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性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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161.  真昼の決闘 《ネタバレ》 主人公の焦燥感、町の通りに人影がなくなっていく様子、または三人組が町へやって来る時、あるいは彼らが駅で汽車を待ちつづけている姿の無気味さや、いよいよ汽車が到着する時のあの緊張感は凄いと思います。また登場するキャラクターの誰もが首尾一貫しています。・・・ところで本作は50年代当時の赤狩りという社会的背景に対しての怒りを反映しているみたいなのですが、確かにそれが感じられます。例えば逃げない正義の主人公は酒場でバーテンを殴る、誰も加勢しないと決定した時、実に印象的に事務所の机で怒りをぶちまける。この〝怒り〟は完全に非協力的な町人達に向けられています。そして本来なら正義に対する悪者一味の描写はほとんどなく、協力者集めに奔走し、酒場、友人、教会、引退保安官とことごとく断られていく様をリアルタイムで映し続けているのです。ジョン・ウェインが不満に思いハワード・ホークスと「リオ・ブラボー」を撮ったという話を聞きました。詳しい経緯を知らないので憶測でものを言うのはよくないのですが…、この強制的正義と言いますか、絶対悪に対してではなく非協力的という負に呼応しての正義が強調されているところに違和感を覚えたのではないかと思います。政治的メッセージを盛り込みたかったのかもしれないですし、人間らしい英雄像でも全く問題ないのですが、それでも孤立無援となった際、クーパーが〝怒る〟のではなく絶望の〝ため息をつく〟ぐらいではないと正義の矛先が一体どこに向かっているのかが、あやふやなものに見えてしまいます。傍観者への〝怒り〟を表現するにも肝心の正義はもっと高次のところにあるのではと思うのです。・・・と、個人的正義感は別にどぉ~でも良いにしても、ラストの決闘シーンは例えば敵との距離感一つとってみても「リオ・ブラボー」には劣っていると思います。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-22 18:28:49)

162.  スパイダーマン(2002) 《ネタバレ》 この作品で最もお気に入りのシーンはMJが二度目に襲われる場面です。その直前にトビーとダンストが会話しているシーンでは雨など降っていないのに、別れてダンストが夜の路地裏に入り犯罪に遭遇した瞬間、当然の如くフィルム・ノワールばりにこれでもかと雨がジャンジャン降ってきて光り輝くわけです。そして雨が降りゃビショ濡れになるダンストはこれまた当然の如くタンクトップで胸をこれでもかと強調しているわけです。さらにさらにトビーの顔は暗闇ではっきりとは確認できず、スパイダーマンならではの宙吊りアクロバスティック・キスで締めてしまうときてるのです。サム・ライミ監督はこのシーンを最も撮りたかったのではないかと思うほどで、この場面には本作の様々な要素が凝縮されていると思います。[DVD(字幕)] 7点(2008-07-04 18:27:58)(良:2票)

163.  裸の町(1948) 《ネタバレ》 ドキュメンタリー調でいわゆる〝警察のお仕事〟を追うように描かれているのですが、セットを使わなかったという、この現実の街並みが大変効果的な作りになっています。街の人々をたびたび映したり、一人の刑事の家庭をちょっぴり垣間見せることによって生活感をプンプン漂わせ生き生きとしたものにしています。キビキビした演出で進みますし、最後の捕り物シーンがこれまた素晴らしいのです。ナレーションが犯人に話しかけたりするのも斬新で面白いですし、大都会の真ん中でドンドンドンドン高いところへ登って行く犯人の姿は「キングコング」さながらで、そこから映し出される徐々に小さくなっていく街の姿が印象的です。そしてラストは人々を賑わわせた事件の新聞記事が紙くずとして処理されるシーンで締め、大都会の時間の流れの早さと変わらぬ日常を感じさせます。[DVD(字幕)] 8点(2008-06-27 18:33:18)

164.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 車が砂漠を駆けていくシーンから導入していくのですが、この始まり方の上手さといったらないと思います。そして、お約束とばかりにいきなりドンパチが始まって冷蔵庫に逃げこむぐらいまでが実に面白いです…と言いますかこの辺りまでが一番良かったと思います…。それでもアクションシーンはそれぞれ工夫されており、軍隊蟻とかおサルさんとか、どれも好ましい過剰さだと思いますし、インディらしい適度な滑稽さだと思います。物語の展開に関しては〝インディファンはこんなの望んでないんじゃないの?〟(少なくとも私は違和感を覚えた!)と思いますが、ハリソン・フォードは60代後半とは思えぬ相変わらずのカッコ良さですし、特異な声で〝ジョンジー〟連発するレイ・ウィンストンも良い味出してます。それに何より敵キャラがショボイ傾向にあるインディシリーズに、旬の女優さんでは最強ではないかと思われるケイト・ブランシェットを起用しているのが大きいです。黒のオカッパ頭に訛り英語を駆使して剣振り回す姿はたまらんですぞ![映画館(字幕)] 7点(2008-06-24 18:36:14)(良:1票)

165.  砂漠の流れ者 お得意の激情に駆られたスローモーションとは逆の早回しで喜劇を演出してみせる滑稽さ。「ワイルドバンチ」や「ゲッウェイ」などの後に見たものですから最初は雰囲気の違いに少しばかり面食らってしまいましたが、すぐにペキンパーワールドに引き込まれてしまいました。テーブルに釘付けされた食器を一気に水洗いするホーグにドアを一撃で蹴破るヒルディ、町でのけ者の存在である彼らのワイルドな逞しさが良いですし、こういう面々が全く下品に映っていないことに監督の思いを感じます。・・・ですが、一番印象的なのはヒルディが登場する場面であり、文字通りのバストショットの連続切り返しが、まるで豊かな恵みが口を利いているようで男心をくすぐります。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-09 18:37:05)

166.  ステート・オブ・グレース 《ネタバレ》 ショーン・ペンとゲイリー・オールドマン、エド・ハリスにロビン・ライト、その他の脇役達とわくわくさせる良い役者さんたちがそろっていますが…、取り立ててここが良いというところはないように思えます。例えばゲイリーが親友の前で兄貴に撃たれてしまう場面、夜の埠頭が水に濡れていて良い感じなのですが、このシーンが哀しくも美しくも衝撃的でもなくて全く面白くないのです。同じくペンが男っぷりを発揮するラストの襲撃スローモーションシーンも疑問符ものです(バグパイプの響きは好きですが)。ペキンパーでもやりたかったのでしょうか?・・・ただ、ロビン・ライトの部屋は印象的です。青白い光が優しくも冷たくもあり、あの空間の異質さが際立って出ています。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-06-02 18:16:19)

167.  ゲッタウェイ(1972) 《ネタバレ》 出所後、水に飛び込むシーンをスローモーションで幻想的に描いているところを見ると、これはファンタジーであり二人が自由を求めてひたすら getaway していくおとぎ話なんだと思います。しかし、単なるファンタジーではなく油断のならない現実世界をしっかり錯綜させているところが面白いです。はじめの刑務所暮らしの反復シーンなどは頭抱えたくなるほど酷ですし、仲間割れの銃撃戦でマックィーンは抜かったわけではなく執拗に頭を狙いトドメをさそうとしたにもかかわらず仕留められていない世界の不確かさがしっかり存在しているのです。こういったことが逃走劇を混沌としたものにしています。そして逃走のためにはゴミの中を通過して行かなければならない寓話的おかしさ。収集車が掃き溜めにゴミを捨てるシーンで車の扉が開いた時、ゴミは隙間なくつまっていて、どう考えても二人はオシズシ状態でペッチャンコなわけです。そこから解放されたスローモーション場面の爽快感がすばらしくギクシャクしていた両者があれで仲直りするのも納得です。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-05-26 18:35:46)(良:4票)

168.  民衆の敵(1931) 《ネタバレ》 最初にテロップで映画の見方のような事を説明しているところや(ヘイズ・コードなどの問題があったのかもしれませんが)、少年時代の処理の仕方はどうかと思いますが、記憶に焼きつくシーンが随所に見られます。これまた規定のためか殺しの場面がほとんど映らないのですが、ギャグニーが昔の裏切り者を殺すシーンや土砂降りのなか待ち伏せし襲撃するシーンの狂気っぷりは凄いです。銃を撃つギャグニーの姿も血が出たり苦しそうに倒れる相手の姿もまったく出てこないのですが、そんな必要ないくらい完璧で暴力性も宿っています。それに規定への対策か?ただ一発だけ殴るというシーンが何ヶ所かあるのですが(女を殴る以外ギャグニーは殴られる方なのですが)これらの場面がかなり野蛮で映せない分の穴埋めのような働きをしています。それからあのラストシーンなどは斬新で何でもありの現在見てもかなり衝撃的だと思います。[DVD(字幕)] 7点(2008-05-16 18:18:53)

