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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
101. ヴィヴィアン・マイヤーを探して ある青年が骨董市で出品された大量の写真のネガを落札した。現像してみると素晴らしい写真の数々だったので、審美眼に自信があったその青年は写真を美術館に持ち込むが門前払いを食らってしまう。そこでブログにアップすると一躍大評判に。映画はその写真を撮った謎の女性、ヴィヴィアン・マイヤーについて調査するドキュメンタリー映画です。 写真の素晴らしさとその撮影者ヴィヴィアンの謎に満ちた生涯もさることながら、写真を「発掘」したこの青年、ジョン・マルーフという男もまた実にユニークだ。ヴィヴィアンの写真を広く知らしめ、ついにはこの映画まで作ってしまった。マルーフは話が上手く映像映えのする男で、基本関係者インタビューばかりのこの映画では案内役としてもっと画面に登場しても良かったと思う。特にヴィヴィアンの人物像に迫る中盤以降は同じ画面ヅラばかりでちょっとダレてくる。 とはいえこれはドキュメンタリーとして秀逸だ。世間に埋もれたまま生涯を終えたアーティストを美しい映像と事実の積み重ねで紹介する。ミステリアスなヴィヴィアンの魅力もさることながら、それを掘り起こしたマルーフのセンスと行動力に脱帽する。[DVD(字幕)] 8点(2016-10-30 22:12:38)《改行有》 102. スター・トレック3/ミスター・スポックを探せ! 《ネタバレ》 個人的には前作のフラストレーションを解消してくれる作品。どのキャストもちゃんと活躍する。人のシーンに魅力があって、特にスポックに憑依された(?)マッコイがマッコイにあるまじきスポック台詞を吐いたり効かないバルカン・アタックを繰り出すところが最高。ドクター・マッコイという役は意外に紋切り型の場面が多いのだが、眉や口角のわずかな動きだけで異なった人格を表現するデフォレスト・ケリーは素晴らしい。スタトレのSF世界にはこの映画のように生命の再生や人格の移動などのファンタジックなぶっ飛びがある。やはりこういう要素がないとスタトレはかえって締まらない。 この映画の問題はとにかく特撮がしょぼいことだろう。これがスター・ウォーズ『ジェダイの帰還』の翌年なのだから泣けてくる。ただ当時の技術で撮るべきシーンを全て撮っている志は評価したい。上手く作れるシーンから逆算したのではなくストーリーの要請に全て答えたのだ。映画はやはりメタな計算なんかよりも演技とストーリーだ。そのストーリーにはおおむね納得はいくが、ただ死体を一から蘇らせるあの星でデヴィッドは生き返れないのかという疑問が。[DVD(字幕)] 7点(2016-10-23 06:41:08)(良:1票) 《改行有》 103. スター・トレック2/カーンの逆襲 《ネタバレ》 この映画はスター・トレック・ファンには評判が良いらしいが、正直登場人物に魅力が欠けているように感じた。カーンもカークも観る人を驚かすような行動はしないのでライバル揃って冴えない。びっくりするくらい美しいサービック大尉は前作のデッカーとアイリアを合わせたようなキャラなのかと思いきや、この子ストーリーの中で特になんにもしないのだ(笑)。どうも、みんな、衝撃のラスト展開に持っていかれてやしないか。 前作の哲学性や耽美性は少々やりすぎだったかもしれないが、この作品ではいろいろ削って中身も薄くなったように感じる。正直アクションも特撮も大したことないぞ。あと音楽も手堅く質が高いのは確かだが、この「娯楽作品」を盛り上げるにはインパクトが足りなかった。[DVD(字幕)] 5点(2016-10-23 03:00:49)(良:1票) 《改行有》 104. スーサイド・スクワッド 上映中だいたい2/3くらいの時間経った頃に思った。「何だこりゃ(笑)」。この映画は最高に面白い!