みんなのシネマレビュー
なんのかんのさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2336
性別

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1

1.  イタリア麦の帽子 人のちょっとした傷を描くのがいい。靴が合わない、手袋の片一方がない。妻にしょっちゅうネクタイの緩みを注意される、なんてのが傑作で、もうビクビクしちゃって条件反射的に首元に手がいくようになっちゃうの。悪夢の世界ということではキートンと同じだけど、質が違う。キートンの悪夢は荒々しく襲いかかってくるが、こちらは直接暴力の被害は受けない。あちらは第三者の目から見れば、ああ大変なことになってるなあ、と同情される状態なのに対し、こちらは孤独。絶望的なのだが場を取り繕おうと懸命なわけ。キートンが「恐怖の悪夢」であるのに対して、クレールは「不安の悪夢」と言えるかもしれない。当人に何の落ち度もないのだから不条理の悪夢には違いないんだけど、「関係」の形で出てくるので、キートンの悪夢が比較的サッパリしているようには行かない。粘つく。これがクレールコメディの特徴だろう。フランス映画の粋はしっかりあり、最後はピタリと収まる。絶品である。[映画館(字幕)] 8点(2012-07-25 10:16:38)

2.  意志の勝利 演説と行進と整列。繰り返し繰り返し所属することの悦びを歌い上げ、今あなたが所属している党/ドイツという国家の確実性・正統性を保証してくれる。この時代のこの国に生まれたことは何と幸運なんだろう。大人数を捉えるときは俯瞰でその秩序正しさを描き、ヒットラーを初め指導者たちを捉えるときはやや下から見上げ偉大さを強調する。演説者を横移動でゆっくり撮るのは、ありがたい仏像を拝むときの気持ちに似通った効果を狙っているのかもしれない。ヒットラーはしばしば逆光で捉えられ、彼の黒髪があたかも純粋なアーリア民族の(彼が夢見た)金髪であるかのような錯覚を与える。ショーというものの力を最も有効に使った権力者だけのことはある。モンタージュによる作為、反復の陶酔、映像の力をフルに生かした点でプロパガンダ映像史上の一つの頂点であり、後世にも影響を残した。拍手が鳴り止まぬ熱狂を司会者の困惑で描くうまさなんて、以後の劇映画でも目にした気がする。これ東京の有楽町そごうデパート7階だったかに短期間存在した「映像カルチャーホール」ってんで見たんだけど、500円で海外のドキュメンタリーの名作を見られるいいところだった(いまはデパートそのものもない)。映画史の本に載ってるような英国サイレント期の傑作を、ここでずいぶん見られた。あれどこが運営してたのか、あれらのフィルムは今どうなっているのか、ほとんど日本語字幕が付いてたし、無駄なく活用されていればいいんだけど。[映画館(字幕)] 8点(2012-06-23 09:45:48)

3.  イン・ザ・スープ この監督は海と父との取り合わせが好きらしい。ジョー(シーモア・カッセル)は友だちと言うよりも父的になっている。ニコニコ笑いながら悪いことに誘っていくジョーがなかなかいい。サンタのかっこして車を盗んだり。ブーシェミがキートン的な困惑に落ちいっていくあたり『ミステリー・トレイン』の彼を思い出させる。車の席の構図なんかも。おっかない男との対話、心の声に対してエッと言われたり。こういう被害妄想的ユーモアってこのころの流行のようでもあり、サイレント時代から連綿と続いていたようでもある。ジャームッシュの匂いが強い。本人も出てるし。前作『父の恋人』では男のオカマ役だったJ・ビールス(「こいつ女じゃねえ、男だぜ」って言われる役。ついでに言っとくとこのひどい役を設定した監督とビールスは結婚したが、やがて別れた)が今回は女性役。作品として面白い気分はあるんだけど、ちょっと物足りない。この監督はいっそセンチメンタリズムに徹したほうが、ジャームッシュとの違いを出せたか。[映画館(字幕)] 6点(2011-09-25 10:12:32)

4.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 ナチと連合軍の争いを描いたハリウッド映画で、「正義」のイデオロギーがまったく感じられないのは珍しい。狂気と復讐の殺戮のみが展開していく。レジスタンスはあっさり密告し、仲間を裏切らないナチはバットであっさり撲殺される。今までのドラマだと助かる立場の人、子どもが生まれた兵や心の呵責を覚える狙撃兵も、仲間を裏切らなかったナチと同じく猶予されない。この「あっさり」感が、この人の持ち味(かつてのタランティーノだと、ブラピも中盤であっさり死ぬ筈なんだけど)。善悪を判断する余地がない狂騒の場に観客は拉致される。多言語が行き交うのも、その善悪が渾然としている状況にふさわしい。言葉のなまりや、映画が通じないことなどが、次に続く殺戮のステップになっている。とりわけいいのは、地下酒場のシーン、ここにこの監督のエッセンスが詰まっていた。作られた笑顔の中でじわじわと高まっていく緊張、殺意と殺意とが寄りかかって固まっている状況。このキングコングを当てるナチ役の俳優もよかった、この映画でおそらくユダヤ・ハンターの次に記憶に残る、笑顔の不気味な二人だろう。ここのところタランティーノ監督、映画中毒者のための映画遊びにのめり込んでいた印象で不満だったんだけど、私でも楽しめる世界へ戻ってきてくれたようだ。[DVD(字幕)] 7点(2010-08-29 09:45:50)(良:2票)

5.  いのちの食べかた 《ネタバレ》 おそらくワンシーンだけ取り出せば、企業PR映画にも使えそうな映像。「我が社はこのように完全オートメーションで、清潔に食品を提供しています」って感じで。でもそれがこれだけ連なると、ちょっとグロテスクな様相を帯びてくる。ドキュメンタリーの面白さだ。大量消費社会と頭では理解していたつもりでも、その大量ぶりのハンパじゃなさ、それに驚いておくことも無意味ではないだろう。コッココッコやっていた鶏たちが機械に吸い取られ、どんどん処理されて、吊るされたまま“製品”になっていく。ベルトコンベアーのヒヨコなんか、コントのワンシーンみたい。木を揺すって実を落とす機械も、なんか笑えた。そう、専門化した珍しい機械の数々も見どころで、ここらへんはSF映画の世界だった。牛の乳搾り用メリーゴーランド、牛のエサ噴射機、惑星探査機のように両腕を広げていく畑の農機、無駄のない豚や魚の内臓摘出装置、エレベーターでの長い長い降下後、地下深くに広がる岩塩採掘場のシーなんか、あそこだけ見せられたら絶対にSFだ。食卓の向こうにSFが広がっていたとは知らなかった。屠殺機で静かに殺される牛、抵抗する牛、個性のあったどれもが、処理されれば同じ肉塊になっていく。考えてみればこの映画、よくテレビの自然もの番組なんかで目にするチータの狩りのシーン、あれの人間版なんだな。あの必死の迫力、食うか食われるかの緊張から、なんと我々は遠くまで来ているんだろう、という感慨が湧く。シンメトリーで捉えた透視画法の無機的な構図が静かに続き、その中で有機物が食製品へと変えられていく。でもそれはチータの狩りと本質的には全然違っていないはずなのだ。まったく言葉に寄りかからず、目で追跡する92分間は、映画の基本の驚きを改めて体験する新鮮な時間に満ちていた。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-06-09 12:14:09)(良:2票)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS