラストを暗示するようで。見終わって思わずコインを弾きたくなるエポックな一品であります。9点(2004-06-11 00:32:30)(良:3票)

72.  皇帝円舞曲 ワイルダー、ハリウッド監督5作目。初めてのカラー作品です。ビング・クロスビーの歌にヨーデルに口笛、王宮の円舞、チロルの村の踊りにヴァイオリン。カラーを好まないワイルダー、ミュージカルを好まないワイルダー。からして、これが本当にワイルダーかと思うぐらいの異色作。でもって出来栄えは、楽しい!作品自体は会社主導で企画されたようで、ワイルダーさん本人はあまり気に入っていなかったようですが、私個人的にはパラマウント作品の中では一番好みです。なんといっても犬!犬の恋!実に愛らしい。犬好きの人必見!『マリリンに逢いたい』ばりの犬が湖を泳ぐシーンには、笑うし泣きます。歌と踊りの華やかさ、甘い恋のメロディーの中にも、アメリカとヨーロッパ、自由社会と階級社会を対比させての風刺を効かせた、ワイルダー的ラブコメディーの傑作。ワルツに乗せて9点献上。9点(2004-06-06 20:48:26)(良:1票)

73.  第十七捕虜収容所 《ネタバレ》 ワイルダー、ハリウッド監督9作目。今回は愛国心を扱った作品。といっても、もともとドイツ出身のワイルダーさんですから星条旗を猛々しく翻すようなことはいたしやせん。それがこの映画を見てもべとつかないところです。そしてクリスマスに差し入れされたピンポン球が中尉救出の白煙に化けるとは、まさにホワイトクリスマス。これも立派なクリスマス映画ですねー。ラスト、捕虜が眠るベッドの背後に掲げられたMERRY XMASの飾りつけ、これがなんとも泣けました。それからホールデンさん、オスカー獲得、Congratulation!9点(2004-05-30 20:08:18)

74.  ウィンダミア夫人の扇 《ネタバレ》 こういう素晴らしいサイレント作品を見ると、黙して語ることの雄弁性、台詞で語らない映画的演出力の才腕をいやでも思い知らされます。置き忘れた扇が見つかった瞬間、抱き合うウィンダミア夫人とアーリン夫人が抱き合うシーンには胸打たれてしまった・・・。見る者は2人の関係を知っているだけに、このー、ルビッチめーー。しかし、この扇の行方を追うとおもしろい。ウィンダミア卿(プレゼント)→ウィンダミア夫人(落とす)→ダーリントン卿(届ける)→ウィンダミア夫人(置き忘れる)→ロートン(見つけて渡す)→ウィンダミア卿(ここは内緒ね)→アーリン夫人と主要登場人物全てが一度は手にするという、まさにタイトルにふさわしい小道具。これを見るとますますルビッチの“ファン”になること間違いなし、です。9点(2004-05-29 22:59:27)(良:1票)

75.  天国は待ってくれる(1943) 《ネタバレ》 この作品はなんとも微笑ましく品がありますねー。夏の夜に縁側でうちわ片手に観賞したいような作品です。そうそう、これはルビッチ監督、最初で最後のカラー作品。というわけで、いきなり赤い。そうかー、地獄はやっぱり赤いんだな。そして語り始められる主人公の我が人生。それが、なかなか憎めませんねー。まして憎めないのがこのグランパ。おちゃめー!息子に「おまえはまだ子どもだ」と言った後に、2階からアルバートに水をかけて隠れたりして、あんたが子どもやないかー、とここはつっこむところですね。マーサを一番気に入っていたのもこのグランパですねー。ヘンリーといっしょにマーサを奪回に行くところ、「1度駆け落ちしてみたかった」には参りました。そのマーサは、濃淡はあれ、そういやずっとブルー系の衣装を着てました。これは地獄の赤と対比して、マーサは天国へ召されることの象徴でしょうかねー。そうか、マーサを幸せにするために閻魔大王はヘンリーを天国へ送ったのか。憎いねー、閻魔様、いやルビッチ様。この作品から学んだ大きな教訓「くしゃみ一つで人生が変わることもある」、中ぐらいの教訓「仲の悪い夫婦の召使いは気が利かなきゃつとまらない」、小さな教訓「気持ちよく歌う自分の歌が人を不快にすることがある」。さー、寝るか。そのまま永眠しても、天国さん待っていてね。9点(2004-05-23 23:28:34)(良:2票)

