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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
101. LOOPER/ルーパー 《ネタバレ》 タイムトラベル系SFにしてはかなりわかりやすい。ただし細かいことを考えないことが条件。 前半はサスペンス色がかなり強め。ルーパーを逃してしまった親友セスが処刑されていくのは、なかなかのホラー。直接的な描写はありませんが、オールドセスの体が次々と欠けていくことで、セスの身に恐ろしいことが起こっているのを視聴者に連想させます。この映画で一番恐ろしくも、一番良かったシーンかもしれません。それに、失敗するとただでは済まないことを印象付けるうえでも効果的です。 おおまかな設定は、未来では殺人を犯すと必ず捕まってしまうため、過去にターゲットを送り込んで、過去の人間に始末してもらうというもの。その始末屋がルーパー。 この映画では過去=現在の時間軸としてストーリーが展開される。欲を出して未来のシーンも放り込んでごちゃごちゃになっちゃうよりよほど良いです。 もうひとつの設定がTKと呼ばれる、全人類の10パーセントが目覚めたサイキック能力。SF感を出すためのアクセサリー的な設定かと思いきや、終盤この設定が大きな意味を持ち始めます。これには賛否両論あるみたいですが、個人的には物語を多重構造にできて面白かったんじゃないかと思っています。 唯一の難点は、ジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスがどうしても同一人物には見えないことか・・・。とくに後半、ブルース・ウィリスが暴れだしちゃうと、もうダイ・ハードにしか見えない・・・。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-17 17:51:38)(良:1票) 《改行有》 102. 明日に向って撃て! 《ネタバレ》 最初はいい。最後もいい。ただ中盤の追いかけっこがねぇ・・・。ずーっと逃げてばかりでいかんせん退屈。 「まいたか。」「いや、まだだ」「もう大丈夫だろう」「いや、まだだ」の繰り返し。台詞もシチュエーションもほとんど変わり映えしないので、いい加減飽きます。 早撃ちキッドの登場シーンこそしびれるものがありましたが、結局その才能を活かすエピソードはなし。 『明日の向って撃て!』なんて希望を感じさせるタイトルですが、やっていることは強盗。当然未来なんてないわけです。案の定バッドエンドだし。それだったら『俺たちに明日はない』と、自分達の立場をわきまえているほうがまだ良いです。 女教師もあのタイミングで退場させるのだったら、なぜ連れてきたのか。せめて別れのシーンぐらい入れてほしいものです。 ブッチもサンダンスも飄々としていて、そのキャラのおかげで明るい雰囲気づくりには成功している。でも飄々としすぎて、人物が描けていないという見方もできます。主要キャラの感情があまり伝わってこないので、感情移入しづらいです。 途中で足を洗おうとするけれど、護衛任務に失敗して、すぐ断念。山賊の真似事でもしてみようなんて、なんとも中途半端な描き方。刹那的で無計画。これだったら「生涯銀行強盗!」みたいに初志貫徹しているあちらのほうがまだ好みです。 ・・・ところでこんだけ銀行強盗やれば、お金はあるんじゃないの?無理して働かなくてもさぁ。盗ったお金はどこにいったのでしょう? こーゆー映画を見ると、昔の映画って過大評価されているきらいがあるなぁと思います。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-09-15 13:41:20)《改行有》 103. スティング これはFBIが偽物だって気づいちゃうかどうかが重要。 私はFBIが出てきた時点で、「ああ、これも仕込みなんだろうな・・・」となんとなく勘付いちゃったせいで、ハラハラすべきところでハラハラできず、どんでん返しがどんでん返しになりませんでした。だから、「あ、もうここで終わり?」と、割とあっさり終わっちゃった印象です。映画そのものは終始楽しく見られたんですけどね。 裏社会の大物をみんなで騙しちゃおうってスタンスは好き。競馬の取引所?を作っちゃうっていうアイデアが大胆ですごい。大勢のエキストラを集めて、みんな楽しそうで、こっちも仲間になった気分でワクワクしちゃいます。 