|
1. ポンペイ
《ネタバレ》 -Pompeii-ナポリ近郊の2.5万人規模の都市。ベスビオ山の噴火で消滅し、2千人程が亡くなった。…市民全滅ではなかったのね。
火山の噴火という自然災害に身分の異なる男女の恋愛を取り入れ、贅沢にも剣闘士のアクションまで取り入れた欲張りな作品。タイタニックとグラディエーターをいっぺんに観てるような、そんな気分になれるかもしれない。
しかしあそこまで恋愛路線に傾いてるとは思わなかった。何故か一目惚れして、何故か相思相愛になってて、何故か逃走して。あの短時間に恋敵であり親の仇が登場し、ヒロインが連れ去られたり取り返したりと忙しい。闘技場から屋敷に走って、また闘技場に戻ってと、本当に忙しい。ポンペイってディズニーランドくらいの広さなんだろうか?人口から考えて本当にそれくらいかも?
2人の恋にベスビオ山の噴火がどう関わってくるか。火山の噴火と火砕流に呑まれる街の描写は中々気合が入っている。だけど、突然噴火するだけで、火山の前フリとか登場人物との絡みが殆どないのね。劇中、溶岩が溜まっていく様子とか、頻発する地震とか、建物のひび割れとか、馬に落とされて亀裂に呑まれる人とかの“噴火の予兆”はあったけど、それを俯瞰で観察して、ポンペイの未来に危機感を感じてる登場人物が出てこない。当時の学者なんかを主要人物に入れて、予兆を体験させて「このままでは噴火するぞ、市民を逃さないと」みたいな盛り上げ方は必要だったかと。
あ、剣闘シーンはなかなか。歌いながら場面説明をする、黄金のマスクマンたちは雰囲気出てた。
オープニングの石膏で再現された遺体。あの石膏遺体がどうやって再現されたか?とか、他の映画でよく描かれる古代ローマ都市とポンペイがどう違うのか?とか、観ていて歴史の勉強になる要素は殆ど見つけられなかったのは残念。
2人の最後は、ちょっとロマンチック過ぎないかい?カッシアを守ろうとマイロがキツく抱きしめたカタチで…くらいの表現で良かったかと。[CS・衛星(字幕)] 4点(2022-06-29 22:53:41)《改行有》
2. ボウリング・フォー・コロンバイン
《ネタバレ》 マイケル・ムーア監督の知名度が格段に上がったきっかけの映画。
高校の銃乱射事件から、アメリカの銃社会の問題と疑問を追いかけていくドキュメンタリー映画。
「アメリカは銃が多いから、銃の犯罪も多いんだ!」→確かに。でも隣りのカナダも銃は多いけど銃犯罪は少ないよね?なぜ?
「マリリン・マンソンなんか聞くからこんな犯罪するんだ!」→彼らが直前にやってたボウリングは?影響ないの?
「アメリカの歴史が…!」「黒人が…!」「マスコミが…!」「Kマートで…!」「NRAが…!」
ムーア監督の中では映画の起承転結が出来上がっているんだろう。銃乱射事件を本線として追い、そこに至る説明として必要な知識を脇道にそれる様に深く追って行くが、その進路変更が見ている我々も興味を持つように強調(「マリリン・マンソンが」「マリリン・マンソンを」「マリリン・マンソン」「マリリン・マンソン」みたく)されてから脇道に入るので、興味が続き飽きさせない。
アメリカの銃社会に対し、関心をもって各自が考えるのが目的の映画だと思うので、解決策や答えを出してくれる映画ではない。そんな作品だけど、Kマートが弾丸の販売を止める決断をするのは、凄いな。監督の手法や情熱も凄いが、Kマートの決断の速さも凄い。
本作で悪者として書かれるチャールトン・ヘストン。だけど周到に質問の準備したムーア監督と、事前情報なしで苦しい防戦になるのは予測できる中、直接取材に応じた姿は男らしさを感じる。
対談から逃げ出すヘストン氏に対し、6歳の少女の写真を見せるムーア監督。背中と正面を同時に見せるなど、1カメなのに後から編集してるところとか、細かいところだけどちょっとズルいかも。
マスコミやTVがアメリカ国民の恐怖心を煽っている。としていたが、この映画に対しても自分の考えをもって見るべきかもしれない。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-11-29 13:08:27)(良:2票) 《改行有》
|