76.  ナイト・オン・ザ・プラネット オープニングの地球へのズーム、地球はよどみなく自転していますが、昼と夜は等分に変わらず、影=夜の部分に時折、差し込む光のようなものが、何気ない日常のドラマを感じさせてくれますねー。地球の各地で同時間に繰り広げられるタクシーの物語。人と人とが袖振り合うことで、少しだけ心が変わったりする日常の人間模様が、夜のタクシーを縮図として届けられます。それぞれのエピソードの冒頭、都市の画1コマ1コマがその街の息遣いを、ひたすら走り続けるタクシーが街の息吹を感じさせてくれます。長回しの多い会話の合間にタクシーからの主観ショット、街を滑るタクシーのロングショットを挿し込み、見ている者も心地いいドライブを楽しんでいるような気分にさせてくれます。「おはよう、アキ」、命ある者にはどんな者にも平等に朝はやって来るのですねー。今日とは少しだけ違った朝をむかえたい人におすすめの作品。9点(2004-05-22 21:18:27)(良:2票)

77.  異国の出来事 ワイルダー、ハリウッド監督6作目。これは、戦後のドイツ教育プロパガンダとしての使命を帯びた特異な作品ですが、そこはワイルダー、そんじょそこらのドキュメンタリー作品など撮るわけがなかった。ベルリンを舞台に風刺をきかせた見事なラブコメディーじゃないか、これは。よくできとるぞ、この脚本。マレーネ・ディートリッヒとジーン・アーサー、2人とも雰囲気まんまやん!というつっこみを入れたくなるほどまんまな役柄なんですが、特にアーサー演じる堅物が壊れていくところの表情、しぐさのコントラストは絶品です。恋の行方も二転三転、ワイルダータッチで、小道具もばっちり。こんな名作が隠れていたなんて、プロパガンダ映画のレッテルを貼っていた私が悪うございました。お詫びついでに9点献上いたしやす。9点(2004-05-20 23:35:12)(良:1票)

78.  テキサスの五人の仲間 《ネタバレ》 久しぶりに見た。今度こそ騙されんぞ(当たり前である)!と気合を入れて見た。いやー、わかっていてもおもろい。いや、わかっているからおもしろい。奥さんの表情、子どものしぐさ、医者の・・・、駄目駄目これ以上書いちゃ。居並ぶのここのレビューを担保にして、皆さん、さー見てください。1~5番までのレビュワーが仲間だなんてことは・・・ない、だろう・・・。9点(2004-05-17 21:45:58)

79.  深夜の告白(1944) ワイルダー、ハリウッド監督3作目。この作品の注目すべきは、コンビを組んだ間で、唯一僚友ブラケットが脚本を降りた作品。その代わりに組んだのがレイモンド・チャンドラーで、そのあたりは大変興味深いです。そんでもってサスペンスタッチのこの作品、完成度の高さもさることながら、キーズがネフにマッチで火をつけるラストなどワイルダー色も十分。机一つ分の距離よりも近かったキーズとネフの思わぬ別離。このシーンは数年後に訪れるワイルダーとブラケットの決別を暗示しているかのようで、ストーリィの内外で切なーい、です。“我が道を往く”ワイルダー、オスカーは次作までおあずけです。9点(2004-05-12 19:09:07)

80.  ニノチカ ワイルダーとブラケットにライシュ、そこにルビッチ自身も加わる豪華な脚本陣(ルビッチはノンクレジット)。数々の小粋な会話も納得いきます。ルビッチ風ドアの向こうはまさしくドアの向こう。笑い声と出入りするメイドで室内の雰囲気を表現。後半、伯爵が大公妃に「あなたは直接的表現はお嫌いですが」の台詞の“あなた”は、きっとルビッチ自身のことを意識した台詞ではないかなー。さて、この作品の見せ場は、ガルボの無表情の壊れ方と主義の揺らぎ方。ここは帽子の使い方がうまい!そして、レストランでガルボを必死になって笑わせようとする伯爵のシーン。このシーンはなかなか巧妙な脚本で、ジョークにはまったく表情を変えないガルボが無意識的な転倒を見て大笑いするという状況設定。意識しても笑いがとれない伯爵を意識的に書いて、おかしさを生み出しています。ラストのオチにもニヤリとしました。ソ連が上映禁止にしたのもわかるわね。9点(2004-05-02 22:01:06)(良:1票)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS