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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1001. ダロウェイ夫人 「めぐりあう時間たち」(意味不明のカタカナ邦題を除くと、近年稀に見る酷い邦題だと思う)は全く「ダロウェイ夫人」をなぞっているということが、これでようやく解りました。これまでの人生を振り返ることが出来る位に歳を重ねると、幸せの中にあっても迷いと後悔の念が徐々に大きくなっていく。しかし先もそんなに長くないし、気持ちの折り合いをつけて生きていくしかない。「めぐりあう~」の三人はある時決断を下した。それによって迷いは消えたものの、悔恨はより大きくなってしまった。どちらにしても、過去を振り返ってもろくなことが無いってことでしょうか。で、肝心の本作ですが、更年期障害の女性が浸る娘時代の白昼夢って感じがしないでもないですけど、20世紀初頭のスノッブな文化を味わうことは出来ました、4点献上。4点(2004-09-12 00:05:41) 1002. レディ・キラーズ コーエン兄弟の映画の登場人物は、極端にデフォルメされた変人ばかりなのはいつものことですけど、本作は少し違うんじゃないでしょうか? 泥棒全員が度を越えた異常者では、これはほとんどスラップスティック・コメディのノリです。このメンバーじゃ完全犯罪どころか、普通の日常生活さえまともに送れないんじゃないかと思ってしまう。しかし、やってることはシニカルなブラック・コメディ。だから私は最初から引いてしまった。本作はきっとそのギャップを楽しむ映画だと思うので、これは単に私がこの映画と合わなかっただけのことだと思います。そんな訳で、極私的点数4点献上。4点(2004-09-03 00:06:07) 1003. バレエ・カンパニー 映画の紹介にはネーヴ・キャンベルが主人公のストーリーらしき物が書かれていますけど、はっきり言って本作にはストーリー等ありません。ロバート・アルトマンお得意の群像劇にさえなっていない。アルトマンの興味はジョフリー・バレエ・オブ・シカゴのダンサーやバック・ステージにも無く、完成された舞台そのものにしかない。従ってこの映画は「劇映画」ではなく、「ドキュメンタリー」でもなく、ジョフリー・バレエの「ライヴ映画」となってます(その舞台も、私には前衛的過ぎる作品ばかり)。本物を観る良い機会かもしれませんが、これはバレエ通の方にしかお薦めできません、4点献上。4点(2004-08-07 00:32:02) 1004. アンカーウーマン これって、きっと女性が観てもすんなりとは納得できないストーリーなんじゃないでしょうか。一見「マイ・フェア・レディ」的シンデレラ・ストーリーですけど、私にはセクハラ上司と性悪女の恋愛って感じがして、何かスッキリしません。この物語を昇華させるにはどっちかに死んで貰わなければならないので、こういう結末になったのでしょう。終盤までは比較的地味で嫌味なラヴ・ストーリーとして展開していきますが、終盤の大規模な刑務所暴動シーン、そして涙の演説で締め括る全く予定調和の展開は流石ハリウッド映画。何も考えずに見ればそれなりなんでしょうが、私的には4点献上。4点(2004-07-22 17:37:50) 1005. オードリー・ローズ 「エクソシスト」以降のオカルト映画ブームの最後に輪廻転生映画ブームというのがあり、70年代後半、生まれ変わりをテーマにした映画が日本でも何本か公開されました。本作もその内の一本。映画的にはオカルトやホラーというよりもサスペンス・ミステリー調に仕上がっているので、特別オカルティックな展開や特撮もなく、比較的地味~にストーリーが展開していきます。ラストでアンソニー・ホプキンスは「魂は救われた」と語り、マーシャ・メイスンも「魂は生き続けている」と手紙に書いて、何かハッピー・エンドの様相を呈していますけど、私的にはとても納得できない悲劇的な結末だと思います。それにしてもロバート・ワイズって、良く考えたら昔からジャンル映画の監督だったんですよね。ということで、哀れな女の子に4点献上。4点(2004-07-22 17:36:57) 1006. キリング・ミー・ソフトリー 優れた作品が極端に少ないジャンルでありながら、不思議と廃れることの無いエロティック・サスペンス物の一本。ヘザー・グラハムのボリューム満点のオッパイがたっぷり楽しめるにも関わらず、「さらば、わが愛/覇王別姫」に遠く及ばない官能度。きっと陳凱歌には愛の表現方法には異常も正常も無く、様々な手法があるということが解ってなかったのでしょう。ま、それ以前に物語自体が非常に安っぽく、ちっとも面白くない(原作未読はいつもの通り)。従って、これは誰が作ってもこの程度の映画にしかならなかったでしょう(エイドリアン・ラインなら少しは違ったかな?)、4点献上。4点(2004-07-15 23:34:29) 1007. セイブ・ザ・ワールド 破天荒な男に堅物の男が巻き込まれ、反目し合いながらも最後は友情を確認し合う、そして家族は大切だねってゆー、アメリカ人が好きそうな毒にも薬にもならないファミリー向けコメディ映画(オリジナルの「あきれたあきれた大作戦」は未見)。