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性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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81.  鳥(1963) 《ネタバレ》 口笛に笑顔で振り向くブロンド美女の視線の先には、男ではなく空を舞っている無数の鳥がいた…。いかにも高慢ちきな女が、これから鳥に襲われるんですよという始まり方からしてもう巧いのですが、最初の方はコメディかと思ってしまいました。つがいの鳥がハンドルを切った方向に仲良く体を倒すのはモロですが、例えば誕生パーティー襲撃シーンなども転んでジタバタする女の子をカモメが突っつく様なんてのは滑稽に見えました。しかし、暖炉から一羽のスズメが現われるや否や間髪入れずにドバッーと大群を投入してくるあたりからは圧倒的です。襲撃後、あの神経質そうな母親が割れた食器を片付ける様子が意味ありげに撮られていますが、次にダン宅に行った際、取っ手だけのコーヒーカップが映った瞬間、もうここは襲撃済みなのだと悟らせるもので見事に緊張感をもって死体まで誘導させられます。そこからはもう畳みかけるようなのですが…クライマックスともいえるティッピー・ヘドレンが実際に襲われるシーンになると、当時の技術では仕方ないのですが、やはりチャチに見えてしまいます…。しかし本作における恐怖は鳴き声や羽音など前触れの時点が最高潮なのであり、それはCG不用の見事さなのです。[ビデオ(字幕)] 9点(2010-04-22 18:06:50)(良:2票)

82.  世界を彼の腕に 《ネタバレ》 グレゴリー・ペックの海の男役は私にはどうしても違和感があるのですが、前年の同じくペックとウォルシュのコンビによる同じく海洋ものの「艦長ホレーショ」よりも、波しぶきが激しい船の競争が用意されているので海のシーンが面白いです。またウォルシュ作品によく見られる、主人公とヒロインとの喧嘩はあっけないものですが(立つ姿勢と座る姿勢で変わる視線の高さが整って仲直りする見せ方は良い)、その代わりに何かとやりあうのが商売敵?のアンソニー・クインで、普通ならこの役は完璧に悪党扱いなのですが、腕相撲からはじまって過激な船の乗っ取り合いに到るまで、まるでトムとジェリーのように仲良く喧嘩します。そんなこんなで物語はかなりいいかげんなのですが、とにかく豪快で(されど恋愛シーンは繊細だ)痛快な活劇となっています。また、鞭打ちを受けるペックを(ペックもっと痛がってくれ!)身を捧げて助けるアン・ブライスの宝石よりもキラキラと輝く瞳の美しさも忘れらぬものとなっています。[DVD(字幕)] 8点(2010-04-09 18:15:07)

83.  ダーティハリー 《ネタバレ》 冒頭の狙撃シーンからもうゾクゾクさせてくれますし、銀行強盗をやっつけるシーンだけでハリーという刑事が型破りなんだということを分からせてくれる簡潔さこそが、ハリーの、この映画の、強みです。つまりその強さとは事件から降りておきながら、次の瞬間にはコミックのスーパーヒーローの如くバスに飛び乗ってみせるなどというウルトラCの荒技も、ごくごく自然にやってのけられるということです。  また、夜のシーンは恐ろしく真っ暗になり、闇というのはこういうものだったと思い出させてくれますが、身代金を移送中のハリーを襲う暴漢たちの姿すら把握できないあたりは少々暗過ぎやしないかとも思います。[ビデオ(字幕)] 8点(2010-03-30 18:31:42)(良:1票) 《改行有》

84.  アバター(2009) 《ネタバレ》 (3D版を鑑賞)メガネの向こうに、あるはずのない架空の世界が現実に存在しているかのように思えたのは、やはり凄いですし、やたら空を飛びまわり、木が柳のように枝垂れているのも3Dを意識してのことでしょう。クライマックスの一大バトルも迫力がありますし、先ごろ見た「パブリック・エネミーズ」のおかげで、その顔をすっかり認識できたスティーヴン・ラングの力強い悪役っぷりも頼もしい限りです。 (ここからは3D環境の話)ただ大きな問題点として、あのサングラスの如きメガネのせいで光と闇が制限されてしまうということがあげられます。常に薄暗がりにいるようで、もっと明るくなければならない所も、もっと暗くなければならない所も表現しきれないでしょう。 (ここからは個人的肉体の話)それとあの重めのメガネを160分も掛けているのは耳と鼻につらく、字幕も何だか見辛かったです。さらなる進歩によりメガネを掛けずに見られるようになれば…全て解決なんですけどね。 [映画館(字幕)] 7点(2010-03-26 18:41:34)《改行有》

85.  ララミーから来た男 とにかく面白いです。例えば、ジェームズ・スチュワートが塩田で塩を積んでいたら遠方にデイヴ一味が姿を見せ、馬を駆ってやって来るや否やあの惨事となる運びの鮮やさ。あるいは、その借りを返すため町でデイヴに殴りかかりにズンズン向かって行くスチュワートの怒りの圧倒的な凄さ。 ただ、監督がアンソニー・マンともなると、こちら側も欲張りになってしまい、せっかくなのでもっと銃撃戦を見せてほしかったであるとか、相棒となるじっ様をもっと登場させてほしかったであるとか要望も増えてきます。というのも、じっ様がスチュワートに行動を共にしたいと言う時のセリフが良いですし、それを聞いたスチュワートは凄く嬉しそうな表情を見せ、じっ様がラバに乗るのを手伝ってやる…と、二人のシーンが忘れ難いものになっているからです。[DVD(字幕)] 8点(2010-03-19 18:22:35)

86.  さらば、ベルリン 《ネタバレ》 例えば〝ドア越しに敵が…〟というシーンはいずれも緊張感がえらく欠けていますし、ケイト・ブランシェットの夫が現われるシーンは彼女のナレーションをかぶせてしまっているので、せっかくそれらしい場所に行っても緩々になっています。また、わざわざ白黒にしてフィルム・ノワール風の画作りをしていますが、ケイト・ブランシェットはもっと美しく撮らなければならないと思いますし(〝こんな女なら騙されたって本望〟ってぐらいに)、ラストの土砂降りの別れのシーンでは、濡れていないようにすら見えるジョージ・クルーニーはもっとビシャビシャになってコートがピカピカに光ってなきゃダメなんじゃないかと思います。つまるところ、〝それらしい〟だけであって全然なっていません。[DVD(字幕)] 4点(2010-03-16 18:15:10)

87.  救命艇 《ネタバレ》 本作がどういった経緯で作られたか存じませんが、物語の内容や製作年からして普通ではないと思うのですが、全編を通してカメラをほぼボートから出さずに撮りあげ、ナチを優秀な人物として描いたヒッチコック監督もやはり普通ではないでしょう。  ただ、導入部は素晴らしいのですが、救命艇に人物が出揃いカメラも一緒に乗船し臨場感を出すという試みがなされてからは、この船というシチュエーションが十分には活かされておらず、結局のところ密室劇であり、これなら一人一人の行動が常に把握できる舞台の方が良いではないかと思ってしまいます。・・・しかし、嵐がきてからはあのナチの如く俄然、調子が出てきます。突然、英語をしゃべりだしドイツ語で歌いながら船を悠々と漕ぐ変わり様は鮮やかですし、恋模様にしてもアップで撮られているリボンをほどいてしまう、あるいは足の裏を足で擦るといった仕草が、何ともエロティックです。ですが、一番凄いと思ってしまったのは状況とは対照的なヒッチコックのユーモア溢れるカメオ出演の仕方です。[DVD(字幕)] 7点(2010-03-05 18:29:32)《改行有》

88.  逃走迷路 《ネタバレ》 始まりから手錠を外すまでが非常に良くできていて、例えば、光に反射した水面がユラユラと家屋に映っているトビンの屋敷は怪しさ全開ですし、手錠がらみのシーンは上手く、車のファンで鎖を切る時のカットバックによる緊張感や、痴話喧嘩のようなオチで収めるのもシャレています。・・・ですが、その一方でヒロインの描写がかなりいいかげんじゃないかとも思います。例えばビルに閉じ込められていた彼女の再登場の仕方があまりにも出し抜けで、物語に支障をきたさない程度で省略しているのでしょうがテンポを重視し過ぎているように思え、設定に活かされていない広告のモデルというのは、見境なしに出てくる広告の唐突さを皮肉っているのかとすら思ってしまいます。また、ラストの自由の女神での攻防はなかなか見せてくれますし、自由の女神をこんなに上手く使った作品を他に知りませんが、もう一つ何かが欲しいと思ってしまうのは欲張りでしょうか。[DVD(字幕)] 7点(2010-02-19 18:25:46)

89.  不死身の保安官 《ネタバレ》 この映画は不自然な組み合わせが見所で、英国紳士で世間知らずのお坊ちゃんジョナサンは西部の無法地帯で保安官に任命され、酒場を仕切るブロンドのグラマーな女主人ケイトは凄腕のガンマンでドレスの腰にホルスターを巻きつけ、大団円の結婚式ではイギリス男とアメリカ女と先住民が横一列に並んでしまうという可笑しさなのです。しかもここで面白いのは、この英国紳士が郷に入れば郷に~とはならず、地のままでボケ倒し?どんな危機的状況に陥っても一発も実弾を発射することなしに見事、事件を解決してしまうところです。ということでコメディ色が強いわけですが、最も印象深いのは凄腕のケイトがジョナサンに銃の手ほどきをするシーンで(ケイトに銃を使う見せ場が無いのが残念ですが、凄腕という設定はこのシーンのために作られたものでしょう)、射撃するケイトは魅惑的に口を半開きで狙いを定め、エロティックに銃の説明をし、手取り足取り指導しながら二人の距離が少しづつ近づき、口付けをするとケイトの興奮が高潮に達し銃をズドンとやる…。 ウォルシュ監督のロマンスシーンはいつもながらの流石の出来栄えで、そして本作においても結ばれる男女は些細な誤解からやっぱり一度はケンカをするのです。[DVD(字幕)] 8点(2010-02-16 18:19:16)(良:4票)

90.  見知らぬ乗客 《ネタバレ》 特に印象に残ったことを三つばかり…。まず、殺される主人公の女房が掛けている野暮ったいメガネです。彼女は次々と男を引っ掛ける役所であるのに、あのメガネは絶対に掛けない方が良いじゃないかと思っていたら、あれは殺人を映し出す装置として存在し、さらに上流階級の妹がやっぱりどうして野暮ったいメガネを掛けて登場した瞬間、これが鍵になるのは間違いないというサスペンスの道具として機能しているのです。  二つ目は証拠をかけて殺害現場へ向かわねばならぬ一刻を争う事態の場面です。単純に両者の行動を見てみると、ガイは負けりゃ済むはずの試合を必死に勝利を目指しプレーし、他方のブルーノはブルーノでライターを排水溝に落として必死に手を伸ばす…という何ともつまらない出来事で足留めをくらい互いに独り相撲もいいところなのですが、まるで横綱同士の大一番並に緊張感に満ちているのです。これはもうヒッチコックの手腕に他ならないでしょう。  そして三つ目はガイが夜中にブルーノの家に侵入する場面。個人的にはここが最もドキドキしたシーンで、あそこに犬を登場させるあたりはズルいとすら思ってしまいます。  …三つと言いながら思い出したのでついでに四つ目、排水溝に落ちているライターのカットがとても印象的で、こういうカットがあるからこそ物語的には怪しいライターの重要性にも説得力が出てくるのでしょう。ということで本作は映画を作る人は必見というような作品です。[ビデオ(字幕)] 9点(2010-02-09 18:19:00)(良:1票) 《改行有》

91.  たくましき男たち 《ネタバレ》 群衆の大移動と言えば同監督の「ビッグ・トレイル」を思い出しますが(個人的には「ビッグ・トレイル」の方が好みだが)、これまた壮大な移動です。何より物凄い数による牛の大移動が壮観で、終盤でスー族が渓谷を下って襲ってくるのを、突撃で切り抜けるシーンは特にド迫力です。また、小道具の使い方が上手く、毛布とブーツが恋の鍵となっているわけですが、ラストで毛布によりジェーン・ラッセルがその存在を知らせ、クラーク・ゲイブルがブーツを脱がせるカットで終わらせるなんてのは、さすがウォルシュ監督です。ここでの靴を脱がせるという行為はとっても官能的なのですが、規制がなくなって激しい濡れ場も可能になった今日では刺激が足りんと言われてしまうのでしょう。しかしこういったシーンを見ると映画としては露骨な露出は進歩とならず、むしろ退歩したのではないかとすら思えます。  ・・・ただ細かい話をすれば、前半の吹雪中の移動シーンで馬が駆けた後に巻き起こる砂埃のような雪は良いのですが問題もあり、極寒であるにもかかわらず役者たちの吐く息が全く白くなく、その当りは手抜かりな感じもします。また、ゲイブルと弟の最後の別れ際、なぜ死んでしまう弟ではなくゲイブルの去る姿を見せたのかもよく分かりません。[ビデオ(字幕)] 8点(2010-01-26 18:08:09)《改行有》

