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1. シェルブールの雨傘
《ネタバレ》 全編、セリフが歌。
ミュージカルは数あれど、ここまで、歌に徹してる映画は稀。
でも、これが飽きさせない。
キレのいい音楽も混ぜ、何となく「ラ・ラ・ランド」の演出のヒントにも
なったのではないか?と思った。
それにしても、カトリーヌドヌーブ、お美しいですね~
我々の世代では、おばちゃんのドヌーブしか知らないから、
実世界での周りのおばちゃんたちも、若い頃は相当きれいだったんだろうなっと。
オゾンの「しあわせの雨傘」と比べて観ると、面白いデス[ビデオ(字幕)] 7点(2024-08-22 15:42:40)《改行有》
2. 地獄に堕ちた勇者ども
《ネタバレ》 かねがねビスコンティの女性像はおかしいと思ってはいたのだけど、この映画はそんな歪んだ女性像から発展した、歪んだキャラクターを主人公に置いている。フリードリッヒの狂気は凄まじい。「時計仕掛けのオレンジ」並みの狂気だ。しかもそういう狂気をユーモアを混ぜず、ストレートに描いてくるから、始末におえない。ビスコンティが狂っているか、彼の属した貴族社会が狂っているか、どちらかだ。多分、ビスコンティがおかしいんじゃないかなぁ。でも恐るべきは、彼は歪んだなりに、映画としての体をなしているかのような作品を創り上げる、その気品だ。歪んでいても、しゃんと立っている貴族のプライドというか・・。ビスコンティが自分でも気づいていたとしたら、天才だね、こりゃ。[ビデオ(字幕)] 6点(2017-08-08 00:47:53)
3. シテール島への船出
《ネタバレ》 アンゲロプロスは、現実の場所に寓話性を見出し、それを見事に映画化してしまう、凄い監督。先に「こうのとり」を観たが、あそこでも、国境の川を見事に政治映画にしてしまう、その手腕は見事。ここでも港湾にその感性を発揮。どこの国にも、困った人というのはいるもので、この映画は、このお爺ちゃんがそう。生まれが難民だったと劇中、説明があるが、その根なしぶりは、革命活動中にも3人の子どもをつくってしまうところにもうかがわれる。結局、こういう人は、地域にも警察にも国にも、困った人で、挙句の果てには、「国際区」という海に浮かぶ小さな箱みたいなとこに押しやられる。こういうのが実際、あるかどうかはともかく、これが非常に寓話性に満ちてて、映画的に面白い。アンゲロプロスの対談を読んだが、役者に無理な注文したり、嫌なジジィという感を受けたが、案外、この監督の目には、世の中、詩情たっぷりで、楽しい世界に映ってるのかもしれない。見事な政治映画を創る手腕は、もっと乱世の世に発揮されたほうが評価高まったかもしれない。ここにはクリストッツァの「アンダーグラウンド」のような怒りは、感じられなかった。静かな、幸福な映画だった。これも。[DVD(字幕)] 8点(2015-02-12 00:11:27)
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