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1. 王妃マルゴ
とにかくなにやら陰謀が渦巻いているのは分かった。それが一族の崩壊へと向かっていけば『ゴッドファーザー』のような作品になっただろう。どうもカメラが近寄りすぎて、ひいて息を抜きたいところでも熱演のアップになって、陰謀ってのはもっと静かにロングの画面の中で進行するのではないか。そして薄暗さ、陰影の美をあまり感じさせず、ただ薄汚れた暗さだった。『ディーバ』や『リバー・ランズ…』のカメラなんだけど。ヒロイン、政略結婚の旦那との間には、友人のような・兄弟のような、いたわり・気の配り合いがあって、実の血のつながった兄弟とは近親相姦やってんの。澱んでますなあ、16世紀末のヨーロッパ。死体の脳で運命占いするってのもすごい。[映画館(字幕)] 6点(2010-06-08 11:53:58)
2. 王は踊る
踊る王様って日本で言えば足利義政みたいなもんか。政治母なり妻なりにまかせてほっぽらかし、趣味に没頭して、こちらは銀閣寺を残し、あちらはベルサイユ宮殿を残した。政治的に無能な権力者って後世の人にとっては有り難いものだ。映画は当時の風俗が興味深かった。王が出掛ける先まで楽団も出張してBGMを奏でるの。王様が女性となんかしているときも、テントの外で気分を盛り上げる演奏をする。音楽を伴奏にそういうことが出来るってのは、王様並みのことなんだな。もっと言葉(モリエール)と音楽(リュリ)の争いが中心テーマになるのかと思ってたが、そうでもなかった。王の踊る足を崇拝していたリュリが、自分の足を指揮棒で突いて潰してしまう皮肉。[映画館(字幕)] 6点(2008-07-27 12:11:25)
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