|
1. しあわせな孤独
すごく切ないですよね。ヨアヒム、セシリ、ニルスにその妻、そしてその娘。実に正直なストーリーであったと思います。そしてその一人一人の立場、その状況において もしも自分がその立場になってみたならって事を想定したならば、きっと自分だってあの通りになってしまってただろうな なんて思ってしまいます。特にヨアヒムがセシリを遠ざけてってしまった気持ちなんて痛い程によく分かりますし、自分がニルスであったとしたなら、それもそれできっと我を現実をも忘れてしまってああなってしまったのではないかと思います。そしてセシリにしてもそう・・。 そうね、例えるならこの関係というのはきっと食物連鎖のようなものなのではないでしょうか。末恐ろしいですね。現実に有りえそうな事だし かといってその世界に足を踏み入れてしまったならもうどうにも抜け出せそうになくなってしまうのだろうし 挙げ句の果てには本当に最愛のひとなんて失ってしまいそうだし、ほんとにもう 悲しい事だとは思うのですが、やはり自然と食って食われての世界になってしまうのではないでしょうか。ほんとにもう、これは人間の性なのです。それが私たちが生きている社会なのです。事実なのですから仕方がないのです。 そして、そんな人生上での厳しさやら絶望感やら虚しく行き違えてしまう愛情表現やらを、この作品では実に上手い事完璧に表してくれているのではないでしょか。あとはこの物語の成り行きについての良し悪しという判断は、全て私たちに任されているのです。そんな意味ではもっとたくさんの方のご意見が聞いてみたいな なんて思えてしまう作品である事しかりなのです。そんな意味もあって私はこの作品が大好きです。ひとりひとりの人物が語る際の間の取り方や、寄り過ぎではないかなとも思えてしまう顔のドアップやらその表情の撮り方や、とにかくこのカメラワークだって全て素敵に思えてしまったのです。大好きです。10点(2005-03-09 00:56:51)(良:1票)
2. シージャック(2012)
《ネタバレ》 身代金:1500万ドル。
応じられる金額:25万ドル。
2桁ほども違うこの金額の差やいかに? 船乗員:ミケルたちの運命は?
歯がゆい展開でしたね
そして悲しい結末。
カメラは乗っ取られたローゼン号の船内と、
その船を乗っ取られた船舶会社の幹部たちが集まる会議室、そのほぼ二箇所を往復。
狂気に満ちた船内と、机上の計算に徹し、一喜一憂してゆく会社という母体 そのアンバランスさを上手いこと浮き立たせた上手い撮り方 なかなか上手い見せ方であったと思います。
ただし、リアリティー系のサスペンスとして少し疑問が残り、腑に落ちない面が数点有ったことも事実です。
①なぜ、怪しい船の猛接近に気付きながらも防犯対策がとられなかったのか
②なぜ、あんなに小さな海賊船の海賊どもの乗り入れを船上から防げなかったのか
どんだけ無防備なセキュリティシステムになっていたのでしょうか
それがローゼン号の価値ってことなのでしょうか
それならそれで成るべくして成った結果 起こるべくして起こった結果だったと言えるのではないでしょうか 悲しい事実です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-07-13 09:13:49)《改行有》
|