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プロフィール |
コメント数 |
565 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。 ※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。 ※管理人様、お世話になっております。 ※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。
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1. ゴースト・ドッグ
《ネタバレ》 屋上で行われる修行が侍らしくないのはご愛嬌として、電話やファックスではなく伝書鳩を使ったり、最も気持ちの通じ合う親友とは言葉が通じなかったり、「そんなやり方はダメでしょ」と鳥に狙撃を阻止させて銃撃戦を見せてくれるあたりがタマりません。
それとやっぱりこれは役者陣が素晴らしいと思います。フォレスト・ウィテカーの巨体はトロそうでありながら素早く(ルーイを守るためジョニーを射殺する時の素早さ!)、攻撃的でありながら同時に柔和であり魅力的です。また、高齢化の波がもろに押し寄せているマフィアのジイ様たちが良い味を出していて、階段を登るだけでゼイゼイ息を切らしていたり、バスローブ姿でラップを披露したり、真剣な顔つきでアニメを見ていたりと、そのユニークさは相当な面白さです。
・・・それからこの映画は他の映画のアイデアを拝借しており、過去にゴースト・ドッグがルーイに救われた二度のフラッシュバックにおいて、ルーイの回想とゴースト・ドッグの回想ではチンピラの銃の方向先が異なっているのは黒澤明の「羅生門」への、水道管から射殺するのは鈴木清順の「殺しの烙印」へのオマージュとなっているのでしょう。[DVD(字幕)] 8点(2011-03-03 18:48:26)《改行有》
2. コッポラの胡蝶の夢
一風変わった感じのする幻想的な世界が投影されており、その辺りはいかにも〝映画〟なのですが、コッポラ監督が一体何を言いたいのかいまいち良く分からなかったですし(夢幻世界の時点でもはやそこに明確なメッセージ性など存在しないのかもしれませんが)、また夢の世界では天地を逆転させていることなども面白い事とは思えません。例えば、ティム・ロスが夜道でナチス軍の研究医?に襲われるシーンなどはフィルム・ノワールを彷彿させるような雰囲気がある上に、青白い光が不気味ながらに美しく神秘的でなかなか良いのですが…そもそもお話自体が妙に哲学的で退屈であり、幻想譚の映像美が全体的にはいささか面白味に欠けているように思えます。ただ、最近のハリウッド映画などの作風とは明らかに一線を画しており何となく後に残る感じはします。特に印象的なのは、異世界のように鏡を使ったティム・ロスの分裂と彼の吸う限りなく短いタバコの煙が幻のような感じをさせるシーンと、ナチスの女との情事、それにやたら美しく見えたヴェロニカです。特に彼女の初登場の時、ティムにかけた声の鮮烈さは素晴らしく夢見心地のボンヤリ感から目覚めさせてくれます。[映画館(字幕)] 7点(2008-09-17 18:18:37)(良:1票)
3. この自由な世界で
《ネタバレ》 社会の歪みの元凶は利潤追求にあるとでも言うように、他人を顧みない金儲け主義の人々の悪行が描き出されています。階級が低くなれば低くなるほど割りを食う残酷社会の中で主人公のアンジーもバイクにまたがりよく働きますが、彼女はケン・ローチ監督がたびたび描く労働者階級ではなく、成上がりであっても一段上で労働者たちを食い物にする搾取する側なのです。そんなアンジーも仕方なしと感じさせてはいますが彼女の表情というものはくすんで見え、それに対するようにポーランド人の移民青年は謝礼も受け取らず、物質的に貧しくも実に爽やかで自然体に見え生き生きと描かれているのです。というところからも本作は、視点が変わっただけでやっぱりどうして労働者たちの映画なのだと思います。無事丸く収まって運営しているように見える〝自由な世界〟ロンドンの裏には、寄るところの無い移民労働者の人々がたくさんいて、彼らは無視できない社会の大きな歯車の一つだという現実を強く訴えているのです。その証拠にラストショットは、再び労働者の斡旋を始めた主人公アンジーの表情で彼女の是非を問うのではなく、冒頭と同じく一移民労働者の不安と期待の入り混じった表情をとらえているのです。[映画館(字幕)] 7点(2008-08-25 18:21:59)
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