みんなのシネマレビュー
レインさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 885
性別 女性

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234

1.  コン・ティキ 映画になった「コンチキ号漂流記」。 自説を証明するため、1500年前と同じ仕様の筏(いかだ)で南米からポリネシアめざして8000kmの旅へ乗り出すトール・ヘイエルダールらは、学究心よりも冒険心にあふれた命知らずの男たち。 船よりも海面に近い筏での旅は危険もまた大きいのですが、本の中でも印象的だった、コン・ティキの下を巨大なジンベイザメがくぐり、夜間に海の生きものたちが燐光を放つのを肌で感じられるのは船ではできない体験、見ている側も太陽神を帆に掲げ、バルサの木で作られたコン・ティキの存在を身近に感じられるのです。 へイエルダールと陸(おか)で待つ妻との絆と葛藤も描かれ、これは本にはなかったプライベートな部分で、大半が航海で占められる映画のアクセントにもなっています。 現在では彼らが証明したかったことが立証されたとは必ずしもいえないようですが、たとえそうであっても彼らの思いは十分むくわれたのでは。 海で撮影することにこだわり、プール撮影でVFXを駆使した「ライフ・オブ・パイ」ほど映像的に洗練されてはいませんが、海と人間の知恵と勇気がスクリーンいっぱいに広がる素朴で力強い作品。[映画館(字幕)] 8点(2014-01-01 00:03:48)

2.  ル・アーヴルの靴みがき ル・アーヴルは南のマルセイユとは反対側の北の港町。 当地在住の歌手リトル・ボブを使いたくてここにしたという「初めに歌手ありき」の土地選びとか。 初老の靴みがきマルセルが少年イドリッサを救おうとするのが、情が移ったというより使命感だけで動いているように見え、その方が立派かもしれないですがイドリッサとの間にもう少し何か見たかった気はし、そこがメインではないのだろうけど。 不治の病の妻アルレッティが口紅を頬紅がわりに夫に血色よく見せようとする気遣いや、近所のお店の人たちがマルセルの心意気に賛同して商品を気前よくふるまうもよし。 主演のアンドレ・ウィルムは「仕立て屋の恋」では刑事役でしたが、ここでの刑事はジャン=ピエール・ダルッサン。 黒づくめでマフィアのよう、できるだけコワモテに見せてるので最初はちがう人かと。 アル中の失業者とか国鉄あがりの庭師などとはずいぶんちがうので「この役どうなの?」でしたが、なるほど。 黄色いバラにそそぐ涙かと思いきや、白い桜は善行への報いの象徴でもあるのでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-07 07:01:45)

3.  ザ・セル 最初に見たターセム作品。 皮肉にも第1作が一番メジャーそうで、「マトリックス」+「羊たちの沈黙」といわれたりもしたけれど、猟奇サスペンスの形態をとりながら人間の脳内映像のイメージの豊かさで見せてしまう映画で、最初の二作は二面性あり。 広大な砂丘を白い衣装のジェニファー・ロペスが小さな点のように歩む冒頭から圧巻、砂漠は何もないのに美しい。 水際の広角度のカメラワークは、ジュネが「アメリ」で踏襲していましたが、映像派と呼ばれる方々はおたがい意識しあい影響しあっていそう。 猟奇色の強い前半はオゾイですが、後半はFBIのヴィンス・ヴォーンも活躍するし見応えあり。 1作目から重要な要素となっていた衣装の石岡瑛子さんを欠いての新作「セルフレス」はどうなるのか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-02 07:09:30)

4.  トリスタンとイゾルデ 《ネタバレ》 「ロミオとジュリエット」の基といわれる「トリスタンとイゾルデ」を現代風にアレンジし、トリスタン(ジェームズ・フランコ)とイゾルデ(ソフィア・マイルズ)の切ない恋物語。 マーク王(ルーファス・シーウェル)とメロート(ヘンリー・カヴィル)ら「敗者」の物語でもあり、マークはイゾルデから愛されず、メロートも叔父のマークから認めてもらえない。 すべてを知ったマークのとった行動は立派だったけれど、若いメロートは自分の一族よりも自分を認めてくれる敵方の人間を選んでしまう。 彼はその報いを受けるのですが、努力しても彼には運がなかったのでしょう。 死に際の「認められたかった…」とのセリフは重いものでした。 この企画を20年あたためていたリドリー・スコットが監督ではなく、彼を敬愛するケヴィン・レイノルズの作品で低予算でエキストラも少なく、出来としては7点クラスの作品かもしれませんが、スコットの壮麗な「グラディエーター」よりも心に響いた作品でした。 グリーンがかった画面、アイルランドの海岸と空が美しい。[DVD(字幕)] 8点(2013-03-03 11:25:08)(良:1票)

5.  レ・ミゼラブル(1998) 《ネタバレ》 時間に制約のある映画はダイジェストの印象を受けるのはいたしかたないが、罪もない「悲惨な人々」の必死な生き様、特に愛娘コゼット(クレア・デーンズ)を共通項にもつジャン・バルジャン(リーアム・ニーソン)とファンティーヌ(ユマ・サーマン)にはここでも惹きつけられる。 大柄なニーソンは風貌もバルジャンを演じるにふさわしく、エポニーヌが登場しない分コゼットの役割が大きくなっている。 執拗にバルジャンを追うジャベールは、フランステレビ版の物腰柔らかく、だが偏執狂的なジョン・マルコヴィッチもよかったが、冷徹な眼差しで相手を縮み上がらせる本作のジェフリー・ラッシュの方が、より正統派の「法の番人」というところか。 彼らの関わりをメインとした映画は、その終焉とバルジャンの解放の表情と共に終わりを告げる特殊性を持つが、バルジャンの無償の行為が僅かながらでも報われるフィナーレがないのは、若干の物足りなさを感じてしまう。[映画館(字幕)] 7点(2013-01-14 12:20:43)

6.  嘆きの天使(1930) 《ネタバレ》 ドイツ時代のマレーネ・ディートリッヒ。 堅物中年教師を虜にしてしまう踊り子ローラは若さとオーラに輝き、女性もうっとりさせてしまうアンドロギュノス的な魅力を放ち、前半は彼女の独壇場。 後半は彼女のキャラがやや類型的になってしまうのだが、かわってラート(エミール・ヤニングス)が怪演を見せ、雄鶏の鳴き声に鬼気迫る。 「青い天使」(原題)とは、華やかなローラに吸い寄せられ生気を失い青ざめるラートその人。 美に魅入られて身を持ち崩し、狂気を経て死に至るのは「ベニスに死す」のダーク・ボガートにも似るが、あの場所で命尽きたのは、まだしもラートにとって幸せといえるやもしれない。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-07 06:04:56)

7.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 007の役を得た俳優たちはJAMES BONDの縫いとりのある透明なガウンを身につけているようなものだけれど、ダニエル・クレイグは受けとったそれをすぐには羽織らず肩にひっかけている感じ。 ムーアやブロスナンのような気取りもない。 インサイド・ストーリーらしく、今まで描かれることのなかった荒削りで読みの甘い、駆け出しスパイとしてのボンド。 でも生気と人間らしさは十分持ち合わせていて、野放図で一途。 M(ジュディ・デンチ)がシリーズ途中の「異動」なのは以前明言されていたはずだけど、彼女はここではボンドの誕生を見守る。そのかわりQやマネーペニーの姿はなく、彼らも時代的なものとして封印されてしまったのだとすれば残念なこと、ただでさえ英国風味は薄れたというのに。 グラフィカルなタイトルバックは視覚的に楽しく、気だるい女性シンガーが続いた後でのクリス・コーネルのヴォーカルも小気味よい。 アクションは立体的、シャワー室でボンドに寄り添う星の瞳のエヴァ・グリーンも印象的、クライマックスのベニスのセットもなかなかのもの。 007としては幾分物足りなさは感じるものの、1本の映画としてはかなり見応えあり。(ソニー配給だからとはいえ、VAIOやCYBER SHOT宣伝が目立つ新作) [映画館(字幕)] 7点(2013-01-01 07:20:48)《改行有》

