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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1061. アサルト13 要塞警察 《ネタバレ》 冒頭10分でいきなりひきこまれます。この緊張感。このスリル。これは何気に掘り出し物をみつけたのかも、と期待感が膨らみます。 でもピークだったのはここまで。中盤からラストにかけて、つまり本筋のストーリーは割と単純な立て篭もり系アクション。奇をてらう演出もなければ、心が高揚するようなアクションもありません。手堅くまとまった王道のサスペンスアクションとお約束の展開をただ楽しむだけ。 取り囲んでいるのが汚職警官達。そして警官である主人公が手を組むのが犯罪者たち。本来は敵同士であるはずなのに、一緒に手を組んでピンチを乗り切ろうとするのは好きなシチュエーション。こーゆー『呉越同舟』的なノリって好きです。 もうこのまま多少おバカ路線でも良いから、爽快な逆転劇を見せてくれれば良いんだけど、そーはならない。にぎやかし担当だと思っていた容疑者二人が、急にオバカキャラを捨てシリアス路線に、あげく早々に裏切って逃げ出したうえ殺されちゃうのが、ちょっと期待していたのと違います。犯罪者と警官が手を組むからこそ生まれるユーモアやカタルシス的なものがほとんど感じられなくて残念。 さらには、気の良さそーな引退じーちゃんが、がっつり裏切ったり、ヒロイン的立ち位置だった人が無残に撃ち殺されたりと、後味の悪い演出も多々あり。とは言え、それに見合うだけの本格的クライムアクション、ってほどでもないんですよね。だから、ストーリーは薄いのに、演出は重いっていうバランスの悪さを感じる作品でした。退屈はしないですけどね。[DVD(字幕)] 6点(2018-03-25 12:52:55)(良:1票) 《改行有》 1062. グラン・トリノ 《ネタバレ》 良い映画というのはわかるのですが、ゆっくり淡々とした流れの前半が正直退屈。アクションやサスペンスを期待しているわけではありませんが、ドラマならではの面白みがもう少しほしい。 また、序盤は可愛げのない孫達や、そんな子供に育てた息子夫婦に若干いらいら。それに、後半への布石とは言え、若い神父に対するウォルトの態度がなかなかひどい。なんか不愉快な気持ちにばかりさせられます。 タオ一家との交流が始まってからは、しだいに温かい空気になっていきます。タオやスーとのふれあいによって、ウォルトの冷え切った心が少しずつほぐれていく様子は、ありふれているけど微笑ましい。 その一方で、偏屈で偏見のかたまりだったウォルトが、隣人と打ち解けていく『これ』といったエピソードが足りない気はします。おばあさんの荷物を拾ってあげるタオや、親しげに話しかけてくるスーだからこそ打ち解けられたのかもしれないが、やはり説得力に欠ける気がしました。 ラストの終わり方は意外でしたね。ドラマとしての深みが出ます。余韻も生まれます。それまでのストーリーとのバランスだってとれている気がします。ただですね、時代劇をいっぱい見て育った世代としては、「てめえら、いい加減にしやがれ。皆殺しじゃー。おらー。」ってな感じで、とにかくケタ違いの強さを見せ付けて悪党どもを粉々にして欲しかったのが正直な気持ち。周りからどんな批判を受けよーと、『目には目を』ってわかりやすいケリのつけ方が好きなんです。 つまりは、この作品は『娯楽』ではない、だから性に合わない、ということですね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-02-24 04:25:53)《改行有》 1063. ロード・オブ・ウォー 《ネタバレ》 真面目でおかたい社会派サスペンスドラマ。実話ベースらしく、淡々と物語は進んでいきます。 緊張感あるプロットと画作り。そしてニコラス・ケイジが主演。更にはブリジット・モイナハン、ジャレッド・レト、イアン・ホルム、イーサン・ホークと脇を固める役者の存在感もすごい。