169.  犯罪王リコ 《ネタバレ》 主人公リコを演じるエドワード・G・ロビンソンの存在感がとても良いです。小さな体で少し浮いてしまうぐらい強烈で粘着質な演技を見せるのですが、これが中盤あたりからはまってくるのです。特にリコと親友のジョーとの二度の決別シーンが印象深いものになっています。最初はジョーが部屋からいなくなっている場面で、部屋に戻ってきたリコにズームしていった後、開け放たれたドアが映り再びリコの表情へ。この時のリコの姿が抜群で、基本的に滑稽に見える彼は同時に悲しみもまとっており、親友が離れて行ってしまう悲哀を存分に感じさせます。そして二度目は殺しにくる場面で、情がでてしまい瞳が涙で滲むリコをアップでとらえ少し画面がボヤけ遠のいていく。その時のリコの顔は冷酷なギャングの親分のものではなく、親友に約束を破られてしまった少年のように純粋な表情なのです。二人の関係がもう少し丁寧に描かれていれば、このシーンはさらに印象的なものとなり私の瞳も涙で滲み画面はいっそうボヤけて見えたでしょう。[DVD(字幕)] 7点(2008-05-13 18:11:38)

170.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 導入部がとても良い。広大な自然の中、独り暗がりで一心不乱に採掘するデイ=ルイス。台詞はほぼなくツルハシで削りヤスリで磨きひたすら採掘作業をする姿が映し出されている。さらに体力が尽き工具を引き上げられず落下し、したたか体を打ちつけケガをし、地をはって戻って来るのだが、この一連のシーンだけでデイ=ルイスの孤独と執拗さと取り憑かれている感じがまざまざと表現されている。地中に潜り黒光りする石油で汚れた姿はまるで羽化する前のサナギのようだ。…だが、物語が進むにつれて徐々にパワーダウンしているように思う。息子の耳が聞こえなくなる爆発シーンぐらいまでは躍動感がありとても良いのだが、偽兄弟登場のあたりからはおおむね停滞しているように感じられ、大豪邸に一人腰掛け銃を撃つあたりになるとほとんどデイ=ルイスの力に頼ってしまっているように見える。ラストで牧師と対峙するシーンなどは肉をクチャクチャ食っている彼の独擅場だ(あの音を飲み込むような訛り英語の声もとても良い)。それから所々BGMが大きくて少し耳障りだ。[映画館(字幕)] 7点(2008-05-08 18:19:53)

171.  らせん階段(1945) オープニング、タンスに掛かった服が揺れ奥に潜む犯人の目が映り、その眼球に被害者となる女性が映り、殺害は被害者の手のみで表現されるのですが、この恐怖の演出は秀逸です。教科書のようですが何も派手な事はせずとも十分に怖さを出せるということを見事に証明していますし、さらに驚くべきはそれが全編に渡って持続しているということです。それぞれのキャラクターも簡潔である上に物語を豊かにしていますし、不安の煽り方もテンポも抜群であり、光と影が際立つ一つ一つの画面もよくよく練られています。雨に濡れ光り輝く外套、開け放たれた窓に、吹き込む風、口の利けない主人公の声にその代わりともいえる音楽、ベッドに沈む老夫人、そしてらせん階段と素晴らしいところを挙げればきりがないくらいで、あらゆるサスペンス・スリラーは〝斯くあるべき〟と思ってしまうような作品です。[DVD(字幕)] 10点(2008-05-02 18:10:54)(良:2票)

172.  パニック・ルーム 《ネタバレ》 少々ありきたりな設定ですが、犯人一味が家に侵入してくるシーンの不気味さやパニックルームを巡る攻防戦の緊張感の持続はかなり良いと思います。フォレスト・ウィッテカーが黙々と作業をするところや銃を持ったラウールが暴走し始めるところも怖い。ただ、後半のジョディママが家中を駆け回り反撃にでるアクションシーンは面白味に欠けているように思えます。それは監視カメラによる視点や物音で部屋の様子をうかがうといったパニックルーム本来の機能が使われなくなってしまっているということもありますが、やはりウィッテカーが完全に良い人に傾いてしまっている上に、銃を取られ覆面を取ったら完全に不気味さを失ってしまったラウールの活劇性の無さによるところが大きいです。[映画館(字幕)] 7点(2008-04-30 18:12:23)(良:1票)

173.  無頼の谷 《ネタバレ》 いきなりキスシーンから導入しており甘いラブロマンスが始まるのかと思いきや、強盗暴行殺人がおき空気が一変します。幸せだった婚約者が倒れている姿が映り、手は力なく放り出され(ディートリッヒの事切れる瞬間の手も同じ)、物語の鍵となる送ったはずのブローチがなくなっていることが分かります。そして主人公の銃の装着を合図に復讐劇が開始されるのですが、この冒頭から復讐開始までの一連の演出と運びの巧さはまったくもって簡潔であり完璧です。 この主人公は情報のためなら投獄されることも辞さない復讐鬼と化しても、決して殺人鬼と化さない一本気な男で、ディートリッヒが仕切る犯罪者の隠れ家(このチャカラックの入り口が実に良い)へ潜入するのは通過儀礼のようなものであり、ディートリッヒの存在といい、挿入歌といい全編に伝説的な雰囲気が漂っています。カラー作品ですが、広大な自然や澄み切った空などは映し出されることなく澱んだ空気となっている暗さも印象的です。それからもう一つ忘れてはならぬのは床屋での大乱闘で、この過剰さが良いです。[DVD(字幕)] 8点(2008-04-28 18:05:52)(良:2票)

174.  捜索者 《ネタバレ》 もうすでにおっしゃっている方々もいますが、最初と最後のシーンが素晴らしいです。いかにも物語るという感じで本の表紙でも開くように始まり閉じるように終わる、真っ暗な家の中と戸口の向こうに広がる明るい景色、やって来るジョン・ウェインに去り行くジョン・ウェインが胸に染みます。そしてあのジョン・ウェインが人種差別主義の狂気じみたキャラクターを一貫して演じているところも凄いです。川向こうで逃げ惑うインディアンをさらに撃とうとする、食料を減らすんだと野牛も殺す、姪にも銃を向ける…などなど軽く悪寒がするぐらい怖さがあります。それでいて椅子コケを繰り返しするなどドタバタ喜劇の要素も加えていて巧い具合にまとめあげてしまっているのだから凄い。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-04-22 18:20:35)

175.  昼下りの決斗 《ネタバレ》 ラストの爺様二人がズンズン対決に向かうシーンがかっこいいのですが、ビリー兄弟たちのいる金山の魔窟のようなまがまがしさが強い印象を残します。到着早々から兄弟たちのいかがわしさが滲み出ており、風呂に入りたがらないウォーレン・オーツを冗談で桶にぶっ込むと本気でナイフを取り出し睨みつける様からして危険な感じがプンプンします。さらにお決まりのように呑んベエ判事が登場し、花嫁にむりやり口付けをし取り合う下劣さを炸裂させるあたりが凄いです(しかもそんな彼らも最後は正々堂々とガンファイトする〝ワイルドバンチ〟!)。 そして最初の撃ち合いでやられる兄弟の一人が良いです。何せ彼だけ死に様が妙に生々しいですし、無造作に転がった死体は物語の上でも弟を埋葬しないビリーたちの性格づけになっているうえに、ギルが銃と馬を手に入れられる鍵にもになっています。  スローモーションなど使わなくともペキンパー監督は十分に凄いと証明しています。[DVD(字幕)] 8点(2008-04-14 18:30:04)(良:1票)

176.  三つ数えろ 《ネタバレ》 聞くとろこによると、運転手を誰が殺したのか原作者でさえ分からないという伝説的な逸話が残っているらしいのですが、ほとんど主人公マーロウの一人称で展開しているため何が起こってもおかしくない混沌世界で謎は謎のままということなのでしょう。入れ替わり立ち替わり登場してくる人物たちが物語を複雑にしますが実に軽妙ですし、マースの女房がマーロウに水をブチまけるためだけに?現われたり、マーロウが銃殺するシーンなどなど、それぞれ見せ場を盛り込みながら巧みに処理していく展開はさすがとしか言い様がありません。 ・・・しかし、これは極めて個人的な問題なのですが、どうもバコールが魅力的に見えなかったのはマイナスです。もちろんそれは全く撮り方のせいではなく(車内でのシーンなどはとてもセクシーだと思う)好みの問題であるのですが、ここで言いたいのは私のくだらない趣味の話ではなく、それぐらい本作はヒロインの映画になっているということです。ボギー視点のロマンチック世界でバコールに惹かれない場合は楽しさ半減…とは言い過ぎかもしれませんが。[DVD(字幕)] 8点(2008-04-11 18:27:44)

177.  ワイルドバンチ 主人公たちは暴力的で破滅型の無頼漢どもだが、彼らとジョークを飛ばしながらボトルを回し飲みし、「 Let’s go 」の呼びかけに「 Why not? 」と答えてみたくなってしまう。そんな本作は官能的な女が出てくるわけではないのに、マタグラの辺りを意識せずにはいられなくなる〝漢〟の映画だ。[ビデオ(字幕)] 10点(2008-04-02 18:09:52)

178.  死の谷 《ネタバレ》 筋から見るとウォルシュ監督が41年に撮った「ハイ・シエラ」を西部劇に置き換えてセルフリメイクしたもののようです。「ハイ・シエラ」の方がボギーの魅力も手伝って男女の関係や危うさみたいなものを感じさせますが、本作は西部劇ならではの見所があります。駅馬車襲撃から列車強盗シーンでの馬の躍動感、死の谷の素晴らしい景観での銃撃戦と要所をおさえているのです。そういったあたり「ハイ・シエラ」よりも娯楽要素が強く、死を覚悟で渦中に見を投じていく女が主人公と心中してしまう結末に変えられており、さらに二人の握り合う手が映り教会の鐘へと繋がっていくラストは神話的とすら思えます。[DVD(字幕)] 8点(2008-03-28 18:07:50)

179.  88ミニッツ 本当に60代後半なのかと思ってしまうほど色気が漂うパチーノとキレイなお姉さんが何人も出てこなかったら映画ではなくてTVなのでは?と疑ってしまうくらいの出来だと思います。何しろ印象的なシーンは皆無に近いですし、88ミニッツと題されているにもかかわらず時間制限が全く感じられない差し迫った緊張感の無さはかなり問題です。  そして、この作品の消費的な感じは非常に現代的です。内容はもとより、展開の目まぐるしさからくるスピード感、題材の割りにポップコーンムービーのようなお手軽さ、ときどき挿入される音楽もヒップホップ系とあらゆるところで現代に徹しているのです。加えて現代社会の必需品である携帯電話が大活躍するのですが、ケータイの通信機能というものは映画的ではないと思うのです。例えば据え付けの電話だったら〝呼び出される〟〝かけに行く〟というような電話自体の存在や、それに伴う行動がしっかりあるわけですが、ケータイはボタン一つで何時、何処でも使えてしまい面白味に欠けるのです。さらに本作ではせっかく一つ壊しても別のものがすぐ手に入ってしまうとこまで現代らしいときています。ケータイに限らずパソコンなどの現代機器は映画のストーリーを複雑化するばかりで、ワンタッチで何でも可能になってしまう簡単・便利さというのは映画には適しておらず、巧く使うのは難しいと感じるのです。 [映画館(字幕)] 5点(2008-03-26 18:16:38)《改行有》

180.  闇の曲り角 少しあっさりしていますが(後に「アイ・ラブ・ルーシー」のルーシーとなったルシル・ボールの聖母然とした印象のためか?同時にそれがウリにもなっているが)、巧い展開ですし個々のキャラクター造型とその配役や白服に鏡の使い方、そしてノワールらしい影と闇が良い味を出しています。電話を盗み聞いている?子どもがいますが、登場した瞬間に観客にはその子の役割に察しがつきます。単純なことですがこの混沌世界で唯一の手がかりであり伏線の張り方として憎い演出です。また、ここで煙草を吸いたいなぁと思うところで主人公はチッとマッチをすって一服する。そこら辺りの感覚が観ていてとても心地良いのです。[DVD(字幕)] 8点(2008-03-24 18:07:15)(良:1票)

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