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コメント数 914
性別 女性
ホームページ http://ameblo.jp/cluttered-talk/
自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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121.  ゴスフォード・パーク 殺人ミステリーにひねりを加えたやつが撮りたかった、という監督。 殺人ミステリーには全然なっていないけれど、なんとも重厚なできあがりとなった。 殺人ミステリーでなければなんなのかいえば、もちろん重厚さをかもし出すモトとなったザ・階級社会なのだった。 ご丁寧にエンドロールのキャストまで、主人と使用人が別になっているというこの凝りよう。 このところ「オーメン」は見るわ「エニグマ」は見るわ井形慶子は読むわでどうにもイギリスづいているのですが。 実は第1次大戦が終わって第2次世界大戦が始まるまでの間のイギリスの不労階級と使用人の織り成す生活というのは、私にとってはどうにも懐かしいものなのであった。もちろん自分がそうだったからではなく、ミス・マープルとかエルキュール・ポワロの読みすぎのためである。 アルトマンという人はほんとにパーティが好きなのね。ごちゃごちゃ人を集めて撮るのがいいわけですね。「ウェディング」ではそれほど使用人に重きが置かれている感じはしなかったですが。 ここでは「上」と「下」に水と油のように分かれている階級生活が余すところなく描かれる。 手練のアルトマンは、もちろん階級社会の「是非」を問うような無粋な目線で撮ってはいないが、なくても話が成立するのに意識して「不安定要素」を入れている。小金持ちの「平民」の娘と結婚した貴族のカップル、役者修行であることを隠して使用人のふりをしたアメリカ人、ディナーをサーブしているときに思わず旦那様をかばって対等の口をきいてしまったエルシー。わざと「水と油」の境界が揺らいでいるところを見せる。階級生活を営む人々にとってはさぞかし「地震」のようなものであろう。 全然ミステリーでないまま「階級生活はかくあるのかすげーなー」「井形慶子の言うとおり、塗りすぎてドアにヒビ割れがしているな」「貴族は女と金のことしか考えてないのかやっぱり」などと思っているうちになんとなく終わってしまう。そしてそして。 ああジェレミー・ノーザムの弾き語りのすばらしいこと!どうやらクリストファー・ノーザムという人の手が入っているらしいのだが、なんというタレントフルな家族なのかしら。またエンディングの歌のすばらしいことといったら。これがイギリスの田園風景にかぶるわけですからもう、ダメ押しされたようなもの。KO負けです。こんな芸まであったとはノーザム、顔だけじゃない。[DVD(字幕)] 8点(2006-09-09 23:17:56)《改行有》

122.  オーメン(1976) 《ネタバレ》 「信じられる事柄以外は除外する」という方針の勝利と思う。ダミアンは超常現象も起こさなければ、乳母も魔術を使うこともなくただ「ドアを開ける」とか「肉弾戦で闘う」というひたすら人間的な活躍に終始する。悪魔崇拝していたと思われる神父たちの儀式場面など全く見せないところも洗練されている。それらは観客の想像力に任されている。 世の中には時々信じられない悲惨な事件が起きるが、通常人々はことが済んだあとで新聞の活字や、TVのニュースキャスターの口からその事を知るだけだ。たとえば「オーメン」のストーリーが実際の事件だったとしたら、「駐英アメリカ大使は妻子を伴ってイギリスにやってきた。妻のキャサリンは慣れない土地で育児ノイローゼになり、自宅で偶然の事故にあったことにより、錯乱して病院の窓から飛び降り自殺。妻の死にショックを受けた大使は精神に異常を来たし、妄想を抱いて子供を殺そうとしたが駆けつけた警察に射殺された」という3行記事に成り得る。これに対する普通の感想は、「まあー、なんて悲惨な事件でしょう。エリートなのにそんな妄想を抱くなんていったいどうしたことでしょう。」というものだ。その3行記事をある方向に膨らませて肉付けし、「もしかするとその3行記事の内幕はこういうことだったかもしれませんよー」というのがこの映画で、観客は「暴露話」を見ているような錯覚に陥るのであった。巧みである。 また、「死」の場面の挿入の仕方もうまい。「これ撮るの大変だったんだよ、うまく撮れたよなー。せめてここも入れちゃえ」という気持ちをあくまで抑えたみごとな編集。低予算とは思えない丁寧な作風である。[DVD(字幕)] 8点(2006-09-09 11:59:56)《改行有》

