みんなのシネマレビュー
camusonさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 375
性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12

1.  サラエボの花 《ネタバレ》 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(1992~1995年)から約10年が経過したサラエボが舞台です。凄惨を窮めた戦時の描写はあえて行わず、今なお続く、人の心に残る傷痕に焦点を当てています。母娘の関係、母娘それぞれの人間関係、恋愛などを描きつつ、母vs娘のクライマックスに持って行く流れが、ごく自然で巧みです。静かで間接的な表現が多いため、初見では、今ひとつピンと来なかったのですが、結末を見た後に、背景に関する知識を入れてから見直してみると、なるほど、なかなか細やかな精神描写を見て取ることができます。エンディングは、過去を断ち切って前に進んでいこうとする強さみたいなものが感じられて、すがすがしかったです。監督は女性で、製作当時30代前半と若いのですが、人物の描写に熟練を感じさせます。いぶし銀です。[DVD(字幕)] 7点(2024-06-04 19:18:49)

2.  メトロポリス(1926) 《ネタバレ》 巨大ビルが林立する隙間を高架道路が走るメトロポリスの外観イメージは、ファイナルファンタジーなどで描かれる未来都市とあまり変わらないと思いますが、ビルの内部は、かなり戯画化されていて、ビル上部の生活を支えるために、ビルの地下で、中の人達が一所懸命働いて支えているという構造になっています。物語が労働者と資本家の階級闘争に展開していくあたり、時代を感じさせます。演技はサイレント映画特有のオーバーアクションなもので、皆、狂気じみています。時代がかった様式美と、サイエンスフィクションとの組み合わせが、とても斬新に感じます。2時間半と長い作品ですが、飽きることがありませんでした。それにしても、これほどの莫大な予算が掛かったセットおよび群集を用いた壮大なSF作品がサイレント時代に創られていたということが、何よりも驚きです。[DVD(字幕)] 8点(2024-03-11 17:46:10)

3.  モンスーン・ウェディング 《ネタバレ》 インドの富裕層の結婚式に絡めて、さまざまな人間模様を織り込んでいくヒューマンドラマです。結婚式には、その土地の、夫婦のあり方であり、家族のあり方であり、コミュニティのあり方であり、土地の風俗でありが凝縮されているので、面白くないわけもないわけで。まあ鉄板です。登場人物は、我々が想像する典型的インド人よりも肌が白い人が多く、白人との混血が多そうなのですが、実際に富裕層に混血が多いのか、役者層に混血が多いのか、キャラを立たせるため役者を選んだら、そうなってしまったのか、よくわからないところです。イギリスが統治していたので、イギリス系との混血はあるのでしょうが、以外とラテン系が混じってるのではないかと感じました。嫁の親父などはちょっと南米系の顔立ちで、言うなら古谷一行です。嫁の母親などはほとんど白人で、言うなら木の実ナナです。かと思ったら、メイド娘が松尾嘉代だったりと、挙げたらきりがないのでやめますが、やたらと国際色が豊かな感じです。すごく・・・バタ臭いです。[DVD(字幕)] 6点(2024-03-05 18:42:12)

4.  ターミネーター3 《ネタバレ》 細かい設定はともかく、アクションはそこそこ笑えて、良かったと思います。ただ、感情面での盛り上がりがほとんどなく、前作と比べると作品としてのオーラが全く感じられないというか、時代に乗っかった勢いであるとか、周りを巻き込む力とか、何か憑き物がとれたように、まったくなくなっていたことに妙に感心。[地上波(吹替)] 4点(2024-03-05 18:38:29)

5.  麦の穂をゆらす風 《ネタバレ》 舞台は1920年くらいのアイルランド。アイルランド独立戦争と休戦条約締結後のアイルランド内紛を扱っています。青々とした草に覆われているものの、どこか寒々しい感じがするアイルランドの片田舎。草木の緑だけが鮮やかな原色で、人の生活にかかわるものは、落ち着いた褐色。そんな片田舎にも英国軍による支配の手が伸び、反抗的な者が次々と殺されていく中、暴力には暴力で対抗するほかないと、独立闘争に身を投じていく男達が描かれます。密告により、主人公一味は英国軍に一網打尽にされてしまいますが、主人公の兄に対して行われた、ペンチで手の爪を剥ぎ取る拷問には、思わず身がよじれました。人体破壊としては、最も軽い部類にもかかわらず、痛さ100倍ってのが、つくづく不思議な器官です。いろいろとあった後、殺し合いが過熱したところで、休戦条約が結ばれますが、軍隊による暴力的支配から、非暴力的支配への移行という妥協案に対して、条約を受け入れて、段階的に独立に向かおうとする条約賛成派=国防軍と、死んでいった戦友の意志を背負い、一気に独立を勝ち取ろうとする条約反対派との対立が生じます。民衆がひとたび武力を手に入れてしまい、なまじ独立戦争を戦って、殺さなければ殺される状況が日常化していたため、個々人の意志が凛々しいまでに強く、しっかりしているほど、コントロールを失ってグダグダになるという。結果、独立戦争を戦ったもの同士による殺し合いに発展します。世界中で起きた、または、起きている内紛も、似たようなケースは多いんだろうなあと感じました。[DVD(字幕)] 6点(2024-02-01 17:35:16)

6.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 ビョークが演じる主人公は、ミュージカルダンサーに憧れ、工場で働きながら、劇団で練習を積む毎日を送っているのですが、遺伝的な目の病で、日に日に視力を失い、1年以内には失明するという設定です。序盤の隣人との関係のごく自然な感じが好きです。工場での労働の姿は、今にもプレス機に手を挟みそうで、危なっかしくて目を背けたくなります。ミュージカル映画なので、登場人物が急に踊りだしたりするのですが、それはあくまで目があまり見えない主人公の妄想であって、現実世界とははっきり区別されています。現実世界と妄想世界との対比が面白いです。ミュージカルが苦手であっても、ミュージカル好きの妄想なら仕方ないと、受け入れることができます。中盤で主人公が犯罪に巻き込まれるのですが、そこからの主人公の行動が、すべて主人公が不都合になるようなご都合主義です。見てて歯がゆくなってきます。この部分がもうちょっと納得できるものなら傑作だと思うのですが。エンディングの余韻の部分で、頭に浮かんだのは、右記に示すイメージでした。J( 'ー`)し[DVD(字幕)] 7点(2024-01-24 18:19:58)

7.  過去のない男 《ネタバレ》 おやじ狩り的な暴漢に襲われて、記憶を失ったおじさんが、貧困コミュニティの中で生活し、おばさんに恋をするといったお話。時代設定は、金属製のオシャレな便器や、医療器具などを見るに現代なんでしょうけど、少し黄ばんで粒子の荒い、でも空だけはやたら綺麗な映像が、どこか郷愁を誘います。冒頭で理不尽な暴力がある以外は、底辺社会での男の生活を追う静かな作品。どこか小津作品を感じさせます。ご都合主義のジェットコースター的な展開からは最も遠い位置にあると言えます。それだけに、序盤の非現実的なコメディー描写が必要だったかどうか疑問です。この作品に描かれる貧困が、フィンランドの現実社会をどの程度反映しているのか、こちらに知識がないために判断できず、途上国の作品で描かれる貧困ほど、有無を言わせぬ強烈な切実感がなく、そういったところで、どうしても印象が薄くなってしまうんですよね。人間を疎外する硬直的な社会システムがテーマの一つと考えられますが、記憶がないというのは特殊ケース過ぎて・・・本来手厚い福祉社会システムの中で、どういう人間が網からこぼれて貧困に陥るのかの方に興味が行ってしまいます。ドキュメンタリーじゃないので、それを求めるのは違うかもしれませんが。[DVD(字幕)] 5点(2023-09-05 19:54:21)

8.  ウィスキー 《ネタバレ》 ウルグアイのしがない中小靴下工場のオーナー工場長(兄)のもとに、ブラジルに打って出て、靴下工場で一山あてた弟が、久しぶりに故国に戻ってきて再開することに。独身の兄は、幸福な結婚を偽装するために、長年勤めた女従業員に妻役を演じることを依頼するが・・・といった話。兄、弟、妻役の何とも言えないぎこちなさの機微をうまく捉えています。巨匠を思わせる渋く落ち着いた作品だなぁと思って見ていたのですが、監督は30歳の若者と聞いて驚きました。本作品公開の2年後には自殺したとのこと。惜しい才能を亡くしたものです。[DVD(字幕)] 7点(2023-08-22 19:13:42)

