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コメント数 914
性別 女性
ホームページ http://ameblo.jp/cluttered-talk/
自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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61.  ファウンテン 永遠につづく愛 《ネタバレ》 ユダヤ系アメリカ人という西洋人であるところのア氏が、〝死に対する恐怖〟への克服を東洋思想やマヤ文明という「外側」に求めたという意味で画期的な作品です。 作品内には一切「創造神」の観念が出てきません。これは西洋人とくにユダヤ人が作ったということを考慮すれば「大変なこと」です。それだけ、「他の作品」には「それ」が必ずあるからです。 さて、そういう前提を踏まえてもう一度この(一見)難解な作品を見てください。 な~んだ、大して難しいことは言ってないじゃないか。 トリッキーな映像を駆使して観客を混乱させ、一時間半ののちにヒュー・ジャックマンのセリフまで引きずってきてやっと「オレは自分が死ぬことが怖くて仕方ない」という本音を聞かせるわけです。 「なんだそんなことか」と言うなかれ。それはあなたが今現在健康で若くて楽天的だからという、それだけの理由です。例えば哲学者の中島義道は、幼少時から自身の死を恐れ続けて哲学に進み、還暦を過ぎた今も死ぬのが怖くて気が狂いそうなのです。彼は哲学者なので、死後は「無」になると思っているからだそうです。 「自分はいつか死んでいなくなる」という恐怖の事実と共にどう生きるか、西洋人にとってはGODのまします「天国」に行くことが答えです。ア氏はこれを退けた。死後のイジーは天国に行っているわけではありません。 それはラストで「万物流転」という形で表現されました。…ア氏から観客への直球が投げられたわけです。しかし、キャッチしてくれる観客は少ないだろうなあ。 例えば普通の日本人だったら「難解なファンタジーですか?」という反応になる。 キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の信者にとっては、ア氏の直球を受け止めることはすなわち「改宗」を迫られることを意味します。これは大げさではありません。なんたって「全能の神はいない。死んでも天国には行けない。」のだから。 そういうような、危険な球を投げてきたある意味勇気あるア氏ですが、ひとつ指摘すれば彼の限界を感じる部分がある。 なぜ、妻が死ぬ側でなければならないのか。なんで逆ではいけないのか。 妻を救おうと奔走する夫って、あんまりにもありきたりじゃないですか。新しさを追求するならそこまでやってほしい。 ここは、逆にしてみるべきだったと思う。妻を聖女のように描かないでもらいたいしね。ここらへんが男であるア氏の限界。[地上波(字幕)] 7点(2010-06-14 14:51:32)(良:1票) 《改行有》

62.  ネットワーク 《ネタバレ》 脚本演出編集どこをとっても古さを感じさせず、シャープでエッジーでかっこいい。 35年前の話だということが面白さを全然損なわない。 TV業界、ひいては資本主義経済、マネーメイクスセンスの世界を鋭く批判した作品です。 あえていうなら、ウィリアム・ホールデンとフェイ・ダナウェイのロマンスが…分別ある愛妻家のマックスが、妻を捨ててイカれたギョーカイ女に走るところのへんが…ちょっと説得力に欠けるかなあ。 ダイアナの魅力に逆らえず自ら誘いをかけていくマックスが、己の矛盾に髪をかきむしってもだえる場面とか、必要ないでしょうかね。そんなんヤボというものかな。 でもなんか飛躍しすぎ…キミの書いた脚本に乗っかっているというふうに説明してますけども、私には具体的にいつどこで何がマックスに一線を越えさせたのかがよくわからない。 とこだわるのは、この話は誰が主人公なのかはっきりしない(もちろん、意図的にですが)ようになっているわけで、その中で強いていうなら最もマトモな人物であるマックスが観客のよりどころになるからです。このイカれた登場人物たちの中で、百歩譲って誰にならなれるかといったら男も女もマックス・シューマカーしかいないですよね。 ともあれ、50年後にも見てもらえる、価値のある一品。 *クレジットにジョン・カーペンターの名前があったけど…別人?[地上波(字幕)] 9点(2010-06-11 22:16:38)《改行有》