92.  白熱(1949) 《ネタバレ》 最初の列車強盗シーンからもう全開でノリノリです。特に一味の凶暴性は凄まじく、彼らにとって銃は脅しの道具ではなく殺しの道具であり、容赦の〝よ〟の字もありません。そしてやはりギャグニーが素晴らしい。「犯罪王リコ」や「彼奴は顔役だ!」ではどことなく好感も抱けたのですが今回は恐ろしさが全面に押し出され、頭痛持ちという設定が映画をより豊かにしています。また死が訪れる際、多くの者が力なく無惨に階段から崩れ落ちたりするのに対し、花火を打ち上げるギャグニーの鬼気迫った最期は圧倒的です。  しかしそんなギャグニーと同等の、あるいはそれ以上に強烈な印象を残すのは彼の母親と女房です。裏切りなんて朝飯前の豪胆な女房役のヴァージニア・メイヨの初登場シーンは、驚くことに無防備にイビキをかいている寝顔ときてます(ガムまで吐き捨てる!)。さらに一見、普通の地味な母親も息子を指南する姿は悪魔的ですらあります。ギャグニーの行動は終始一貫して母親の指示に基づくもので、女房にも平手どころか蹴りを入れるのに母親には幼い子供の如く抱かれるのです。[ビデオ(字幕)] 8点(2010-01-22 18:26:55)《改行有》

93.  チャップリンの独裁者 《ネタバレ》 最後の演説をぶつシーンは確かに胸を打つものですが、同時にここが最も〝映画〟からかけ離れているとも思います。まして漫談ではなくドタバタ喜劇で笑いをとるチャップリンにとっては言葉など無用だったはずで、ヒンケルのデタラメなドイツ語もただの音でしかありません。しかし、演説シーンが異質だということを天下のチャップリンが承知していない訳がなく、あの時のチャップリンは理髪師ではなく当然ヒンケルでもなく役柄を捨て去ったチャップリンその人に見え、つまるところ映画は演説の前で終了してしまっているようにも見えます。 あの言葉不用で人々に感動を与えてきたチャップリンが、わざわざ明確な言葉にしてまで発した叫びは、心底伝えたかったメッセージなのでしょう。寡黙な者の言葉は強く心に残るものです。 ・・・ということで演説は抜きにして、私の一番好きなシーンは首の動きだけで軍隊の行進を表現し笑いとってしまうところです。[ビデオ(字幕)] 9点(2010-01-19 18:25:19)

94.  海賊黒ひげ 《ネタバレ》 黒ひげの最期は印象的ですが…率直に言いまして、これが全く面白くありません。ウォルシュが監督なのにどうしてこんなことになってしまったのか?もしや別人が撮ったのではないかと勘繰ってしまうほど冴えておりません。 まず、大海原を駆ける海賊の物語であるのにもかかわらず世界がえらく窮屈です。開けた世界はお手の物のウォルシュ監督のはずが、もういかにもセットといった感じの息苦しさで、海なんぞほとんど船が模型の時しか出てきませんし、逃げ隠れする船内の見せ方も上手くいっているとは言い難いです。それに恋愛部分においても中途半端であり、特にレイナード役の俳優さんに魅力が感じられないのは頂けません。ただ、ここにおいてもウォルシュは女優には配慮しており、とても美しく撮られています。[ビデオ(字幕)] 5点(2010-01-18 18:16:50)

95.  新米雑役夫 喜劇としては笑いどころに乏しい感じがしますが、チャップリンがここで巧みに使ったのは〝高低〟です。まずは階上の窓をフキフキしながら当然の如く物を落下させ階下の人をトラブルに巻き込む喜劇として〝高さ〟を機能させ、お次は金庫破りが現われた女子社員の窮地に「早く来てくれチャップリン!」とドキドキさせるサスペンスとして〝高さ〟を機能させています。この短時間の間に高低だけで二つの要素を盛り込むあたり、さすがはチャップリンです。[DVD(字幕)] 7点(2009-12-28 18:30:39)

96.  夜までドライブ 《ネタバレ》 男っぽい題材を得意としたラオール・ウォルシュ監督ですが、作品にはしばしば魅力的な女性たちが登場します。長距離ドライバーという男臭い世界が舞台である本作においても、主役はジョージ・ラフトではなくアイダ・ルピノに見えます。ここでのアイダ・ルピノは悪女…というより精神の脆弱な悲劇的な役どころなのですが、特筆すべきはその美しさです。当然、どのシーンでも美しく撮ろうという配慮がなされていて、服装においてもナイトガウンに到るまでピカピカでキメていますし、殺人を犯す場面での彼女の表情の変化は素晴らしいです。またアイダ・ルピノだけではなくもう一人のヒロイン、アン・シェリダンも初登場のカウンター越しに現われた瞬間から目を奪う美しさで、ラストの都合の良過ぎるオチも彼女が一計を案じることによるものであり、彼女のウィンクで幕が降りるあたり、男はいずれにせよ女の掌で踊らされているようです。[ビデオ(字幕)] 9点(2009-12-22 18:18:51)