という人とひたすら退屈だ、という人に分かれるらしいが、正直どっちの気持ちも分かる。この映画には中身がないのだ。設定は適当でプロットはご都合主義。ただただイカすシーンを作りたいとだけ考えて作った映画のようだ。そう、だからどのシーンも、本当にイカしている。 この監督は極力スタントを使わず役者に徹底的にトレーニングさせる主義のようだが、そのおかげで全てのシーンに役者がリアリティを生み出している。無茶なCGも臭いセリフも役者のリアリティがカバーする。インタビューによるとマーゴット・ロビーは最初「でんぐり返り」もろくにできなかったが、トレーニングによってバク転ができるようになって大いに自信をもったらしい。ハーレイ・クインの強烈な自己肯定感が放つ魅力にはそういう仕込みがある。 この映画は純粋な映画としての評価(てなんだ?)なら3点くらいがふさわしいかもしれないが「魅力」を作り上げることに専心してそれに成功したという観点からこの点数を差し上げる。原典のコミックについては詳しくないが実写化に適したアレンジが見事だ。ただ不満があるとしたら音楽。クラシック・ロックとオリジナル音楽の組み合わせだがこういうのはセンスが要るぞ。ちょーーっと空回りかのう?[映画館(字幕)] 8点(2016-10-10 20:09:54)《改行有》 105. スター・トレック(1979) 《ネタバレ》 スター・トレックの記念すべき第一作目の映画。派手なアクションとかは皆無ですが、スタトレってそもそもこういうものなんですよ。冗長なシーンが多いと思う人は多いだろうが、それがこの映画の見どころなので仕方がない。それまでTVシリーズの予算の枠から解き放たれ、想像力の赴くままに未知の光景を存分に作り倒す。驚くべきことにこれCGがほとんどない時代なのでほぼ全部特撮なのだ。同時代のスター・ウォーズに比べればチープに感じるかもしれないが、あちらは徹底して具象なのに比べてこちらは抽象表現の嵐。よくぞ作りました。 フラストレーションが溜まる場面は「若手の突き上げを食らうカーク」という落ちた英雄像を見せられることか。名声と裏腹に実力のピークを過ぎてゆく中年クライシス。スポックも母星の試練に落伍し、人間臭いヨレヨレ中年軍団のストーリーが展開される。時代性なりの古さを感じる点は特撮よりもむしろよく語られるテーマである「哲学性」。人類や生命そのものの進化というテーマは今の時代にはかえってリアリティがない気がする。 とはいえこれはSF映画の金字塔の一つであるのは間違いない。今からこの映画を予備知識なしで観て、迫りくる強大すぎる謎の存在に絶望感を感じられる人は幸いなるかな。[DVD(字幕)] 8点(2016-10-03 01:39:35)(良:2票) 《改行有》 106. リオ・ブラボー 子供の頃TVで観てすごく面白かった記憶がある。のでDVD買って観てみました。長ぇ(笑)。洋画劇場の長さで調度良かったんだな。登場キャラがみんな凄く魅力的なのだが、つくり手がキャラ萌えに走るとどうしても冗長になる。だから各シーンに素直に浸れるタイプか、もしくは「このシーンはどういう意味か」と考えるタイプで評価が別れるのだろう。僕は後者なのでちょっと中身が薄い印象を持った。 ディーン・マーティンとリッキー・ネルソンが歌うシーンは上手すぎ。この二人が音楽も本職だと知らなかったら他の歌手の吹き替えだと思うだろう。ぼくもしらなかったのでそうおもいました。ヒロインのアンジー・ディキンソンは後光が射す美しさ。酔っ払った演技がとてもいい。各脇役陣の演技が光ってるので正直ジョン・ウェインが大根気味に見えるほど。個人的に気に入ったのは宿屋のカルロス。お前が何であんな美人の嫁もらえるんだよ![DVD(字幕)] 6点(2016-01-03 23:32:12)(笑:1票) 《改行有》 107. NO 《ネタバレ》 この映画は実に全編中3割が当時の資料映像だ。だが当時のチリを知る人でもなければ観ている間はそれと気付かない。「史実」部分と映画部分とをうまくつなぐ手法として、撮影には古い日本製カメラが使われている。つまり古い資料映像に合わせて映画部分も古い画面にしてしまったわけ。この古~いチカチカ画面の効果がけっこうすごくて、わりと呑気な日常の中に軍事政権の弾圧が踏み込んでくる切迫感がある。なぜなら「弾圧」場面は本物だからだ。戦車も本物なら本当に警棒で人が殴られているし実弾が発射されている。 その過酷な現実に主人公は「明るく楽しい反政府CM」で対抗する。そのCMもやはり本物。当時の政治家も登場するし中には映画パートにまで出演している人もいる。調度品も当然当時の品物が揃えられていて、丸いブラウン管TV、ごっついビデオデッキ、最新家電の電子レンジが主役顔で強調されているのが楽しい。 この映画のストーリーはチリの現実の政治を扱ったものなので一筋縄ではいかない。単に「正しい側」が巨悪に対して勇敢に戦う、ということだけではなく、その葛藤や、結果として今のチリに何がもたらされたのかまでを含んだ複雑なメッセージになっている。一国の歴史の一場面を描いた作品だが、込められたメッセージは時空を越えている。それが映像表現として具体的に時空を越えているのが画期的だ。 というわけでなかなか素晴らしい作品なのだが、正直とっつきは悪いと思う。ドキュメンタリー風にBGMがほとんどなく(だからCMテーマソングが耳に残るのだが)、ホームビデオみたいに雑に撮ってつないだだけに見えるシーンも多い。役者の演技も抑えられていて説明は最小限。だから出演者もみんな「資料映像」の現実の人間に見えてくる。この映画はそのハードルを超えて観ようとすれば色んな所に面白さを感じるし現実の複雑さも感じられる。何度も観返す価値がある映画だ。[DVD(字幕)] 8点(2015-09-26 00:03:42)《改行有》 108. レベッカ(1940) 《ネタバレ》 アイデンティティを脅かされる若い後妻には役名がないのにしばらく気付かなかった。存在を否定される細工の効いた設定ですな。なんでもオリヴィエがフォンテインを気に入っておらず、彼女がおびえているのを見たヒッチコックはスタッフにつらく当たるよう指示してさらにおびえさせたという。あんたは鬼か(笑)。確かにあの四肢が縮こまったひるんだ感じは向こうの人が演技だけでやるのは難しいのかもしれない。大胆不敵で饒舌な亡妻のいとこ兼情夫のジョージ・サンダース、おお「海外特派員」のフォーリットじゃないか。敵でも味方でも常に怪しくて、かつ憎めない。重苦しい展開にいい風吹かせに来てくれます。強烈なダンヴァース夫人に隠れてますが執事や使用人、警部や小屋の男(?)に至るまでみんないい味出してる。個人的に前半の重苦しさが苦手なのでこの点数。[DVD(字幕)] 6点(2013-10-20 01:11:37) 109. イントレランス 偉大な映画であることは認める。しかし良い映画か?楽しめるか?と聞かれたらこの点数にならざるを得ない。偉大なクリエイターが制約無しに自由にものをつくると変なモノができることがあるが、その典型だろう。「不寛容」がテーマであるが現代編で若夫婦に降りかかるのは不寛容というより社会的抑圧と行き違いサスペンス。キリスト編は影が薄く、中世フランス編は虐殺まで何のドラマも起こらない。グリフィスの高尚なテーマはわかるが、「不寛容な奴らをやっつけろ!」という不寛容なメッセージも見て取れる。誰しも思うことだろうが圧巻なのはやはりバビロン編。あのクレーンショットは時代を忘れさせる。しかしこれも内容は不寛容というより陰謀と悲劇の歴史スペクタクルだ。誰かバビロン編だけ最新リマスタリングしてオリジナル音楽付けて発表してくれないだろうか?。惜しい。惜しいよ映画の父!しかしパイオニアが下手に天才だと後に続く人が苦労するからこれでよかったのかも。[DVD(字幕)] 5点(2013-10-16 20:17:28) 110. 見知らぬ乗客 《ネタバレ》 この映画は見所を語るとそのままあらすじになっちゃうんで、個人的に2ヶ所を。まずテニスの場面だが、アップは役者だが引きのプレイ場面は選手のはず。