123.  セント・オブ・ウーマン/夢の香り 《ネタバレ》 なんとも長い作品で、この内容で「ミュンヘン」と同じくらいの長さというのはやっぱりちょっと無理がある。 と長さに不満は残るが、後味はなんともいえずさわやか。 「盲目の退役軍人が後見人席で勝手なことをいったくらいでそう都合よくいくものか馬鹿馬鹿しい」というご都合主義を中和するために、NYでの冒険譚とスレードの鬱および自殺願望を延々と見せたわけでしょう。ラストの演説の時点で最高潮にもってきたところ、常に高低のバランスを意識したつくりと思います。 45径の銃を片手に「養子になるか一緒に死ぬかどっちだ」と言いますね。これは相手が女性だったとしたら、求婚しているのと同じですね。こんなふうにしか、「お前が気に入った。離れがたい。」ということを表現できないなんて、スレードというおっさんはせつないな。それと、このおっさんは男性相手には卑猥な女性蔑視の表現ばかりするんだけど、女性相手になると全然違うのね。どうです、見ず知らずのおっさんに「君の香水は○○だね。」とか言われたら。気持ち悪くてすぐに逃げるでしょう。セクハラな会話ばかりしていても決して女性に嫌われない。ここに至るまでにはひっぱたかれること何百回の修行を積んだことでしょう。真の女好きとはこういうものか、と妙に納得したのでした。 それにしてもパチーノ、生まれる前から役者さんであったかのようなその存在感には今更ながらお手上げです。このところ出演作をよく見ていますが、「これはもう役者さんになるしかないような人」といえましょう。マイケル・ジャクソンを例えにすると、「人前で歌って踊ってお金をもらうことに何の疑問も抱かせない(何であんたなんかがとつっこまれる余地がない)」のが歌い手の条件だという説がありますが、俳優部門でいったら迷うことなくパチーノを推します。誰がつっこめるでしょうか、身長が足りないとか、顔がデカく見えるとか、パチーノが演技しているときに。そういうことがどうでもよくなってしまう不思議な俳優さんです。 私見では、トム・クルーズにはまだ迷いがあります。「身長が足りないのに堂々主役を張っている」という後ろめたい気持ちが、5%くらいは彼の中に残っている。だから見ている私たちも「トムがんばってるー」と応援する合間に「やっぱ身長が足りないから女優さんと並んで映さないのね」とかどこかで思ってしまう。やっぱパチーノはそういう意味で偉大だ。[DVD(字幕)] 8点(2006-09-03 12:48:23)《改行有》

124.  25時(2002) 《ネタバレ》 悪くない。 スパイク・リーを見たのは久しぶりだったけど、期待をはずさない出来だと思う。 明日は楽しい収監日。さあ何をして過ごそうか?というシンプルな話なんだけど、「逃げる」か「自殺する」か「出頭する」かの3つの選択枝の中から、モンティがどれを選ぶか。1番と2番は無いよね、というのは映画の雰囲気からして見るほうはなんとなく分かっているわけだ。じゃあ当然「出頭する」しかないんだけどそうやってそこまでもっていくのか?というツカミで引っ張るわけだ。そして、「チクったのはいったい誰?」。「収監される」というだけで、死刑囚にでもなったかのように、おおげさに苦しむモンティと周囲の人たちに、「??たったの7年でしょ?」と思うわけだが。彼らの認識では刑務所の中は「アメリカンヒストリーX」のような状態になっているらしいのだった。(なぜかこちらもノートンだ) 鏡のシーン、ラスト近くの妄想シーンは他の作品と一線を画すのに効を奏している。 最終的にモンティは己の浅はかさを悔い、友人たちは、モンティに苦言を呈しなかったことを悔いる。 そしてモンティは年貢の納め時を受け入れる。のだが例の妄想シーンの間中、「??これは夢?現実?」と観客を迷わせて技を見せる。「存在しなかった未来」を見せることによって、モンティが諦めたものの重さを示して秀逸だ。 鏡のシーンも異色だった。ニューヨークはアメリカじゃない、と言っていたのは誰だったか忘れたけど、そう、ニューヨークのように人種と文化が混在している都市は人類の歴史から見たら奇形なんだと思う。 たぶん人間の神経には、己と異なる文化を容認する許容量があるのだ。コップの水のように。花粉症の発生点のように。 スパイク・リーもそのことを言いたかったのだが、同時にそれがモンティを免罪するわけではなく、「(自分と異なっているから)おまえらみんな大嫌いだ」と言ったら当然相手も同じ事を思っている、という事実をつきつける。 見る価値はある。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-19 22:58:37)(良:1票) 《改行有》

125.  スカーフェイス 《ネタバレ》 これを見たのは「カリートの道」をより深く理解するためだったといえるかも。 そして私の結論は、「スカーフェイス」は「ゴッドファーザー」を意識していながら超えられず、「カリートの道」はデパルマのリベンジであった。 同じパチーノを使ってわざわざ同じようなテーマの「カリートの道」を撮ったそのワケが、大いに納得がいった。リベンジです。ということは、デパルマはやっぱり「スカーフェイス」に満足が行かなかったと思う。 「ゴッドファーザー後」のヤクザ映画ということが災いし、しかも同じパチーノ主演、「シリアス」となると、「やっぱりゴッドファーザーのほうが面白かったね」という視聴後感を持って映画館を後にした観客が多かったでしょうね。 デパルマは打ちひしがれ頭を抱えたと思う。チェーンソーなんかではダメなんだと。 そして、どシリアスな「ゴッドファーザー」を超えるために「カリートの道」でデパルマが取った方法は「アレ」でした。好みの問題もあるけど「カリートの道」には11点以上をつけたい気持ちです。[DVD(字幕)] 8点(2006-08-13 00:27:14)《改行有》

126.  普通の人々 《ネタバレ》 思えば「グッドウィルハンティング」はかなりここからパクっていたんですね。 兄貴が生きている間は家族間の力関係が安定していたために誰も疑問を持たなかった「コンラッドに対する無関心」が、バックが居なくなったことにより表面化してしまった。それでこれからどうしよう?という話ですね。 その「無視」の出所は母親のベスであるわけで。まあどう考えても彼女のコンラッドに対する態度は異常ですよね。なんで今まで気がつかなかったんだ?というくらいに。 カウンセリングを受けなければいけないのは誰よりもベスなんだけど。 みんなが腹を立てているベス、その思考回路について私が想像してみましょう。 彼女のキーワードは「完璧」「安定」「計画どおり」です。こういう人が最も恐れるのは予定を乱されること、突然のアクシデントです。彼らは自分が他人より弱く傷つきやすいと感じており、予期せぬ事態に耐えられないと思っているからです。 そのため予定を立て、家族を管理し、自分の許容範囲を超えたハプニングが起こらないように努めるのです。「不寛容」は、もちろん自分が「寛容」を与えられなかったから出てくるので、「私がこんなにがんばっていることに比べればあんたのがんばりなんて何よ」という気持ちで四六時中過ごしているのがベスのような人です。自分が一番大変な思いをしているという気持ちですね。こういう人は自分のことでせいいっぱい。自分が崖から転がり落ちないようにするだけで力を使い果たしている。「母親のリミットを知れ」と言ったバーガー医師はまことに正しい。 私はどちらかというとベス的な人間なので、分かるところがあるのです。 彼女はたぶん、「いい子にしていればすべてが与えられる」という育ち方をしたのでしょう。だから、大人になった今も主婦として妻として、落ち度の無いようにがんばっているのです。そうしないと「最も恐れていた事態」が起こるかもしれないから。それは「夫に捨てられて生活に困ったらどうしよう」ですね。ところが皮肉なことに、それは彼女が想定していた落ち度以外のところから訪れたのです。 誰もが理解に苦しむベスとは、(たぶん)こんな人です。「魔女」ではありません。 この話の女の子版が萩尾望都の「イグアナの娘」ですね。(マンガだけど)[DVD(字幕)] 8点(2006-08-06 19:36:08)(良:3票) 《改行有》

127.  ヘルレイザー ワールド・オブ・ペイン 《ネタバレ》 おもしろかった。久々にイケてるB級ホラーを見た。 低予算ということに驚くほど、よくできている。編集もいい。しかも主役の女優さんがどの角度から見てもすごく美人。脇の女の子も良く見るとモデル並み。やっぱ主役の女優さんはキレイでスタイルがよくないとダメ。 あと、アイディアも随所に見られて、のっけから苦労して死体のそばのモノを取るとか、地下鉄の車両が無法地帯になってるとか、壁がどんどん狭くなってくるとか、血が止まらなくても死なないとか(幻覚だけど)、目玉であるピンヘッドさんを出すことだけに頼らない工夫が様々感じられた。こういうのすごく好きなんだよねー。 この女優さんは、アシュレイ・ジャッドに似ているが、私はこっちの方が買い。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-03 22:11:35)《改行有》

128.  ニューオーリンズ・トライアル 《ネタバレ》 なかなか見応えがある作品だった。 豪華キャストにサスペンスらしいテンポのある演出、まずまずはずしていない一品だ。お約束のダスティン・ホフマンとジーン・ハックマンの対決場面も用意されている(トイレという最低の場所なのが皮肉。)個人的ひいきのジェレミー・ピヴェンも出ていてうれしい。 グリシャム作品は読んだことはないが、まあクレバーな作者なのだろう。マーリーとニックのあまりの手際の良さに無理があるとは誰でも思うけどね。なんで他の陪審員を操れる自信があるのか?なんで素人の若い女がプロ相手に堂々と交渉する余裕があるのか? ひとつ言いたいことはこの映画で最も重要なセリフ、ダスティン・ホフマンのローアが最初にマーリーに出会って数分で彼女の正体に感づいた時に発した「Who hurt you?」なんだけど、字幕では「過去に何が?」と訳してました。これでは肝心のところが伝わらない、ここは「誰に恨みが?」が正しい。 ローアは今回の取引が「金目的」からスタートしたのではないということを、マーリーに出会ってすぐに気づいたのです。自分自身が金以外の目的を持っている同類だからでしょう。その証拠に、ライバルフィッチは、「金目的」であることを終始寸分疑わない。 それと、最後までローアに電話をかけて取引を進めようとしていたことが不可解ですなあ。フィッチに対する牽制目的としては、過剰に思う。自分達と変わらぬ目的を持つ弁護士から、なぜそうまでして金を引き出そうとしていたのか? それで上記の「素人なのに強すぎるマーリー」における設定の無理が、超個人的に私の共感を呼ばないんですけど。こんなシロウトの若い女いるか?いったいどこでどう訓練したわけ?レイチェル・ワイズは本当に台本どおりに演じたみたいだなあ。マーリーの葛藤がほとんど描かれていないぶん、彼女がゴルゴ13のように非情に見えてくるのだが、あの通りの可愛い系の顔で、冷酷な犯罪者としか思えないセリフを繰り返されると観客は(私は)ある種のストレスを感じる。ミスキャストかなあ。 「銃を造る会社と売ったやつに責任はあるのか」というテーマに対しては、文化の違いもあり何ともいえない。保留。[DVD(字幕)] 8点(2006-07-23 16:08:21)《改行有》

129.  12モンキーズ 《ネタバレ》 ずっと前に一度見たけど、「地味な作品」とか思ってその後失念。 今回見直して見たら、なかなかよくできた映画であった。 この作品の核は、私にとってはなんといってもブルース・ウィリス。 ガタイがよくて不器用な男のピュアな感じ、彼はこの分野では傑出した俳優さんと思う。(その意味では「ジャッカル」の役に無理があるのはあたりまえか) 「ストーリー・オブ・ラブ」でも思ったけどこの「ガタイがよくて不器用でピュア」、天然じゃなくてこれを表現するのはさぞ難しかろう。(「ストーリー・オブ・ラブ」はこのブルースの良さを描ききっている。「俺は子供じゃないぞ!」と叫ぶときのアホでピュアな感じといったら) その難しさはウド鈴木などのバレバレ感を見ると明らかである。 「ちょっと知能が足りない」と「知能は人並みだがピュアで口下手」の境界線はぎりぎりのところにあるが、この作品ではその際どいところをよく表現したと思う。 マデリーン・ストウについては個人的には不満だ。この作品の彼女を見ていても、「知的で、適度な年齢で、整った美人」という以外の意味が見出せないじゃないか。それじゃあ、役どころそのまんまでしかない。しかも知的なはずなのにプロ意識に欠けている。ラスト近くで急速にジェイムスに心を寄せて、ラブラブになるのが不自然だ。まあ脚本に問題があるかもしれないが、「役割(精神科医)」をすっとびこして「個人(一人の女)」へ移行するまでがかなり無理がある。1917年の写真に信じられないものを発見しようが、まだその時点では彼女は十分に精神科医。精神科医(しかも女性として苦労のうえつかんだ地位のはず)としての自分のキャリアをかなぐり捨てるプロセスに、観客を説得するものが足りない。→製作者の女性に対する観察眼、認識が甘い。 ところで、2035年、レイリー博士(Railyは「ライリー」じゃないと思う。「レイリー」もしくは「レアリー」のほうが近い)は70歳くらいになっているでしょうか。果たして彼女は生き延びて地下で暮らしていたのでしょうか?生きていたなら、ジェイムスを探したのではないでしょうか?そこのところが気になります。(やっぱりウィルスで死んだのかな) [DVD(字幕)] 8点(2006-07-17 12:02:20)(良:1票) 《改行有》