97.  パブリック・エネミーズ 《ネタバレ》 マイケル・マン監督の作品にはついていけないと思うような箇所もあるのですが(例えば、ネルソンの死に際の白い息が止まるところなどはもっとしっかり見せてほしい)、突如として訪れる素晴らしい瞬間と、格好良過ぎる男のドラマに魅了されファンであり続けているのですが、今回はその瞬間は最後の最後に訪れました。 それはジョニーが映画館に行ってから終幕までで、クラーク・ゲイブルのギャング映画を見るジョニーの表情と外で待ち構えるクリスチャン・ベールの表情、そして助っ人ベテラン捜査官の行動…ここまでくるまでの部分は壮大な除幕式だったとすら思えます。  ジョニーとベールは「ヒート」のデニーロとパチーノと同じように一度しか顔合わせをせず、しかも同じように両者の肩越しから撮られているのですが、彼らはデニーロとパチーノのように共鳴し合わず、ラストでジョニーを見送り一緒にフレームに納まるのはベールではなくベテラン捜査官なのです。このベテラン捜査官は〝伝えてほしい〟などと聞き取れなかったはずのジョニーの言葉を確信を持って〝頼まれた〟と、女のもとへ伝えに行きます。それは彼こそがパチーノであり〝男〟なのだからだと思います。・・・ただ、そこで少し残念なのはこのベテラン捜査官の配役で、登場シーンが僅かなので、エド・ハリスとかガブリエル・バーンとか(あまり思いつきませが;)そのぐらいの役者を持ってきて欲しかったです。そうしないと、どうしたって髭のドン・フライの方が印象強くなってしまいます。[映画館(字幕)] 8点(2009-12-17 19:07:23)(良:1票) 《改行有》

98.  アパルーサの決闘 《ネタバレ》 無骨なエド・ハリスと寡黙で熱いヴィゴ・モーテンセンの男臭いコンビはかっこいいですし、いくつか良いシーンもあり、望遠鏡で覗くとレネー・ゼルウィガーがスッポンポンだったりするのも笑えますが、次々と男をモノにするレネーはもっと美しくなきゃいけないんじゃないかと…。それはレネーをキャスティングした時点でもう問題だったかもしれませんが、例えば彼女がアパルーサの駅に下り立った初登場シーンなどは、砂埃なんて必要なく(もしかして嵐の前触れってことかもしれないが)美しく撮るべきだったと思います。また何回かある銃撃戦も悪くはないのですが、〝間〟と言いますか開始前の緊張感というものが、どうもあんまりよろしくありません。[DVD(字幕)] 6点(2009-12-10 18:33:37)

99.  探偵物語(1951) それぞれのシーンで、殊に感情面のものにおいては的確な演出がなされていますし、室内での人物の出し入れも上手いですし、署内の喧騒や緊迫感も良く出ています。カーク・ダグラスを始め万引きのおばさんまでオーバーアクト気味なものの、そのキャラクターからすればそれも決して悪くはありません。 …しかしこれらの良い点は概して舞台向きとも思えます。移動シーンすらほぼ車内一室で見せてしまっているのですが、これは移動ではなく殴らせる為だけに二人の空間を用意したに過ぎないもので、いくつか良い場面はあるものの、映画としては突き抜けたものが感じられないのです。[DVD(字幕)] 7点(2009-12-04 18:29:23)(良:1票) 《改行有》

100.  誘拐犯(2000) 《ネタバレ》 人物設定といい、あのカッコイイ音楽といい、色々と思わせぶりな映画ですが、結局のところドンパチで全て解決してしまっているので拍子抜けの感があります。しかしながら誘拐するシーンにおいては、ライアン・フィリップが入り口からの長い通路を徐々に怪しげになりながら歩いてきたり、あるいは徐行による車の追跡も画面の奥へ奥へと逃げて行ったりと、奥行きの使い方が意識されていて面白いです(他にも何度か見られる)。 そしてモーテルでの銃撃戦も狙撃を取り入れることによって俯瞰で見せる工夫がされていますし、ラストのじい様たちとの西部劇のような大銃撃戦も人物の位置付けがしっかりしていて視界良好です。これだけ距離感を出しているのは近年の作品では珍しいと思います。ただ、惜しむらくは銃撃戦であるのにやや迫力に欠けていることで、鬼気迫っていない「ワイルドバンチ」のようです。  それにしても白ポロシャツにムキムキアピールのジェームズ・カーンに敵うわけない。[DVD(字幕)] 8点(2009-12-01 18:32:46)《改行有》

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