アクション・コメディと謳われてますが基本的には「コメディ」なので、「アクション」で楽しめる部分は皆無(特にパラシュートのシーンなんか、オリジナルと何ら変わらないであろう合成映像)。昔の映画主題歌(「死ぬのは奴らだ」「男と女」「雨にぬれても」等々)も取って付けただけの様な感じで全く映像と合ってませんでした。ということで、4点献上。4点(2004-06-17 23:10:48) 1008. 姉のいた夏、いない夏 既にこの世に存在しない幻を追いかけ、その過程で現実を知り大人になっていく少女。定番中の定番の成長ストーリーでありながら、本作には真実探求のミステリー的面白さも、出会いと別れのロード・ムービー的面白さも無い。本作では主人公の旅は、姉の昔の恋人に会った時点で終了してしまっているのです。あとの物語は文字通り蛇足でしかない。姉の恋人が旅に同行したのも、ただ単に18歳の娘とヤリたかっただけ(と、私には見える)。この旅で彼女が成長した様には全く見えない。一番良かったのは、タイトル・バックのキャメロン・ディアスの腰振りダンスでした、4点献上。4点(2004-06-17 23:08:43) 1009. 4thフロアー これも原題のままなんですが、字的に何とも語呂の悪い邦題にしたもんですね(助数詞に必須の定冠詞が省かれちゃってるけど、「アパートメント・フィアー」なんてのよりはマシですか)。これは「フォース・フロアー」と読むのだと思いますが、では「13F」は皆さんどう読んでますか?(私は「ジュウサンカイ」と読んでます) と、関係無い話は置いといて、本作はいつものジュリエット・ルイスのノーブラが楽しめつつも、かなり「パシフィック・ハイツ」に近いものがある、並みのサスペンス映画となってます。6.1chを楽しんでる私も部屋に発泡スチロールを敷き詰められてしまいそうです、4点献上。4点(2004-06-11 16:09:45) 1010. マリー・アントワネットの首飾り きっと、もっとドロドロした恨みや執念、そして危険と隣り合わせの復讐というものが物語の根幹である筈なのに、何か全てがとんとん拍子で運び、周りのキャラクターも実にあっさりとした描かれ方。枢機卿にしてもマリー・アントワネットにしても敵役という描かれ方じゃなくて、これじゃ完全に被害者だし、対するジャンヌも悪人なのか善人なのか解らない。そして何より、苦渋に耐える女という部分よりも妖艶な悪女という部分が勝らなければならない主人公に、ヒラリー・スワンクは明らかなミス・キャスト。ま、「首飾り事件」のお勉強という意味で観て損は無かったと思いたい、4点献上。4点(2004-05-25 23:10:37) 1011. ティアーズ・オブ・ザ・サン 一体本作のどこに「太陽の涙」というタイトルに通じる部分があったんでしょうか。そして物語から伝えたかったことは一体何だったんでしょうか。映画自体は今更どーってことない中途半端な出来の戦場モノでしたが、日本でもタイムリーな事件が起きたばかりなので、それに関連させて述べると、モニカ・ベルッチの「自己責任」に振り回された挙句、犬死にしていく若い兵士が不憫で不憫でしょうがありませんでした。人命第一、高潔なる使命感の元で行動する人は、その裏で他の人の命や使命感を危険に晒しているという自覚と責任が絶対的に必要であると感じました。で、4点献上。4点(2004-05-05 00:04:12) 1012. グッドナイト・ムーン 感想は「やけに中途半端やなぁ~」。ジュリア・ロバーツとスーザン・サランドンのどっちが良い母親でどっちが悪い母親なのか? 生みの母親が子供を託す決意と、義母の受け入れられる為の努力と、どちらを見せたいのか? 家族の再生を描きたいのか、難病モノの一亜流を作りたいのか? “Stepmom”という原題からも判る様に、ジュリアが主役の家族再生をテーマにした映画の筈なのに、サランドンが主役の難病母子モノになってしまったという感じ。その時々で演出が右往左往、そして観てるこちらも右往左往。結果、全く感動できない映画になってしまいました、4点献上。4点(2004-03-12 16:49:03) 1013. 天国からきたチャンピオン-2002- 主人公をフットボール選手から、才能はあるけど度胸の無いスタンド・アップ・コメディアンに変えた、その名の通り「天国から来たチャンピオン」のリメイク。前作と最も違うのは若い黒人が白人の老富豪になるという設定と、乗り移った富豪の姿をチラッと写しているところ。黒人が喋る自虐的漫談も、白人の口から発せられると唯の罵詈雑言に聞こえるといった所に人種差別風味も利かせてありますが、映画の出来としては前作には遠く及ばない出来。とにかく私、「ベティ・サイズモア」で初めて見た時からクリス・ロックと肌が合わない。なぜアメリカで人気があるのか不思議、4点献上。4点(2004-02-07 14:15:29) 1014. THE LAST BROADCAST ジャージー・デビル・プロジェクト 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」がメディア全体で一つの作品(てか、ブーム)を形作っていたのとは違い、メディア全体を一本の映画にまとめ上げたといった風情のモキュメンタリー風ホラー映画。