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プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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61.  サイコ(1960) 《ネタバレ》 かのシャワー室の惨殺シーンと、モーテルに隣接する小高い位置に古城のようにそびえる不気味な屋敷の外観を別とすれば、後半部分の恐怖は弱いと思います。例えば、探偵を殺害する場面とラストと2回、突如ナイフを片手に襲ってくるわけですが、この唐突さはブルブル震え上がるような純然たる恐怖ではなくビックリドッキリの驚きの方が強いです(とはいえ、探偵が階段を登り刺されるシーンを頭上からとらえているのは好きだ。しかも母親の存在を信じさせるためにノーマンが彼女を運ぶシーンの後は、あの部屋は危険ではなくなるので妹が調べに来る時は階段を登っているシーンは省かれ、階段は完全に恐怖の装置として機能している)。その一方で前半の逃亡部分は恐怖に満ちています。サングラスをかけた警官はこの世で最も怖い存在に見え、後を着けられた日にはもう生きた心地などしませんし、大金を持ち逃げしているかもしれないという状況があるだけで、道端で社長と出くわすという何ということもない状況が心臓バクバクのシーンへと変貌しています。両方のシーンがどこか日常的であるという点も恐怖心をあおいでおり、単純なシチュエーションで見事に恐怖を演出しています。それとこれは音楽の効果が凄いです。・・・それにしても最初の外からカメラが入ってゆくシーンはどうやって撮ったんだ?[DVD(字幕)] 8点(2010-12-28 18:27:08)(良:1票)

62.  群衆(1941) 《ネタバレ》 ゲイリー・クーパーが真実を告白しようとする集会場の場面が秀逸。雨が降りしきり大観衆の傘やコートが光を反射させ、ディスコミュニケーションに陥ることを予見させます。観衆は歌い盛り上がりジョン・ドーの登場を今や遅しと待っているが、彼が偽者と分かると簡単に扇動され一転、敵意剥き出しとなりジョン・ドーにヤジを飛ばし大混乱となる…。開会前の好意的な様子と敵意が表れた後の迫力が、群衆の力と怖さを雄弁に物語っています。 ただ、始まりの方のコメディの調子と比べ(解雇になるシーンまで実に楽しげだ)、後半はいたってシリアスでアンバランスのように思います(バーバラ・スタンウィックの前半の妹たちと遊ぶ姿から、後半の毛皮や宝石で着飾った姿の過程描写が薄いせいもある)。また、ラストの雪が寒そうな屋上のシーンも忘れ難いですが、最後の捨て台詞はメッセージを込めるよりウォルター・ブレナンで軽妙に締めた方が良かったのでは?とも思います。[DVD(字幕)] 8点(2010-12-07 18:28:57)

63.  ショックプルーフ 《ネタバレ》 唐突なハッピーエンドはおそらく製作会社側の意向で、本来ならば逃避行が始まった時点で、というよりもそもそも女が男の前に現われた時点で、破滅に向かっていくのが当然の成行きだったと思います。というのも、誰もが言及せずにはいられないであろう冒頭のファム・ファタール登場シーンの流麗さが素晴らしいからです。通りを進む脚から始まり、ショッピングを開始するブルネットの彼女の姿を見せ、美容室に移り脱いだ帽子のショットから、帽子を被った彼女の移動につながり、後姿のままコーネル・ワイルド(いかにも真面目そうだ)の事務所に現れ、彼がいつも通りに何気なく顔を上げるとその目は釘付けとなり、金髪の彼女の姿が映し出される…。これぞまさに運命の女との出会いであり(しかもここまででは事務所が保護監察局で、彼女が仮釈放中の犯罪者とは分からない!)、このシークエンスが圧倒的な力を有しているからこそ、サスペンスの筋立としてはお粗末であるにもかかわらず、最後まで物語を持続させられるのでしょう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-12-01 18:26:20)(良:1票)

