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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 公開時は誰も彼も話題にして絶賛していた映画、そのぶん気が重くなりいつか観なければと思いつつやっと観ました。ああすげぇ。そりゃみんな絶賛するわ。 のっけからとんでもない世界でありながら全編通じて「リアリティ」に貫かれている。一応近未来ではあるが未知の科学は(そんなに)出てこないので実はSFでもないんだね。そんな架空の現代劇としてのリアリティ。攻撃が成功したり失敗したりするのにはロジックがあってそう都合良くはいかない。どんなに強くても女が筋肉男を一人で素手ではぶっ飛ばせない。怪我をすれば血を流して顔は腫れ、風呂に入れない人々はホコリまみれ。ワイヴズがきれいなのは水で洗ってるからという描写もちゃんとある。女のほうが射撃は上手いというのも一応現実には即している。 リアリティという点なら、心が壊れたマックスがなかなか物分り良くならない、どころか全能力を生存に全振りしてしまっているので最初は言葉も満足に話せないという描写も面白い。元々素直なウォー・ボーイズであるニュークスの方が早く適応する。 全編とんでもないバイオレンスが展開し続けるが、その表現としてヒューマニズムが根底にある。エグいシーンは状況として写すがグロまでは行かない。この映画は酷い世界を描いているがどこか優しい。ジョージ・ミラーは人間というものを信じていて、だからこんなとことんまで酷い世界を描きながら希望を抱かせる。その優しさは劇中で葬り去られる人々にも向けられている。 人間は愛か希望がないと生きていけない。マックスはそのどちらも得られる機会を捨てて贖罪の旅に出る。それがマックスにとっての愛と希望なのだろう。この映画は優しいが決して甘くない。[インターネット(字幕)] 10点(2024-06-03 22:34:39)(良:1票) 《改行有》

2.  マッドマックス:フュリオサ 《ネタバレ》 冒頭は美しく平和な世界が蹂躙されていく辛い場面が続く。またこの平和な世界がやけにCGCGしていて絵面としても少し辛く、それに続いて母親がどうなったのかとか「車裂き五人衆」の元の集団が誰なのかはっきり説明されないのでちょっと混乱する。 中盤からは『フューリー・ロード』と同じ息もつかせぬアクションが続いてようやく気分がアガるのだが、このアクションの見せ方はやはり上手い。セリフ無しで表情や動作、クローズアップだけで人物が何を考えて何をしようとしているのか、状況がどうなっているのかひと目で分かる。ズームを使わず物理的にカメラを寄せるアップの撮り方も効果的で格好良い。 普通は子役から大人の役者に切り替わる時は「何年後」みたいに別のシーンにすると思うのだが、驚いたことにこの映画では一つのアクションシーンの中で入れ替わる!ちょっと無理がないとも言えないが、同一人物であると実感させる超演出には感心した。 そこまでは良かったが問題は終盤。大決戦はナレーションと「事後処理シーン」で済まし、掃討戦をクライマックスに持ってくる。のはいいとしても最後のクリヘムの超長演説、あれ要る?なんか面白いこと言ってた?そして最期の落とし前はファンタジー。どういうことなの。 その他にもクリヘムがいきなり撃たれたように見えたり、フュリオサの左手が途中で車に挟まれてもげたように見えたりと変なミスリーディングが多い。そして不可解なのはこれ撮り終わってから編集に2年もかけているんだよね。時間かけすぎて作品酔いが起こった? この映画は素晴らしいシーンがてんこ盛りだしアニャのフュリオサにはまた会いたいと思わせるのだが、ストレートな話のはずが妙に不可解な映画になっちゃったなーという印象。[映画館(字幕)] 8点(2024-06-03 17:18:42)《改行有》

3.  DUNE デューン/砂の惑星 PART2 《ネタバレ》 前作に引き続き圧倒的な映像。サンドウォームは言うまでもなく、全体のスケール感、中東情緒を昇華したデザイン、その質感が凄い。ジェシカやイルーランがまとう衣装デザインも素晴らしい。汚れる場所は必ず汚れているし人間描写のリアリティは昨今の映画では比類がない。映像に関しては10点満点中20点を献上する。 人物ということでは救世主に覚醒するシャラメの演技はお見事。普通の女から恐ろしい教母に豹変するレベッカ・ファーガーソン、そして原作からして存在意味が危なっかしいフェイド=ラウサに存在感を与えたキャラ造形には唸らされた。 で、言いたいことは結構あります。レーティングのためか血がほぼ一切出ない。状況的に超残虐シーンが多いからそのものズバリを映すとキツすぎるだろうが、だったら終盤何度も出てくる体にナイフをブサブサ刺す場面はもっと他の描写にすべきでは?フレメンの大反攻も妙に「小出し」でカタルシスが足りない。フレメンvsサーダカーの最強軍団対決は遠目にはお互いの衣装が似てるので状況が分かりづらい。特に最後サーダカーを血祭りに上げるシーンは作るべきだったのでは?前作で散々やられたんだから。 ラッバンを追い詰められた気の毒な男として描いてラウサと対比させるのは良いと思ったが、それでもあれほどの暴虐を働いてきたのだから劇中できっちり惨死させるべきだろう。その上の暴虐どころではないハルコンネンもきれいに死なせすぎ。今回一度も宙に浮いてないし。やはり全体的にカタルシスが足りない。 そして最大の問題、チャニはあれでいいのか?いつ仲直りするのかと思っていたらラストまでそのままかよ!ゼンデイヤが中盤からずっと仏頂面なのであれじゃまるでポールが急に金持ちの美人に乗り換えたように見える。続編(『砂漠の救世主』)への伏線なのかもしれないが、それならむしろ今作ではラブラブエンディングじゃないとおかしいのでは?ていうか『砂の惑星』は一応ここまでは完結した物語なのでスッキリ終わらせてくれよ。 途中までは大絶賛する気満々だったので本当にもったいない。[映画館(字幕)] 6点(2024-03-19 21:48:17)《改行有》

4.  レゴ(R) ムービー2 《ネタバレ》 前作の詰め込み感がずいぶんと薄まって普通に見やすくなっている。のは良い(?)として、全体の話は前作ラストの設定そのままに最後まで進んでいく。パパはお前を受け入れるがお前も幼い妹を受け入れないとだめだぞ、という落ち。そう、あれはクリフハンガーではなくて「落ち」なのでこの映画はその落ちを延々説明しているわけ。 まあそういう映画があってもいいとは思うんだが、問題はこの作品の重要な要素である「大人エメット」。「子供の心を失わないで」という一見まともなメッセージに見えるが、ちょっと待ってほしい。前作で成長したのはエメットではなくて実はおしごと大王の本体であるパパなんだよね。エメットはただ本領を発揮しただけ。 いい歳をして自分の世界の完全性にこだわる男(パパ)が、その幼児性を捨てて子供の創造性を受け入れる、つまりパパは一歩「大人」になる。そのパパが今回は声だけで、しかもまったくの駄目親父に成り下がっているのはどういうことか。今回の制作陣は前作の意味を理解していなかったんじゃないか? 映画の出来としては別に悪くないし普通に楽しめる作品にはなっている。でもこの映画、そもそも作らない方がよかったんじゃないの?[インターネット(字幕)] 4点(2024-03-02 22:09:56)《改行有》

5.  クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 この映画はさんざん語られたこともあって大体の概要は知っていたのだが、1時間24分の映画で冒頭18分までがパーティーシーンだとは思わなかった(笑)。全編通じて画面がずっと手持ちカメラで揺れ続けるため実際の時間よりずっと長く感じる。体感3時間。 カメラワーク、というかカメラ持ち(?)の天才JJエイブラムスがどこまで現場に関わったのかは知らないが、そのカメラの絵だけで劇場映画1本作ってしまう発想は凄い。編集には流石にあざとさはあるが上手いのは間違いない。突っ込みどころもないわけではないが「現場のリアリティ」でとことん押し切る。 その「リアリティ」だが、もし現実世界に本当に怪獣が現れたら?という初代ゴジラ的視点は面白いのだが、その怪獣があれか?あのサイズの物体があんなスピードで動くか?その体があんな細っちょろいのか?おまけに声からして人間ぽいぞ。 いまだ解き明かされていない深海の世界、その底に眠っていた巨大生物が急に目覚めて地上に突進してしまう、という設定はもしかしたら本当にあるかもと思わせるのに、まず怪獣の造形で台無し。そしてこいつは人間をじーっと見据えてグワーと喰いに来るし、おまけに子怪獣ばらまいて陰湿に襲いに来るとか、大怪獣のくせにやることがせこい。 評価できる点は役者の演技と汚し表現。登場人物は状況に合わせてホコリまみれで髪や顔がベタベタ、服は破れるし血はにじむ。ほんと最近これやらない映画多すぎだよ。 そしてもう一つ評価できるのはサウンドで、BGMなし!これは思い切ったね。おかげで劇中一切気が休まらない。だから長く感じるというのはあるが、緊張感と雰囲気のリアリティは持続する。 そしてエンドロールではじめて音楽を流すのだが・・・残念ながらその曲がとんでもなくひどい。伊福部昭オマージュかなんだか知らないが、やたら大げさで扇情的。この曲を高く評価している人が多いのに驚くが、純粋に楽曲としてレベルが低いと思う。正直もう少し高い点数付けようと思っていたのが最後のクソ曲で一気に気分が引きずり落とされた。[インターネット(字幕)] 4点(2023-07-20 10:15:31)《改行有》

6.  NOPE/ノープ 劇場で観ようと思って観そびれた映画。ようやく観てみました。 おおなんだこりゃ!引き込まれる!でもなんだこりゃ。でも引き込まれる!登場人物も文字通り引き込まれてる!でも何だこりゃ・・・で最後まで行くのかよ! 途中で気が付いた。これは見たいものを順に見せてくれるデザート映画じゃないんだ。シェフが腕組みすらしていないレストラン。料理は抜群に美味いが何が出てくるのかわからないし何を食わされているのかもわからない。シェフに聞きたいがテーブルに出ては来ないし厨房で顔すら上げない。 この映画を観るまでネタバレレビューに接するのは極力避けてきたが、「ネタ」って実際何だったのだろう?美味かったし腹はふくれたが何の肉だったのかわからないものを食った後の気味悪さが残る。あの130分で一体何を見せられたのだろう?幸い音楽が絶品のソースのように安心感を与えてくれるが。[インターネット(字幕)] 7点(2023-07-20 10:10:49)《改行有》

7.  アジャストメント 《ネタバレ》 冒頭15分は上院選に立候補する男の政治ドラマ。いやーいいね!このアメリカの選挙の感じすごくいい。このまま政治ドラマ続けてくれんかな~でもこれディック原作のSFなんだって?ディックもSFも好きだけどこれをぶち壊すのはもったいなくない? はいぶち壊されました。なんともありきたりなMIBが襲ってきます。そして偉そうなこと言います。当然主人公抵抗します。そして勝利します。理由はよくわかりません。 ディックSFのキモは普通の生活に突如侵入する異世界感だと思うのだが、その演出が上手くない。怪しい男たちがいかにも怪しげに登場してドジを踏む。いや人類社会がこんな奴らに支配されているわけがないだろう。役者の演技は主役のマット・デイモン以下みな素晴らしいのだが・・・。 各シーンは冒頭の選挙からどれも実によく作られていると思うのだが、中盤の白髪オヤジがぶっちゃけるシーンからカメラワークが怪しくなる。どうもこのあたりで製作陣がデスマーチ状態に入ったようだな。それからバタバタと話が進み、最後は「運命は自分で切り開くもの」的なナレーションで終わる。役者陣は頑張っているが映画自体の終盤の投げやりぶりがすごい。そしてエンドロールで急にハードロックかけてイイハナシダナーで終わらそうとしても駄目だろ! 監督のジョージ・ノルフィは初期からSFに関わっているようだが、成功したのはそれ以外の分野。やはりSFは上手くない。しかし現代劇を丁寧に構築する能力はあると思う。冒頭の「スラム育ちの青年が政治の世界でのし上がる」話をそのまま延長して政治ドラマ作ってくれんかな。タイトルは『アジャスト』とかで。[インターネット(字幕)] 4点(2023-07-20 10:06:28)《改行有》

8.  トロン:レガシー 《ネタバレ》 『トロン』が技術の限界やB級感を含めて奇跡の作品だったのでこの作品には期待しておらずずっと放置していましたが、やっと観てみました。 正直言って不安は的中。2010年の技術で上手いこと作ってやったぜい!ってそれ違うんだよ・・・。ただ前作をリスペクトしてすごく丁寧に作られているのは分かる。ゲームセンターの時代感、80年代と2010年代の対比は上手、くはないが頑張ってる。 しかし最大の問題点が「グリッド」世界の描写。風が吹いて稲光が光って蒸気が吹き上がってる?おいおーい、オリジナルが持ってた異世界感のモダナイズがこれか?靴音や物音もことごとく普通の現実世界の音。これを少し変わった音にするだけでもだいぶ印象は変わるはずなのだが。 その「音」という意味ではダフト・パンクが作ってるエレクトリック音楽は本当に素晴らしい。しかし合間に入り込むオーケストラ音楽とその使い方が壊滅的にダサい。これぞ全くの玉石混交。劇伴音楽はエモーションを揺さぶるので観てる方はアガったり下がったりで忙しい。 そして最大の問題点、て「最大」が2つ目だがこれは言わざるを得ない。デザイン。何でオリジナルのウェアデザインを踏襲しないの!これこそ「レガシー」でしょう?ヘリコプターや戦艦のデザインは踏襲してるが明らかにダサくなってるし帆船はとんでもなく改悪されてる。 特にひどいのがバイクバトルで助けに来る4輪バギー。昔のF2レーシングカーまんまじゃん!そりゃメビウスやシド・ミード並のオリジナリティを発揮しろとは言わないよ。でももう少し頑張ろうよ。 一つとても良かったのはラストの決め方。そうそうそう、ラストはバシッと決めてすぐエンドロールに行く!後日談とかだらだらやらない!わかっとるね。と思って1点上げようと思ったが、配信だと「次の動画」でオリジナル『トロン』の画面が出てくるのね。そのデザインの落差に「現実に戻されてしまった」のでやはりこの点数。[インターネット(字幕)] 5点(2023-05-20 00:47:59)(良:1票) 《改行有》

9.  スターシップ・トゥルーパーズ 《ネタバレ》 色んなところで名前が上がる映画、ぜひ初代から観てみよう!おおー皮肉が効いてる。90年代の能天気さの延長に真正面からのディストピア設定。そして戦争。戦争の悲惨な現実をこれでもかと描写する。男女同権の未来設定が「女性が恥ずかしがらない」ことに表現されがちなのもこの時代はよくあった。 しかし映画が進むにつれて皮肉が皮肉に思えなくなってくる。未来の宇宙戦争なのに第一次大戦のような歩兵戦。悪ふざけを許容し合うバディ感。頼もしい鬼教官。仲間のために命を捨てる兵士・・・etc。それらがすべて肯定的に描かれる。極めつけにゲシュタポファッションの情報将校まで登場。これもやはり「頼もしい仲間」だ。原作はロバート・A・ハインライン。ナレーションはハートマン軍曹。やっぱり、「そういう映画」なの? ポール・ヴァーホーヴェンはこの映画を全体主義やナチス賛美と受け取られて困惑したらしいが、当時でもこれが100%不謹慎と捉えられる世界ではなかった。ましてや2023年に観るとなると・・・。映画はヴァーホーヴェンのヴの字も知らない人だって観る。現代美術なら受取り方を言葉で指定できるが、映画は大衆芸術だ。 SFはその時代の延長線を描くので現代劇より時代性を強く反映することがあるが、この映画は1997年という平和でリベラルな時代の常識で創られている。この作品のメッセージが誤解されたとしてもそれは作品や作家の罪ではないが、少なくともこれからの映画はこの作品を他山の石として、作られた時代や作家の情報のようなメタ知識なしで伝わる工夫をする必要があるのではないかと思う。[インターネット(字幕)] 3点(2023-05-13 12:37:47)《改行有》

10.  トロン リアルタイムでは本でしか接することができなくてかなり後になってネットで観た映画。今は配信にあるので改めて観てみました。 こりゃすごい! まずですね、コンピューター世界の造形、衣装、戦車や戦艦、帆船(?)、そしてバイク・・・etc。このデザインがぶっ飛んでる。そして超かっこいい。このオリジナリティの塊の「異世界感」の創造性は比類がない。 驚くのはそれが1982年当時のCG技術(に似せたアニメ)や合成などの技術の限界こそが「コンピューター世界の擬人化」という、まったく非現実的な設定に、あろうことか「リアリティ」を与えていることだ。当時もそう思ったが2023年の今でも、いや今だからこそ余計そう思えるとは。 音楽は現実世界では生オーケストラ、コンピューター世界ではシンセサイザーと使い分けられている、と思いきやそれらは微妙に混ぜられていてそれがまた素晴らしい効果を生んでいる。 ストーリーもテンポが良いしラストもサクっと締める(重要)。全体のテーマも意外に現代に通じる話だしなぜこれがシリーズ化、ユニバース化されなかったのが不思議なほどだ。思うに多分この映画の奇跡は計算されたものではなかったのだろう。だから安易にリブートできないし「続編」ともなると・・・。 しかしこのローファイな未来感覚はこの映画1本で終わるのは惜しい。ゲームだってドット絵のスマホゲームが人気じゃないですか。こういう技術を反転させたデザイン勝負のSF映画をいま作っても良いんじゃないかなあ。[インターネット(字幕)] 9点(2023-05-08 21:53:59)(良:1票) 《改行有》