63.  BUG/バグ 《ネタバレ》 この後におよんではっきりさせたいけれどもフ監督の作品で面白かったものはたったの2つ。「フレンチコネクション」と「エクソシスト」。 この2つに共通するものは「ドキュメンタリー〝タッチ〟」で撮っってあるということで、余計な説明や感傷を排した非常にクールな切れ味が新鮮だった。公開当時はもっと新鮮だったことでしょう。 私は「エクソシスト」をとても素晴らしい作品だと思っていまして、以前はDVDを所持していたくらいです。 まっ、「BUG」見ちゃったらフ氏に対する期待は過大評価だったというか、もしかすると「エクソシスト」を頂点として右肩下がりに才能が下降している監督だと認めたほうがいいのかもと思うのでス。 アシュレイ・ジャッド、アラフォー(死語かもねえ…)で〝体当たり演技〟してみたかったんでしょうねえ。その気持ちわかるわ。でも、出ただけ無駄だったよね。 フ氏はもう映画作りを辞めたほうがいいと思います。なぜなら駄作を1コ作るごとに「エクソシスト」の栄光に傷がついていくのじゃ。[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-06-06 22:56:06)《改行有》

64.  ムーンライト・マイル 《ネタバレ》 さわやかな感動を呼ぶヒューマンドラマ、ということだったのになあ。 感動、なんにも生まれません。 キャストもいいし、演出編集などはまじめだし別に文句はないですが。ちょっと無個性というか、工夫が足りないような気もするが、まあ目をつぶってもいい範囲です。 ではなにがいけないかというと、私はこの作品が提供する思想に全然共感できないわけです。 他人の過ちを許せ。生きてる者を優先しろ(この中には犯人も含まれるわけです)。過去にとらわれるな。恋愛については自分の直感を優先しろ(例え他人を犠牲にしても)。 あ~あ、これはさあ、特定の何かがないと解けない気がします。Gで始まる天にましますお方なんじゃないでしょうか。 そして、神様を信じその教えに従って生きているわけではない人にとっては、この話は〝ナンセンス〟〝ダイアナにひどすぎる〟というふうに思えてしまう。 ダイアナ、私にしてみれば彼女は「愛した男性に愛されず」「単なる巻き添えで突然死ぬ」という、不運すぎる人生だった女の子。両親にジョーとの別離を言わなかったのは、言えなかったというより「ぎりぎりまで復縁を待っていた」からですよ。そんなん決まってます。だから片思いのまま死んだ女なんです。 ところが、作り手はダイアナのことをそういうふうには扱っていなくて、じゃどうなのかというと「死んだのは神の配剤。人間にはその理由などわからない。今、彼女は天国に居るのですべてOK。」つまり〝ダイアナがかわいそう〟などと思うのは生きている者の勝手でエゴである…ということですよ。 なので、ジョーの身勝手な行動もバーティのミエミエな誘惑も、許すとか許さないとかいうジャッジの外にあるのです。 〝神様なし〟の状態でこの作品を見ても、ピンと来ないのはそういうことです。作品中で「神様」という言葉は全然出てこないけれど、全体を見れば、こういうことだとしか思えません。 う~んダメです。世界には仏教徒も無神論者もけっこうたくさんいるので、「当然だろ」という顔をして提供してもらいたくないです。「神様ファン限定」と大書きしておいてくれないといけないと思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-06-04 13:22:45)《改行有》

65.  コッポラの胡蝶の夢 《ネタバレ》 ヒモの干渉を嫌ったコッポラが、私費を投じて製作したという。…すると、コッポラ作への出演を熱望していたティム・ロスを起用した意味がわかるような気がしてくる。…たっぷりギャラが払えるならば、ティム・ロスを使わなかったと思うのだ。 なにやら難解に思えるお話だが、若き日のドミニクが追求していた「言語の起源」「人間の意識」「時間の概念」というテーマを、1938年以降のドミニクの人生にそのまんま絡めていったようなストーリー。夢オチか?という期待は、ラストのホテルフロントの電話とパスポートの中味を見せることで否定される。わざわざ。そう、わざわざ否定することによって、この作品についてはどこらへんが夢でどこらへんが現実だったのか、とか、チマチマ考えても意味がない、ということにもなります。事実の整合性を保つことは目的とされていません。謎解きをする映画ではないです。 そこで、謎解き以外に映画としての魅力は何になるのか、と考えてみるに、これはもう、ドミニク役の役者さんにホレるしかありません。いろんな意味で、ドミニクにホレるしか。ドミニクと共に泣き、ドミニクと共に不安に震え、ドミニクと共に不可思議な物語を歩む。 ところが、主役は誰だ。ティム・ロスだ。 観客はティム・ロスに2時間も恋ができますか。 身長とか体格のことを言っているのではなくて、基本的に主役を張る俳優さんではないと思う。カレは「2時間恋ができるか」という条件を満たさないんだから。 で、私はドミニクをスティーブ・ブシェーミにやって欲しかったと思うのです。 なんとなくキャラがかぶっている感じでロスのライバルであるブシェーミ、彼なら2時間は長くなかった。ラウラ=ヴェロニカ役の女優が無名であっても、ブシェーミなら私は泣けたかもしれない。 主役選びを間違えてはいけないという見本のような映画です。〝主役に恋する〟は〝上手い〟かどうかと関係ないんです(ブシェーミはもちろん上手いですけど)。 〝みんなが心配している問題〟とは〝人類の叡智を善悪のどちらに使うか〟ですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-24 15:31:05)(良:1票) 《改行有》

66.  恐怖のメロディ 《ネタバレ》 イーストウッドのもみあげの立派さに絶句。あのもみあげのついた顔で、堂々の色男なのだから顔のバランスって不思議なものです。 イブリンがどこまでやってくれるのかと期待していましたが、まだまだ物足りないうちに終わってしまった。捕らわれたトビーが無傷なのは変だし、イーストウッドと相打ちになって倒れたところで生死の境をさまよっている状態で終わって欲しかったです(レザボアドッグスのラストみたいな感じで)。 結局、しつこい女を男の腕力で追い払ったようなことになってなにか興ざめ。 コンサートとか砂浜を歩いたりする無駄なシーンも(本人にとっては深い意味があるのだろうが)よくわかりませんでした。40年近く前の作品としては、ストーカーについてかなり勉強しているとは思う。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-24 15:18:08)《改行有》

67.  バンディッツ(2001) 《ネタバレ》 泥棒と詐欺は嫌いなのでなるべくそういう映画は見ないようにしているが、ソーントンの愁訴演技をチラ見して食指が動き、改めて録画してみました。 …残念な映画。せっかくウィリスとソーントンというコメディのできる役者をそろえたのに、笑いを軽視している~。三角関係なんかどうでもいいんだよ。笑いだ、笑い。 カツラとか変な服装とか見た目の工夫をしているわりには、演出のセンスがイマイチなので笑いが足りない。 ウィリスの真顔ボケと、ソーントンの愁訴だけでガンガン押していくべきだったのだ。私はウィリスの真顔ボケをけっこう評価しているんだけど、あんまり生かされていなかった。なまじブランシェットなどという大物を使ったために、女ネタにこだわらざるを得ず尺を無駄にしてしまっている。本末転倒。 やりようによってはすんごく笑える作品にもできたはずなのに、もったいないことだ。おなかいっぱい笑わせてくれる一品は、シリアスで賞を取る映画よりはるかに価値があるというのに。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-05-21 20:50:32)(良:1票) 《改行有》

68.  フレンチ・コネクション 《ネタバレ》 ウィリアム・〝サディスト〟・フリードキンが「エクソシスト」より前に撮った作品。 究極のナンセンス、ナンセンスを究めた怪作・奇作です。 なにがナンセンスかというともちろん、数々の犠牲を引き起こしたドイルの執念がほとんど実っていないまま終わるということ。意味なし。無駄の極地。無意味を追求することでシュールな美を目指します。 ドイルの執念がつのればつのるほど、文化的な生活からは遠ざかり(一方の悪党はレストランで豪華ディナー)、周囲の者が犠牲になり、そして成果はほとんど出ない。なんてナンセンス。 なにかフランス人の悪党のほうがマトモであって、ブルドーザーのように周囲を巻き込むドイルのほうがおかしいように思えてきてフリードキンの狙いどおり。 〝追うこと〟そのものが目的と化したドイルの異常さが、最終的に同僚を射殺しても動じず追い続けるドイルに示されています。 クレジットに「現実の人物に似ているところがあったとしてもそれは完全に偶然であります。」という断り書きが、や~けに重々しい英語を使って書かれているのですが、そのわざとらしさに笑っちゃいます。こんなにドイルを異常者にしておいて、そんなことちびっと書いといたからって許されるのかなあ。ははは。 でも続編が作られたということは、ドイルのモデルとなった刑事さんは怒ってないってことよね。有名になれたら御の字ってとこかなあ。 ハックマンってあのアゴに傲慢さや暴力的なものを感じるのですが、そのへんがドイルにぴったりでした。 大スターたちすんごい走らされていますね。寒いとこで何テイクもさせたんでしょうね。サディスト・フリードキンここにあり。役者さんたちはご苦労さまでした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-11 14:18:00)《改行有》