一応犯人も逮捕され、解決されたと思われている殺人事件を追うビデオ・ジャーナリストが真相に迫るというストーリー。映画としては確かにチープだし、インタビューのシーンなんか本当に退屈しますが(退屈さ加減では「ブレア~」といい勝負。こっちは邦題でも損してる)、「ブレア~」以前の作品ということと、それなりのどんでん返しも用意された構成は頑張ってると思う。という訳で、4点献上。4点(2004-02-07 14:14:48) 1015. プルーフ・オブ・ライフ そもそも作り方がおかしい。いくらタイトルが「プルーフ・オブ・ライフ」だからって、全編を通して人質の生存を証明し続ける必要がどこにある? 人質の無事(意外にも結構元気)をこうもあからさまに見せられては、その妻に同情するのも難しいし(だから唯の不倫妻に見えてしまう)、ネゴシエーターの強気の交渉にも緊迫感など生まれる筈も無い。このストーリーの主人公はラッセル・クロウではなくメグ・ライアンであり、希望と絶望の狭間で夫の救出に一縷の望みを託しつつも、しかし別の男に惹かれていくという難しい役。皆さんのメグ・ライアンに対する不評は決して彼女の所為ではなく、全て中途半端なアクション映画を狙った脚本家と監督にあると思います。クロウのダンディズムさえ陳腐に見えます。という訳で、4点献上。4点(2004-01-09 14:54:03) 1016. 15ミニッツ 《ネタバレ》 コメディなのかシリアスなのか、社会派作品なのかアクション映画なのか、そもそもこの映画のテーマは一体何なのか? 脚本も定まってなければ、演出プランも宙ぶらりんのままで、最初から最後まで何をしたいのかさっぱりと理解できない仕上がり。ラストの犯人の死んだ振りにはどう反応して良いのかさえ判らず、唯々唖然とするばかり(これって素直に笑えばいいの? どっちかと言うと怒りが込み上げてきたんですけど…)。単にデ・ニーロが死ぬとゆー事だけが売りじゃ、余りにも寂し過ぎます、4点献上。4点(2004-01-04 12:24:27) 1017. マトリックス レボリューションズ これって結局、スミスがウイルスで、ネオがワクチンだったって事? これが電脳空間での救世主としての使命? 最後は初期化してお終い? 「究極の選択」はどこへ行ったの? なんで純粋プログラムの人達は初期化されても無事なの? そいでもって、マトリックスの外の状況は全く進展なし。モーフィアスよ、これがお前の信じていた結末なのか? 天井見上げて呆けてる場合か? (そんなに深いとも思えん)凝った設定等こちらは全く興味なし。ただ面白い劇映画が観たいだけ。映像センスも「リローデッド」で出尽くしてしまったので、シリーズで初めて画期的映像が無いというのも痛かった。「スター・ウォーズ/ジェダイの復讐」や「GⅢ/イリス覚醒」並みに尻すぼみのシリーズで終わってしまったという印象です、4点献上。4点(2003-12-29 22:00:26) 1018. スパイダー 《ネタバレ》 こんなの納得いきます? 私もラストの展開には「そうだったのか!」ではなくて「え~っ! こんなのアリ?」って感じです。どうすれば最初の犯人がこういう行動をとると的確に予測できるんでしょうか? ここで本作の物語は大きく破綻してしまっています。唯一の収穫は皆さんご指摘のモニカ・ポッターでしょうか。初めはつまらない女優にしか見えなかったんですけど、ラストの悪女振りには痺れました。特にキスした後に唇を舐める仕草が最高。彼女こそが本作のタイトル「スパイダー」ってことだったんですかねぇ…、4点献上。4点(2003-11-30 05:09:51) 1019. テキサス・チェーンソー 何を隠そう、私「悪魔のいけにえ」観てないんです。なので正確にオリジナルとの比較は出来ませんが、大傑作との誉高い前作の噂や風評から判断すると、ざらついた雰囲気は踏襲しつつも、今作はかなり変態性が抑えられている様に思います(もちろん一家揃って異常なのには変わりありませんが…)。それに、大量にスラッシャー・ムービーやサイコ・スリラーを観てしまった後では、残虐シーンも余り無いし、話自体もどーって事ない様に感じてしまいます。大体、マイケル・ベイは何を思ってこの映画を「今」リメイクしようと思い立ったのかが解りません。という訳で、厳し目の4点献上。4点(2003-11-02 03:54:24) 1020. オータム・イン・ニューヨーク 「狂っちゃいないぜ!」で、本当に目を見ただけで浮気を見抜くケイト・ブランシェットも凄いと思いましたが、いくら心臓病の「エキスパート」とは言え、心拍数から浮気を見抜く人間嘘発見器・ウィノナ・ライダーにも感服します。秋からクリスマスにかけてのニューヨーク、不治の病の若い女、女癖の悪い金持ちの男やもめと、お膳立てが全て陳腐な物ばかり。オーソドックスで使い古されている題材で名作を構築するには、並大抵のやり方では成功しません。この非常に素直な監督は、古くなりかけた素材に何ら手を加えることなく、そのまま出すことしか出来ませんでした。残念、4点献上。4点(2003-11-02 03:46:45)
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