9.  アメリ 《ネタバレ》 少女時代に、勉強はすべて母親に自宅で教えられ、学校に行かせてもらえなかったため、友達ができず、コミュニケーション障害ぎみの若い女性が主人公です。基本コメディーで、主人公がコミュ障ゆえに話してコミュニケーションを取る代わりにいたずらをするという設定なのですが、どちらかというとコメディーを成り立たせるための後付け設定で、コミュニケーションをテーマに深く掘り下げるという姿勢はなく、切実感やリアリティとは全く無縁で、最後は恋愛成就のハッピーエンドとなっています。そんな中で、コメディーの主たる部分が、「そのいたずら犯罪ですから」と苦笑いしながら突っ込む程度しか楽しむすべがないのが辛いところでした。色恋についても途中すっとぱしてバッコンという感じで、設定とマッチしてないような気がしました。風変わりな脇役達の雰囲気は悪くなく、話の転がし方は巧みで、特に証明写真にまつわる日常系ミステリを絡めた部分は見事なのですが。[DVD(字幕)] 4点(2023-08-03 20:05:16)

10.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 ユダヤ・ハンターの異名を持つナチス高官による捜索&虐殺を逃れて一人助かった少女による復讐劇と、バスターズと呼ばれるユダヤ人ナチス狩り部隊(仮想)によるヒトラー暗殺計画とが同時進行し、最後に両者が重なりクライマックスを迎えるという流れです。第1章のユダヤ・ハンターがフランスの酪農家を訪れるエピソードがとにかく素晴らしい出来です。これでぐっと映画の世界に引き込まれました。そして、その後の展開も悪くないのですが、終わり方がいまひとつのような気がしました。観客の予想を裏切ることと、印象的なシーンづくりに重きを置いたのでしょうが、もう少しシンプルに復讐劇に決着をつけた方が、感情的に盛り上がったような気がします。結果だけ見れば目的は達成されたのでしょうが、各々の思惑と行動、およびその結果が混然としてしまい、混乱とフラストレーションが残ってしまいました。[DVD(字幕)] 8点(2023-07-28 18:37:42)

11.  カリガリ博士 《ネタバレ》 独特にゆがんだセットのデザインが、前衛芸術としての心意気を感じさせます。サイレント独特のメイクや表情は、メトロポリスを思い出しました。予想していない終わり方でしたが、あまり驚きはありませんでした。あれ、どっちが本当なのかな?くらいの感想で、どんでん返しとは捉えなかったです。当時としては衝撃的だったのかも知れませんが、今となってはありがち過ぎて使わないオチですしね。DVD(淀川長治解説映像付き)購入視聴。淀川長治の見る前からネタバレしそうな勢いの解説ワラタ[DVD(字幕)] 4点(2023-06-16 18:51:46)

12.  ルワンダの涙 《ネタバレ》 公立技術学校に英語教師としてルワンダにやってきた英国人青年の目を通して、まずは校内での平和的な交流が描かれますが、フツ族であるルワンダ大統領の暗殺を機に、フツ族によるツチ族の虐殺が始まり、これまで親しく接してきた友人が虐殺加害者に変貌する様、虐殺を前になすすべのない国連軍が難民を見捨てて撤収する様などが描かれて行きます。主人公も残るべきか撤収するべきか決断を迫られます。虐殺者達はもはや民兵ではなく、フツ族一般民衆が鉈や棍棒を持って、ツチ族をなぶり殺している状況で、狂気の沙汰ではあるのですが、種族団結の高揚感を共有するための行為として瞬時に一般化されてしまう、恐ろしくも、不思議な感覚に捕らわれました。あり得ることだなと納得できるリアル感がありました。虐殺を生き残り、九死に一生を得た人たちが、スタッフとして製作に関わっていることが、作品のリアリティの獲得に大きく貢献していると思われます。[DVD(字幕)] 8点(2023-06-16 18:37:37)

13.  ヒトラー 最期の12日間 《ネタバレ》 約3時間の長編です(エクステンドエディションです。劇場公開版は約2.5時間と少し短いようです)。ヒトラーが地下要塞の一室で怒号する有名シーンは、意外と早く40分あたりです。字幕を見つつ、意味を追いつつだったので、「畜生め」以外全部聞き逃してしまいました。巻き戻して、「ぷる~んぷるん」「スターリン」「柴田さん」などを無事確認し、安心しました。お話しの方は、史実に基づいているので仕方が無いですが、一本調子で、とにかく長いです。長すぎです。始まりの段階で、ヒトラーはすでに追い詰められ、くたびれていて、割と早い段階で、自殺を覚悟してしまうので、話のメリハリがないのですよね。史実としてはとても興味深いのですが、どうしてもダレてきます。ゲッベルスが、眼窩の奥に沈んだ白目のないヤバイ目をしています。恐いです。特筆です。[DVD(字幕)] 6点(2023-05-19 17:55:37)