69.  ミーン・ストリート 《ネタバレ》 スコセッシの原点がよくわかる〝ヤバい街〟です。 なかなか笑えます。おもしろいです。70年ごろのNYイタリア人街を見られるのが貴重で興味深深です。これがスコセッシの血となり肉となった街なんですね~。感動~。 それでまた、カイテルかっこいいわあ~。この顔がイタリア系というのも無理がありますけど、そんなことには目をつぶれるほどかっこいいわあ~。ついでに身長の低さも気がつかないふりをしてあげちゃう。 借金の取立て屋のチンピラのくせに、ちゃんとタイを締めちゃってさ、着ているものがやけに上等なところもリアルで笑っちゃいます。大暴れしてもシワになってないし、高いお洋服ですわ。イタリア人の男は洋服に金がかかって大変だなと思います。 あっち行ってはケンカ、こっち行ってはケンカ、でも狭いとこで顔を突き合わせて暮らしているから次に会えば友好的にあいさつするという、なんかアニマルな世界。虚弱体質のスコセッシ少年は、うま~く頭を使って泳いでいたんでしょうね。 見どころを言います。「カイテルの超高速往復ビンタ連発」です!!いいわ~。これ以上素晴らしい往復ビンタは見たことがない。もちろん殴られているのはデニーロさんでした。私はデニーロさんには興味がないのでした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-09 21:27:32)《改行有》

70.  アット・ファースト・サイト/あなたが見えなくても 《ネタバレ》 キャストもそこそこ豪華だし、尺もたっぷりあるのにどうしてこうユルいんでしょう。 脚本と演出がフツーすぎます。 もしかすると、作り手は「実話の映画化」という意気込みが強かったのではないでしょうか。 だが、フツーの客はミラ・ソルヴィーノとヴァル・キルマーというスターが感動のロマンスを演じてくれるものと思ってしまいますよね。どうしたって。 作り手と観客の間に埋めがたいギャップがある…ような気がする。 それと、キルマーにこのような役は荷が重すぎました。カレは体重管理すらちゃんとできないタイプですから、その証拠に今なんか、アレック・ボールドウィンと同じく堂々のデブ俳優になっちゃってますけど、見えないふりをするというストイックな演技を求めるのはもともと無理ですね。 私は2人のスター俳優がモタモタと演じるロマンスよりも、モデルとなった実在の2人のほうに興味を感じてしまいました。もういっそのことこういう驚愕のストーリーはドキュメンタリーにしてしまって、インタビューで体験を語らせるほうがよほど感動を呼ぶと思うのです。そんで無名な俳優を雇って要所要所で演技させて、それをぼかしの遠景で撮ったシークエンスを挿入するとかで充分じゃないだろうか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-05-08 21:28:57)《改行有》

71.  リアル・ブロンド 《ネタバレ》 「フルメタルジャケット」以来パッとしないままオヤジになっていくであろうマシュー・モディン主演作です。 「みんなそれぞれ無いものねだりをしている」的なことがテーマです。なおかつ「もしもそれが手に入ったら、〝本当は求めていたのはこれじゃなかった〟ということがわかる」みたいな展開です。「リアルブロンド」とはまさに、昼メロ出演中の友人が夢見ていた女性のはずなのに、手に入れたらできなくなったという、映画のテーマそのままな意味です。 正義の実現された社会を求めるマシュー・モディン(中出ししても妊娠しない女性も求めているというアホ)、イヤらしくない男性を求めるキーナー、素の自分を愛してくれる男性を求めるモデル、それらはみな無いものねだりということになっています。 けどもまあ、みんな落ち着くところに落ち着いていきます。全体的にユルい作品なので、これといった文句を言う気力も湧いてきません。 最後におばあさんの犬が戻ってくるのは、求めずに待てば訪れるという意味なんだろうか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-29 18:25:59)《改行有》

72.  誘拐犯(2000) 《ネタバレ》 「意欲作」というのが適当なんでしょうなあ。 私は見ていて非常に疲れました。精神的に疲れました。 というのは、「信頼のおけない登場人物」が多すぎる、からです。 ついつい張り切って、書き込みすぎたんでしょ…と私は言いたい。 なんというか、こういうのってバランスが大事なんではないでしょうか。つまり、善玉悪玉関係なく、「信頼のおけない登場人物」=「いついかなる時に意表をついた行動をするかわからないヤツ」を登場させるなら、「そうでない人物」をバランスよく配することが、必要だと思うのです。そうでないと、見ていて疲れてしまうのです。この作品の中で、「安心して見ていられる人物」が、何人居たでしょうか。 「信頼のおけない登場人物」は、「(観客にとって)ある程度行動が予想できるという意味で信頼のおける人物」と混在させてこそ意味があるのです。それを忘れて、やりすぎてしまった結果がこういうことだと私は思う。 …それと、これを言わないでは済まないと思うのですが、やたらに妊婦をいたぶるとか、観客を挑発するためだけにそういうものを使わないで欲しいですね。品がありません(たとえエログロにだって品は存在します)。緊張感が増していいだろうって?冗談も休み休み言いなさい本当に。 ロビンの父がジョーだったとかいう妙なオチですが、ジョーほどの情報通が、実の娘の腹が膨らんでいることに気がつかなかったというのもヘンですし、とても無理があります。 う~ん、脚本でホメられて張り切りすぎて、技巧に凝りすぎたという感じです。こういうものをとても面白いと素直に思える観客は、相当な通好みか本物の犯罪者か、フツーに考えるなら映画業界人ではないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-27 16:16:19)(良:1票) 《改行有》

73.  グリーンフィンガーズ 《ネタバレ》 期待はずれでした。 オヤジをはじめとするいわゆる〝挽回もの〟はハズレが少ないのですが、なんでこんなイマイチな出来になったのかって、これ、尺が全然足りないように感じますね。 全体的にユルすぎる…まあ、仲間の脱走とか出品取り消しとか病死とかいうマイナス要素はいちおう盛り込んでいますけども、いろんなことがなんとなくうまく行きすぎます。 だいたい前科者が中心の話なのに、裏庭でエッチをしたあげく妊娠させたりすると「反省とか贖罪はどうなっているんだ」という非難もしたくなります。 ガーデニング未経験者だったクライブ・オーウェンの主人公が「俺は庭師だ」と思うに至るまでの苦労が、ちゃんと納得行くように描かれていない。これは大問題です。ここんとこができていないので、観客がカレを応援する気持ちになりにくい。 もっというならプリムローズと相思相愛になった経緯もイマイチはっきりしない。 「実話ものだから、とにかく事実どおりに詰め込んでおけばいいや」って投げやりな感じもしないでもないです。 とにかく90分でやるというなら、勇気を持って何か(トニーのエピソード全部とか)を削除するべきでしたし、本来なら120分くらいもらって、前の刑務所の暗さとかガーデニングの困難さやプリムローズとの関係を細やかに描いていくべきでした。 所長役の俳優さんはドラマ「ダルジール警視」で主役を演じていました。なかなか練れた役者さんです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-25 20:22:15)(良:1票) 《改行有》

74.  パラノイドパーク 《ネタバレ》 また美少年を使っていろいろしています。このヒトは本当に変態ですね。 いわゆる学校の人気者の美少女をバカにしているところも、「エレファント」と通じるものが。 アレックスは最初のころ、おとやんに打ち明けようと決心しますが、電話をしかけてやめ、実際におとやんに会ったときも2人の間にはものすごい距離感が表現されていていてそれどころではありませんでした。 アレックスがおとやんを頼りにしようとしたのは、冷静に話を聞いたうえで、「故意ではなかったのだからおまえが悪いわけではない」と言ってくれ、「しかし、起こしたことの始末はしなければならない」と言って弁護士を呼んで一緒に警察に行ってくれるようなこと…を期待したからですたぶん。 しかし、時間を置いたアレックスは、実際にはそういうふうにはなる見込みはなく、かなりの確率で「このまま一生黙っていろ」と言われそうなことに気がついてしまった。息子が少年院に行くかも知れず、自分は被害者の家族に損害賠償を請求されるとなったら、それでなくても離婚調停中のおとやんの人生は今以上にひどいことになる。 父親に「黙っていろ」といわれたら、両親の離婚ですら深く傷ついているアレックスは立ち直れない。 アレックスは、そのことを確かめるのが怖くて黙っています。 さて果たしておとやんは「黙っていろ」と言ったでしょうか…。 それとなあ、「少年の視点」のみで「少年に見える世界」を見せてくれているのだが、どうもなんだかなあ。勧善懲悪しろということを言っているのではありません。 「他者の視点」をこれだけ意図的に排除してしまうと、閉塞感極まれりという感じになって、「べつに公開しなくても、身内だけで集まって見ればいいんじゃない」と言いたくなってくる。 具体的にいうと、死んだおじさんは「物体」ではないので、這わせるだけではなくて「おじさんの一日」を少しくらい見せる必要があると私は思う。おじさんは物体ではないので、あの場所に現れるまでに、人としゃべったり食べたり怒ったり運転したりいろいろしているわけなので、それが物体ではないということなので、アレックスが知らないところにも他人の人生は存在するわけで。 あのおじさんが登場して死んでいく意味は、「他人の人生」に対して「無知」なるアレックスに対する啓示だと思われるのだが、どういうわけか最後まで物体扱いのまま。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-25 16:03:22)《改行有》

75.  ターネーション 《ネタバレ》 アメリカでは一部の層にウケてヒットしたらしいですが、ジョナサン・カウエットというゲイの俳優さんが撮り貯めたビデオを編集したドキュメンタリーです。 まあ、非常に見づらいです。マトモに見るならもれなく眩暈や頭痛が付いてきます。 こういうカットバックというのかフラッシュバックというのか本当にやめてもらいたいなあ。人間の視覚能力なんて、そんなに進化しているわけがないんだからさあ。 内容が衝撃的だということでウケたようですね。幼いころからゲイを自覚していたとか、母の波乱万丈人生とかいうことで。 本人は、母が12歳だかで屋根から落ちて頭を打ったことが、息子である自分の不幸の根源であると思っていて、まずそのことをいうためにこの作品を作ったみたいです。題名もそんな意味なんでしょう。 非常に驚くのは、このヒトは、子供のころから撮り貯めた大量のビデオを、ちゃんと保管していたのだという事実です。当時はディスク化もできないから、保管に場所を取りますよね。しかも、住居も転々としたりしたわけです。…いったいどうやって保管していたのか。 さて、私はひととおり見てちょっとズルだなあと思わざるを得ませんでした。 母に関する事件や病歴は細かに説明しているのに、自分のことをあえて省いているところね。 ジョナサンの人生にとっての大事件が、意図的に省かれていますね。ジョナサンのゲイライフの白眉といえる初体験や、大人からの虐待の有無などが、全くありません。 なんだかこれでは「不幸はすべて母のせい。その母の不幸は屋根から落ちたせい。」ということだけを提示されて、それを吟味する要素を伏せられている気がしてくるのです。 母や祖父母にとって不名誉であったり到底世間に公表するべきでない事実を明らかにしているのに、自分のことは言わないのです。ローティーンのころドラッグやアルコールをやったという程度のことしか。 もしかするとこの時点のジョナサンは、己の受けた傷を公表するほどには回復していなかったのかもしれません。けれど、不特定多数の他人に映像を提供するなら、基本的に誠実でなければならないということを無視しています。そしてそれは自分で考えているよりも容易に他人に見破られてしまうのです。 もしも「ターネーション2」があって、そこでジョナサンが隠したいと思っている事実を明らかにするつもりだったなら話は少し違いますが。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-21 12:52:48)《改行有》