11.  AIR/エア 《ネタバレ》 開始いきなりかかるダイアー・ストレイツの『マネー・フォー・ナッシング』でわけもなくアガる。この曲を知らない人はどう思うのかわからないが、とりあえずなんかわからんが盛り上がる気分になるのではないだろうか。80年代のPVやニュース映像が流れてそのまま映画のストーリー画面へ。古い画質から現代基準の映画の品質にゆーっくり戻していくのだが、このさじ加減が上手い。 話自体は一本道だし史実だからどんでん返しもない。その合間を80'sポップが絶妙に埋めていく。歌詞がわかる人ならもっと感じ取れるものがあるかもしれない。その他のガジェットや車、建物、もちろんファッションや髪型に注意が払われていて観客を自然に1984年に連れていく。 感心するのはキャスティング。ジョーダンの父役の人は現実のジェームス・ジョーダンには似ていないが、マイケル・ジョーダンに似ているので登場した瞬間にこの人があのジョーダンの父だとわかる。母役もやはり本人には似ていないがこれは演技重視ということだろう。ちなみにこの母役ヴィオラ・デイヴィスの配役はマイケル・ジョーダン本人の希望だったらしい。 この映画に登場する本当の人物像には、たぶんマット・デイモンやベン・アフレックのような輝けるスター達のようなオーラはないと想像する。そこにもしマイケル・ジョーダンという、どんなスターも居るだけで圧倒する存在を放り込むなら誰を連れてくればいいのか。当然ながらそんな役者は存在しないからジョーダン役の人はほぼ顔を映さない。この中心になる人物を空白にしておく構成も実に上手いと感じた。 この映画は大画面や大音響がなくても十分成立する。2023年にそんな映画を映画館で観るのも乙なものだと思った。そして1984年の空気感に浸らせてくれて、家に帰ってもその空気が漂っている気がした。実はこの空気感がこの映画の隠れた主役なのかもしれない。[映画館(字幕)] 7点(2023-05-03 23:26:46)(良:1票) 《改行有》

12.  ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り 《ネタバレ》 まず最初からあまり説明しないのが良い。冒頭の恩赦請願シーンは説明用だな、とはわかるが基本的に用語の説明はせず見てりゃ分かるよという感じでサクサク進めるのは小気味良い。かと言って最近多い観客置いてけぼりで雰囲気重視な映画ではまったくなく、ファンタジーに関してはごく軽くしか通っていない自分でも十分楽しめた。 とはいえ元がテーブルトークRPGであることは知っておく必要はあるかもしれない。キャラクターには能力値が割り振られているので基本的に平等でパーティを組んで力を合わせる必要がある。途中に出てくる無敵のお助けマンはNPC(ノンプレイヤーキャラクター)なので仲間にできない。 全編ギャグ満載なのでそういう設定上のメタ発言が飛び出すかと思ったらそうでもなかった。全体としてこの映画はとても丁寧。雑なのは鳥人間の造形くらい。(あれも笑うとこなのだろうか?) そんな丁寧な中で気になったのはクリス・パインの髪型が一切乱れないところ。汚し表現は最初の牢獄シーンくらいで後はずっとぴっかぴかだ。やりすぎると雰囲気が重苦しくなるだろうが暴れまわった直後でも髪一つ乱れないとかこの映画にかぎらずなんとかしてほしい。 しかしとにかくよくできた映画で評判も良いのでこれは一大シリーズになるのだろう。コメディにしたのも良かった。今更この伝統的設定でシリアスな話してもね。ただしコメディにしたことで続編のシナリオはより難しくなったと思う。きっとどこかで大コケする。それを見て笑う準備もしとこう。[映画館(字幕)] 7点(2023-04-27 01:02:54)《改行有》