それぞれがエヴァ、ウィタリー、シメオン、バレンタインとして重要な役割を担っていて、物語に『厚み』『深み』があります。 旧ソ連の叔父さんとの闇取引。国際警察の執拗な追跡とガサ入れ。アフリカのとある独裁国家との駆け引き。そのどれもがある種のユーモアと潜在的な恐怖をないまぜにした独特の緊張感で描かれます。はっきり言って映画の完成度はかなり高いと言えるでしょう。 ただ、肝心なのは、私が『武器の密輸』になじみもなければ興味もないので、あまり物語りに入り込めなかったことです。もっと言うなら、『ちょっと今そんな気分じゃなかった。』ってゆーね・・・。それに後味が悪い映画ってのはどーにも好きになれませんでして。ホラー映画の後味の悪さってのは平気なんですが、こーゆードラマっぽいやつの後味の悪さってなんか残るんですよね。[DVD(字幕)] 6点(2018-01-26 12:06:57)《改行有》 1064. アドレナリン(2006) 《ネタバレ》 「ずっと怒っていないと死んじゃう」という予備知識だけあって、以前から気になっていた作品。思いの外自分の中で期待値が上がっていたのか、見た感想は『なんか普通。』。怒っちゃいるんだけど、思っていたほどには怒っていない。むしろ相手のほうがすんげー怒っています。だから、せっかくの設定、アイデアがそれほどうまく機能していない気がします。 また、アドレナリンを出す方法は、『怒り』以外にもいくつかあるようで、それもちょっとルールがあいまい。ルールが曖昧すぎるせいで、いまいち映画の世界に入り込めません。それに、つなぎとつなぎが雑なので、雰囲気で無理矢理状況を理解しなければならないシーンもあります。ちょっと作りが粗い。 冒頭からノンストップでいきなり本題に入り、スピード感あふれるノリとアクションにも関わらず、後半のエレベーターのシーンではあくびが出ちゃう始末。やっぱりあくびが出ちゃうようじゃアクション映画としてどうなん、ってことになります。バカになりきれないバカ映画は凡作。凡作ながらも味があってちょいちょい面白くて、悪くはないんですけどね。[DVD(字幕)] 6点(2018-01-10 13:43:03)(良:1票) 《改行有》 1065. 告発のとき 《ネタバレ》 こーゆーマジメな作品にこんなことを言うのは間違っているのかもしれませんが、映画としてのパンチに欠けます。 『無許可離隊した息子』『そんなわけないと探し出す父』『死体で発見される息子』『非協力的な軍警察』『タイトル「告発のとき」』だからてっきり軍の不祥事を明るみに出そうとした息子が暗殺されて、それを麻薬組織の仕業に見せかけた、陰謀系サスペンスだと思い込んじゃったわけです。実際は全然違って、『戦争帰りの兵士達。心を病んだ結果の成り行き殺人』でありました。もちろんそれはそれで良いのですが、もったいぶったミステリーの結果としては、いささか物足りないです。。。ただ、少しずつ真相が明らかになる戦争ドラマとして見ると、見応えのある作品です。後味は決して良くありませんが。 『子供をはねたことに苦悩する青年』が『捕虜を面白半分で拷問する狂人』に変わってしまう。だからあだ名を『ドク』と名づけ揶揄する友人達もやはり狂人。『戦争帰りの夫に怯える妻の相談を適当にあしらった結果、殺されてしまう妻』のエピソードがスパイスとして効いている。『今回はたまたま自分が刺した。翌日だったら刺されていたのは自分のほうだったかもしれない。』『イラクは異常だった。でも今はイラクに戻りたい。』などなど、心が壊れてしまった戦友たちの言葉が痛々しい。息子だけでなく、心を病んでしまった兵士はこんなにもたくさんいるという現実。ですがその伝え方があまりにも淡々としすぎているため、心に響いてこないんです。 超シリアスなお話も良いんですが、多少の脚色、演出は必要だと思いました。 息子や若い兵士たちの心からの救難信号を息子たちに代わって上げる逆さの星条旗。これ以上ないラストですね。[DVD(字幕)] 6点(2017-11-28 04:27:16)(良:1票) 《改行有》 1066. マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 え?