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【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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81.  サラエボの花 《ネタバレ》 大事なことを言っている映画で、固有名詞を変えては、敗者の歴史で繰り返される悲劇のやりきれなさが伝わってくるが、正直、もう少しザラザラとこっちを掻き立ててくるものに欠けているような気がした。最初のほうで、報奨金(?)と引き換えに開かれる被害を受けた女たちの会の場があり、そこで若い女が無遠慮に笑うシーン、あれは世代の違いを言ってるのか、それともお仕着せの会の無力を笑ってるのか、よく分からなかったなりに、ザラリとしたものを感じ、沁み入ってきた。ああいう場面がもっとほしかった。おそらく女の子の描き込みが弱いのが欠点だろう。事実を知ったあと、ラストに至るまでの間に大きな心のドラマがあったはずだが、父親似の髪をナニするという一点に絞ってしまったので、あまり深まらない。とは言え、母の友人やその仕事場の同僚たちの連帯感の描き方などホロッとさせ、もちろん見ないよりは見てよかったと思った映画だ。[DVD(字幕)] 6点(2008-09-14 12:05:59)(良:1票)

82.  厨房で逢いましょう 《ネタバレ》 タッチは完全にフランス映画、EU統合で各国の個性がなくなりつつあるのかという不安はあるが、でも面白かったです、このドイツ映画。床に落ちたチョコレートをこっそり食べた女がその味が忘れられず、深夜ベッドから抜け出し、雨でびしょ濡れになりながら自転車を飛ばし、厨房に押しかけて料理をむりやり食べさせてもらうなんて、欲望に駆動されるブニュエル映画の登場人物に久しぶりに会えたような喜び。全体としては、昔の騎士物語みたいな骨格がある。残酷なほど鈍感でわがままな女王に、ひたすら仕える悦楽に身悶えする騎士のような料理人の物語。想いを溜めこんで太った彼の体重が思わぬ働きをするラスト近くの展開は読めなかった、まああの展開を予想できる人はまずいなかっただろうけど。オツな小噺を聴かせてもらった気分。[DVD(字幕)] 7点(2008-09-07 12:13:45)

83.  スターリングラード(2001) うまいところに目を付けた。ヒトラーとスターリンという悪役同士の戦場なら、おのずと兵士個人の物語へと感情移入がしやすい。都市に冠した独裁者の名を守るためにのみ、無名の若者が次々と投入されていく戦場。一方は野育ち、一方はインテリ、おそらく戦争でもなけりゃ永遠に出会わなかっただろう二人が争う。けっきょく絨毯爆撃や原爆といった巨大な暴力による大量虐殺によって終わる世界戦争の中にあって、一人一人を狙撃し仕留めていく二人が、古い剣豪物語の主人公のように見え、彼らだって殺人者なのに、その外側のより無機的な殺人システムを告発しているように見えてくる。とりわけソ連のまったく消費材としてしか兵士を見ない体質、たぶんあの戦争の時ここまで自国の兵士の命をないがしろに扱ったのは、日本とソ連がダントツだったと思うのだが、その共通点が何に由来するのか、昔から気になっているが分からない。[映画館(字幕)] 7点(2008-08-14 10:03:22)

84.  王は踊る 踊る王様って日本で言えば足利義政みたいなもんか。政治母なり妻なりにまかせてほっぽらかし、趣味に没頭して、こちらは銀閣寺を残し、あちらはベルサイユ宮殿を残した。政治的に無能な権力者って後世の人にとっては有り難いものだ。映画は当時の風俗が興味深かった。王が出掛ける先まで楽団も出張してBGMを奏でるの。王様が女性となんかしているときも、テントの外で気分を盛り上げる演奏をする。音楽を伴奏にそういうことが出来るってのは、王様並みのことなんだな。もっと言葉(モリエール)と音楽(リュリ)の争いが中心テーマになるのかと思ってたが、そうでもなかった。王の踊る足を崇拝していたリュリが、自分の足を指揮棒で突いて潰してしまう皮肉。[映画館(字幕)] 6点(2008-07-27 12:11:25)