かなり上手いですよ。昔の木のラケットってまるで棍棒だから!暴走メリーゴーランドのシーンは、母親が半狂乱になってるのに中にいる子供は大喜び。こんなクライマックスにほのぼのジョークを挟み込むとはさすが(笑)。[DVD(字幕)] 7点(2013-10-06 16:26:26) 111. 怪物の花嫁 《ネタバレ》 「プラン9」を観た後ではこれがかなりちゃんとした映画に見える。ちゃんとしてる理由はもちろんベラ・ルゴシの演技。だからルゴシが登場しない警察署内のシーンとかはかなりつまらない。巨大モンスターのごまかし方なんかは昭和の特撮で育った人間には想定の範囲内だが、その上を行ってしまったのが「教授」が押し込まれる「文字通りのタコ部屋」に鎮座する中途半端な大きさの大ダコ像。ああこんなシーンを撮るくらいなら扉の向こうでわーぎゃー言ってるだけの方が良かったのに。このへんのディテールに対する感覚の粗っぽさがエド・ウッドなんだろうな。その他は大した破綻はないのでゲテモノ映画を観ようとすると肩透かしを食うかも。ルゴシが出てこないと一向に面白くないのも辛いところ。[インターネット(字幕)] 6点(2011-09-13 08:20:03)(良:1票) 112. プラン9・フロム・アウター・スペース 《ネタバレ》 「エド・ウッド」未見。この映画は意外に話のテンポも良くて楽しめるエンターティメント作品だ。「史上最低」なのは各シーンの圧倒的な低クオリティ。カーテンでごまかしまくるセット、昼・夜・内・外が目まぐるしく入れ替わる大胆不敵な編集、大声で棒読み台詞を唱え続けるパイロットの妻・・・(UFOについてはもはや何も言うまい)。アラ探しなどしなくても全編アラで出来ているので不思議な統一感がある。終始腹筋のプルプルが止まらない。大して悪くない上に強くもなく、殴り倒された挙句爆死させられる宇宙人達はとても気の毒なのだが、そんな後味の悪さを救ってくれるのがラストに登場して「これはすべて事実なのです」とぶちかますクリズウェル。色々と絶妙なバランスで成り立っていて人気があるのもうなずける。ここは正直に楽しんだ分の点数を計上しとこう。[インターネット(字幕)] 7点(2011-09-13 07:45:21)(笑:1票) (良:3票) 113. マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 淡々としたストーリーながら意外にテンポも良く楽しめた。小柄なアナ・ケンドリックの精一杯背伸びした生硬さがいい。へたくそなカラオケがまた可愛い。ヴェラ・ファーミガは凄い美女というわけでは全然ないが(失礼)、スタイルが良くて華も実もある魅力的な女性を演じて魅せた。リストラされる人達がやけにバリエーション豊かでリアルなんだが全部役者さんなんだろうか?真に迫りすぎだ。不満なのは敏腕首切り宣告人としてのクルーニーの活躍シーンが少ないこと。ていうかちゃんとした活躍シーンは一回だけなのでその後の転落(?)がちょっと急に感じられる。オープニングは力入れて作ったみたいだが正直テンション下がったぞ。いまいち内容に合ってない気がする。いわゆる「大人向け」映画をあまり観ていない自分が言うのも何だが、この作品は若い人にはちょっと理解しにくいかもしれない。あとこの映画に素直に感動したなら未公開シーンや音声解説には目をくれず静かにディスクをしまうことをお勧めする。喋りたがりの監督の得意げな自分語りに辟易させられること間違いなし。どうせ特撮映画でもないんだから大した裏話はない。[DVD(字幕)] 6点(2011-06-01 22:35:45) 114. 銀河ヒッチハイク・ガイド(2005) くそーこんなバカ映画で感動してしまうとは(笑)。もっとB級臭い雑な感じかと思っていたら映像は美しいし音楽は素晴らしい(こんな話にシリアスで立派な音楽を付けること自体がネタなのかもしれないが)し、ゾーイ・デシャネルは可愛いし、あとなんと言ってもあの愚かで無様なヴォゴン人の造形!実物のパペットなんですと?「役者にとっても実物がある方が演じやすい」ってそりゃそうでしょうよ。「ガイド」が写す(設定)のアニメーションもセンスがいい。あらすじだけ読んだらただただ滅茶苦茶でバカバカしいだけのこの世界、映画を観てすごく気に入ってしまった。[DVD(字幕)] 9点(2011-05-29 23:57:37)(良:1票) 115. スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 いやー楽しかった。よく出来た映像にテンポのよいカット、キレると恐い若スポックや賢くて綺麗なウフーラ、得意技でピンチを救うカトーやチェコフ、最後はオリジナルシリーズの音楽のアレンジ!感涙!さてもう一度観る・・・気は起きない。 ロミュランは軽薄で頭悪いパンク不良集団。氷の惑星で襲ってくる怪物が赤裸のビロビロエイリアン。この監督は怪獣撮らない方がいいな。派手なカメラワークのアクションシーンは映画的お約束が多すぎる。カークは何回崖から落ちそうになれば気が済むんだ。誤って配水管に転送されるシーンに至ってはもうハイハイどうせ助かるんでしょとしか思えない。ありがちなハラハラドキドキ危機一髪はもう御勘弁。 思うにこれは「オールドファンを満足させろ」「新しいファンをスタートレックビジネスに引きずりこめ」という2大命題を課せられた、良くできたマーケティング主導作品なのだろう。加点法で10点、減点法で0点、間を取って5点。[DVD(字幕)] 5点(2010-06-07 11:19:48)《改行有》 116. ハリー・ポッターと謎のプリンス 《ネタバレ》 原作未読。ストレス満載だった前作からするとこれはかなり気持ちよく鑑賞できた。これまでハリーの敵役、と見せかけて実は単なる道化に過ぎなかったドラコ・マルフォイがいよいよ前面に立ちふさがる。親父があれだったしな。しかしこいつが闇の一味入りを拒めないのも、それでいて悪に徹しきれないのももう分かってる。頑張れマルフォイ!白い鳥をタンスに入れたり出したり死んでて嘆き悲しんだりする場面は意味がわからないがまあいつものことだ。「原作読んでたら分かるんだな」と思って次に進もう。ハリーとハリーよりは第二次性徴が早そうなロンの間にはハーマイオニーのようなちゃんとした言葉はない。優しい気遣いとかもそんなにない。ただ粗っぽい信頼だけがある。男のガキ同士ってこういうもんだよ。よく分かってるな。ジニーの配役は第一作の時点ではまさかこういう展開になると思っていなかったのだろう。地味だが意志が強そうな感じはいい。ハリーは普通に可愛い子には興味なさそうだしな。ハーマイオニーもそんなとこあるな。だからあいつらくっつかないのか。久々に自分の「あの時代」に引き戻されるハリポタを楽しめたので点数高め。[DVD(字幕)] 7点(2010-05-06 15:02:55)(良:1票) 117. タイ・カップ 《ネタバレ》 イチローが記録に迫った頃日本でも名前が出た往年の名選手。「球聖」とまで称される殿堂入り大スターでありながら葬儀に参列したのはたった3人というメジャーの黒歴史。そのへんに興味を引かれない人はおそらくレンタルショップで手にすることはない映画だ。実際のタイ・カッブが拳銃ぶっ放してゲハゲハ笑うトミー・リー・ジョーンズだったかというとおそらく違うだろう。記者役のロバート・ウールは印象的深い好演技。バットマン(1989)で見かけてずいぶんご活躍で、と思ったらそうでもなさげ。いい主演作品に恵まれていないようでもったいない。この映画にはヤマもオチも一応あるが、タイ・カッブに元から興味がなければイミがないというのが問題だ。人にはすすめにくい。[ビデオ(字幕)] 5点(2010-05-04 19:51:02) 118. バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲 《ネタバレ》 この映画は史上最低のバットマン映画だそうだが、さんざん罵倒レビューを見てから鑑賞するとかなかなか楽しめた。