|
1. ストーカー(1979)
《ネタバレ》 成る程、ほとんどの人が最後の部屋まで辿り着けないのは途中で眠くなってしまうからですか。と、冗談はさて置き、これほどしんどい映画もありませんでした…。恐らくはもう二度と観ないでしょう(とは断言できないものの)、本当にただ散歩しているだけの映画ですからね。↓【エスねこ】さんの仰る通りまさに命がけのピクニック。たまに横になってゴロゴロしたり、たかがトンネル如きでビクビクしてんじゃねえぞ!と思わず喝を入れてやりたくなりました。しかし物語前半の廃墟のイメージには思わず失神しそうになるぐらいの美しさ。ユーリ・ノルシュテインの『アオサギとツル』、もしくは『話の話』を彷彿とさせます。劇中にはハリウッド最先端のCGや超自然現象も無く、特別凄いセットが組まれているわけでもないのにそこには確かに"ゾーン"という聖域があり、その奥には何でも望みが叶う"部屋"が存在するという圧倒的なリアリティが備わっています。よくよく考えてみればこれほど馬鹿らしい話もありませんからね、大の大人三人が子供騙しのトラップゲームに参加する。それなのにここまで観客を自分の世界へと引きずり込んでしまうタルコフスキーってやっぱりヤバイ。最終的には自分もゾーンに魅せられてしまいました。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-09-02 19:06:06)
2. ストレンジャー・ザン・パラダイス
《ネタバレ》 この映画の登場人物たち、1時間半の上映時間の中で楽しそうにしている場面がほとんど無い。さしずめウィリーとエディがエヴァのバイト先を訪ねて来たところぐらいか。後半のバカンスと言ってフロリダに行くシーンでも、全くと言っていいほどバカンスを楽しんでいる気配がなくて笑えてくる。そんな若者たちの日常を描いた映画なんてカッコ悪そうにも思えるけど(実際カッコ悪いっぽいけど)、ワンシーン・ワンショットが実に面白可笑しくカッコ良く、どの場面を取っても必ず絵になるような構図になっているのが凄い。さすがカンヌ国際映画祭カメラドール受賞。劇中に「晩春」や「東京物語」といった名前の競走馬が出てくる辺りでまた、ジャームッシュが小津安二郎などの監督から影響を受けていることがよく分かります。7点(2004-01-27 22:41:44)(良:1票)
|