14.  ラン・ローラ・ラン 《ネタバレ》 20分後に10万マルクを工面しないと殺される彼氏のために、走りまくる女性ローラの話。無限にある可能性の中の3つのカケラの話。各カケラの序盤にアニメが挟まっていて、このアニメが雑で下手なのが、また、いいリズムと味を出しています。一番感心したのは、ローラが激走中に遭遇した人の未来の運命を、十数枚の連続写真でチラ見せするというアイディアです。ローラがリセットを繰り返すことにより、ローラの運命だけでなく、激走ローラの周りの人達の運命をもピタゴラスイッチ的に、バタフライエフェクト的に変えてしまうことを端的に示すだけでなく、アクセントとしても有効で、更には、チラ見せ運命は笑える結末が多く、爆笑の連続でした。まったく飽きずに最後まで楽しめました。また、機会があったら見たいくらいです。独語原題は「Lola rennt」、英題が「Run Lola Run」。今気づいたのですが、英題をつける際「能登かわいいよ能登」構文を採用したことが成功の秘訣だったのかも知れません。[DVD(字幕)] 8点(2023-05-17 20:23:21)

15.  グッバイ、レーニン! 《ネタバレ》 (あらすじ)東独に住む主人公の母親は、夫に西独に逃げられ、その後、その寂しさを紛らわすかのように、社会主義教育に傾倒していく。→反体制デモに息子(主人公)が参加しているのを目撃し、ショックで倒れ、昏睡状態に陥る。→ベルリンの壁が崩壊する。→母親目を覚ますが、大きなショックを与えると命が危ない。→主人公、母親に精神的ショックを与えないように、体制が変わっていないと嘘を付き通すことにする。 というような話です。基本喜劇なのですが、終盤、東西分断によって狂わされた人生の悲劇が露わになりグッときます。ただ前半の喜劇部分が、善意とは言え、人を欺していることもあり、スカッと笑えないのですよね。であれば、もう少し主人公の苦悩や葛藤を交えた方が自然だったような気がします。だまされる母親役がよく演じられていて、印象的でした。[DVD(字幕)] 6点(2023-04-18 20:43:41)

16.  春にして君を想う 《ネタバレ》 アイスランド映画。大きく3つのパートにわかれています。(1)田舎住まいの独り身の爺さんが、娘家族の住む都会のマンションに出てきて暮らす。(2)マンションでは家族に疎んじられ、老人ホームに移り暮らす。(3)老人ホームでたまたま出会った幼馴染みと故郷の廃村に向けて逃避行する。(1)では、「東京物語」のような、田舎から出てきた老人が、子供家族に疎んじられる内容かなと思ったのですが、(2)で、いきなり老人ホームに場所が移り、今度は、老人ホームでの様々な問題を扱った内容かなと思ったのですが、(3)で、ほどなく、幼馴染みの婆さんと一緒に車を盗んで、故郷への逃避行に出発しロードムービーになるといった具合です。季節は春なのか夏なのか(邦題からすれば春なのでしょう)、雪や氷には覆われていないものの、樹木が育つ環境にはないようで、大地は草に覆われています。その草も、葉緑素が薄く、光が透過しやすいためか、蛍光ペンのように鮮やかな色をしていて、どこか寒々しい。海は荒く波しぶきを立て、大地に靄をもたらしていて、どこかシットリ、ヒンヤリ感があるとういう、独特の自然風土が面白いです。テーマを絞って、深掘りすることはないのですが、だからといって軽薄になることはなく、アイスランドの厳しい自然、辺境、最果ての土地が持つ寂寥感と相まって、渋くて深い味わいが得られているのですよね。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-26 15:40:06)