13.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 自分はどうもJ・J・エイブラムズとは相性が悪いらしく、観終わった後に釈然としない思いが渦巻いている。観ている間はすごく面白いが後から思い出すと、おい、ちょ待てよ!と言いたくなる。 新シリーズになっても敵はまた帝国・皇帝・シス卿・ナチス官僚のセット?おまけにもまたもやデス・スター登場。親玉の大豪院邪鬼(胎児)はハリポタやロード・オブ・ザ・リングで見たようなデザインでげんなり。ルーカス版と違って(←重要)各役者の演技はとても良いのでつい引き込まれるが、よくよく考えると全体の話がおかしい。かっこいいポー・ダメロン、お前のせいで何人死んだよ?虐殺シーンとかやりすぎなんだよ。ルークは反省して隠れたが隠れたせいでまた騒動になる。この話だけじゃルークは駄目過ぎるぞ。ヒトラーばりの凄演説をする総督は頑張っているがいくらなんでも若すぎる。なんだこの愚連隊組織。ソロも駄目親父になってしまっているし息子はもっと駄目だしこの映画駄目人間ばかりじゃないか。 そしてJ・Jお得意の「がけっぷち危機一髪×3回」。い い か げ ん に し ろ 。映画を観てる時に「これは単なる作り物のエンターティメントなんだ」なんてことを思い出したくないんだよ。BB-8も可愛いと評判だが、ちょっとあざとすぎる。そしてインフレ状態のデス・スターは恒星を吸い取ってビームってもはやSF要素は完全放棄か。 これだけ文句言ってなぜ7点も入れているのかというと、キャリー・フィッシャーの演技に胸を打たれたからだ。この人はこんな名優だったのか。亡くなってしまったことを今さら再び嘆くことになるとは。ハリソン・フォードとの熟年(元)夫婦喧嘩シーンもとても良いが、ここで開口一番クソ台詞「髪型変えたね」。これで古い観客をクスっとさせようってか?何年経ってると思ってるんだ脚本家表へ出ろ。(え?『帝国の逆襲』の人なの?)[DVD(字幕)] 7点(2023-04-11 20:33:54)(良:2票) 《改行有》

14.  スター・トレック/イントゥ・ダークネス 《ネタバレ》 この映画は評判良くないようだが、それ原因はもちろん人気作である『カーンの逆襲』のプロットの安易な流用にある。で、僕は『逆襲』には大いに不満があったので多少溜飲は下がった(笑)。ここでのカーンはちゃんと強く賢く狡く冷酷で勇気があって熱いというスーパー人類キャラを表現している。少なくとも旧シリーズの胸筋見せて歩くだけの奴よりは強そうに見える。 しかしお話の方はもう滅茶苦茶だ。シーン作りのためだけのプロット、完全に運だけで助かる危機一髪イベント、フラフラと定まらないSF設定・・・etc。あとまたニモイが出てきたが本筋に意味あるか?ん? 『逆襲』終盤の話を裏返しにするのはいかにJ・J・エイブラムズがウケ狙いしか考えていないとしてもやりすぎだ。後の話と辻褄合うのか?パラレルワールド?勘弁してくれ。 JJ版スター・トレックではカークとウフーラは完全に新キャラだと考えたほうが良い。対してスポック、マッコイ、チェコフは一応元キャラを踏襲していてTOSの延長線にいる。ただし台詞はどれもヌルくてどうしようもない。ちょっと気が利いてるように聞こえる台詞はたいていTOSからの流用だ。だいたいやな、「人物の有能さを表現するために次のシーンを予告させる」なんてのはもう安直すぎるが、前作からこれが何度も何度も出てくる。最近は漫画ですらあまり見かけないぞ。 というわけで観てる間は面白いが観終わると突っ込み所ばかり思い出す「おもろうて、やがてハァ?」ないつものJJ映画だが、『カーンの逆襲』に逆襲かましてくれたということで6点くらいくれてやろうじゃないか。分かったらJJアイス買ってこい。[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-11 20:30:45)(良:1票) 《改行有》

15.  エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 《ネタバレ》 面白かったー!よくこんな映画作ったな。しかし観てる間中「これはいったいなんなんだ」という思いが消えない。そして観終わった後もやはり消えない。なんでこんな映画がアカデミー作品賞なんだ。フルチンでカンフーバトルやる映画だぞ(笑)。 めっちゃくちゃな話をぐいぐい引っ張って観客を巻き込むテンポ感と見栄えのする映像で見せる構成は大したものだが、その中で俳優の演技がリアリティを与えている。登場人物は突然人格が入れ替わる役が多いのだが、特にキー・ホイ・クワンは一言もしゃべる前から「あ、今あっちの人になった」というのがはっきりとわかる。ジェイミー・リー・カーティスの極端な変化も凄い。この映画の成功は役者に多くを負っているのは間違いない。 ところで誰しも「あの時ああしていれば今ごろはどうなってたか」と考えるものらしいが、自分はそういうのがあまりない。だからこそこの映画のバースジャンプ、とんでもなくばかげたことをやらないと次元を移動できないという設定は腑に落ちるところがある。順調にいっている仕事を辞めたりいい歳して別の分野を学び始めるのは外から見れば狂った行動だ。実はそんなリアリティにあふれた作品なのかもしれない。[映画館(字幕)] 8点(2023-03-29 18:42:02)(良:1票) 《改行有》

16.  LEGO ムービー 《ネタバレ》 最初から最後まで情報量の嵐!SFネタや細かいギークネタがこれでもかと詰め込まれ、清々しいまでの置いてけぼり感が味わえる。シャワーから海の大波までレゴで表現してしまうのは凄すぎて笑える。あと「ウィトルウィウス」というのは古代ローマの建築家の名前なのだが、向こうでは一般的に有名なのかは知らないがなかなか容赦ないなと思った。 観ていて引っかかったのはユニキャット。「ポジティブなことしか言ってはだめ」とか言うキャラクターはすごくディストピア的じゃないか?途中までこいつが敵なんだろうなと思って見てしまった。表情もわざとらしいし。 そして主人公のエメットだがこいつは朝起きた瞬間から100%ハッピー、可愛い(?)彼女もできるし名演説もする。あんまり平凡じゃないね。特に毎朝アゲアゲ状態で目覚める労働者なんて超人だよ。 あと日本語訳、「Krazy Glue→Kragle」を「スーパーボンド→スパボン」に意訳(?)したのは苦肉の策だと思うが、それだと作中でネタバレにならないか?どうせならアロンアルフア(名前違いの同社製品なので許可取れるはず)にできなかったのか? とりあえず言いたいこととして文句ばかり挙げてみたが、基本的に全部おもしろくてすごくて笑えて泣けてびっくりもあるからいっぺんみて!な映画ではある。[インターネット(字幕)] 8点(2023-02-18 19:33:57)《改行有》

17.  ロッキー2 《ネタバレ》 もし『ロッキー』が初代で終わっていたら映画単体としてはさらに高い評価を受けていたかもしれない。しかしアポロには周囲の反対を押し切ってでも再戦する必要があった。ロッキーは転職がうまく行かない上に妻が過労で倒れ子供も出来る。そんな登場人物たちと同じく映画の制作者側もおそらく「再戦」に追い込まれた。どうしてもこの続編で前作の決着を付けなければならない。 最初から本気になったアポロは本当に強いチャンピオンに見えて恐い。しかしながら映画全体は前作同様ボクシングより人生に焦点が当てられる。一発屋の悲哀、「普通の暮らし」の厳しさ。そして闘志を失ったロッキーが再起へ折り返す一点、その一点はエイドリアンの一言だけ。そこが劇的ではあるのだが、いかにも劇的にしましたという作為が垣間見えるのが残念。そのせいでディテールが堅牢なこの作品が全体の構成としてもろく感じられてしまう。(そしてもうひとつ、ミッキーのオーソドックスチェンジ作戦、あれ意味あった?) たぶんだが一般的に「ロッキー」シリーズに抱くイメージが全部揃ってるのは実はこの『2』だよね。みんなが知ってるロッキーはこの『2』のロッキー。貧しい境遇、不器用で打たれ強いハードパンチャー、厳しくも熱い頑固じじいトレーナー、乗り越えるべき強いチャンピオン、純愛、そしてダブルノックアウト。『ロッキー2』は最高の映画でも最高のボクシング映画でも最高のロッキー映画でもないかもしれないが、あらゆる映画や漫画その他の文化に最も大きな影響を与えているような気がする。[インターネット(字幕)] 7点(2023-01-03 23:27:49)《改行有》

18.  キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー 《ネタバレ》 だ、第二次世界大戦ですよね??視聴におけるリアリティのラインをどこに置いたらいいのかわからない。しかしテンポは良いのでなんとなく乗せられる。まあ面白かったな。おっと続編用の「引き」が始まった? と思ったらこの時点でまだ半分なのか!結局続きは翌日観ました。きれいに半分で別れてるのでこの観方はおすすめです。しかしあいかわらず第二次大戦ファンタジーには乗れない。大した威力もない青色LEDと光線銃、要るか?敵味方の「ひみつきち」ももっと1940年代にしようよ。時代考証ばっちりの戦勝シーンがかえって浮いてるぞ。 造形や設定に関しては原作のせいもあるだろうが、キャストにトミー・リー・ジョーンズやヒューゴ・ウィーヴィングのような「いかにも」な顔が出てくるのでやはり観る側としては没入感をそがれる。徹頭徹尾「演劇的」。それ自体は悪いことではないが、荒唐無稽な話を着地させるにはちょっとその方面の努力が足りないのではないか。 2年後に『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に出るケネス・チョイがこの時は痩せてて渋い。そして翌年から『ゲーム・オブ・スローンズ』に出るナタリー・ドーマーがやはり肉食系女を演じてる。俺もこんな女に喰われたいから筋トレ始めようかな?[インターネット(字幕)] 5点(2023-01-03 23:22:17)(良:1票) 《改行有》

19.  ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 《ネタバレ》 前作ではハリポタ本編映画の「一見さんお断り」じゃない、映画スタートなハリポタシリーズが始まったと喜んだのだが、なんと今作ではいきなり置いてけぼり感全開。「あんた誰だっけ?」の連続で平然と話が進んでいく。またその話がずっと暗い。「黒い魔法使い」の話だから暗くしましたって?そもそも前作のラストに満を持した感じで出てくるラスボスが「誰?」な感じだったのだが。 そのラスボスのジョニデはさすがというか、存在感も悪の魅力にも満ち満ちている。あのやりすぎなキャラ造形にも負けていない。そしてジュード・ロウのダンブルドアのイケてることよ。二人とも大物感があって魅力的で演技だけで人を惹きつける。登場人物たちがこの二人の周りに集まって勢力を形成していく過程に説得力がある。 ただその分主人公の影が薄くなる。ファンタスティック「ビースト」シリーズなのに肝心の動物があまり活躍しない。そして説明しないといけない状況が多すぎるのに思わせぶり展開をねじ込むので大筋を理解するのに時間がかかる。この映画、とにかく分かりにくい。前作でも意味もない凝り方をするカメラワークが気になったが、今回もなんでもないシーンにクローズアップを多用したり、複数人が話すシーンに話に加わっていない人物を映すものだから余計混乱する。要は編集が下手なんだよ。 この映画はキャラクターやシーンの美しさは一級品だと思うが、物語として成立していない気がする。その代わりになる世界の魅力も足りない。前作での1920年代のNYは素晴らしかったが今作のパリはひたすら陰鬱。ローリング先生はフランスお嫌い?[インターネット(字幕)] 5点(2023-01-03 22:52:04)《改行有》

20.  アベンジャーズ/エンドゲーム 《ネタバレ》 前作の終わりからどうなるのかと思ったら始まってから超展開に次ぐ超展開。先が読めないと言うより、まっすぐ読める先の先を行く展開。終わってしまえば前作終わりの超展開は増えすぎた人員の整理だったのかと思えるが、急に仲間が減って絶望の中で細々と暮らす寂寥感もいい。そのぶん全員集合のカタルシスも文句なしにある。「合戦」の最中に止まって会話しすぎという問題はあるが。 心身ともに憔悴したスターク、自堕落な生活でデブになったソーの描写はすごい(スタークは回復するがソーは最後までデブのままかよ!)。気に入ったのはソーママがロケットにとても可愛く挨拶するところ。こういうディテールはどこまでもすごく良く出来てる。 ここまで広げまくった話をまとめたのは一つの偉業ではないだろうか。そりゃ設定はおかしいが、もはやそれを言う段階は超えている。有無を言わせぬ物量もある。ナターシャとバートンのあれは意味分からなかったが。(お前らいつの間に?) 終わってみれば無理がある話だなーと思わなくもないが果汁と砂糖気とアルコール分で観てる間は存分に酔わせてくれる。そしてサイドストーリー以外にもう直接の続編は作らないよ、と宣言する終わり方。ラストシーンは長いがこれは仕方ない。ちゃんと終わらせるのは大事。[ビデオ(字幕)] 8点(2023-01-03 22:31:36)(良:1票) 《改行有》

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