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1. カスパー・ハウザーの謎
《ネタバレ》 文明批判の名手、ヘルツォークが冴える。
今話は、ずっと牢にいた男が、言葉を覚え、本当のことをドンドン言って、周囲を驚かせ、
最後、殺されて、解剖され、やっぱり人と違うよ、この人は、と皆が安堵するという話である。
痛烈な風刺である。
論理学の先生とのやり取りが痛快である。
二重否定の論理より、カスパーの方が、ずっと明解なのだ。
あと二つの夢。
みんなが山を登ると、頂上には死神がいたという話。
もう一つは、砂漠での隊商の先頭は盲目の老人。幻影に惑わされず、町にたどり着くのだが、
その町は・・・というとこで彼の話は終わる。
どれも、文明の先にある不安を言い表しているようだ。
しかし、文明批判の展開が進む中、流れる曲はカノンというのは、変な気持ちもした。[ビデオ(字幕)] 7点(2021-04-29 17:34:54)《改行有》
2. 合衆国最後の日
《ネタバレ》 あんなラストの映画をよく創ろうと思ったね。信じられない。ベトナム戦争の影響を受けて、生まれたニューシネマという映画文化。この映画こそニューシネマと呼ぶのに相応しくないだろうか?何故この映画はニューシネマを紹介してある書籍などに載ってないのだろう?レビュワーの皆さんがここで書かれている様に、ホントこの映画はポリティカルサスペンス映画というのに相応しい。それに政府の意思決定段階をここまで人間くさく描いた作品はそんなにないのではないだろうか?特にラスト。大統領の最後の頼みにも、簡単に情にながされない、あのメガネの国防長官。大統領を描いたアメリカ映画は多いが、こんなのはじめて。大抵の映画は大統領万歳って感じのばっかりだもんね。最初はルメットの「未知への飛行」に似ていると思ったが、やはりアルドリッチ監督。一癖も二癖もある人物を配していて、面白い映画にしているよねぇ。[DVD(字幕)] 7点(2010-03-18 03:33:03)
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