でも気になる点もいくつかあって・・・。 例えば、ロネガンが建物を出てからすぐに演技をやめちゃうみなさん。危なくない?「忘れ物をした」って、ガチャッてドア開けられたら終わりですよ? それにロネガンはフッカーの顔を知らないとはいえ、手下の殺し屋グループはフッカーの住居を特定しているんですよね?ロネガンがフッカーを車で送ったときに、ロネガンがフッカーの正体に気づかないなんて変じゃない?自分がなんか見落としてんのかなぁ・・。 そんで、個人的には殺し屋のみなさまの存在が、なんとなくこの作品にはジャマだなぁって。前半のほうだけ出てくるならまだしも、結構ずっと出てくる。でも中盤以降は、ロネガンをいかに騙すかっていうストーリーで盛り上がっているんだから、殺し屋サスペンスは不純物じゃない?スナイダーだけで十分でしょ。 ついでに言うと、そもそもフッカーがロネガンの組織の人間から、売上金をだまし取ったことが事の発端。それで命を狙われるのは自業自得だし、ロネガンに復讐するっていうのは筋違いでは? 冒頭詐欺で稼いだ金も、バカみたいな賭博で一瞬でスッちゃって。どうもはじめのうちはフッカーという人物にあまり好感が持てなかったので、ちょっと気持ちが乗り遅れた感じはしました。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-08 02:43:20)《改行有》 104. 鳥(1963) 《ネタバレ》 もったいぶるなぁ。事件が起きるまでおよそ1時間。・・・もったいぶるなぁ。 まあ、そのもったいぶりかたが嫌いではないです。 もしかすると、前半はラブロマンスみたいな雰囲気をあえて出したのかな。タイトルもThe Birdsだったから、まさかホラーとは思われないかもしれない。当時予備知識無しで映画館で見たひとたちは、さぞかし度肝を抜かれたことでしょう。そう、これは後の時代にDVDやらで簡単に鑑賞できるということを想定して撮られたものではないのです。当時リアルタイムで、予備知識なしで、何の心構えもなく油断した人たちをあっと驚かせるような、そんなエンターテイメントムービーの先駆けだったのでしょう。きっと。 つまりは、あの前半の甘ったるい恋愛パートは、ただのミスリードなのです。『愛の鳥』もミスリード。ああ、これは恋愛ものなんだと、観る人を油断させるための『愛の鳥』なんです。そこからあの惨劇。何も知らずに見ていたら・・・。 そもそも鳥が人を襲うようなパニックムービー自体が当時としてはかなり斬新だったのではないでしょうか。 CGがない時代に、この映像はいったいどうやって撮ったんだという映像が盛りだくさん。 今まで撮ったことがないであろうジャンルの映画を、この完成度で仕上げるのはまさに天才です。 今のように数多くの映画があふれている時代でもなかったでしょうから、お手本になるような映画も無かったんじゃないかな。 こーゆーパニック映画のパイオニアとして、この作品を世に送り出したヒッチコックの功績は極めて大きいと言えるでしょう。 ヒッチコックの映画のなかではこれが一番好きかもしれないなぁ。パニックものが好きという、個人的嗜好もありますが。 作品の出来自体は7.5点くらいなのですが、ヒッチコックの他作品との差別化を図る意味も込めて8点で。 面白かったです。[DVD(字幕)] 8点(2023-09-05 02:19:26)(良:1票) 《改行有》 105. 俺たちに明日はない 《ネタバレ》 これが実話だというんだから、当時はすごい時代だったんですねぇ。 今の時代だったら絶対無理だろーなー。こんな行き当たりばったりの強盗が成功しちゃうんだもんなー。 この映画のこと、というよりかはボニーとクライドのことは、ちらほらと目や耳に入ってはいました。ずっと気になっていて、今回意を決して初鑑賞。鑑賞前は、クールな2人きりの強盗劇を想像していたのですが、そーでもなかったですね。 もちろん、クールな側面もあるんですが、思っていたより二人とも感情的になるタイプ。享楽的に見えて、家族の事、未来のこと、なかなかちゃんと考えている。 それにずっと2人きりで銀行強盗やりつづける物語かと思ったのですが、それも不正解。 仲間ができる。兄夫婦。C,W.モス。なるほど、犯罪者家系でしたか。親の顔が見てみたい。 この5人が一枚岩ならよかったのですが、兄の妻ブランチがとにかくうざい。そしてうるさい。この人がいるだけで不快指数が上がります。できればブランチこそ悲惨な死を遂げてほしかった。 それにしても、銀行強盗を成功させている割には、あんまり裕福にはなっていないようで。 大恐慌中だし、クライドも『しけてんなぁ』って言ってたくらいだし。銀行襲ったところでそんなに大金を手に入れられたわけではないのかなぁ。だとしたらハイリスクローリターンすぎますねぇ・・。 後半は逃げてばかりでしたし、どんどん追い詰められていく様子が何とも痛ましい。 まあ映画全体の印象としては、暗くなりすぎないためのポップな音楽。なんだか楽しそうな雰囲気。なんだかんだ言って仲間思い。そーゆーところは全部好きです。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-04 00:42:58)(良:1票) 《改行有》 106. ダーティハリー3 《ネタバレ》 最初のほうは面白いんですけどねぇ。 ガス会社のワゴンを手に入れるとことか。 酒屋の強盗退治するとことか。 でも話が佳境に入るにつれて、逆に面白味がなくなっていくのが不思議。 ラストのアルカトラズでの攻防戦なんてその最たるもの。なんでしょう、このダラダラとした締まりのない戦いは。 また、今作では女性刑事が初登場。キャラハンの相棒になるのですが、相棒として上手く機能しきれていない感じが・・・。バディものならではの面白さが皆無なんです。登場シーンこそ頭の良さを見せるのですが、それ以降彼女の頭のキレを感じさせるシーンが出てきません。いったいなんのための伏線なのか。彼女が彼女にしかできない活躍を見せることで、ハリーに相棒として認めさせるのが痛快で面白いはずなのに。それにこーゆーノリなら、女性刑事は死なせないほうが良かったんじゃないかなぁ。ムダに後味が悪いです。 警察組織から理不尽な待遇を受けるキャラハン。もはやアウトローの宿命ですから、この際それは目を瞑りましょう。ただ溜飲を下げるシーンは必須です!クソ上司が自らの非を認め謝罪するシーンとかさぁ。で、キャラハンが『お前たちが俺の言うことを聞いて入れば、ケイトは死ななくて済んだ』とか言ってさ。なんかそーゆー胸のつかえがとれるシーンを最後にください。なんかスッキリしないまま終わっちゃってます。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2023-09-03 09:56:14)《改行有》 107. ダーティハリー2 《ネタバレ》 1作目よりかなり面白くなっていたと思います。 こーゆー『毒を以って毒を制す』みたいなの好きです。 オープニングからつかみはばっちり。法で裁けない悪党を有無を言わさず成敗する。いいじゃないですか。スカッとします。 でもその場に居合わせた人間や目撃者も、バンバンバンって見境なし。この辺から『あれ?あれれ?』ってなってきて、そこへハリー・キャラハン登場。う~ん、いいですね。 最近の映画のほうがミスリードは上手。だからチャーリー・マッコイのいかにもってキャラは、出た瞬間にミスリード要員とまるわかり。チャーリーは惜しいキャラでした。もっと共感できる人物だったら・・・。あるいはチャーリーに関するエピソードをもっと丁寧に描けていたら・・・。復讐に燃えるキャラハンという構図もできていたかもしれません。 もちろん、それを言うなら相棒の死だって同じこと。キャラハンが相棒を救えなかった後悔と悲しみをもっと表現するようなシーンはほしかった気がします。 で、そーいったものを全く描かなかったので、一番盛り上がるべきラストの決戦が、何とも無味乾燥なものとなってしまいました。 序盤~中盤くらいまではすごく良かったのになぁ。 残念。でも1作目よりかは面白いですよ。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-08-31 01:56:57)(良:1票) 《改行有》 108. 荒野の七人 《ネタバレ》 映画はこれくらいが面白いですねー。難しいことをする必要なんてない。 悪い奴らがいる。虐げられる人々がいる。それを助けるヒーローがいる。たったこれだけで映画はこんなにも面白い。 1人1人仲間を集めていくとこなんて最高に楽しい。仲間集めは祭りの前の高揚感を感じさせます。 過去に読んできた、数多くの少年漫画でも、こんなシチュエーションたくさんありました。この映画にインスパイアされた人ってたくさんいるんじゃないかなぁ。ああ、でもこの映画も『7人の侍』をオマージュして作られたものでしたね。 ずっと面白かったのですが、最後はちょっと盛り上がり切れなかった感じも。 まず村人たちの手のひら返しが唐突すぎて呆気にとられます。 そもそも、村人たちに選択肢はなかったはず。カルベラの言いなりになっていたら、自分達が、子供たちが飢え死にしてしまう。だから最後の手段として、助けを求めたのではなかったのか。村を存続させるには、もう戦うしか手段が残っていなかったはずなのに、話が変わっております。 そして、やっすい報酬で、ほとんど無理やりボディーガードを頼まれたわけだから、助ける義理がなくなったのならほっとけばいいじゃん。でもなぜかほっとかない7人。なんで?死に際のカルベラも聞いちゃってるじゃん。『なぜもどってきた・・・』。それね。さあ、どう答えるクリス。・・・って答えんのかーい。 一番まずかったのは、カルベラが思ったより良いやつだったこと。 なんたって7人を釈放してあげる。銃も返してあげる。 にもかかわらず、カルベラ一味に奇襲をかける7人。命を助けてくれたことに恩は感じないのだろうか・・・。これじゃぁどっちが悪党だかわかりゃしない。 あと、クリス、ヴィン、チコ以外の4人の最期も、もうちょっとどうにかならんかったものか・・・。[ビデオ(字幕)] 7点(2023-08-28 12:35:49)《改行有》 109. ダーティハリー 《ネタバレ》 最初のほうこそ面白かったのですが、終盤になるにつれ、だんだんつまらなく・・・。 理由は2つ。まず、夜のシーンが多くなり、画面が真っ暗で何やってるか全然見えない。 理由のふたつめは、あれだけ武装して、警官に発砲して暴行までして、少女の遺体まで出てきて不起訴なのは無理がありすぎるってとこ。こんな出鱈目がまかりとおるのであれば、完全犯罪やり放題である。 これは凶悪犯を再度野放しにして、主人公と対決させたいってだけじゃん、っていう安直なプロットに醒めます。 更にはキャラハンをストーリー上孤立させたいってのはわかるんですが、上司も検事も市長もキャラハンを責めまくるのでイライラします。 今作初鑑賞なんですが、勝手にアウトローなヒーローが型破りに暴れまくる、そんな爽快なアクションをイメージしちゃってたんです。そりゃ勝手にイメージした自分が悪いんですが、このタイトルにクリント・イーストウッドだったら期待しちゃうじゃないですか。良そうに反して優等生なキャラハンに物足りなさを感じてしまった次第です。 ただ、若き日のクリント・イーストウッドを見られて、そこだけは大いに満足です。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2023-08-23 02:28:19)《改行有》 110. 北北西に進路を取れ 《ネタバレ》 ヒッチコック作品のなかでは一番好きかもしれない。ダイヤルⅯも良かったですが、好みで言えばこちらが上。当時の都会の様子なんかがわかるのも楽しい。なんだかんだ言って、やはり潤沢な予算で撮られた映画ってスケールが大きくて良いもんです。これぞ映画って感じです。 オープニングの拉致シーンはあまりに強引でしたが、『ああ、これはコメディなんだ』とわりきって見る良いきっかけになりました。 ロジャー・ソーンヒルが、最初のほうこそオバカさんでしたが、途中からかっこよく見えだして良いキャラでした。 そしてヒロインのイヴ・ケンドール。この人がとっても素敵。『あ、やっぱりバンダムの愛人だったんかい』っていうのは残念ポイントではありますが。それ以外はパーフェクト。人生最大のピンチで味方が誰もいないときに、あんな美女が助けてくれるなんて夢のようです。 一般人だったイヴを都合が良いからとスパイにしたてあげてたわけですが、素人があんなに上手く立ち回れるなんてご都合と言えなくもない。ロジャーも途中からスーパーマン化して、ロッククライミングみたいなことまでやりだしたときにゃあ笑っちゃいました。 本物のタウンゼントはなぜ殺されたのかなど、不明瞭な点が放置されたまま。最近の映画に見慣れていると、決して完成度が高いとは言えないかもしれません。 ただ、ラストに崖のシーンから列車のなかへジャンプするシーンなど、もしかすると今、映画やテレビ業界で当たり前のように使われている手法の先駆者はヒッチコックだったのかも。そー考えると、やっぱ偉大な監督さんですよねー。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-08-18 02:43:34)(良:1票) 《改行有》 111. めまい(1958) 《ネタバレ》 え?最後そんな終わり方? っていうくらい、長々とひっぱったわりにはあっけないラスト。余韻というものをまるで感じさせてくれません。 最後のネタばらし的な30分。確かにここは面白いんです。 ジュディが正体ばれないように必死なのも面白いし、恋心からジョンの頼みを断り切れないのも面白い。 『私が死んだ彼女に似ているから?』 この言葉が効いているので、ジュディが嫌がるのをジョンが不自然に思わない展開もうまい。 まあ、普通は着せ替え人形みたいに、元カノが着ていた服を着せられたり髪の色まで変えられたりした日にゃあ、百年も恋も冷めそうですけどねぇ。ジュディにとってはマデリンも結局自分だから、そこまで嫌ではなかったのかなぁ・・・。 で、このネタバラシが始まるまでの90分。ここがもうとにかくダラダラと長い。 一つ一つのシーンに無駄が多すぎるし、こんな内容だったらミッジとの色恋沙汰なんて要らないでしょ。もう苦行の90分でした。 そしてこれだけの尺を使いながら、ミッジは放置。 妻殺しの夫も何の罪にも問われないまま終劇。 ええ?なんか後味悪くないですか?[DVD(字幕)] 3点(2023-08-15 15:46:50)(良:2票) 《改行有》 112. ゴッドファーザー PART Ⅱ 《ネタバレ》 前作が面白かっただけに、すごく残念な出来。 父親として、マフィアの首領として、マイケルとビトーを対比させていくのは面白いと思います。 そのぶん尺が長くなるのは仕方ない。仕方が無いとはいえ、無駄なものはもう少し削ぎ落してほしいと思います。 で、2人分の人生を描く分、それぞれのストーリーはどうしても薄くなりがち。もちろん、限られた時間でしっかり描くことができれば、中身が薄いなどと思うことはないでしょうが・・・。残念ながら今作はどちらのストーリーも薄いです。そしてその薄い内容で3時間越えは正直きついですって。最初の2時間なんて、退屈で仕方なかった。 そしてこれだけの尺をとっておきながら、突然マイケルが公聴会に呼ばれていたり、ビトーがいつの間にか町で権力を握っていたりと、大事なところは割愛。いやいや、描くべきはそこでしょう。祭りだとか、演劇だとか、パーティーでみんなが踊っているシーンより大事なとこでしょう。 本筋と関係ないシーンやエピソードが多い割に、大事なところは説明不足。 行間はあなたの想像力で補いなさいと、いささか不親切設計。 それでもお話が面白ければよいのですが、何しろ暗い。そしてたいして面白くない。 ファミリーに対してはいつも温厚だった1作目のビトーに対し、ファミリーに対しても感情的に声を荒げてしまうマイケルの小者っぷりも見ていて痛々しい。せめてケイとは仲良くしててほしかったかな。 最大の見せ場であるラストは、前作と同じパターンを踏襲・・・ま、いいケドね・・・。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2023-08-11 02:55:28)《改行有》 113. エンド・オブ・ステイツ 《ネタバレ》 前2作とは若干路線変更の3作目。 今までと違うのは、ターゲットの一人がマイク・バニングになったこと。 とはいえ、命を狙われたわけではなく、マイクはスケープゴート。大統領暗殺の濡れ衣を着せられるのであります。 ただまあ結局、マイクは犯人グループに拉致される寸前で逃げだし、結果命を狙われるといういつものパターンになっていくわけですが。 いつもと違うのは、FBIもマイクを追っかけっているってとこでしょう。 つまりは冤罪もの?ってか四面楚歌状態。逃亡サスペンス。 普通は濡れ衣系のサスペンスってミステリー要素も楽しめるのですが、今作は皆無。なにしろ早い段階で犯人グループの正体明かしちゃいますから。ミステリーにする気はさらさらないようです。 前作では大統領がマイクの相棒のような立ち位置でした。 今作ではなんと父親が相棒に。マイクと父親のかけあいは漫才のようで面白いです。 序盤の見せ場はドローン爆撃。時代ですねぇ。これが画的にはとても見ごたえがあるのですが、前2作と比較するとスケールダウン感は否めません。 後半の見せ場は病院内アクション。これが明るくきれいな施設でのアクションなのでなにしろ見やすい。個人的にかなり良かったです。病院大爆破までのカウントダウンもなかなかハラハラさせてくれます。 今作ではFBIが重要な役割を果たすのですが、ちょっとピエロにさせすぎでしょう。いくらなんでも頭が悪すぎます。ちょっとイライラさせられちゃったのでそこはマイナス。女捜査官がやられちゃったときなんか、ちょっと胸がスッとしちゃったくらいです。 あ、ただのモブキャラと思われた頼りなさそうな副大統領が黒幕だったっていうのは意外性があってよかったです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-08-09 03:52:22)《改行有》 114. ダイヤルMを廻せ! 《ネタバレ》 そうかそうか、何か気に入らないと思ったら、そもそも不貞をはたらいた妻が、終始被害者のように描かれているところが気に入らないのだ。愛人の男が、なんだか正義の味方みたいなポジションに居座っているのが気に入らないのだ。 もちろん、殺人が一番悪い。そんなことはぁわかっています。わかっているうえで、心情的にはトニーを応援してしまう。だって人間だもの・・・。でもなんとなくこれは失敗するんだろぉなぁ・・・って思い、そしてその通りになるから、なんか気に入らないんだ。 もとはと言えばマーゴとマークが悪いのに。結局トニーがお縄。不倫関係にある2人は見事に障害を排除して結ばれましたとサ、ちゃんちゃん♪。うん、胸糞悪いです♪。 救いなのは、トニーが『あーあ、ばれちゃったか。』みたいな感じで、潔いほどかっこつけてくれるんです。これで後味がそこまで悪くならない。 だいたい愛人の小説家。トニーが犠牲になってマーゴを助けようなんて、いけしゃあしゃあとどの口が言ってんだコノヤロウ、と虫唾が走ります。この愛人マークが死刑になれば良かったのに。 とゆーわけで、結果そのものは見ていて気分が良いものではなかったです。 ただその過程はとても面白い。 序盤で愛人マークが『現実は小説のように絶対うまくはいかないから』って言ったように、ことごとく計画通りに進まないのが面白い。一番の誤算は、殺し屋が返り討ちにあっちゃうこと。この鋏も予定ではそんなとこにあるはずないのに、予定外のことが起こって裁縫箱からそんなところに置きっぱなし。そのせいで計画が狂っちゃうなんてさすがのトニーも夢にも思わず。 ところが、ここからトニーは機転を効かせまくって、今度は妻を死刑にもっていっちゃう。このストーリー展開はもはや爽快ですらあります。 個人的にはそのままマーゴ死刑エンドでも良かったんだけどなぁ・・・。 伏線の回収はまさに完璧な作品でした。[DVD(字幕)] 7点(2023-07-30 21:31:37)(良:1票) 《改行有》 115. エンド・オブ・キングダム 《ネタバレ》 ははは、評価ひっっっく。 私はこれぞエンターテイメントって感じで、存分に楽しんじゃいました。 舞台がホワイトハウスからロンドンに移っただけで、やってることはほぼ同じっていうのも良かったです。 ロンドンに集まった各国首脳を同時多発テロで一網打尽。ここでまず観客の度肝をぬいてから、マイク・バニングの『ダイ・ハード』モード突入。今回は大統領のおまけつき。いや、もう2作目にして早くも安定の面白さです。 意外だったのはリン・ジェイコブス長官の死。『まさかあなたより先に死ぬとはね』、いや、ほんとそうです。基本『死なない側の人間』だと思っていたので、驚きました。 実は事前に次作のキャストだけちらっと見ちゃってたので、次作の大統領がモーガン・フリーマンになっているということは知っていました。・・・・つまり、もしかして大統領やられちゃうんじゃないの~、って、終始ハラハラしながら見られました。なぜならリン・ジェイコブス長官が死んじゃったことで、もう誰が死んでもおかしくないって思ったからです。 途中でⅯI6の美人工作員と合流するので、一緒に戦ってくれるのかと思ったのですが、それはナシ。残念です。 そして最後まで映画を見終わると、結局アメリカが一番怖ぇよ、っていう結論に至る次第です。 それにしても今作のレビュー拝見しますと、みなさまのこの作品に対する切れ味鋭いつっこみが本当に面白くて、お腹抱えて笑っちゃいました。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-07-29 00:49:44)(良:1票) 《改行有》 116. スター・トレック/BEYOND 《ネタバレ》 相変わらずワクワクさせてくれるオープニング。オープニングの出来が一番良いんじゃないかっていうくらい楽しい。 5年探査の旅に出て3年目。その他大勢のモブクルーのみなさんの日常や人間関係をちらっとでも見せてくれるのが嬉しいじゃないですか。 そしてもうひとつワクワクさせてくれたのがヨークタウン。これは映画館や3Dで見てみたかったです。最高の未来都市。公衆転送装置とか、アトラクションのような動きを見せる乗り物とか、面白そうな仕掛けにワクワクが止まりません。でも結局このヨークタウン、あんまり見せてはくれないんですよねー。 さて、ストーリーが動き出す中盤。ここがはっきり言ってつまらない。 まずいくらなんでも一方的にやられすぎ。バリアも効かない。フェザー砲も効かないんだっけ?あまりに相手がチートすぎて、逆に手に汗握らない。ただただ不快な気分にさせられるだけです。 で、惑星に不時着したあと夜のシーンがくるのですが、もう暗すぎて何やっているのかわかりません。そして眠くなる。 後半になるとみんな合流、反撃開始。なのでちょっとだけ面白くなります。ホログラム映像のおとりや、茶色のなんかよーわからんやつなど、便利ギミックも楽しい。 更には、原理はよーわかりませんが、ロックを流して敵を撃破していくのがスーパーご都合主義で爽快。 ヨークタウンの重力が不安定になっているところでのバトルも見た目に楽しい。 よってアイデア満載で、これぞSFっていう楽しさが感じられるのは良いところ。 ただやっぱ中盤はひどくて、絶賛はしづらい映画。他の人にも勧められない。ピンチになるにしても、ピンチのなり方ってもんがあると思います。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-07-27 03:29:19)《改行有》 117. 激突!<TVM> 《ネタバレ》 こーゆーシンプルイズベストなスリラーは大好き。それをスティーヴン・スピルバーグが撮ったっていうんだから期待値Max。だったのですが・・・、う~ん、悪くはないんだけどって感じです。 なんか結構いらいらしちゃいました。そのイライラはトラックではなく、主人公のおっちゃんに。 他の車がときどき走っているんだから、その車の後につけるなり、前につけるなりすれば、トラックは手出しできないでしょ。 それにラジエーターホースは自分の責任でしょ。整備不良は自業自得。それでパニックになられても、うるさいだけ。そもそも長距離移動するんだったら、出発前にラジエーターホースくらい替えとけよ。 こーゆー理不尽ものっていうのは、被害者側に原因がないのがミソなんです。被害者側に落ち度があると、ハラハラよりイライラが勝っちゃう。 そんななか、個人的に出色のシーンだったのがバス。似たようなシチュエーションを、他の映画では見たことがありません。 このトラックが、主人公のおっちゃん以外には、いたって好意的なのが逆に怖い。トラックの、『お前だけは許さねーぜ』っていう無言の圧が凄い。 そしてこんなことをされると、主人公は途端に孤独に陥ってしまいます。どれだけトラックが危険でも、それは自分に対してだけ。周りの人にはまるで理解されない恐怖。まるで不良から、自分ひとりがターゲットにされてしまったような、そんな恐怖を感じるのです。[DVD(字幕)] 6点(2023-07-25 02:54:33)《改行有》 118. ゴッドファーザー 《ネタバレ》 長いので何回かに分けて見るつもりだったのに、あんまり面白くて一気に見てしまいました。おかげで寝不足の一日になってしまった。 どーしても古い映画は敬遠しがちだったのです。 理由➀ 様式美がもてはやされていて、実際の面白さはそーでもなかったりするから。 理由② 様式美に凝り固まっていて、テンポが遅そーだし、退屈そーだから。 理由③ 各ジャンルのパイオニアってだけでもてはやされていて、実際の面白さはそーでもなかったりするから。 そんな自分の浅はかな固定観念をものの見事に粉々にしてくれました。『色褪せない』ってのはこーゆーことなんですねぇ。 小難しい映画かと思っていたのですが、そーでもなかったのも良かったです。 確かに人物相関図はやや複雑ですが、中心人物たちだけ押さえておけばストーリーは割とシンプル。実は単純な成り上がり系ストーリー。マフィアのドンの息子でありながら、堅気の主人公マイケルが、運命に翻弄されてマフィアの世界へと否が応にも巻き込まれていく物語。ファミリーのなかでも、一人だけ非マフィアでボンボンな感じのマイケルが、次第に頭角を現していくのはある種痛快でした。危険で予断を許さない状況のなか、マイケルの一挙手一投足に期待せずにはいられません。 それにしてもアル・パチーノにもこんなに若いときがあったのですねー。最初アル・パチーノだと気づきませんでした。 兄のソニー、相談役のトム・ヘイゲン、暗殺実行役のクレメンザなど、脇を固める面子も強烈な個性。1人1人に大なり小なりドラマあり。にも関わらず、ファミリーの存亡をかけた駆け引き、闘争、そして世代交代というこの映画の本流も決して見失わない見事なストーリー構成。なんとバランスの良い映画なんでしょう。 ただひとつ難を言うなら、マイケルとアポロニアのエピソードは個人的には不要でした。 マイケルには一人の女性を愛し、基本はストイックでいてほしかったものです。アポロニアとのエピソードは、なんだか極上のウイスキーに混ぜられた不純物のようでした。 それにアポロニアが死ぬやいなや、ケイ・アダムスのところに戻っていって、なんと節操のない。 マイケルの好感度を下げるだけのこのエピソード、本当に必要だったのでしょうか。 それにしてもあれだけ事が大きくなるのを避けて慎重に動いていたのに、結局暗殺という力業でカタをつけちゃうんですね~。 もちろん、偉大なるゴッド・ファーザーの死を待っていたというのが理由なんでしょうけど、・・・・それを踏まえても、だったら状況がこれだけ悪化するまえになんとかなったんじゃないかという気も・・・ [ブルーレイ(字幕)] 9点(2023-07-24 00:50:39)(良:1票) 《改行有》 119. 裏窓(1954) 《ネタバレ》 ええ~?ここまでつきあったのに、真相もやもやって何?ジェフリーズたちだけすっきりした顔して、こっちは全然すっきりしないんですけど。 でもジェフが寝落ちする前に、確かに悲鳴のようなものは聞こえたし・・・。 結局ソーワルドはジェフを殺しにかかったし・・・。 家に不法侵入されて、指輪を盗られただけであれば、警察に電話すればいい。でもそれをしないっていことは、ソーワルドはやはり妻を殺していたってことでいいのかなぁ・・・。う~ん、そこは最後はっきりさせてほしかったなぁ。 終盤は結構盛り上がるのですが、序盤から中盤がなにせ退屈。軽妙洒脱なトーク劇だけでもたせるには少々長すぎです。 でもサスペンスだし、ミステリーだし、きっと面白い何かが起こるのだろうと見続けた結果がこれか~。 そしてこの作品一番のミステリーは、リサがなぜジェフにそっこんなのかということ。 歳だって離れてそう。かと言ってお金があるようにも見えない。年上ならではの包容力や魅力も感じない。しかもリサに対して否定的な意見ばかり言って、結婚する気もない。いや、ほんとリサはこの人のどこが良いんでしょ? もしかしたらこの映画は、『いるはずのない理想の女性』を登場させた、当時の男性たちの願望詰め合わせ映画として人気だったんじゃなかろうか・・・。[DVD(字幕)] 3点(2023-07-22 03:30:10)《改行有》 120. サイコ(1960) 《ネタバレ》 モノクロ映画に初挑戦。映画『ヒッチコック』を見てから、どーにもこーにも興味が湧いて見ちゃいました。 ブルーレイで見たこともあってか、思っていたより鮮明な画像で大変見やすかったです。 冒頭の横領はなんだったんだとか、あの思わせぶりな警官はいったいなんだとか、後半の展開とは全然関係のない前半。いや、もしかしてこれミスリードっていうやつじゃないですか?当時リアルタイムでこれを見た人は、予想していた展開とは全くちがう動きを見せ始めるストーリー展開に、ただただ驚いたかもしれないですね。 テンポはお世辞にも良いとは言えません。見る人によっては無駄が多いと思えるかもしれません。ですがこれを60年以上前の映画の味だととらえることもできると思います。 そして最近の映画と違って目が疲れない。カメラワークがせわしない昨今の映画と比べ、1つ1つのシーンを落ち着いて見せてくれます。これは今の映画にはない良さかもしれないですね。 現代のホラーやサスペンスと比べてしまえば、いささか刺激は足りないかもしれません。 グロい描写もほとんどないので、ホラー初心者の方はこーゆー映画から見始めていくといいのかも。 それにしても、ホラーというジャンルはあまり時代を感じさせない、良いジャンルだなぁと思う今日この頃です。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-07-20 04:15:05)《改行有》
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