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プロフィール |
コメント数 |
646 |
性別 |
女性 |
自己紹介 |
2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。 2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。 ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。 |
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1. ブレス・ザ・チャイルド
観る前からだいたいどんな映画か想像がついてしまったので、実際に観ても特に驚きもなければ落胆もなかった。クリスティナ・リッチはやっぱり好きなのでそれなりに何をやってても喜んでしまうキケンなファン心理。加えて子役はとてつもなく可愛いし、キム・ベイシンガーもクリスティナ・リッチと共演するのはさすがにキツくなって来たけどやっぱりキレイだ。(対する男優陣はパッとしない顔ばかりだ。)しかしコレに物凄い期待を賭ける人もあんまりいないと思うので、そういう意味でのリスクは限りなく低いと言える、ある意味良心的な小品。残念ながらお値ごろ感には欠ける。こういう映画は雰囲気一発、選ぶかどうかは好みの問題だと思うので、出来は悪いがわたし自身が期待した程度の内容ではあった。原語で観てたので字幕をつけてたらもうちょっとつまんなくなったかも知れない。やや点数甘め。7点(2004-07-30 00:42:23)
2. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
けっこう熱い思い入れのある人が多い映画みたいなので、とても申し上げにくいですが・・・。正直言って、ライ・クーダーのスライドギターで、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの演奏が良くなっているような気がしませんでした。ライ・クーダーか、カーネギー・ホールか、どちらか一方ナシなら素直に感動できたような気もするのですが。単に目新しさだけを求めて、わざわざキューバまで行って静かに暮らしているお年寄りに無理をさせて、目新しい映画を撮りたかっただけのように思えて痛かったです。ヴィム・ヴェンダースとライ・クーダー、お互いに「アンタは最高」とばかり言い合っていて批判精神が存在していないため、良い意味でのブレーキが成立しないんだと思います。良い音楽を求めるなら誰かがライ・クーダーに「あんたは邪魔だ」と言ってやらなきゃいけない気がするし、良い映画を求めるなら誰かがヴェンダースに「カーネギー・ホールはやりすぎだ」と言ってあげるべきでしょう。二人にやりたいことをやらせた結果、素晴らしいバンドが見世物のネタみたいになってしまいました。映画は長くて辛かったです。いろんな意味で、痛い映画でした。4点(2003-12-29 12:39:21)
3. ファイト・クラブ
派手でなく、過激でもなく、ただ明と暗、陰と陽とのコントラストに執拗にこだわり続けるD.フィンチャーの絵画的センスがひとつの完成形を見た作品。暗く湿った夜の色彩を得意とする彼の映像の中で、絶妙なセンスで取り入れられるほの暗い「光」の存在に、あらためて映画が光で作られていることを実感させられる。男性の持つ根源的な闘争本能を真正面から捉えたこの作品でフィンチャーは、ネオナチを思わせる非合法の武装集団をモチーフに、現代社会で男たちがその喪失感にもがき続ける「男性」そのものを描いて見せる。小刻みに盛り込まれる自虐的なジョークの連打によって観客達を笑いの渦に巻き込むことで彼が笑おうとしているのは、現代社会の失った男性そのものと私には思えるのである。この映画に描かれている悲しい男たちを笑い飛ばすことのできるほど逞しい男性は残念ながら私の周辺にはいない。人はそれを狂気と呼ぶ。あくまでも本能に忠実な者をいつしかそういった境界線によって分け隔てようとしてきた文明はすでに、笑うことでしか憧憬を押し殺すことができない。映像の世紀と言われる20世紀の最後を飾るのに最もふさわしい作品がこれである。10点(2003-12-21 01:52:13)(良:1票)
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