130.  スターシップ・トゥルーパーズ 《ネタバレ》 昔見たときは、やけに感動に乏しいSFとしか思ってなかった。そして現在。やばい。非常にやばい映画じゃないか。原作の事は知らないが、ベトナム戦争への皮肉てんこもり。「死んだ虫だけがいい虫だ」「先に攻めたのは地球らしい」「虫じゃなく人類が未来永劫支配する」って。虫をベトコン、人類や地球をアメリカに置きかえればまんまだ。 この主人公のジョニーてのは、青2才で、家が金持ちで、頭カラッポでフットボールに燃えて、女にやたら弱くて、どう見てもアメリカそのものとしか思えない。きっと「アメリカ」という国を人で現したらこんなふうだろう。そのジョニーが、民主主義が死んだ社会で軍に入隊して(しかも女目当て)さしたる思想もなく「とにかく死ぬまで戦うのじゃ。そこに人類を脅かすものがある限り」て、間単に思いこむし。んで何の疑問もなくバカ全開でノリノリだし。バーホーベンにはアメリカがそう見えているわけね。Bメロ的なテーマとして「女のほうが一枚上手だよね」てのがあると思ったが、現れた怪物はなんと女性器そのものだし。それいじめるし。ああバーホーベンたら。とにかく最初から最後までものすごく金のかかったジョークだ。キャスパーとデニースなんてお人形感のある(人間ぽくない)2人をチョイスしてさ。映像は終始美麗。[DVD(字幕)] 8点(2006-03-12 00:16:42)(良:2票) 《改行有》

131.  愛は危険な香り これ好きだったんです。もはや埋もれた作品となり果てていることが悲しい。なんでかなあ。カントクが有名じゃないからかな。ともあれ、これはシワひとつないプリプリイケイケ時代のダイアンレインを最も魅力的に撮った映画といえましょう。ショウウィンドーのデコレーターであるダイアンが、自分から精力的に仕事を売り込むうえに、毎回毎回、セクシーでビューティフルなデコレーションを作ってしまう。→ヒロインは「都会に住む自覚的な現代女性」であるところがよいですね。ま、このままいくと、堂々の負け犬へ進みそうだが。そしてまた、体力仕事であるにもかかわらず、ハミ乳すれすれなセクシー衣装で仕事に励んだりする。そんなカッコしているからバスの中で痴漢にあうんだよー。衣装もヘアスタイルもとっかえひっかえ、ダイアンの都会的な魅力をこれでもかと見せまくります。それでまた、住んでる部屋がカッコいいことといったら。とんでもなく広いワンルーム。そんでワードローブがダーッと並べてあってその中に何気にバスタブもあるし!この部屋にあこがれましたよ。日本人のOLで、こういうところに住むには年収どのくらいあればいいワケ。このころ自分は20㎡くらいのところに住んでたし。誰がなんと言おうとやっぱり日本は貧乏だ、と思った瞬間です。女性の一人暮しの描き方も、リアルでした。ほら、セキュリティに外敵の危険を感じた時って、なぜか急にふだんは放ってある掃除とか家事に精を出したりするじゃない?経験あるしよくわかる。これって女の本能なのか、洋の東西を問わなかったのね。これまた、ちまちまと掃除機なんてかけないで、コンクリの床にザーッと水を流してモップでごしごし。カッコいいね。たぶん、男の子も映画の中の主人公の生活スタイルに自分の理想を見つけると思うけど、私の場合はこれなんか強烈でしたね。そんであの猿顔のボーイフレンド。それはないでしょうよ。これだけおしゃれな人生なのにい。しかもブリーフをはくな、白いブリーフをー!(確か白だったと記憶している)あの猿顔としょぼいストーリーは無視して、おしゃれでアートな雰囲気を楽しむ映画です。女性の方必見です。ダイアン・レインは女性に支持されるという稀有な魅力をもつ女優さんです。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-03-02 21:18:27)