笑えるし、嗤える。世評では「フォーエバーは良かったがこれはひどい」というのも多いが、これとどう違うんだ?どちらも同じベクトルだ。特撮はパワーアップして画面はさらに美麗。ないのはぶっち切れたマッドな演技だけ。思うにこれは現代のオペラを作りたかったのではないかと思う。音楽がかなり重視されていてBGMで場面を紡いでいく感じ。しかしモーツァルトのオペラはモーツァルトの音楽があるのでバカ話でも成立するが、そこまで狙ったのならちょっと無理というものだ。突っ込みどころなんて無限にあると思うが2点だけ。Mr.フリーズはずいぶんモテるようだがもしあれに抱かれたら凍死は確実だ。そしてポイズン・アイビーの哀れすぎる最期はなんだ?女に恨みでもあるのか。まあみなまで言うまい。言うなればジャンクフードのコース料理、なぜか2回も観てしまったので6点献上する。おバカで可愛いユマ・サーマンに+6ということにしておいてもいい。[DVD(吹替)] 6点(2010-05-02 20:44:22) 119. バットマン・フォーエヴァー 《ネタバレ》 「バットマン映画」というのはひとつのジャンルらしい。しかし「バットマンとはこういうもの」という視点を持たずに観たらこれはかなりのバカ映画だ。バカキャラにバカ台詞にバカプロットにバカアクションにバカストーリー。それでも金かけたセットに豪華俳優を熱演させればなんとかなる。声が渋いヴァル・キルマーはしょうもない台詞でもなんとなくキマる。背景はセット臭いがとにかくカラフルだし、終始全部がセット臭いのでかえって気にならない。これはきっとセット星での物語なんだろう。この監督についてよく知らないのだが、「開始10分の間に一大スペクタクルを見せる」という技法の信奉者であるようだ。冒頭から始まって海に落ちたシーンのところで経過時間を見ると驚くぞ。とにかくあらゆる分かりやすいネタを仕込むのが好きなようで、観てるうちにだんだん思考能力が奪われてゆく。ビッチ心理学者とロビンを同時に助けるシーンは何が何だかわからないが、分かろうとする気が起きないので問題ない。かようにバカバカ言ってけなしているがけっこう楽しく観てしまったので5点。[DVD(字幕)] 5点(2010-04-21 23:09:15) 120. バットマン ビギンズ 《ネタバレ》 バットマン誕生秘話は前半部分、これが残念なことにパっとしない。オール東洋ごちゃ混ぜは仕方ないにしても、リアルな現地風景とインチキ臭い室内、そこに切り貼りしたかように現れるリーアム・ニーソンがなんともちぐはぐ。武術の修行だからアクションが見物のはずだが、残念なことにこの映画の格闘アクションは接写ばかりの抽象的な描写に終始。そしてこれらが凄いスピードで進行する。たぶん5時間分くらいの映画を作ってしまってから猛編集したのだろう。おかげでテンポだけはよい。後半は一転してよくまとまっていて見応えがある。飛べたり飛べなかったりするバートン版のようなプロットの破綻もない。ただし、悪役はスケアクロウは魅力的なのだが、リーアム・ニーソンはラスボスとしてはいかにもキャラが薄い。とまあ色々と文句はあるがかなり楽しめた。おそらくアメリカ人やアメコミ少年にとってバートン版はひとつの完成形なのだろうが、そうでない者にとってはこのノーラン版の方が素直に入り込めるのではないだろうか。半端な普通の青年であるブルースが半端ない努力を重ねて本当に半端ないヒーローを演じる、その理由、動機、苦悩、葛藤、創意工夫が登場人物によってすべて「語られる」。一見さん歓迎。理屈っぽい会話は底は浅いかもしれないが雰囲気はある。ただ映画字幕版は言葉をはしょりすぎなので何話してるか分からない所が頻出するぞ。DVDで観るなら吹き替えがおすすめ。[DVD(字幕)] 7点(2010-04-18 01:57:58)(良:1票)
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