85.  クロッシング・ザ・ブリッジ~サウンド・オブ・イスタンブール~ 最初のほうのトルコのバンドの連中、東洋と西洋の融合とか立派なことを言ってるんだけど、やってる音楽はおおむね西欧音楽の和音やリズムにオリエント風味を付けたもので、モーツァルトのトルコ行進曲の異国情緒と五十歩百歩。ヒップポップやブレイクダンスと、いまや世界中どこでも同じ光景になってしまった。やたら唇が動くトルコ語のラップは聴き応えあり。でもだんだんロードムービー的に進むにつれて、音楽世界が深まってくる。それが純粋なトルコ音楽に向かうというより、トルコ音楽と他の音楽との接点に集中していく。ジプシー音楽、クルドの民謡、アラビア音楽としてのトルコ音楽たち。純粋な伝統ってあるのか、そもそも文化とは不純な融合によって発展したものじゃないか、ってことをこの後半で言ってるみたい。そう思うと前半のバンドたちの音楽も、その中途半端さの意義を認めてやりたくなる。[DVD(字幕)] 6点(2008-07-08 12:14:55)

86.  バスを待ちながら 《ネタバレ》 ボリス・ヴィアンの小説「北京の秋」のアタマを思わせる出だし、またブニュエルの『皆殺しの天使』もヒントになってるようで、あちらはシュールレアリズムがごく自然に日常につながっている。通過地点であるバス停が、巣となって住処に変わっていくファンタジー。前半は、アメリカにもロシアにも頼らずに自力でバスを動かそうっていう政治的メッセージが感じられるが、しだいに純粋なファンタジー性が濃くなる。いちおう夢落ちなのだが、その夢を皆が共通に見てるってとこが大事で、生理現象としての夢と希望としての夢とが重なっている。強欲な缶詰男は夢に参加できなかったし。どうでもいいことだけど、あちら方面の映画の主人公って日本人から見るとすごくニヤケて見えるんだよな(子どもの時「怪傑ゾロ」のガイ・ウィリアムスを見てそう感じたのが最初)。文化によっていい男の基準が違うよい例だろう。[映画館(字幕)] 7点(2008-07-02 12:16:26)

87.  es[エス](2001) ゲーム的な気分にしだいに「マジ」が入り込んでくるあたりが見せ場になるはずなのに、主人公が積極的に挑発してしまうので興を削ぐ。特定の誰かが仕掛けることなく、集団そのものの力学で事態が悪化していくべき。屈辱を与えなければならないという発想や、連帯責任の発想といった、人間集団の病理に迫れるところを、後半は既視感のあるB級映画の世界に逃げてしまった。個人の資質と無関係に状況から残虐は生まれてくる、って大事な話なんだけど。閉所恐怖症気味の人間としては、あの箱に閉じ込められるシーンがないといいな、と念じつつ見てたが、やっぱりあった。[映画館(字幕)] 6点(2008-06-26 12:15:26)(良:1票)

88.  ヴェルクマイスター・ハーモニー いちいちに隠されているらしい寓意は、ほとんど読み取れていない。しかし全体を覆う圧倒的な不穏の気配を体験することで、モトはとれたと思う。個人の不安でも国家の不安でもない、町の不安ってとこがいかにも東欧。焦点は暴動の場。ひたすら歩く暴徒たちの、その静かな表情が怖い。ワンカットで描かれる病院襲撃(2時間25分で37カットっていうと単純に計算して1カット3分55秒か。広場に点々と立つ人々の場なんか、長回しの先輩アンゲロプロス好みのシーン)。隣人がたちまち無表情の群衆に変わり得ることの不安て、やっぱり20世紀の多くの町が体験した不安だったんだ。[映画館(字幕)] 7点(2008-06-14 12:07:02)

89.  ブレッド&ローズ この人の映画って、政治宣伝ビラになりそうなぎりぎりのところで、それを越えて深く入ってくる。たとえば“強盗”で本国送還になるケース、この被害者を老人にして観客の心が引っかかるようにしてある。これが脂ぎった中年男だったら、観客はヒロインに寄り添ってもっと簡単に善悪を判断してしまうところ。あるいはオルガナイザーに「で、あんたのリスクは何なの?」と問う場面、これ適度に同情的に見てた観客に向かっても放たれた言葉だ。白眉は姉妹対決の場で、裏切った姉にも言い分がある。労使間の搾取の下に、男女間の搾取がぞろっと見えるその奥深さ。「知らないふりしてたんでしょ」が効く。[映画館(字幕)] 7点(2008-06-10 12:10:24)

90.  SWEET SIXTEEN 印象深いのは、友人の“ピンボール”。人懐っこそうでいて、破壊的。彼にはリアムしかいないんだ。リアムには姉と母がいるけど。さらにやくざの“ファミリー”には、リアムだけが迎え入れられていく。ピンボールはあらゆるファミリーから除かれる。彼には“部屋”しかない。けっきょく彼がどうなったのか、どうともとれるようになっているんだけど、気になる。リアムもやがてピンボールのように“ファミリー”から排除されて海辺に立った。でも彼には姉からの電話がある。スコットランドなまりって、普通の英語と全然別ものに聞こえるんだけど。[映画館(字幕)] 7点(2008-06-07 12:16:49)