132.  クローン・オブ・エイダ 《ネタバレ》 この監督さんのことは全く知らないし、1回目視聴後はエイダがティルダ・スウィントンだということすら気付かなかった。これはもしかして、何回見ても、エイダとの交信が可能になった仕組みはわからないようになっているのでは?ラストで子供にエイダの記憶が移植されていることが判明するが、その理由も。私の貧しい想像では、どうにかしてエイダのDNAを手に入れて、その並列を打ちこんだあげく、自分のDNA情報をなんらかの形で組み合わせたのか?もうそれは他のレビュワーさんにおまかせしたい。 ともかく死んだ人間の情報を集めて「育てゲー」をやってるようなものと思おう。このエイダが次から次へとものすごい哲学的な深いことを言うんだわ。とくに終盤。いちいちポーズにして「今の言葉の意味は…」とかみしめてから、次のセリフに行かないとついていけないくらいだわ。これはたぶんかなりフェミニズムな映画で、エイダを「全く新しい女性像」として描いている。男や子供になんら価値を感じず「他のもの(研究)」に取り付かれている女性。エイダが「名を残す」ことをしきりと希望するのは、逆に「女が名を残せない透明人間のような存在」であったことを言っている。つまりはエイダの生きた時代、女とは子孫製造マシーンであり、歩く「内助の功」であった。エイダは「透明人間」でなく「人間」として成功したかった。男と同じ肉体的時間的条件で研究がしたかった。才能ある女性なら当然思うことだ。でもできなかった。けれどラストで「自分の人生には不満足だけど死んでいく」ことを選ぶ。 「死があるからこそ生きることはすばらしい」この言葉、よくよく考えても分からないほど深い。エイダがもしもこの作品の通りの女性だったとしたなら、生まれるのが100年以上早すぎたということだ。いつの時代も、早く生まれすぎた人間は一生苦しんで生きる。その人生は本人にとっては「悲劇」そのものだが、他人からは「天才」または「変人」と呼ばれる。 ティルダのビクトリア朝的な美しさ、入魂の演技は文句無しだが、主役の女優さんのカギ鼻にどうしてもなじめなかったので彼女に感情移入できなかった。ショートカットにしてからなおさらコワい。魔女顔だと思う。[DVD(字幕)] 8点(2006-03-02 21:14:52)《改行有》

133.  スーパーサイズ・ミー これは傑作。新種のマイケル・ムーアと思いきや、モーガンというやつは、なかなかいい男なんだ。ルックスもGOODだし、個人的にこの人の英語の発音がとても好きだ。どういう経歴の人か知らないが。こんな内容で、最初から最後までほとんど一人出ずっぱりで抵抗なく見られるのは、モーガンがいい男だから(ムーアならムリ)。 それでまあ、以下の2点のことを感じた。「アメリカ人は何を食べたら体にいいか自分で分からないほどバカなのか」栄養成分表を見ないと、体にいいか悪いかわからないというのは、動物としての本能が退化しておる。犬だって猫だって、「草が必要」と体が要求すれば勝手に食べてる。なおかつ、1日に平均1.6キロしか歩かないとか、「カロリー」の意味を知らないとか、学校のランチの配給とか、恐るべき実態である。古来から日本人にとって、自分の体は自然の一部であった。西洋人にとっては、「神様から借りている乗り物」であるらしいが、前々から自分の体を「モノ扱い」する人々よのう、とは思っていたが。この違いは「畏れ」の有無と思う。 2点目、「ホモサピエンスは放っておけば炭水化物と脂肪ばっかり摂りたがる生き物なのか」2年くらい前、「ナショナルジオグラフィック」で「太りゆく人類」というものすごい題名の特集があった。それによると、人類は過剰なカロリーを摂取するようになったが、その増えた分はほとんど炭水化物と脂肪であるという。まさにこの作品のテーマとかぶっている。タイムリーなテーマとはいえ、マクドナルドを攻撃するという、こんな作品がよく作れたものだ。まさか「新種の広告」ではないだろう。ヘラヘラ笑っているモーガンの態度もいいし、「ロックンロールマクドナルド」などの挿入曲も爆笑。「スーパーサイズ ミー」というネーミングも皮肉で絶妙だ。オリジナルとおぼしきイラストが怖い。彼女がベジタリアンでよかったね。ちなみに私自身はマクドナルドはおいしいと思わない。スナック菓子と糖分の入った飲料はいっさい摂らない。なぜなら体が嫌がっているから。[DVD(字幕)] 8点(2006-02-26 12:31:22)(良:1票) 《改行有》

134.  ソルジャー(1998) けっこう好きなんです。もっと評価されてもいいと思うけどなあ。カート・ラッセルでは一番の出来ではないだろうか。このもの悲しさよ。愛を知らない男トッド。その瞳に心打たれます。人間兵器だと恐れられ、人を助けても誤解されてしまうせつない男。セリフが少ないことが、悲しい瞳を際立たせます。せつない男代表の「ターミネーター」のビーン以上にせつない。訓練所のシーンも迫力あり。少年期とか怖すぎる。カート・ラッセルのエラの張りおよび悲しい瞳。これにつきます。記憶に残る悲しい瞳№1.[ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-19 22:25:48)(良:1票)

135.  ローズマリーの赤ちゃん 《ネタバレ》 ミアファローは好きじゃない。(特に若い頃の)でもこの映画はよい。えんえんと不安が続くところが雰囲気出てる。悪魔が勝ってしまうラストもよい。「ノイズ」はこれのパクリと思うけど、クリーンすぎた。やっぱこういうのは清潔感を出しちゃだめ。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-15 20:57:44)

136.  ザ・デイ・アフター 《ネタバレ》 高校の時見に行った。朝の礼拝の時、下半身から出血して倒れる女の子にビビった。「何がどうなってどこから血が出るの?」と思った。「明日は結婚式」で超ハイになってたおねーさんが壊れてゆくのが悲しみを誘う。「結婚式の料理のことで頭がいっぱい」だったおかーさんも悲しみを増幅。まさに「その日以後」の市井の人々の様子を描いたところが恐怖を呼ぶ。しかしこんな状態でも朝の礼拝に集まる人々。まさに宗教が生活の一部であり心の支えであり、「社会」を保つシステムとなっている。日本にはこれに当たるものがほとんどないので(穢れとか禊ぎなんてこんな時には役に立たない)どうなることか不安だな。関東大震災の時は混乱のあまり虐殺があったというし。ともかくこの映画は70年代までのノー天気なアメリカ(核兵器の危険性に対して)に一石を投じたといえよう。[映画館(字幕)] 8点(2006-02-04 22:17:56)

137.  エイリアン/ディレクターズ・カット 《ネタバレ》 ツタヤでディレクターズカット版を発見したのでしみじみと見てみた。あんまし変わらないけど、繭のシーンは余計なように思った。リマスター効果なのか、映像はものすごくキレイだった。ところが、しみじみ見た結果、「アッシュ」の人造人間としてのリアリティに激しく疑問を抱いてしまったのだった。いったい、どのような組成になっているのか?コーヒーも飲むし、メシも食う?表情もあるし。そんで明らかに「感情が芽生え」てるし。「君らが生き延びられないことを残念に思う」なんつって皮肉をいうほどまでに。アッシュの前半のふるまいについてはちょっとずるいんじゃないかと思った。改めていうまでもないが、「新しい女性像」を提供したことについてはこの映画の貢献度は高い。何に対するといったら、「女の子が震えるほど怖い対象と出会った時の対処法」の。それは通常は「地球外生物」でも「アンドロイド」でもなく、「人間の男」だったり「人間の女」だったり「何かのノルマ」だったり「災害」だったりするわけだ。「エイリアン後」も、多くの映画作品では「庇護の対象である女」「応援する女」「耐える女」が描かれつづけていることは事実であり、「需要」があるのだろうが、振り返れば「ここにリプリーあり」を示してすっくと立ちつづけるこの作品。少女期に「リプリー」を見た女の子達のその後の人生は、多かれ少なかれ影響を受けている。がしかし、やはりSF作品としては、「遊星からの物体X」に劣る。[DVD(字幕)] 8点(2006-02-04 16:33:12)

138.  ダーク・スター 《ネタバレ》 プロダクツだけなら0点かもしれないけど、シナリオがよいので飽きずに見られる。クルーたちのボケぶりったら。超くっだらないことでモメているし、すごくおかしいの。圧巻はあの、閉じ込められて向こうへ岸へ戻れなくなった例のシーン(説明しづらい)。あんなくっだらないシンプルなシーンであれだけ引っ張れて、しかも飽きさせない。カーペンターの特筆すべき才能はドラマ性(必然性ともいえる)。ラストも皮肉です。「2001年宇宙の旅」」のハルみたいにマジメじゃなくて、しかも「男性」の人工知能くんと、漫才状態突入。誰も思いつかない。もういっかい見てもいいな。いいなあほのぼの感満載で。「お金がない」場合はスネずに「笑い」に持って行くのが正解でありますね。(でも「MUTE」とか「REM」みたいな笑えないのもありか)[DVD(字幕)] 8点(2006-01-29 20:55:31)

139.  ブレードランナー/ディレクターズカット<最終版> 《ネタバレ》 ヨドバシで聞いたらなんと廃盤だと言われたけどほんとですか。仕方なくツタヤで汚いビデオ。 ううむ。確かにむかーし見た劇場版とラストが違うように思うな。原作読んでませんけど、ちょと興味ぶかいと思ったのは、「4年」ていう期間の区切りの意味。「感情が芽生えるころに死ぬように」ですよね。「4年」て意味深だよねー。だって「4年」て「異性間の愛情が持続する期間」て説があるでしょ。「4年」で相手を取り替えていくのが「自然」の理に適っているという。それがほんとかどうかは知らないが、どうも「4年」ていうのは人間の感情生活において「ひとつのターム」なのではないでしょうか。そんでレプリに感情が芽生えるまで4年。意味深だ。あと、ロイがデッカードを助けた理由は、「他人と会話することでまだ生きて(stay)いることを確かめていたい」と、「せめて誰かに看取られて死にたい」だと思います。しかしまあ、久ーしぶりに見たけど説明が無さすぎて本当に疲れた。《追記》日本とキリスト教圏イスラム教圏の観客では人造人間に対する受け入れ方は全く違うものであると思われる。「人間と変わらぬ外見をもち、感情もある」なら仲間として受け入れるかといったら、それは「創造主」を信じる人にとっては「絶対に」受け入れることはできないはずだ。なぜなら彼ら「人造人間」は「神のつくりたもうた生命」ではないから「祝福」されていないのだから、自分たち人間とは「絶対に」同じではないし、まして「仲間」ではない。だから「物扱い」できる。創造主のいる世界では、神に祝福された者(母親から産まれた者)だけが「人間」であって、どんなに相似形であっても根本的に違う。ロイがAA級のネクサスであってもそれは同じ。仏教圏や儒教圏の作品ではないのでそういった前提で観る必要がある。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-29 01:00:43)《改行有》

140.  パーフェクト・カップル なかなか面白く見られた。キャシーベイツがレズビアンというのにたまげた。実生活のことはよく知らないけど。「アリ」なようで「やめてー」なようで、もはやこの世のものとは思われないそのりりしいゲイ姿。完全に主役より強烈になっちゃってた。そういえばこないだシュミットさんで彼女の胸を見てたまげたばかりだ。 トラボルタなんていつでもトラボルタだけど今回は「某大統領のフリしてます」なめずらしい役どころ。確かにあのドーナツ屋シーンは特筆モノ。ぼそぼそしゃべってるしさ。いつもまぶしそうな目だしさ。モノマネとしては下手だったけど、「それなりの《トラボルタがやってる》クリントン」ではあった。ところで「ビョーキ」の亭主を持ったらどのように生きていけばよいか、現在世界で最も含蓄のあるアドバイスができるのはヒラリーに間違いない。ぜひ聞いてみたい。べつに実生活には役立たないが。仁科明子と対談なんていかがでしょう。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-10 22:03:22)《改行有》

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