実話?みたいな終わり方なんですが、実際はどうなんでしょう。実話だとしたら、釈然としないあの終わり方にも一応の納得はできるというものですが。 それにしても前半がだるい。クリーシーとピタの心の交流や絆を描くために必要だというのはわかります。とは言え、尺に頼りすぎ。限られた時間のなかを、作り手側の工夫や演出で、共感させてほしいものです。 中盤、ピタがさらわれてからが、かなり面白いです。次から次へと悪党を芋づる式に釣り上げていく様子は痛快。復讐の仕方も徹底していて良い。クリーシーの怒りが伝わってきます。ただし、ピタが生きていたとなると、多少話は変わってくるかもしれません。もちろん誘拐に加担した人々は、ピタが生きていたとしても、ピタを救い出すために殺されちゃうのは致し方ないのでなんとも思いません。ただ父親はどうでしょう。確かに悪いことに加担したかもしれませんが、その動機は『借金まみれの家庭を守るため』というもの。せっかくピタが生きて帰れても、父親が死んでいたんじゃピタがかわいそうですよ。 それに、クリーシーの過去にいったい何があったのか、さんざんもったいつけておいて結局教えてはくれないのですね。過去のエピソードを明かしてくれないと、どれだけクリーシーがピタによって魂の救済をされたのかが伝わっきません。それってこの映画のいっちばん大事な部分だと思うんですけどねぇ。 と、ゆーわけで、気になる部分がなきにしもあらず。更にはラストがしっくりこなかった。ということで、やや辛口評価です。[DVD(字幕)] 6点(2017-11-08 01:41:52)《改行有》 1067. ニューオーリンズ・トライアル 《ネタバレ》 復讐劇のストーリーとしては、悪くないと思います。 銃乱射の責任をすべて銃器メーカーに押し付けようとするスタートに疑問を感じていましたが、オチを知って納得です。 過去に別件の銃乱射事件で姉を亡くした妹。恋人を奪われた彼氏。更には被害にあった町が銃器メーカーを相手に集団訴訟を起こすが、敗訴。町は破産。その悲劇の根源となっているのが、銃器メーカーと、フィッチの違法な陪審員操作。だとすれば、その両者を完膚なきまでに叩きのめすストーリーに、本来であれば溜飲を下げ、この上ないカタルシスを感じることでしょう。ですが実際はそこまでの感情は湧きません。 原因の一つとして、前置きがちょっと長すぎたかもしれないです。もったいつけすぎと言っても良い。ニックが陪審員になるまで、結構な尺をとっています。更には情報過多な割りに、物語が進んでいる感じがしないので、疲れます。もちろん、前半部分が大事であることは間違いありません。要は『テンポ』と『バランス』の問題だと思います。 もう一つの要因は、『原告側を勝訴に導く』という肝心の部分に、これといった工夫が全然なされなかったこと。フィッチに買収されている陪審員の失言を引っ張り出すなんてやり方が、うまくいったから良かったようなものの、これでは不確定要素が多すぎて敗訴になっていた可能性だってあります。 よって、『法廷』を舞台とした人間ドラマとしては面白いと思いますが、『法廷もの』、『知的サスペンス』としては、長い割りに物足りない。消化不良です。 ただし、ストーリーと人物配置を理解したうえでもう一回見たら、評価が変わるかもしれません。2回目見たほうが面白いんじゃないかな。もう見ないけど。[DVD(字幕)] 6点(2017-11-04 10:25:16)(良:1票) 《改行有》 1068. ダークナイト ライジング 《ネタバレ》 映像に迫力があります。音楽も良い。見応えがあります。 アン・ハサウェイ演じるキャットウーマンやベインのビジュアルが好きです。また、新しく登場する戦闘機がしびれます。バットマンシリーズは『メカ』や『武器』、とりわけ『乗り物』で楽しませてくれますね。 バットマンだってヒーローものにはちがいありません。圧倒的なパワーを見せてくれるパフォーマンスは、やはり興奮するものです。 ストーリーはどうでしょう。個人的には、はっきり言って面白くありません。なにしろ防戦一方。状況は悪くなるばかり。バットマンに頼れる味方が少ない。前作のような『チーム感』に欠ける。キャットウーマンには騙されるし。ベインにぼこぼこにされるし。アルフレッドは出て行くし。破産するし。この作品を見ると、前作までのバットマンをとりまく環境の暖かさがいかに大切だったかがよくわかります。 それに、この内容で160分というのはあまりにも長い。 前作では、そのエンターテイメント性の高さから、長さを全く感じませんでした。それは、面白かったのと同時に、映画を完成させるのに必要な尺の長さだったからだと思うのです。 今作の脚本で、本当にこの尺の長さは必要だったのでしょうか。 描きたいものを詰め込むだけなら、誰でもできると思うんですよね。無駄をけずり、必要なものを残し、限られた時間の中で見せようと試行錯誤された映画が好きですね。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-09-30 14:54:16)(良:3票) 《改行有》 1069. デビルズ・リジェクト~マーダー・ライド・ショー2~ 《ネタバレ》 前作のような荒唐無稽さはなくなり、普通のバイオレンスアクションへ。 スポールディング、オーティス、ベイビーの3人の逃避行が中心のストーリー。そしてそれを追いかける復讐保安官。この保安官の復讐劇がメインの物語なので、もはやホラーとは言い難く、前作とはテイストが全然違います。もはや別物作品と言っても過言ではないくらい。 ただ逃避行中、この3人の犠牲になる家族。このエピソードだけは前作同様の『狂気』を感じられて、サスペンス色の強い仕上がりに。この惨劇が無ければ、凄く物足りない作品になったのは間違いないでしょう。 今回は復讐を誓った保安官が拘留中のマザー・ファイアフライを刺し殺したり、殺し屋を雇ったりとやりたい放題。『毒を以って毒を制す』というのが好きな私にとっては、なかなか見応えのある展開。保安官がクギ打ち機みたいなやつで、被害者の写真を3人に打ち付けていくとこは爽快。もっとやれやれと思っていたのですが、ここがどうやらピーク。後は失速。今まで殺人一家がしてきたことを考えれば、追い込み方が全然足りないです。 よって、全編通してそれなりの見応えはあるのですが、前作のようなイメージを期待して見ると、肩透かしをくらうかもしれません。 正直、どこに焦点をあてて見たら良いのかもよくわからない作品。ジャンル不透明な映画です。[DVD(字幕)] 6点(2017-09-02 16:16:44)《改行有》 1070. バットマン ビギンズ 《ネタバレ》 はじめての『バットマン』。思っていたより、しっかりと作りこんだストーリー。 液状の『神経ガス』みたいなものを、水道管へ。⇒『水を気化する装置』を使い、神経ガスを町中に散布。 なんだか回りくどい。凝りすぎ。ピンとこない。ストーリーが作りこんであっても、それが面白さにつながっていないのでは意味がないですね。 黒幕も、『チル』⇒『ファルコーニ』⇒『クレイン』⇒『デュガード』へと次々と変わるため、感情移入しづらいです。バットマンことウェインの行動原理は、『両親の敵』というのが根底にあるのだから、次々と倒すべき対象を変えてしまうというのは逆効果だと思います。 アクションシーンはアップが多く、わかりづらい。今作を見るにあたって、やはりアクションシーンを一番期待していたわけです。それだけに、何が起こっているのかわかりづらいアクションの連続にはがっかりです。 ウェインが少しずつバットマンになっていくその過程は面白いです。アルフレッドとウェイン、それにルシウス(モーガン・フリーマン)との関係は良かったですね。 全体的には面白い作品だろうとは思うのですが、正直期待を超える出来ではなかったです。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-09-01 16:19:12)《改行有》 1071. マーダー・ライド・ショー 《ネタバレ》 『悪魔のいけにえ』みたいなのを想像していたのですが、終盤はお化け屋敷状態。「誰?」っていうのが次から次に出てくる出てくる。更にはB級ホラーならではの、『理由』『説明』『動機』というものは一切ありません。強いて言うなら、欲望のおもむくままにやりたいことをやる人達、というところです。ノリと勢いでつっぱしる映画。個人的には嫌いではありません。 スプラッタ描写はたいしたことないですね。ただイカレタ家族の狂気というものはよく描かれていたと思います。 B級ホラーにはこーゆーテイストを求める気持ちが少なからずあります。つまり、私にとってのB級映画のある意味完成形とも言える作品。ただこの作品では被害者側の反撃というものが一切ありません。もちろん作品によってはなくても良いのですが、この作品には欲しいところ。このプロットでやられっぱなしというのは、欲求不満がたまるものです。 それにしてもやたらと画質やカラーの違う画を入れてきていましたが、これは個人的には好きじゃないです。[DVD(字幕)] 6点(2017-08-27 16:02:29)《改行有》 1072. アンダーワールド:ビギンズ 《ネタバレ》 正当な前日譚。『1』ときれいにつながっていて良いです。 ただ、『1』でネタバラしをしちゃっているわけですから、『助かるの?どーなるの?』っていうハラハラ感を感じることはできません。それはソーニャもそうだし、ルシアン、タニスもそうです。 にも関わらず、今作は『ルシアンとソーニャのラブロマンス』が物語の中心。結末がわかってる物語。すなわち、この作品の魅力はその結末までのプロセスをいかに魅せるかにかかっていると言えるでしょう。 そういった意味では、パンチが弱い。ストーリーは王道中の王道。悪く言えば普通すぎます。序盤、中盤、この作品の8割くらいは退屈です。 もし、『ソーニャがルシアンを見下している』というシチュエーションから始まれば、面白くなったかもしれません。徐々にお互いを認め合う二人に、より深く感情移入できた可能性もあります。ところが、今作では、『二人は裏ですでに出来上がっている』状態からのスタートです。なんだそりゃ~です。ラブストーリーの醍醐味~。 また、『1』『2』に比べると、アクションのアップがやたら多く、見づらく、何が起こっているのかわかりづらい。 良かったのは『ソーニャの処刑シーン』。そしてクライマックスの『ライカンVSヴァンパイア』。 どのようなシチュエーションであれ、虐げられてきた者達の逆襲というのはカタルシスを感じさせてくれます。 それにしても、この作品で生き残った純血種のほうのライカン達(人間にもどらないやつ)はどーなったんでしょうね。『1』『2』ではウィリアム以外見当たらないようですが、絶滅しちゃったのかな。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-07-01 14:09:13)《改行有》 1073. 愛しのアクアマリン 《ネタバレ》 女の子達と人魚、そしてハンサムボーイの交流を描いたラブコメディ。主役の一人が『人魚』ということ以外は、いたって普通。 駄作、凡作というには可哀想だけど、良作というにはあまりにパンチが足りない気がします。 人魚のアクアマリン。容姿はかわいいのですが、人物的魅力はいまいち。なにしろ脚本が恐ろしくつまらないので、感情移入するのは難しいかもしれません。クレアとヘイリー、この二人は結構良いのですが、ちょいちょい『自分の事しか考えていない発言』が見えちゃいます。どのキャラも、魅力的な人物に仕上がりきれていないのです。 ただ、そんな凡庸な3人だからこそ、願い事の変更シーンが、ちょっとだけ感動してしまいます。 つまり、脚本も演技も演出もイマイチなんですが、作品としてのバランスは良いんですよね。 なんだかんだ言っても女の子たちはかわいいし、ラストもそれぞれハッピーエンドで締めくくられるので、後味は良いです。物足りないのですが、それなりに楽しいです。 細かい注文つけたいところはいっぱいあるのですが、おおらかな気持ちで見れば、雰囲気を楽しめる作品です。 映画通の人には勧められないケドね。 