76.  ソウ5 《ネタバレ》 4、5と続けて見ましたけど、4はコメントする気にもならないシロモノでしたのでね~。 さすがに、バウズマンを降ろすことを決断せざるを得なかった。いやいや、2を撮った時点でバウズマンなんか蹴りだすべきだったのですが、そのあと2個も撮らせて、やっと彼を切る気になったみたいです。気がつくのが遅すぎます。 で、バウズマンが滅茶苦茶にした4までの狼藉を尻拭いさせられたのが今回の監督さんで、気の毒なことだなあと思いますが、やっぱり基本に戻って「更正しろ」というジグソーの理念にこだわってみるというとこに着地させました。これ以外に方法はなかったと思いますが。突っ込みどころだらけでリアリティのリの字もなくなってしまったことは、2~4の遺産ですから仕方ないのでしょう。 指摘したいのは、ホフマンとストラムという2人の最重要人物がイマイチ変わらない、というか区別がつきにくい外見をしているということです。これはわざとなのかなあ。 どっちも白人、ダークヘアー、同世代、これといった特徴なし。区別つきにくいですよ、アジア人なんかにとっては。 区別をつけようと思ったらどうにでもなるので、髪型、髪の色、メガネ、ヒゲ、パッと見ただけでどっちの人物かわかるという状況に持っていけるはずなんですけど。私は、2人の外見に差をつけるべきだったと思っています。似せても特に意味はないし。 ジグソーの元妻が受け取った箱の中身ですが、彼の凍結精子じゃないでしょうかねえ。それにしてはデカすぎるのですが(もしかして大量の保冷剤とか)、究極のモノって言ったらやっぱりそれかなあと。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-19 14:49:51)《改行有》

77.  ダーウィン・アワード 《ネタバレ》 筒井康隆の短編にもマヌケな死に方をした人の年表ってのがありました(フィクションです)。 この作品は、マヌケな死に方の再現部分がとてもおもしろくて、つなぎとなるファインズとライダーの部分がいまいちつまらないというバランスの悪い残念作です。 マヌケな人びとを見ているのってどうしてこんなに楽しいんでしょう。それも、そこそこ名前のある俳優が演じているうえ、演出がナチュラルなのでフツーの市井のマヌケな人を見ているようで、このユルさ加減がとても楽しいです。 それなのに、ファインズとライダーのシーンはどうしても「有名俳優がシナリオ通りに演技しています」という感じで、要らないロマンスを無理やり詰め込んでしまって残念です。 とにかくロマンスを入れなきゃいかんというのは、もうこれは彼らの病気かもしれないなあ。この話にロマンス要らないでしょう。 ロマンスを入れなきゃいけないと思うからファインズなんて持ってくるので、ここはスティーブ・ブシェーミなんかが丁度いいと思うんです。 とにかくボランティア参加(と思われる)俳優陣は、みんな楽しそうでユルくていい感じ。どうせならアークエット家は姉妹の参加も欲しかったところ~。特に、ロケット男のバカ友を演じたブラッド・ハントが光っていて「ヨーロッパとか?」のボケがたまりません。あと、お約束としてこういう場合、カメラマンは最後まで顔を出すべきではありませんね。 エンドロール後のおまけに似たパターンを見た覚えがあるが、なんの映画だったか思い出せない…ダッチワイフがアジアに着陸するシーン…。 ちなみに字幕の翻訳が的を得ていてとても良かったです。このくらいの訳が丁度いいです。一箇所間違いがありましたが。クリス・ペンが「It’s effective」と言うところを「(犬が)くわえたぞ!」と訳していましたが「(導火線に)火がついているから爆発するぞ!」の意味です。まあ彼は割舌が良くないので私も10回以上ヘッドフォンで聴いてみてやっとわかったけど。 ファインズとライダーのシーンをバンバン飛ばしながら、大笑いして見るのが正解です。[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-04-16 16:58:10)《改行有》

78.  最終絶叫計画4 《ネタバレ》 私は「3」を見て本当に笑えたほうなので、しかも何回も録画を再生しては笑っていたくらいなので、今回はかなりがっかりしてしまいました。 何かが違う…例えば、シンディが1人語りをしている後ろでボケが進行していくパターンとかも、妙に長すぎて笑えないうえに「またか」感だけが残るし…。 「3」で良かったところが同じようなことをしてもイマイチ笑えないし、テキトー感が色濃く漂っていると思います。「3」ならば、名シーンを言えと言われればすぐにいくつか出ますけど、今回はひとつも挙げられない。大統領も、同じ人なのに今回はおもしろくなかった。 なんというか、「元ネタ」に対する「愛」が無いままとりあえず話題作をパロった、という気がしてしょうがないんですが。 今回はダメです。[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-04-15 20:30:46)《改行有》