17.  独裁者と小さな孫 《ネタバレ》 とある国の調子こいた爺さん独裁者と、更に調子ぶっこいた孫男児の話です。独裁者が、官邸から街を一望しながら、電力停止の命令を発すると、街の灯りがすべて消えて真っ暗になり、孫も大喜び。孫にも同じように命令させて、何度もやっているうちに灯りが付かなくなります。ついに、反体制分子が蜂起したようです。独裁者は家族を先に自家用飛行機で国外に逃がしますが、孫息子だけは、爺さん独裁者と一緒に残るとダダをこねます。すぐに家族の後を追って国外逃亡するつもりが、味方と思っていた軍も反体制派に寝返ったので、官邸に戻れなくなり、国内を逃亡することになります。変装して、流しの興業者を装いつつ逃亡している間に、悪政によりすさんだ社会と、自分に対する不平不満を見聞きしてしまう という内容です。とてもシンプルな内容ですが、体制は、時が来れば、信じられないくらい簡単にあっけなくひっくり返るものであるという感じが良く出ていて、なるほど実際こんな感じなんだろうなぁと思いました。甘やかされて育った孫の、状況を飲み込まないお花畑なバカさ加減に、鬱陶しさが募っていき、しまいには殴りつけたくなってきます。まあ、それだけよく演じていると言うことができます。序盤だけ出てきて国外に逃げてしまう仲が悪くて罵り合う美人姉妹が、結構好き。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-06 19:16:16)

18.  ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 《ネタバレ》 原作既読です。かなりボリュームがある原作を2時間半におさめているので、全体的に原作に比べると薄味な印象がありますが、映画単体としては、バランス良くまとまっていると思います。映像の雰囲気は悪くないのですが、もう少しクローズドサークルのミステリを解くというワクワク感やゾクゾク感が感じられればなと思いました。原作そのものが、後半尻すぼみな印象があって、基本原作に忠実なので、その部分は致し方ないかなと。配役としては、リスベットにもう少し秘めた華が欲しいかなと思いました。[DVD(字幕)] 5点(2023-03-02 20:11:56)

19.  ルムンバの叫び 《ネタバレ》 冒頭、死体となったルムンバが、語り部となっているのですが、何が何やらで、わかりづらかったです。死体からはルムンバの特徴である眼鏡が外されてしまっていて、顔もはっきり写されないので、後に出てくるルムンバと同一人物だと気付けなかったし、そもそも、なんの前触れもなくいきなり死体がナレーションを始めるとは思わないので、ただのナレーションだと思ってきいていました。作品を見終わって、いろいろな知識が得られた後に冒頭のシーンを振り返れば、演出としてけっして悪くはないと思えるのですが、もうちょっと、わかりやすいうまいやり方があったかなと。ルムンバが殺害された翌日には、土に埋められた死体は掘り起こされ、硫酸で溶かされたというエピソードがあるそうで(wikipedia調べ)、もともとそういう知識がある人が見ればまた違うのかとは思います。現地人による、いろいろな政党、政治勢力があり、権力争いをしているという構図が描かれています。100年ほど前に国王が暴虐の限りを尽くしていたことを考えるに、独立前なのに、それなりに教育が行き渡り、そこそこ民主化が進んでいたのだなと言うのが率直な感想です。主人公を演じた役者は、眼光鋭く、弁も立ち、写真で見る限り、本人に似ているようだし、適任者だったと思います。[DVD(字幕)] 6点(2023-02-25 17:25:31)

20.  裏切りのサーカス 冷戦中のヨーロッパが舞台で、いかにもヨーロッパらしい色見のない渋味のある街の景色、IT化前のモダンなオフィスインテリアなどが興味深く、映像的には飽きることがありませんでした。ということで良質な映画だということはわかるので、気力を集中して鑑賞したのですが・・・なかなか頭に入ってこないんですよね。結構早い段階で、初見ですべて理解するのは無理だとあきらめてしまいました。登場人物が多く、でもそれぞれがあまり大きな役を負ってなくて、キャラが立っているわけでもなく、しばしば回想場面が挿入されるので混乱させられるし、リアルタイムでの緊張感があまり感じられない。そして、結局のところ、諜報組織のうちわもめという、とても狭くて閉じた世界の話なので、迫ってくるものがないんですよね。エンターテインメントとしてみると、消化不良です。だからといって、もう一度見たくなるようなミステリアスな謎も感じられない。でも、雰囲気は嫌いじゃないし、ロシア娘はイイ![DVD(字幕)] 5点(2023-02-17 18:03:07)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS