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プロフィール |
コメント数 |
1252 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。 【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。 【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。 5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。 また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。 |
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1. ロスト・メモリーズ
《ネタバレ》 日本がらみの歴史改変物語である。2009とは伊藤博文暗殺から100年後の意味らしい。
合作というだけあってそれほど激しい怒りを感じるところはないが、それは見る側の慣れもあるのと(最悪なのは他にある)、日本人との友情や日本人の家族愛も描写されるので悪印象が緩和されている面はある。
突っ込みどころはいろいろあるが最も困るのは、制作側がいったい何をもって“正しい歴史”と考えたのか理解できないことである。
まず映画の開始時点では、[A]伊藤博文が暗殺されなかったため?日本が第二次大戦の戦勝国となり、半島も満州も領土として維持したまま2009年に至った世界である。これを耐えがたいものとして主人公らが改変したあとの歴史は、[B]伊藤博文が暗殺されたため?日本が第二次大戦で敗れ、以降も現実世界と同様に推移したが、2008年に南北が統一され(どうやって?)、強大な経済力と軍事力によって「アジアの手本」となり、さらに高句麗の領土回復運動を起こした世界である(中国から見れば侵略的発想)。
このうち[B]は、2008年以降は向こうの立場として正しいのかも知れないが、しかし[A]であっても劇中の京城府は東京なみに繁栄しており、別に日本が植民地的に収奪してきた世界とも思えない。朝鮮戦争もなく、南北も分断されずに半島全土が豊かになっていたのだろうから、その状態から独立運動でも起こして[B]の2008年以降に繋げば一番都合がいいのではないか?
それでも[B]が正しいと制作側が思ったとすれば、やはり日本に原爆が落ちて惨めに敗れた(自分らは戦勝国になった?)ことが不可欠であって、そのためには朝鮮戦争の惨禍も南北対立の歴史もあえて受け入れる覚悟と思うしかない。要はプライドの問題ということだろうが、他国の支配を嫌うのであれば、19世紀後半まで遡って自らその身を正すのが筋だろうと個人的には思った。日本にできたことができなかったはずはない。
ちなみに現代の感覚だと、過去に遡って歴史を改変した場合、単にそこから別の歴史が分岐するだけで、元の歴史はそのまま別世界として残ると考えるのが普通ではないか。唯一絶対の正しい歴史などはないと思わなければならない。
以下雑談として、
○上記[A]はなぜかポカリスエットが蔓延する世界だった。
○日本語の発音が不得意な人物はみな現地出身者という意味か。局長の金田という男は内地出身かも知れない。
○花火の場面では、日本人の子役が日本風に可愛らしいので、他はどうでもこの子だけは無事でいてもらいたいと思った…こんな場所にいては制作側に殺されかねないので早く内地へ引き揚げろ。[DVD(字幕)] 5点(2019-12-14 08:58:08)《改行有》
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