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【製作国 : 韓国 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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21.  シュリ けっきょくこういう映画が作られるようになったということは、韓国でも南北分断の悲劇がもう生々しいものでなくなってきた、ってことでもあるか。娯楽映画として楽しめちゃう。町の男が実は情報部員、その恋人が実は北の潜入暗殺者、って、なんか市井の隣人が実は歴史上の大人物っていう歌舞伎の世界みたい。しかしまったく借り物のテーマってほどには歴史になりきってなくて、そこは不真面目には扱えない重みもある。そこらへんがうまく釣り合ったのではないか。「北の兄弟が飢えているとき、南はゲロ吐くほど飲み食いしてる」なんて北の人物に言わせている。愛しつつも敵になる、と民族愛を恋愛に変換しているのだ。[映画館(字幕)] 7点(2008-10-16 12:11:21)(良:1票)

22.  ペパーミント・キャンディー 「前向きに生きよう」なんて言葉を気安く使うな、という凄味がこの映画にはある。なにしろ「後ろ向き」が中心モチーフだ。「後ろ=過去」の復権、「後ろ」の重さ、「後ろ」の開き直り。20年をさかのぼっていく旅は、そりゃ暗い。最後に光州事件に至る韓国の現代史だもん。過去へ過去へとさかのぼった記憶の旅は、最後に一個のペパーミントキャンディーに結晶する、「人生は美しい」って。だからドラマの伏線も普通の因果関係ではなく、まず「果」が現われてから、「因」に至っていくわけ。これじゃ、何もかももう取り返しがつかないわけだ。過去のどこにも選択の間違い(あるいは選択の余地)はなく、すべてはゆっくり損なわれるように決定されていた、ってことを確認するための遡行。敗北主義とか、自己憐憫なんて言葉も浮かぶが、でも人生って、自己憐憫には値するのではないか。[映画館(字幕)] 8点(2008-09-03 12:11:26)

23.  美術館の隣の動物園 韓国の理想の男像って、ゴツッとしたモロ師岡タイプのようだ。民族によって“いい男”はずいぶん変わる。女優のほうは桑野通子似で理解可能。ケンカで始まるラブ・コメディと、いたって平凡な枠組みだが、ポイントはふたりで作るシナリオの映画中映画が入るとこ。それぞれの空想の中で、ふった女・憧れの男が演じてる。この部分はスタイリッシュな構図で、まさに“夢”のように描かれる。ツンケン女が自転車を蛇行させる内気な娘になり、議員秘書が天文学趣味の獣医になる。ラストで映画中映画とこの二人が融合するあたりが映画ならではの楽しみ。[映画館(字幕)] 6点(2008-08-31 11:10:55)(良:1票)

24.  スプリング・イン・ホームタウン 韓国の『非情城市』って感じ。民族にとっての悪い時代を可能な限り美しく描こうとする映画。ロング主体の非説明的映画なので、たぶん読み取れていないところも多いだろうが。米軍の洗濯物を引き受け羽振りが良くなっていく主人公の家。洗うこと、洗っても消えない汚れのことがテーマとなっていく。父さんが朝鮮戦争の戦況を気にしていたのは、米軍の撤退を気にしていたからで、自民族が殺し合っている悲劇には無関心だった。父さんの赤ペンキの汚れはけっして消えない。消えない記憶の汚れは焼かなければならない。歴史とは、こういう洗い落とせない汚れが堆積したものなのだろう。少年の目を通過することによって、特定の時代の悲しみが人の世の哀しみにまで普遍化された。もっぱら夏の映画なのにこの題は、あの困難の時期が民族にとっての春であってほしいという願いか、それとも皮肉か。[映画館(字幕)] 8点(2008-08-28 10:59:55)

25.  JSA こういうことがあってほしいという願いが、凝り固まって一瞬のおとぎ話を生み出したような。満月の空に手紙を投げ、三ヶ月の空を返ってくるなんてあたり。民族分断の悲劇ではあるけれど、それが「引き裂かれた肉親の慟哭」といった激情を通してでなく、こういったささやかな宴の場が奪われているってことで描かれる。それだけに「けっきょくは敵なんだ」という言葉が悲痛。終わりのほうは何かごちゃごちゃして、理解しそこなったところがあるかも知れないが、個人に覆いかぶさる国家の重さは体感できた。[映画館(字幕)] 7点(2008-08-05 13:43:36)(良:1票)

26.  友へ チング ナンバー2の哀しみの映画か。かなわないナンバー1を常に意識して生きる人々。誰かに心酔するってそういうことでもあるし。そのかなわない対象への愛憎。ジュンソクがサンテクに女をあてがうのを、雑誌をパラパラめくりながら鬱屈して見ているドンス。またジュンソクも、親父がヤクザという負い目を持ち続けて、表街道を生きられるサンテクに「かなわない」いう気持ちを持っている。サンテクは自分のせいでジュンソクが退校になっている負い目を持つ。喧嘩を代行してもらう「かなわな」さがある。この「かなわない」でがっちり固まった関係が、つまり友情。ラストで初めてジュンソクはドンスに対する借りを返すわけで、ドンスの心酔に対応したことになるわけだ。[映画館(字幕)] 6点(2008-07-06 12:16:41)

27.  KT アタマのほうの北朝鮮がらみのとこや女性がらみの部分を刈り込めば、もっと締まって面白くなっただろう。一個の機械と割り切って仕事を進めていくKCIAと、積極的にそのチリチリとした「戦争」の充実感を求めて加わっていく自衛隊員との対比だけで十分面白くなれたはず。匿名の町のたたずまいがいい、どことははっきりしないが、何かが進行しつつある町。スリルとしては、最初のホテルの場が一番上出来だったのでは。常に移動するカメラ。主人公は「狼は生きろ、豚は死ね」だが、原田芳雄は「豚は生きろ、狼は死ね」と言う。原田芳雄が言うと、何か深そうに聞こえる。[映画館(邦画)] 6点(2008-06-30 12:11:59)

28.  オアシス ソル・ギョングを強烈に印象づけた一本だった。これ本当に『ペパーミント・キャンディ』の人? と疑ったもんね。インテリの苦悩という純文学的主人公をじっとり演じたあの人が、強姦未遂の前科持ちという大衆文学の脇役的人物を、本当にそれらしく演じる。こういうのいるよ。へらへら笑ってて、洟を始終すすってて、なんか落ち着きがなくて、映画で似たのと言えばパゾリーニ映画の常連だったニネット・ダボリをちょっと思い出す。でもニネット・ダボリはおそらくインテリの苦悩は演じられない。恐るべき俳優だ。疎外されたもの同士のいたわりあい、というと、日本だともっと弱者性が前に出て、見物するには心地よい悲劇の舞台を作ってしまうのだけど、この映画はこっちを挑発してくる。この主演二人の凄味が大きい。[映画館(字幕)] 7点(2008-05-05 12:20:54)

29.  ほえる犬は噛まない 全体的に情の濃い国でも、こういう乾いたコメディが作られるんだなあ、と思ったものでした。小市民コメディであって、それでいて登場人物が少しずつ極端というか妙。リズム感がいい。なんかチリチリしていた60年代の市川崑を思い出す。アパートの犬を殺してまわるやや神経衰弱的男は絶対川口浩だな。え、するとペ・ドゥナは野添ひとみ? 文具店の友だちは倉田マユミ。バアさんが北林谷栄で、警備員が浜村純で、妻は岸田今日子?[映画館(字幕)] 7点(2008-05-04 12:18:52)

30.  鰐~ワニ~ 監督第一作ってのはいろんな可能性が見えて面白く、たとえばこれ、非行問題・ホームレス問題といった、分類されやすい社会派監督になる道も、キム・ギドクにはあったのだ。ちょっと主人公に三枚目的なエピソードを交ぜるサービスもある。なのにラストに至って、もうギドクの映画としか言えない世界に入り込んでしまう。第一作から水に魅せられていた人だった。準備されていた青い亀・手錠・ソファといったもろもろが、このラストでひとつに溶け合わされ、ギドクの寓話を形作る。途中筋を追い切れないところもあったが、このラストの陶酔で納得させられてしまった。「荒ぶる愛」の世界。ギドクの男女は、市民社会の外で特異な設定にならないと出会えない。これは彼らの猛々しさゆえではなく、彼らの傷つきやすさの反映なのだろう。彼らにとっては、手続きやらマナーやら人々の間に無数の藪が繁茂している市民社会のほうが、きっと魔に満ちたジャングルに見えるのだ。そういった市民社会の対極に、ギドクは水の世界を考えているのではないか。[DVD(字幕)] 6点(2008-03-21 12:26:42)

31.   《ネタバレ》 水の上の閉鎖空間ということで「春夏秋冬そして春」の浮き堂を思い出すが、こちらで閉じ込められているのは姫。(「魚と寝る女」とも類似性がありそうだけど未見)。王子に助け出されるまでの本当に骨格だけの寓話で、よくぞここまで削ぎ落としたと褒めてもいいが、痩せすぎてるとけなしたい気持ちもある。じいさんが単なるエロおやじでなく、精神性を感じさせる人物なのが大事だ。言葉というものがいらないまでの一体感で暮らしていた船、弓は外へ向けては武器になり、内に向けては愛の調べを奏でる楽器になる。その弓のように張りつめていた精神性。とにかくこの監督が描く愛は、ひとつとして市民社会に受け入れられるようなものはない。そういう愛の世界が船上に築かれていた。そこに外の音楽が入り込んでくる。別に張りつめてなく精神性も感じられないけれど、その凡庸さが心を穏やかにするような音楽が、ヘッドホンから聞こえてくる。それが外部。市民社会の音楽だ。姫の救出がひとつの高貴な王国の崩壊となるのも、寓話の宿命であろう。[DVD(字幕)] 6点(2007-12-18 12:30:06)(良:1票)

32.  うつせみ 《ネタバレ》 留守の家に男が忍び込んではいるのだが、どうも主体は男より家のほうに感じられ、その家の空気に男が溶け込んでいってるような感じ。むりやりの闖入者というより、空き家の空間が男を招き寄せたような。だからボクサーの部屋に入り込めば、男はグラブをつけてボクサーになってしまう。男の方に主体がないから、かえって男はその部屋の住人として違和感なく自在にふるまえる。特定の個人の部屋でない牢屋で、気配を消してしまえるのも当然のことかもしれない。現代人にとって夢のような、あるいは悪夢のような話。家に溶けてしまうこういう愛人を妻に持たれたら、もう亭主には手の打ちようがないのだ。[DVD(字幕)] 6点(2007-11-03 12:20:13)

33.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 ゴジラは戦争の不安が凝り固まって生まれたものだったが、これは何かというと、都会の通り魔だね。人々が襲われているのを、バス(?)の車内からおばさんが見下ろしてるカットが変にリアル。これって安全地帯から通り魔を目撃してる目でしょ。最初のほうで、橋からの飛び込み男が怪物を目にするエピソードがあったけど、アメリカ軍のクロロホルムより、ああいう自殺者の世間に対する怨念を食って怪物は成長したんじゃないか。だから休日の河原で屈託なく楽しんでる人々を見ると、ついムシャクシャして。だもんでこれ、ゴジラのような国民共有の災厄にはならないで、被害者の家族の物語になってしまうんだ。[DVD(字幕)] 7点(2007-07-23 12:28:26)(良:1票)

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