64.  クロッシング(2009) 《ネタバレ》 冒頭のイーサン・ホークが情報屋?を射殺して金を奪うシーンから並々ならぬ殺気が漂っおり、その後たいして説明なしに個々の物語の幕が開く上に、ホーク、リチャード・ギア、ドン・チードルのそれぞれの筋書き自体は非常に単純で交錯するわけでもないにもかかわらず、緊張感が全編に渡って持続しているのも凄いです。特に各々が決心し行動に移す瞬間、ホークが切羽詰り相棒の車のタイヤを撃ち、ギアが正義感を出し失踪した娘を乗せた車を尾行し始め、チードルがウェズリー・スナイプスの敵討ちのために物に満たされた部屋から銃を片手に出て行く…物語が収束に向かっていく辺りは圧巻です。  さらにここでは死は当然ながら容赦ないもので、誰一人として最期の言葉を一言でも発することは許されません。それでもホークとチードルは死して初めて光に照らされ、警官の職務から開放されたように見えるのに対し、ギアは退職し正義を為したにもかかわらず、なお闇の中にいるような顔面アップで映画は終わり、ブルックリンで警官をするということの過酷さを物語っています。  役者で言えば、主役3人はもちろんのこと、枯れた感じのウェズリー・スナイプスと出世しか眼中にない傲慢な感じのエレン・バーキンも良いです。[映画館(字幕)] 8点(2010-11-24 18:13:03)(良:3票) 《改行有》

65.  エスケープ・フロム・L.A. 《ネタバレ》 この物語の細部であるとか一つ一つのシーンであるとかについて言及するとすれば、かなりイイカゲンだとは思いますが…そんなことはさておいてアイパッチをつけたカート・ラッセルがバスケをしたり、何の脈絡も無しに波に乗ったり、唐突に空を飛んだり、やりたい放題して活躍してしまうのですから面白いとしか言い様がありません。コートを取り返すとか、最後にマッチをすってタバコを吸うなんぞはお約束ですが格好良いので、むしろやらなきゃ嘘です。 たとえ誰かが現在のCG技術を駆使して迫力ある映像でリメイクしたとしても、このカーペンター監督のセンスには到底及ばず(配役にしたって絶妙だ!)、本当にただのアホ作品になってしまうでしょう。それぐらい危険な作品であることは確かです。[DVD(字幕)] 8点(2010-11-19 18:08:05)(良:1票)

66.  西部の人 《ネタバレ》 オーバーアクト気味ではあるもののリー・J・コッブが巧みに演じる悪役老人のキャラクター造型の素晴らしさであるとか、撃つ方も撃たれる方も同一の画面におさめてしまう銃撃戦の見せ方であるとか、秀逸なところはたくさんあるのですが、オーソドックスな娯楽劇を期待していた者には物寂しさを感じさせる作品でもあります。  例えばゲイリー・クーパーがおっかなビックリ汽車に乗る様子や隣に座ってくる口の達者な男を見て、これは喜劇調なのかと思っていましたが(馬に乗るには便利だったろうスラっとした長い脚も汽車では窮屈そうに畳まねばならない皮肉にも見える)、列車が襲われ悪党どもの小屋に着くや否や完全に空気が一変します。特にヒロインにストリップを強要するシーンの禍々しさは作中随一の出来だと思います。しかし、そんな禍々しさ全開の悪党どもも、憧れの銀行は既に潰れ街はゴーストタウンとなり、ワイルドバンチは過去の遺物となってしまった寂しさを漂わせており、特に全てを承知の上で老人に味方するジョン・デナー(かな?)を倒したクーパーが(この銃撃戦も見事)、彼の男気に憐れみを感じるかのように、はたまたワイルドバンチに別れを告げるように、死体の手を合わせて送ってやるのも物悲しいです。  しかし何と言っても共に苦難を乗り切ったヒーローとヒロインがめでたく結ばれず、片想いで終わってしまうというのが決定的に寂しいです。思えばマン映画のヒロインは既に決まった相手が存在していて、その男から勝ち取るものであり、フリーで登場する彼女は最初から対象外だったのかもしれません。ということで、なんだかもう「西部劇はこれでお終いだよ」と言っているような気がするのです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2010-09-30 18:13:21)《改行有》

67.  ミスティック・リバー 《ネタバレ》 ミステリーの筋書きとしては陳腐ですし、ケヴィン・ベーコンは子供の頃の事件に遭遇した3人のうちの1人である必要性が希薄だと思いますが…それでもイーストウッドが監督を務めれば、かくも重厚な出来になってしまうのですから驚きです。  出色なのは、とってつけたようでもある最後のパレードのシーンで(物語的には不快な残酷さを宿しており過酷ですが)、サングラスをかけて視線を遮り闇におちていくショーン・ペン、ただ見つめるだけのベーコン、もう不在のティム・ロビンス、夫を信じ切れず弱さを露呈するマーシャ・ゲイ・ハーデン(うろたえないでくれと心底願いたくなる!)、そして何より恐ろしいのは顔を背けることなく堂々とお天道様に照らされて表通りを見るローラ・リニー。華やかなパレードの中で巻き起こる人間の暗部のドラマが簡潔に描かれています。  ところで…どうでもいいことですが、なぜデイブは嫌な少年期を過ごしたボストンを大人になっても離れなかったのか?その答えは子供の頃からずっと被り続けている帽子にあります。彼は熱狂的なボストン・レッドソックスのファンだったんです。せめてバンビーノの呪いが解けたところを見られたら良かったのに…本当に憐れ。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-22 18:20:10)(良:1票) 《改行有》

68.  エル・ドラド(1966) 《ネタバレ》 格好の良い凄腕ガンマンの敵役・マクロードと対決するのに、利き腕がマヒしたジョン・ウェインとアル中のロバート・ミッチャムと銃が苦手なジェームズ・カーンと老人の頼りない面々。やっぱりヒーロー足る者はハンデを背負ってなきゃ面白くないのですが、同時に絶対にウェインが死んだりしないと思えるような安心感もあり、そのバランスが絶妙です。 教会での銃撃戦もさすがの出来栄えですし(ここで敵の居場所を教えてくれるだけの女も印象的だ)、ラストはウェインと彼女の仲睦まじい姿ではなく、ミッチャムとおそろいで松葉杖をつきながら仲良く並んで歩いているシーンで終わるとこなんぞ最高に洒落ています。  個人的には「リオ・ブラボー」よりこっちの方が好きなのですが、それはひとえにミッチャムが出ているからですね。[DVD(字幕)] 8点(2010-09-08 18:11:46)《改行有》

69.  ボレロ 《ネタバレ》 ラストのボレロを踊るシーンの力強さ、美しさは圧巻で、ダンスパートナーとの唇が重なり合いそうで触れない微妙な距離がストイックでありながら官能的です。そんな決してピッタリと寄り添うことの無い主人公とパートナーの映画であり、美しい女優たちが次々とピカピカフワフワ艶やかに着飾って出てくるのも見所で誰もが魅力的ですが(ヘレンこそブッ千切り美しくなきゃいけないのでは?とも思うが)、ベストカップル賞に選出したいのはラオールとその兄貴の男のコンビです。わざわざ異母兄弟という設定までついておりホモセクシャルな雰囲気はないものの、炭坑夫時代から戦時中まで行動を共にし、兄貴が欲しがっている指輪を買ってあげたり、喧嘩をすれば〝実家に帰らせていただきます〟とばかりに荷造りを始め、二人同時に謝り仲直りする様子は微笑ましく長年連れ添った夫婦のようで、ラオールにとっては兄貴が一番の理解者なのです。そう思って見てしまうと最も感動してしまうのは、兄貴が伯爵夫人となってしまったヘレンに無理を承知の上で弟と踊ってほしいと頼む場面で、ラオールから貰った指輪をいじりながら懇願する姿は胸に迫るものがあります。[DVD(字幕)] 8点(2010-07-16 18:04:23)

70.  ビリー・ザ・キッド/21才の生涯 《ネタバレ》 ジェームズ・コバーンがビリーを仕留めるまでの追跡劇かと思っていましたが、そうではなかったようです。ビリーは逃亡しているようで、ちっとも逃亡していませんし、コバーンもビリーを追っているようで、ちっとも急いてはいません。いつか必ずやってくるその時をお互い待っているかのように穏やかとすら言える時間がゆっくりと流れ(たとえ暴力シーンがあってもだ)、両者の行動を淡々と見せていきます。そして段々と切なくなってきたところで運命の時を向かえビリーは射殺されますが、ペキンパーの映画で、しかも裸であるにもかかわらずビリーは撃たれていないかのように出血せずに死ぬ。血が流れないということは生身の人間ではないということであり、ビリーは伝説的なアウトローとして神格化されています。対して射殺したコバーンには少年が石を投げつける。つまりやっぱりこれは男の子のロマンであり、川辺で最期の時を向かえるおじさんにしたって哀愁が漂いまくっているのです。[DVD(字幕)] 8点(2010-07-09 18:43:44)

71.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 不死身の男マクレーン、しかも4作目ともなれば、もはや地球に隕石が降り注いだとしても死なないでしょう。ということで本作にはハラハラドキドキは求められず見せ場はド派手なアクションになるわけですが、これがなかなか工夫されていて面白いです。例えば、ヘリに襲われれば手始めに消火栓を破壊し反撃する。これは何とかしてヘリを撃ち落とすに違いないと思っていると、パトカーで撃墜するいう予想以上の離れ業をやってのけてくれます。あるいはマギー・Qに車ごと突っ込みブレーキなど決して踏まない。半ば自殺行為にもかかわらずマクレーンは自分でも不死身だと認識しているようで、その無茶苦茶さがノンストップのアクションを生み出しています。その究極が戦闘機との戦いであって、道路もぐちゃぐちゃになりターミネーターのシュワちゃんだって機械の部分をポロリと露出してしまいそうな激しい攻撃を受けることもマクレーンだからこそ可能なのです。生身の肉体の痛みは失われてしまった感はあるものの、シリーズとしての繰り返しを余儀なくされるのであれば、これぞまさに〝ダイ・ハード〟の続編だと思います。[DVD(字幕)] 8点(2010-05-31 18:30:05)

72.  世界を彼の腕に 《ネタバレ》 グレゴリー・ペックの海の男役は私にはどうしても違和感があるのですが、前年の同じくペックとウォルシュのコンビによる同じく海洋ものの「艦長ホレーショ」よりも、波しぶきが激しい船の競争が用意されているので海のシーンが面白いです。またウォルシュ作品によく見られる、主人公とヒロインとの喧嘩はあっけないものですが(立つ姿勢と座る姿勢で変わる視線の高さが整って仲直りする見せ方は良い)、その代わりに何かとやりあうのが商売敵?のアンソニー・クインで、普通ならこの役は完璧に悪党扱いなのですが、腕相撲からはじまって過激な船の乗っ取り合いに到るまで、まるでトムとジェリーのように仲良く喧嘩します。そんなこんなで物語はかなりいいかげんなのですが、とにかく豪快で(されど恋愛シーンは繊細だ)痛快な活劇となっています。また、鞭打ちを受けるペックを(ペックもっと痛がってくれ!)身を捧げて助けるアン・ブライスの宝石よりもキラキラと輝く瞳の美しさも忘れらぬものとなっています。[DVD(字幕)] 8点(2010-04-09 18:15:07)

73.  ダーティハリー 《ネタバレ》 冒頭の狙撃シーンからもうゾクゾクさせてくれますし、銀行強盗をやっつけるシーンだけでハリーという刑事が型破りなんだということを分からせてくれる簡潔さこそが、ハリーの、この映画の、強みです。つまりその強さとは事件から降りておきながら、次の瞬間にはコミックのスーパーヒーローの如くバスに飛び乗ってみせるなどというウルトラCの荒技も、ごくごく自然にやってのけられるということです。  また、夜のシーンは恐ろしく真っ暗になり、闇というのはこういうものだったと思い出させてくれますが、身代金を移送中のハリーを襲う暴漢たちの姿すら把握できないあたりは少々暗過ぎやしないかとも思います。[ビデオ(字幕)] 8点(2010-03-30 18:31:42)(良:1票) 《改行有》

74.  ララミーから来た男 とにかく面白いです。例えば、ジェームズ・スチュワートが塩田で塩を積んでいたら遠方にデイヴ一味が姿を見せ、馬を駆ってやって来るや否やあの惨事となる運びの鮮やさ。あるいは、その借りを返すため町でデイヴに殴りかかりにズンズン向かって行くスチュワートの怒りの圧倒的な凄さ。 ただ、監督がアンソニー・マンともなると、こちら側も欲張りになってしまい、せっかくなのでもっと銃撃戦を見せてほしかったであるとか、相棒となるじっ様をもっと登場させてほしかったであるとか要望も増えてきます。というのも、じっ様がスチュワートに行動を共にしたいと言う時のセリフが良いですし、それを聞いたスチュワートは凄く嬉しそうな表情を見せ、じっ様がラバに乗るのを手伝ってやる…と、二人のシーンが忘れ難いものになっているからです。[DVD(字幕)] 8点(2010-03-19 18:22:35)