8.  ベルリン、僕らの革命 「グッバイ、レーニン!」ダニエル・ブリュールと「ゾフィー・ショル」ユリア・イェンチ共演の青春映画。 ヤン、ユール、ピーターの3人組の言動はみずみずしさも含みながらホントに青いのですが、世代の違うオジサマが加わったことで物語に厚みが。 ハーデンベルクを演じたクラウスナーは「レーニン」でもよかったけれどここではメインの一人、複雑に変化していくキャラを堪能しました。 もう一人の青年ピーターもある意味ヤンよりもいい。 ベルリンから山小屋へと移動し、大自然の懐に抱かれて生活するうちに彼らの切迫した心情にも変化が。 語り合う4人。 ハーデンベルクの意外な過去や明るみになった「関係」。 ロケーションも素晴らしく、環境は人を開放するのだな、と。 最後は苦いともいえるけれど、それをまともに受けずヒラリとかわす軽さがあります。 これでは何の解決にもなっていないと感じる方もいるでしょうが、監督の関心はそこにはないのかも。 センチメンタルな「ハレルヤ」も柔らかすぎないドイツ映画には優しく響いて、予想外にいい作品。[DVD(字幕)] 7点(2012-12-30 09:00:05)

9.  アウトランダー 日本劇場未公開のマイナーSF。 ソフィア・マイルズ目当てだったのですが作品自体も意外とよくて、ひっそりと隠れ咲いている映画の中にも掘り出し物が。 「ジョン・カーター」とは逆に異星人が8世紀の地球に飛来しバイキングの仲間となるお話で、いわくありげなエイリアン、ケイナン(ジム・カヴィーゼル)がノルウェーの地になじんでいく。 俳優の持ち味もあるでしょうが、主人公のキャラクターが押しが強くないのがいいところで、彼と心をかよわせる孤児の少年(エリック・ザ・バイキング?)もかわいらしい。 闇の中で光るモンスターはホームズの「バスカーヴィルの犬」的な怪奇さで、そのモアウェンにも背景があってただの怪物ではなく、人間の自然への罪を象徴するものでしょうか。 バイキングの部落の描写もよく、一番いい場面はケイナンとウルフリックが競う「盾渡り」かもしれません。 地味なB級SFではあるかもしれないけど、大地や森や水の匂いがする土着的な世界は魅力あり、脚本家が監督もかねる丁寧な作りは未公開シーンが多いのがもったいない感じ。 赤毛にしているソフィア・マイルズは「トリスタンとイゾルデ」の役柄からキャスティングされたのだと思いますが、族長(ジョン・ハート)の勝気な娘フレイヤ。 イゾルデのような王女やぺネロープのようなお嬢様を演じても、庶民性があり体温を感じさせる人ですが、この作品ではたくましい面を見せています。 敵対する族長ガナー(ロン・パールマン)の見せ場が少ないのが残念だけれど、いい役者がそろっているのも魅力です。[DVD(字幕)] 7点(2012-12-24 12:45:12)

10.  ビヨンド the シー/夢見るように歌えば 《ネタバレ》 ケヴィン・スペイシー主演に加え、製作・監督・脚本(共同)。 演技派・性格俳優のイメージだけど、一番作りたかった映画がコレというのは人柄がわかる気がします。 50年代の人気歌手ボビー・ダーリン(「マック・ザ・ナイフ」のタイトルは知らなくても、聴いたことのある人は多いはず)になりきって歌い踊る彼は、それまでの俳優人生で一番幸せだったのではないかしら。 憧れの舞台としてコパカバーナも登場し、熟練した歌声を聴かせるスペイシーの情熱に圧倒されるばかり。 年若い妻となるサンドラ・ディーのケイト・ボスワースも役にあっていて愛らしく、彼らが再び共演する「スーパーマン リターンズ」よりこちらの方がずっとイイ感じ。 子供の頃は病に冒され、長じてからも出生の秘密を知らされたりスランプに陥るなど、紆余曲折あっても破滅には至らず、再び返り咲くボビーことウォルデン・ロバート・カソットを見つめるのが、かつての自分である少年なのも面白い。 この役を演じるには年令高く、歌手のイメージではないとも言われるけれど不思議とそういったことは気にならず、分身と手をたずさえてステップを踏む終幕のハイライトにも自分の夢を実現した喜びが満ち溢れているようで、それが何よりもすばらしいと思います♪[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-18 19:40:05)(良:1票)

11.  ディアボロス/悪魔の扉 《ネタバレ》 キアヌとシャーリーズがニューヨークの悪魔に翻弄される若夫婦に。 素敵なアパートに引越しできてラッキーなはずが…の設定は、「ローズマリーの赤ちゃん」も意識していそう。 シャーリーズは金髪カーリー、栗色ショートどちらもとびきり愛らしく、得体の知れない存在に次第に追い詰められていく演技が迫真。(こゆ役多し) キアヌは悪魔に狩られる側より狩る側の「コンスタンティン」の方がいいな。 長広舌をふるうアル・パチーノはワルの方が楽しそうに見えます。 (一度ひっくり返してからまたひっくり返すのってどーよ…)[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-15 06:40:05)

12.  クリスマスのその夜に ノルウェーの叙情派ベント・ハーメルの最新作。 短編集を元にしたオムニバス形式ですが、一番描きたかったのは多分ポスターになっているサンタさんのエピソード? 顔の見えないサンタの衣装がこんな使い方をされるとは思わず、切なかったです。 手の届かない人にどんな形でも愛を伝えようとするのは、「ラブ・アクチュアリー」のキーラ・ナイトレイのエピソードにも似て。 国境を越えた愛に動かされる医者、若い頃の友人の女性に出会う不遇な男性の話などもあり、不倫カップルの末路はスカーフを使った無言劇。 子供たちのエピソードもあるのでR15の要素があるのがもったいない気はするけれど、夜空に輝くシリウスとオーロラが、それぞれに思うことのある人々のいる地をやさしく照らしていました。[DVD(字幕)] 7点(2012-12-07 07:00:03)(良:1票)

13.  チャーリーズ・エンジェル(2000) オリジナルTVシリーズ(ファラ・フォーセットがいるファースト・シーズンが好きです)とはうってかわって現代風なチャリエンは、こんなもんかなって感じでした。(3人で「ちゃーりーず・えんじぇる!」って戦隊モノみたいなキメポーズはちとハズカちくないか?) ルーシー・リューは初の東洋系でしたが、ポシャった2011年版TVシリーズにはブラックなエンジェルも。 ビル・マーレイのボスレーはまずまず? クリスピン・グローバーやティム・カリーといった怪優たちも顔をだし、明るいテーマ曲だけは変わらずでノリがいいけれど、デミが悪役の「フルスロットル」ともども出来がイイかどうかはわかんないス。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-12-03 06:50:59)

14.  マーサの幸せレシピ 米国リメイク「幸せのレシピ」にも当然似てますけれど、レストランの厨房でイタリア(系)の男性がかたくなな女性を口説くのは、「恋のためらい/フランキー&ジョニー」にも似て。 ゲルマンの女性との対比がいいのでしょうか。 ヒロインのギスギスした感じはこちらの方が出ているし、異国にいるイタリア人は濃さが中和されて陽気さが引き立ち、イタリア映画よりむしろ魅力が見えやすい気がします。(「ローマの休日」も美容師がいるからいいんですよね、奇しくも同じマリオ) 監督は「ドイツ映画には特色がない」なんてズバッといっちゃうクールな女性。 この映画の「特色」はイタリア色とともにマーサの姪っ子リナ。(美少女でないのがリアル) 寒冷なドイツと温暖なイタリアが地続きなのをうまく使い、リメイクと同じく気持ちのいい作品ですが、こちらの方が地味な分自然な感じがしました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-12 13:51:25)

15.  イングロリアス・バスターズ 面白いけど嫌な映画でしたぁ。 この残虐性は戦争の狂気なぞでなく、ただタランティーノの趣味をバックアップしてるだけだもん。 ナチス映画だけど、名の知れたドイツ俳優さん(ダニエル・ブリュール、ダイアン・クルーガー、ティル・シュヴァイガー)が「いいドイツ人」なのは気を使ったんだろーね。 キャラクターがお国の言葉でしゃべるのはめずらしく、そゆトコは律儀なんだ。 4ヶ国語話せるクリストフ・ヴァルツと綺麗な女鹿のようなメラニー・ロランの映画かな。(美貌を捨て渋面で演技派ねらいのブラピはカラ回り) ヤケに長尺になったのは、テンション高い農家と酒場で自己満足的に引っぱったからだよね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-09-07 10:36:48)

16.  ソウル・キッチン 守りたい場所がある。 彼の場合は手塩にかけたレストラン。 古倉庫を改造して作られたレストランのたたずまいは、それだけで絵になって。 ベルリンはよくドイツ映画の舞台になるけれど、ここは北に位置する第二の都市ハンブルク。 主人公ジノスはギリシア系ドイツ人のオーナーシェフ。 彼と仮出所の兄、ウェイトレス、遠恋の彼女、凄腕シェフ、役人、不動産業者などが入り乱れるドタバタ劇。(必要以上にイターイ映画なので、腰痛持ちの人は見ない方がいいかも) トルコ系ドイツ人監督アキンの若者映画は、乱暴でヤリ過ぎなとこもあるけど不思議な味つけがされ、ジノスの自分の店への真摯な愛着に満たされているのもいいと思う。 ただの雰囲気キャラかと思ってた船長さんにもちゃんと活躍の場があり、ポッチリのお金にも使い道があったりと小技もきいてる。 ただ、さんざん引っかきまわした後で最後はこじんまりまとまった気もして、も少し何かあるかと期待してしまった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-08 07:00:02)(良:1票)

17.  バレエ・カンパニー 「エトワール」(00)のようなバレエ・ドキュメンタリーというより、映画仕立てのバレエ。 クラシックではなくモダンバレエだけれど、女性はトゥシューズをはきレッスン風景はあまり変わらない。本式にバレエをたしなんだ経験があるネーヴ・キャンベルは踊りも遜色なく、共同脚本も手がけた彼女が美人すぎないことでリアリティもあり。 彼女とまだ若いジェームズ・フランコ、芸術監督のマルコム・マクドウェル(貫禄がついてカッコイイ)以外は「ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ」の団員らしく、ふんだんに盛り込まれるステージに見応えがあり、特に嵐の中での野外の舞台はクラシックには見られぬもの。 スケッチ風に描かれるカンパニーの中で、イエローを差し色としダンサーやスタッフに喝を入れるミスターAはいいアクセント、若いコックのジョシュは自分よりバレエを優先しがちなライにストレスを抱えながらも恋人を支える。 おきまりの主役交代劇さえ劇的な演出はされず、当たり前のように見ていられるのは驚き。 ロバート・アルトマンの「ゴスフォード・パーク」を見る人は多くても、こうした作品は「映画としては」とスルーされがちで、同じ系統の「ザ・プレイヤー」「プレタポルテ」ほど知られてもいないけれど、魅力ある作品。[DVD(字幕)] 7点(2012-06-08 06:48:29)