同じ人魚のラブコメなら、『スプラッシュ』のほうが断然面白いと思います。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-06-29 10:18:32)《改行有》 1074. ペネロピ 《ネタバレ》 おとぎ話半分、リアル半分といった絶妙なテイスト。時代考証もいつ頃なのかよくわかりません。まあ、それがこの作品の味と言えば味ですね。 ストーリーはハッピーエンドだし、悪くありません。 ですが事の発端になるエピソードはいかがでしょう。 『5代前のウィルハーン家の一人が、使用人に手を出し、妊娠。使用人と結婚すると言ったら笑われ中止。別の金持ちお嬢様と結婚。使用人はショックで自殺。使用人の母怒る。ウィルハーン家に呪いをかける。』 作品全体のテイストは軽いのに、その引き金になったエピソードだけやたら重い。おとぎ話としてしまうには、ちょっと重いかも。 また、この作品のもう一人の主人公であるはずのマックス(本当はジョニー)。中盤から影薄すぎ。『ペネロピを閉ざされた世界から救う王子様』かと思いきや、何か違う。『ジョニーはペネロピの内面に惹かれていた』『ジョニーはペネロピの外見を気にしていなかった』この最大の利点が、劇中で上手く機能していません。とゆーか、前半でしか描かれない。中盤以降はあまりにも疎遠。ペネロピは自分で自分の呪いを解いちゃうし。そこはジョニーの出番じゃないんかーい、と激しくつっこんでいました。そんな関係のまま、最後だけくっついても、感動はできないわけです。惜しいなー。 それにしてもクリスティーナ・リッチ。かわいすぎますね。両親に見つかったときの逃げ出しかたなんて、マジでキュートすぎます。この作品のコンセプトを根底から覆してしまう可愛さです。 だってそうでしょう。ブタの鼻してたって、かわいいもんはかわいい。あの顔を見て全員が逃げ出すっていうのは過剰演出。私だったら、あのペネロピから『私と結婚して』と言われたら、即答でイエス。そんで迷わずあんなことやこんなことまでしちゃいますね。 (あんなことやこんなことっていうのは、チェスやポーカーのことです。)[DVD(字幕)] 6点(2017-06-15 11:42:08)《改行有》 1075. アンダーワールド(2003) 《ネタバレ》 設定は漫画チック。人間関係はやや複雑。状況や位置関係が若干把握しづらい。こーゆー世界観に不慣れな人は、状況を整理するだけでいっぱいっぱいになっちゃうかもしれませんね。 私はマンガ好きでゲーム好き。なので、まあまあ楽しめたほうです。とは言っても、この作品はあらかじめ大筋を予習していたほうが楽しめるんじゃないかな。 長年続くヴァンパイアとライカンの戦争。変身するライカン。数は少ないが固体の能力は高く、パワフル。それに対しヴァンパイア。変身はなし。特殊能力もなし。身体能力はよくわからない。そして武器は銃。おいおい、人間と変わらんぞ。ヴァンパイアならではの必殺技を出さんかい。じゃないと、せっかくの設定が活きてこない。そういった意味では多少物足りない作品ですね。せめてもうすこし『人間社会』を描いてくれれば、相対的にヴァンパイアの能力の高さを証明することだってできたかもしれないのに。終始『ヴァンパイア』VS『ライカン』でストーリーが進むものですから、ヴァンパイアの劣等性ばかりが目についちゃいますね。 また、『アンダーワールド』の名に相応しく、舞台は『夜』。そして『屋敷』『地下』とインドア派。当然色は黒一色。同じような色とコスチューム。2時間ずっと『黒』に統一された世界を見ていると、『飽き』もきやすいというものです。 ただ、ストーリーが何気に凝っていて面白い。 ずっと敵だと思っていたライカンのリーダー、ルシアンが、実は良い人。 そして心の底から信頼していたヴァンパイア界最強のビクターが諸悪の根源というのは、実に気が利いています。 クレイヴンという小悪党も、ビクターの存在を良くみせるというミスリードのための仕掛けなのかもしれません。 理不尽気味のストーリーは作品の雰囲気にあっていて良かったですよ。 ただ、肝心のネタばれシーンは、セリーンが裏切り者の一人に延々と説明させるいう、最高にダサい演出。このシーンだけでも、ちょっと映画作りのセンスの無さを感じます。[DVD(字幕)] 6点(2017-06-13 02:51:27)(良:2票) 《改行有》 1076. 世界最速のインディアン 《ネタバレ》 う~ん、長い、長いですよ。どう考えても要らないシーンやエピソードが多すぎるよ。こんなに尺が必要だったのか、はなはだ疑問です。 『レース会場へ行き、レースに参加することがいかに大変だったか。』それが伝わってくるから、ラストも感動する。それはそうかもしれません。ですが、その大変さは演出で見せてほしいものです。ただ尺を長くし、無用なエピソードを詰め込むだけでは、さすがに芸が無い。私は前半で疲れちゃいました。 ただ淡々と続く『出来事の羅列』。進まないストーリー。人と人との触れ合いは表面的。もう言っちゃなんだけど退屈。 ラスト盛り上がるのですが、『やっと着いた。早くレースやってくんないかな。』って思いに心が支配されちゃってて、今いち感動には至らず。やっぱ『テンポ』『リズム』『スピード』『バランス』は大事だと思います。 良かった点は、出会う人が皆親切で、心がほっこりすること。 ただしラブホに案内したタクシー運転手と花を10ドルで押し付けた女は意地悪でしたね。 アンソニー・ホプキンス演じるバート・マンローのいたって自然体な人柄も抜群に良かったです。 『人間の魅力』は満喫できる作品ですが、ストーリーはつまんない映画です。 実話ベースだって、映画にする以上、人に楽しんでもらうための工夫は必要ですよ。[DVD(字幕)] 6点(2017-06-11 11:53:29)(良:1票) 《改行有》 1077. 夢駆ける馬ドリーマー 《ネタバレ》 サクセスストーリーとして王道中の王道。 丁寧な脚本、演出。優等生。優等生すぎると言っても良い。あまりにもお利口さんすぎるがゆえに、起伏が少なくメリハリに欠ける気がします。映画としての面白みに欠けると言い換えても良いでしょう。まったりと見る分には良いと思いますが。 厳しい見方をすると、この作品には決定的な『ウリ』がありません。 ですが、役者さんたちは皆一様に素晴らしい。ベンにしろ、ポップにしろ、マノリンにしろ、バロンにしろ、魅力のある人物ばかり。もちろん、ダコタ・ファニング演じるケイルは言うまでもありません。正直、彼女とカート・ラッセル、デヴィッド・モースが出ているので見ちゃったくらいです。 ですから、当然映画としては、悪くありません。 ラストではカタルシスだって感じられます。 でもラストを除けば、盛り上がるシーンはほとんどありません。心の底から感動するようなシーンも少ないです。 家族の絆を見せることに、力を注ぎすぎちゃったのかもしれませんね。 なんにせよ、あまりに小奇麗にまとまりすぎてしまっています。ラスト以外にももう少し見せ場が欲しいものです。[DVD(字幕)] 6点(2017-06-05 03:24:23)《改行有》 1078. バタリアン4 《ネタバレ》 エンターテイメントとしても、ホラーとしても、ちょっとつめが甘い作品。 前半は時間をかけて丁寧に。悪く言えばダラダラ。そして後半、『いよいよ始まるのか?』って予兆を感じさせる間もなく、気付けばあふれ出るバタリアン。なんか丁寧に作るところを間違えている気が・・・。映画における時間配分に異議アリですね。 映像はさすがに今までのものとは雲泥の差で、とってもクオリティが良くなっていて嬉しい。その一方で、シナリオの練り方、演出の拙さが気になります。 バタリアン化&機械化される両親と再会。これはちょっと面白くなってきたぞと、誰もが期待を膨らますでしょう。そしてその期待は裏切られます。息子との心の絆で、他のバタリアンを蹴散らしでもしてくれたら面白かったと思うのですが、ただの敵。しかもそのやられっぷりといったら、モブバタリアンと大差なし。なんてもったいない。 それに、バタリアン化した友人と、両親のバタリアンがいつの間にか仲間になっている経緯も不明。叔父がなぜ両親のバタリアンを解放したのかも不明。生物兵器研究エリアで銃がたくさんあったのに手に入れないのも、『ホラーあるある』ではありますが、非合理的すぎてつっこまざるをえない。もうね、後半になるほど突っ込みどころが増えるのですよ。 前半に時間をかけず、その分後半のパニックや人物描写、感情表現を丁寧に描いていれば、B級ながら傑作になりえた作品です。 また、ストーリーが『巻き込まれがた』や『自然発生型』ではありませんから、どうしても自業自得感がつきまといます。 まあいろいろ文句ばかり並べてしまいましたが、ゾンビ映画としては、結構良いです。 見たいものをちゃんと見せてくれます。それはグロ描写だけではありません。 『パニック』『反撃』『脱出』。このサバイバル要素があるかどうか。これが凄く大事です。 そういった意味で、この作品、なかなか旨みがありますね。[DVD(字幕)] 6点(2017-06-04 02:25:45)《改行有》 1079. バタリアン リターンズ 《ネタバレ》 『2』と同じ点数をつけましたが、好みで言えば『2』のほうが好きです。 一応『3』にあたるこの作品。タイトルを変えているだけあって、『1』『2』とはまるで方向性が違います。 『ゾンビ』にしろ『バタリアン』にしろ、私がこの系統の作品に求めるのは『サバイバル』『パニック』なので、この作品はいまいち好みと合致しません。かなり内輪の揉め事に終始していて、フィールドが狭い。パニック要素が弱い。不特定多数の人々を巻き込んでこそ、盛り上がるというもの。 ただ、その狭いフィールドの中で起きるトラブルは、結構なクオリティで魅せてくれます。 『最初の実験体の惨劇』『撃たれた店主の捕食及びバタリアン化』『リバーマンを食べてしまうヒロイン』など、どれも一見の価値はあると思います。グロさはまあまあ、ストーリーも悪くないので、スプラッタ系ムービーとしては十分楽しめるものに仕上がっていると思います。 私はメインのストーリーが『ラブストーリー』だと、どうしても気持ちが乗り切れません。 それに、彼女の死は自業自得も良いとこです。更には主人公である彼氏のあまりに身勝手な行動。たとえB級であっても、主人公にはある程度の常識人を置いてもらわないと、共感も同情もできません。 ある意味、彼氏のエゴを最悪の形で表現した究極のDV作品です。[DVD(字幕)] 6点(2017-05-27 10:35:12)《改行有》 1080. バタリアン2 《ネタバレ》 1作目ではまだ強かったホラー要素が、2作目ではかなり薄くなっています。 十分怖く出来そうなシーンやシチュエーションをお膳立てしておきながら、あえて怖くならないように茶化しちゃっている感じですね。完全に『笑い』に力を入れて、普通のホラーとは違う路線に行こうとしているのがよくわかります。これはこれで一つのエンタメ作品。 ジェシーに突き落とされるタールマンや、ジョーイとエドのセルフパロディを筆頭に、手を何度もふまれるバタリアンなど小ネタが満載。まるで吉本新喜劇のようなノリ。ここまでふざけちゃうと、この映画に対する好き嫌いは、1作目よりはっきり分かれそうです。 ちなみにトム・マシューズとジェームズ・カレンのコンビは、1作目もややうるさかったのですが、今作はそれに輪をかけて酷いです。また、この二人にひっぱられるかのように、周りの人達も負けじとうるさい。ぴーぴーぎゃーぎゃー無駄に騒ぎ、やたらもたもたしているので、映画全体のテンポ、スピード感が前作より悪い。 また、フィールドが前作より広くなっているのですが、広くなったがためにディテールはかなり雑に。町全体をフィールドにするのは好きなのですが、町のパニックを演出しないのであれば、フィールドを広くする意味はないと思います。 まあB級ホラーコメディなわけですから、これくらいの完成度であっても十分楽しめます。 ただシリーズものなので、前作と相対評価すると、やや物足りないとゆーことで、評価が落ちますね。[DVD(字幕)] 6点(2017-05-19 14:55:34)《改行有》
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