79.  運命の逆転 《ネタバレ》 シュローダーはこの前後の時期にブコウスキーの家に張り付いてドキュメンタリーを撮っていたのではないですかね。 私は非常に興味があるのだが、オスカーも手にしたジェレミー・アイアンズのつかみどころのない演技、どこまで監督が芝居をつけたのでしょう。「ダメージ」とか思い出すと、アイアンズってそんな深みのある役者さんなのかなあという気がしてしかたない。ロン・シルバーのセカセカした演技と見事に対を成しているところから、私はシュローダーが全面的に関与していると考えたい。演出がとてもうまくいった例といえます。 ユダヤ人弁護士ダーショウィッツとイギリス貴族クラウスのぶつかりあいや、ほとんど戦慄してしまうような大富豪サニーの奇行などでひっぱり、結論は出ないもののなかなか見ごたえのあるサスペンスになっている。 現実と同じように、事実は解き明かされず、裏切り者の情報提供者を雇ったのが誰なのかも明かされない。全体のクラウスの行動から考えると、最終的にダーショウィッツが推理した説が最も彼の行動原理に適っているのかなあと思う。 結局クラウスは「サニーが自殺したくなるような状況」を次々に作って仕向けたということなのかもしれない。相手を葬るためには確実な方法ではないにもかかわらず、それも含めて「紳士のやり方」なのかも。 ひとつ文句を言うなら、グレン・クローズがどんなに優雅なしゃべり方をしてみても、どうしても上流婦人には見えないんだよなあ。…やっぱダナ・カランを着て他人の亭主と不倫をするサカサカしたキャリアウーマンが合っているよなあ。もしくはいじわるな魔女。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-04-15 13:35:06)《改行有》

80.  ゴーストワールド 《ネタバレ》 それまでずっとリアリティだと思って見ていたので、ラストのバスシーンおよびシーモアのママ同伴セラピー通い及び、エンドロール後のシーモア大暴れシーンを見たのち、しばし考え込んでしまった。 もしかすると、バスシーン以外にも「現実に起こっていない出来事」が挿入されているという禁じ手が使われていたのか?まさかそんな、「ピアニスト」みたいなヘンな映画なのかコレは。 けども辻褄が合わなくなるのでいちおう、妄想シーンは含まれていないというふうに見るしかない。 しかし、完全にリアリティの映画というふうにもいえない。 バスに乗る前のイーニドの状態はというと、親元には住めず、おそらくレベッカとの同居もあきらめ、今さらシーモアとの同居も見込みは乏しく、高卒資格は帳消しで、美術学校の夢も消え職を探す気も失せた、ということになります。八方ふさがりとはまさにこのことです。全部自分が招いた結果であるが。 さて、このあとイーニドだったらどうするのか。レベッカに聞かれて「I'm not sure」つまりまだよくわかんない、というふうに答えています。 ここに及んで作り手は、彼女をビルの屋上とか線路脇に連れていかないで、ファンタジーに逃げたのです。このやり方については、賛否両論ありそうだ。ミステリアス感が増したとはいえるが、私は、ビルの屋上に佇むイーニドのショットで終わるべきだったと思っている。飛び降りたかどうかは観客にまかせればいい。 さて、イーニドの苦しみはハイティーン特有のものには違いないが、「母の不在」を抜きにしては語れない。女子にとって「母」=「縁を切れない反面教師」であり、しかも相手は自分を愛しているというやっかいなことなので、これすなわち「折り合うしかない」存在なのだ。大人になるために最も必要な「折り合う」を学ぶための最適教材=母、なのだが、それができない環境にあるイーニドは「バカとは折り合う必要なし」を貫いているつもりになっている。と私は思うのだ。 ボロボロになったシーモアがママに助けられていることも実は意味深で、作品中であえて全く触れられていないイーニドの「母の不在」こそが、大きなマターであるように思える。 「ゴーストワールド」の意味とは「私たちは地球に優しい石油会社です」という作中CMが象徴するように、周囲の人間がすべて「偽善者」に見えているイーニドの精神状態を指していると思う。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-14 17:14:11)(良:3票) 《改行有》

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