18.  アンダーワールド(2003) ヴァンパイアは昔から映画にネタを提供してきましたが、今世紀はブームといってもいいほどの隆盛。(バートンまで撮るし!) 「月下の恋」(95)でも人間ではなかったケイト・ベッキンセールはヴァンパイア美女が似合いますが、アクションはこの作品が初めてでしたね。 監督と結婚もしたこのシリーズは彼女にとって当り役、厚底のブーツで上背を出しブルー系の映像で肌の白さを強調したセリーンは魅力十分、黒衣のガンアクションはマトリックス風。 レン・ワイズマンの映像センスや現代的なアレンジもよいけれど、どうも陳腐な感じがするのはヨーロッパ的ゴシックを意識しすぎてるせいか。 エリカのソフィア・マイルズなど英国俳優で固めているのはこだわりを感じるものの、美形老人ぶりを買われたビル・ナイの重々しきヴィクターは笑っちゃいそーです。 敵対する狼人族ライカンはCGの視覚効果と昔ながらの特殊効果を組み合わせてリアル、明かされる真実にも意外性がありますが、血で血を洗うような抗争にはウンザリとしてしまい。 マーカスの復活をほのめかすのは続編への布石、次の「エボリューション」と合わせて一つの話なのがわかります。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-06-01 17:55:04)

19.  アレキサンダー 170分余りの大作にして労作。 アキレスやアーサー王ら神話・伝説の人物と違い、生きた人間であり広域へ遠征を行ったアレキサンダー大王の波乱多き生涯をたどる。 語り部であり、物語を書記にパピルスへ口述筆記させる老プトレマイオス(アンソニー・ホプキンス)は、思い入れを持つオリバー・ストーン自身でもあるのだろう。 英雄としてよりも幼少より両親の確執に挟まれ育ったアレキサンダー(コリン・ファレル)の葛藤を出したかったように思われる。 蛇を偏愛する母オリンピアス(アンジェリーナ・ジョリー)と隻眼の父フィリッポス(ヴァル・キルマー)を含めた3人の描写にあまり重みがない気はするけれども。 妻より美しい幼なじみヘファイスティオンとの絆や、インド奴隷に夜伽をさせるなど彼の男色嗜好もほのめかす。 度重なる戦闘シーンには食傷気味だがバビロンは壮麗であり、ヴァンゲリスの曲はしばしば史劇に使われるが単なる勇壮さ以上の効果をあげている。 冒頭と末尾にポンペイ遺跡で発掘されたモザイク壁画にある戦場のアレキサンダーが映し出される。 大きく見開かれた目。 32才と早逝ながら、その目は老人よりも多くのものを見てきたやもしれない。 アレキサンダーの名は彼が理想を夢みた都市に今も残されている。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-28 18:40:15)

20.  リトル・ランボーズ 80年代のイギリス、自分たちで「ランボー」の映画を撮ろうとする少年たちのお話。 娯楽を知らないウィルの唯一の楽しみは、頭に浮かんだイメージを絵にすること、これがすごい。 学校の金魚鉢のところで知り合いになる、おとなしいウィルと悪ガキのリー・ターナー。 彼らの家庭環境がちょっと普通と違うのもあって見ていてダウナーなことも多く、ともに父親がいなくて厳格な信者のウィルのお母さん、弟を召使いにしてるリー・ターナーのお兄ちゃんが難物。 もう一人フランス留学生を放り込んでいて、ディディエは「バティニョールおじさん」「ぼくセザール」の子なんだね、彼のキャラも面白い。 子供の頃「ランボー」が好きだったPV出身の監督のポップな感覚も生かされているけど、映像を見せつける感じではないのが好ましく、新鮮さのあるBGMや使われる曲にもさりげなくセンスが。 楽しいこと辛いこと含みの二度とない夏が輝き、流れる水の中で光る石のような感触。 イギリス映画らしくベタでなく淡々としてるから、ラストが効く。 映画の使用許可を出したスタローンも嬉しかったんじゃないだろうか。 友情と家族愛と子供の夢を描いた素敵な作品。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-18 11:35:14)(良:1票)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS