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プロフィール |
コメント数 |
1276 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。 【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。 【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。 5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。 また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。 |
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1. リコーダーのテスト
《ネタバレ》 長編映画「はちどり」で評価された監督が8年前に撮っていた短編で、今はその映画の前日談のように扱われている。原題は直訳すると「リコーダー 試験」である(そのままだ)。
劇中年代は1988年とのことで、教室に貼られたオリンピックのポスターにマスコットキャラのトラが見えていた。当時はTVでマラソン風景など見ていて、日本と似たような国がすぐ隣にあったのだと初めて気づかされた気がしたが、しかしその後は共感よりも違和感の方が拡大していったというのが、当時から生きている日本人としての素直な印象である。
内容的には家族構成や役割が「はちどり」とかなり似ていて、これが前日談とすると6年後にもまだ同じことをしている懲りない人々(特に姉)という変な印象になってしまうが、「はちどり」がこれのリメイクまたは発展形だと思うのが正しいらしい。父母の言動などから後作よりさらに殺伐とした雰囲気が出ているが、それでも最低限のところでつながりが保たれている家族を描いたように見える。
物語の結末としては、主人公がいろいろ悩んだにも関わらず、学校側にとっては大勢の中の一人でしかなかったのが理不尽だったようでもある。しかし、主人公がリコーダー試験を頑張ろうと思ったそもそもの動機は父母に注目されたいということであって、それは事前にある程度実現されてしまっていたので、発表の結果自体はもうどうでもよかったとも取れる。喧嘩したと思った友人もちゃんと主人公を応援してくれていて、こんな世の中にも救いがなくはないといいたいようでもあった。
なおその友人は裕福な家庭の子だったようだが、主人公とは隔絶した上流階層というわけでもなく、そのうちみんながその程度の暮らしを実現でき、社会全体も優しい方へ動いていくかも知れないという希望が見えていたようでもある。個人的には、日本の高度成長期の始まりを描いた「キューポラのある街」(1962)を思い出したが、国も劇中年代も制作年代も違うので、そういう受け取り方は変かも知れない。
キャストに関しては、主人公は当然「はちどり」とは別の子役だが、けっこう美少女なので学校内で目立ちすぎるのではないか。美少女でないと映画にならないのだろうが。
ほか雑談として、茶碗の米飯をスプーンですくっていたのも「はちどり」と同じだった。箸は何かをつまむためのものという感覚かも知れない。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2022-03-05 09:41:17)《改行有》
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