91.  ゴスフォード・パーク ダーッと登場人物があふれる。これ小説だったらそうとう混乱しただろうけど、映画だと、とにかくその中に身を置いてあたりを観察しているうちに、しだいに整理されてくるから大したものだ。上の階と下の階、別々の階級の世界を描き分けていたのが、だんだんと絡まってくる面白さ。マギー・スミスは召使を使って情報を集めるし、上の客であるアメリカ青年は下に潜り込む。マギー・スミスの上流階級の酷薄さは、そのままイギリスが(しょせん芸人風情の)アメリカを見る眼の残酷さでもあろう。監督はそう見られるアメリカを笑い、そう見るイギリスも笑っている。[映画館(字幕)] 8点(2008-06-02 12:14:29)

92.  ギャング・オブ・ニューヨーク 前半はほとんど長谷川伸的股旅ものの世界。久方ぶりに国にけえると、親分が死になすったあと子分どもは敵方の下働きになってて、情けねえ、の世界。女スリの姐御ってのも日本の時代劇の常連だ。アメリカも日本も同じころに内戦を体験し、同じころに徴兵制開始で揺れていたわけで、けっこう心性でも似通ったものが生まれる下地は出来てたんだ。国家が固まる前のならず者の時代の、自由と荒々しさはよく出ていた。まだ家畜のいるニューヨーク、火消したちの争い、いいかげんな選挙…。でも大味で、この監督ピークは10年前に終わったなあ、の思いをあらためて確認した作品でもあった。[映画館(字幕)] 6点(2008-05-31 12:17:49)

93.  K-19 “革命の英雄”と“強制収容所で死亡”と二つある父親に関する伝説、どっちが正しいのですかと尋ねられ、両方だ、と答えるH・フォード。簡潔に時代を描いている。ただほんとに描くべき時代の像は、冷戦の狂気であったはず。放射線の怖さは出ていたが、全体がヒロイズムの物語で閉じてしまっていた。放射能の危険地帯に乗り込んでいく勇気は賞賛されるが、そういう苛酷な選択を迫られる状況を招いたものへの怒りにまでは結ばれていない。いくら生き残れたものが哀悼したって、いい気なものだ、って気持ちにもなってしまうのだ。[映画館(字幕)] 6点(2008-05-30 12:14:33)

94.  シカゴ(2002) アメリカってショービジネスを描くと、ノリにノる国。マスコミが犯罪とショービジネスを同格にしてしまう。どちらも有名になること・脚光を浴びることで同じなの。話題を提供し続けないと生き残れないショービジネスの世界なら、裁判という脚光もイタダキだ。こういう「あたりさわりのある話」をエンタテインメントにしちゃう底力が、まだこの国にはあります。濃い主役3人のキャラクターを、うす~い亭主のミスター・セロファンが際立たせていた。ミュージカルとしては、水滴からリズムを刻んで入るタンゴのかっこよさ(例の如くちょっとカットを割りすぎるのだが)。キャサリン・ゼタ=ジョーンズのヴェルマの悪あがき「一人じゃできない」のナンバーが笑わせる。この人『トラフィック』のときは、なんか太った人っていうぐらいの印象しかなかったんだけど、器用な人だったんだな。[映画館(字幕)] 8点(2008-05-26 12:20:36)

95.  戦場のピアニスト 万人共有の熱い記憶と思われていたものも、時がたつと冷たい歴史記述になっていく。その熱量を少しでもとどめておきたい、という強い意思が感じられた。ナチ下のユダヤ人の生活を再現し記録する意思。じわりじわりと追いつめられ追い立てられていったその細部。踊れと命じられる屈辱。あるいは気まぐれの処刑、6人を撃ち、7人目の前に弾を込めなおすわずかの時間の、もしや、という一瞬の期待も描く。さらに「立て」に応じられなかった車椅子の老人の末路。一つ一つのエピソードが重い。主人公は窓から見ている。ユダヤ人やポーランド人の蜂起も、窓から見下ろすだけで参加はしない。見る人に徹していただけに、外へ出ていったときの、なにか剥き出しなるような怖さが特別だ。『裏窓』のすぐれた応用になっている。遠く上から見ていた殺された女性の死体と向かい合うように伏し、死人の振りをしてドイツ兵をやり過ごす場の生々しさ。映画の前半は、集合場所や貨車など、高密度で人々が画面を埋めていた。後半は一転して無人の世界、世界そのものの廃墟のような光景、その落差がなによりも雄弁だ。[映画館(字幕)] 7点(2008-05-21 12:16:14)

96.  過去のない男 《ネタバレ》 考えてみれば、映画の人物ってのは、すべて過去を持たずに唐突に我々の前に登場してくるわけで、観客はその行動や言動から過去を類推していくしかなく、言ってみれば記憶喪失者に付き合っているようなものなんだなあ。この映画、名前がないと何も進まない法の世界と、隣人たちの親切の共同体とが対比されていて、けっこう社会派監督としてのカウリスマキを印象づけた作品。やむを得ず解雇することになった従業員へ、未払い給料をなんとか渡さんとする社長が光る。名前がなくても信頼や親切が優先する社会をはっきりと提示した。妻が見つかると、そっちもちょうど男が出来てて、っていう解決は、アステアの戦前のミュージカルにもあった手だが、いいよね。[映画館(字幕)] 7点(2008-05-19 12:16:41)

97.  スパイ・ゾルゲ スパイの話なら「忠誠とはなんぞや」というテーマが出てくるかと思っていたが、そういう突っ込みはなく、描きたかったのは彼らの情熱か。ゾルゲらだけでなく、226の兵士たちの情熱にも焦点が当てられていた。時代を動かさずにはいられない情熱の沸騰へのおののきと共感。でもたとえば近衛文麿の「情熱のなさ」も歴史に関与したわけで、歴史と情熱の関係はそう単純なものではないだろう。映画の一番の売りだったCGによる過去の上海や東京の再現は、街にくすみがなくノッペリしていて、なんか修正済みの昔の絵葉書の中に入りこんだよう。それを狙ったんじゃないだろうけど、面白い味が出ていた。[映画館(邦画)] 6点(2008-05-15 12:24:51)

98.  グッバイ、レーニン! 《ネタバレ》 国やぶれた経験のある国民には、さらに“分かる”話だなあ。社会の激変のショック、価値観の変転、かつての“よき国民”の哀しみ。そういったことも、こうやってやっと笑えるようになりました、って映画を作った心理からして、よ~く分かるなあ。かつて東ドイツの中に西ベルリンがうたかたのように存在していたように、滅んでいく東ドイツの中で、うたかたのような東ドイツの部屋が死守されていく。ユーモアあふれる歴史修正主義者たち。窓からコカコーラの広告が見えると「実はコーラはドイツ生まれで、このたび提携の和解が成ったのだ」という歴史が捏造される。傑作なのが統一の解釈で「競争のない理想の国を求めて、西の難民が東へ流れ込んできたのだ」ということになる。しかもこれは単にジョークだけでなく、これから競争社会になっていくだろう統一後ドイツへの批評にもなっているわけだ。[映画館(字幕)] 7点(2008-05-07 12:21:26)

99.  街のあかり 《ネタバレ》 コンスタントに新作出されるとあんまり有り難みが薄くなってしまうけど、でもやっぱいいなこの人。いつも“ちょっといい話”なんだよね。どん底できざす希望の光。ブアイソな壁に囲まれた場面の間に、夢のように美しいヘルシンキの夕景や夜景が入るその光のよう。もうスタイルについては言うことがない、完全にこなしきった一つの話芸になっている。今回ホントにうまいなと思ったとこは、男がずっと口を鎖ざして女を守りとおし有罪の判決が下った後、そのかばわれ続けた悪漢の情婦はどうしてるか、というと、悪漢どもがトランプに興じている後ろでつまらなそうに掃除機をかけてる、ってとこ。この苦いユーモアがカウリスマキの真骨頂。[DVD(字幕)] 7点(2008-04-20 12:12:32)

100.  ヴァリエテ(1925) ドイツはこういう話好きだね。淫婦に振り回される男もの。5年後の『嘆きの天使』とか。あるいは時代の流行りだったのか。谷崎の「痴人の愛」もだいたいこのころ。若干先だから映画に影響されたってことじゃなさそうだ。しかもこういう淫婦の時代の後に、ドイツも日本も、病的に健全な男の時代に突入していってしまうんだな。それにしても無声映画の雄弁さ。水道のしたたりと、赤ん坊のおもらしのしたたり。二人の女を足先まで見比べる視線。あるいは耳を澄ませているそのアップ。テーブルのいたずらがきをめぐるサスペンス。ひそひそささやきあう人たち。ブランコシーンの緊張。無声映画のあらゆるテクニックが呼び集められている。ただの三面記事にしかすぎない出来事が、それ以上の物語に変わっていく。[映画館(字幕)] 6点(2008-03-23 12:15:37)

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