75.  不死身の保安官 《ネタバレ》 この映画は不自然な組み合わせが見所で、英国紳士で世間知らずのお坊ちゃんジョナサンは西部の無法地帯で保安官に任命され、酒場を仕切るブロンドのグラマーな女主人ケイトは凄腕のガンマンでドレスの腰にホルスターを巻きつけ、大団円の結婚式ではイギリス男とアメリカ女と先住民が横一列に並んでしまうという可笑しさなのです。しかもここで面白いのは、この英国紳士が郷に入れば郷に~とはならず、地のままでボケ倒し?どんな危機的状況に陥っても一発も実弾を発射することなしに見事、事件を解決してしまうところです。ということでコメディ色が強いわけですが、最も印象深いのは凄腕のケイトがジョナサンに銃の手ほどきをするシーンで(ケイトに銃を使う見せ場が無いのが残念ですが、凄腕という設定はこのシーンのために作られたものでしょう)、射撃するケイトは魅惑的に口を半開きで狙いを定め、エロティックに銃の説明をし、手取り足取り指導しながら二人の距離が少しづつ近づき、口付けをするとケイトの興奮が高潮に達し銃をズドンとやる…。 ウォルシュ監督のロマンスシーンはいつもながらの流石の出来栄えで、そして本作においても結ばれる男女は些細な誤解からやっぱり一度はケンカをするのです。[DVD(字幕)] 8点(2010-02-16 18:19:16)(良:4票)

76.  たくましき男たち 《ネタバレ》 群衆の大移動と言えば同監督の「ビッグ・トレイル」を思い出しますが(個人的には「ビッグ・トレイル」の方が好みだが)、これまた壮大な移動です。何より物凄い数による牛の大移動が壮観で、終盤でスー族が渓谷を下って襲ってくるのを、突撃で切り抜けるシーンは特にド迫力です。また、小道具の使い方が上手く、毛布とブーツが恋の鍵となっているわけですが、ラストで毛布によりジェーン・ラッセルがその存在を知らせ、クラーク・ゲイブルがブーツを脱がせるカットで終わらせるなんてのは、さすがウォルシュ監督です。ここでの靴を脱がせるという行為はとっても官能的なのですが、規制がなくなって激しい濡れ場も可能になった今日では刺激が足りんと言われてしまうのでしょう。しかしこういったシーンを見ると映画としては露骨な露出は進歩とならず、むしろ退歩したのではないかとすら思えます。  ・・・ただ細かい話をすれば、前半の吹雪中の移動シーンで馬が駆けた後に巻き起こる砂埃のような雪は良いのですが問題もあり、極寒であるにもかかわらず役者たちの吐く息が全く白くなく、その当りは手抜かりな感じもします。また、ゲイブルと弟の最後の別れ際、なぜ死んでしまう弟ではなくゲイブルの去る姿を見せたのかもよく分かりません。[ビデオ(字幕)] 8点(2010-01-26 18:08:09)《改行有》

77.  白熱(1949) 《ネタバレ》 最初の列車強盗シーンからもう全開でノリノリです。特に一味の凶暴性は凄まじく、彼らにとって銃は脅しの道具ではなく殺しの道具であり、容赦の〝よ〟の字もありません。そしてやはりギャグニーが素晴らしい。「犯罪王リコ」や「彼奴は顔役だ!」ではどことなく好感も抱けたのですが今回は恐ろしさが全面に押し出され、頭痛持ちという設定が映画をより豊かにしています。また死が訪れる際、多くの者が力なく無惨に階段から崩れ落ちたりするのに対し、花火を打ち上げるギャグニーの鬼気迫った最期は圧倒的です。  しかしそんなギャグニーと同等の、あるいはそれ以上に強烈な印象を残すのは彼の母親と女房です。裏切りなんて朝飯前の豪胆な女房役のヴァージニア・メイヨの初登場シーンは、驚くことに無防備にイビキをかいている寝顔ときてます(ガムまで吐き捨てる!)。さらに一見、普通の地味な母親も息子を指南する姿は悪魔的ですらあります。ギャグニーの行動は終始一貫して母親の指示に基づくもので、女房にも平手どころか蹴りを入れるのに母親には幼い子供の如く抱かれるのです。[ビデオ(字幕)] 8点(2010-01-22 18:26:55)《改行有》

78.  パブリック・エネミーズ 《ネタバレ》 マイケル・マン監督の作品にはついていけないと思うような箇所もあるのですが(例えば、ネルソンの死に際の白い息が止まるところなどはもっとしっかり見せてほしい)、突如として訪れる素晴らしい瞬間と、格好良過ぎる男のドラマに魅了されファンであり続けているのですが、今回はその瞬間は最後の最後に訪れました。 それはジョニーが映画館に行ってから終幕までで、クラーク・ゲイブルのギャング映画を見るジョニーの表情と外で待ち構えるクリスチャン・ベールの表情、そして助っ人ベテラン捜査官の行動…ここまでくるまでの部分は壮大な除幕式だったとすら思えます。  ジョニーとベールは「ヒート」のデニーロとパチーノと同じように一度しか顔合わせをせず、しかも同じように両者の肩越しから撮られているのですが、彼らはデニーロとパチーノのように共鳴し合わず、ラストでジョニーを見送り一緒にフレームに納まるのはベールではなくベテラン捜査官なのです。このベテラン捜査官は〝伝えてほしい〟などと聞き取れなかったはずのジョニーの言葉を確信を持って〝頼まれた〟と、女のもとへ伝えに行きます。それは彼こそがパチーノであり〝男〟なのだからだと思います。・・・ただ、そこで少し残念なのはこのベテラン捜査官の配役で、登場シーンが僅かなので、エド・ハリスとかガブリエル・バーンとか(あまり思いつきませが;)そのぐらいの役者を持ってきて欲しかったです。そうしないと、どうしたって髭のドン・フライの方が印象強くなってしまいます。[映画館(字幕)] 8点(2009-12-17 19:07:23)(良:1票) 《改行有》

79.  誘拐犯(2000) 《ネタバレ》 人物設定といい、あのカッコイイ音楽といい、色々と思わせぶりな映画ですが、結局のところドンパチで全て解決してしまっているので拍子抜けの感があります。しかしながら誘拐するシーンにおいては、ライアン・フィリップが入り口からの長い通路を徐々に怪しげになりながら歩いてきたり、あるいは徐行による車の追跡も画面の奥へ奥へと逃げて行ったりと、奥行きの使い方が意識されていて面白いです(他にも何度か見られる)。 そしてモーテルでの銃撃戦も狙撃を取り入れることによって俯瞰で見せる工夫がされていますし、ラストのじい様たちとの西部劇のような大銃撃戦も人物の位置付けがしっかりしていて視界良好です。これだけ距離感を出しているのは近年の作品では珍しいと思います。ただ、惜しむらくは銃撃戦であるのにやや迫力に欠けていることで、鬼気迫っていない「ワイルドバンチ」のようです。  それにしても白ポロシャツにムキムキアピールのジェームズ・カーンに敵うわけない。[DVD(字幕)] 8点(2009-12-01 18:32:46)《改行有》

80.  チャンプ(1931) 《ネタバレ》 泥酔した父親の服を脱がし寝かしつける息子、すぐにトラブってしまう父親と常に味方してくれる息子という図式は親子関係がすっかり逆転しています。しかし、馬を取り戻し喜ぶ息子の姿を見るや安堵し力尽きるチャンプは、やっぱりどうして親であり父親としての意地を見せてくれるので胸にグッときてしまいます。逞しそうな母ちゃんのもとで暮らす方が幸せだろうけど、父ちゃんだって強いんだゾ…という感じです。  そのボクシングシーンはコマ落としで早回しをしているだけでスピード感だけしかなく面白味には欠けますが、必死に応援するあの少年の健気さとか、それまでのチャンプの車を降りる鈍重な動きなどを見ると、もはや勝利なんて夢のまた夢と思わせておいての頑張りですから、ついつい行方を見守りたくなってしまいます。  もう物語そのものは完全無欠のメロドラマなのですが(お涙ねらいならディング少年は存在自体が反則に近い)、少年が母親に抱かれ控え室から遠のいて行くラストが父子の決別を際立たせており、分かっていても目頭の温度が上昇してしまうのです。[DVD(字幕)] 8点(2009-11-13 18:51:40)《改行有》

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