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1. イルマーレ(2000)
近年韓国映画が熱いですよね。日本に,そしてハリウッドに追いつけ追い越せ的な国策もあるんでしょうが,出てくる作品一つ一つに制作者の意気込みとある種の勢いを感じます。但し,「シュリ」や「JSA」,或いは「カル」あたりが,原色的な色彩感で,こちらの五感に直接訴えかけてくるような,一種の強引さを持っているのに対し,淡々とストーリーが進行し,あの「海の家」の場面のようにシンプルな構図が多い本作は,水彩画風な淡い雰囲気作りが切ない感じをよく醸し出していたと思います。ある程度文化を共有してきたからかどうかわかりませんが,ハリウッド的ではなく,むしろ一昔前の我が国の出来の良い恋愛もの(ここですぐ題名を思いつかないのが辛いのですが・・)を見ているような気持ちになり,見終わった後に何となく暖かな感触が残りました。確かに私も「この展開でどうオチを持ってくるんだ?」といった疑念が終盤になるにつれて強まり,実際にあのオチを見てみると,なる程賛否両論なのもわかるような気がしましたが,晴れ晴れとした気持ちになることができたので,まぁいいかなと・・・。チョン・ジヒョンって超美形じゃないかもしれませんが,雰囲気がいいですね。 7点(2004-01-03 17:02:06)
2. シュリ
つい最近の瀋陽事件やら,数年前の北の潜水艦漂着事件やら,2つの朝鮮の悲劇は,安穏として,この平和を当然の如く甘受している我々には到底理解できないだろう。ただ,飛行機で2時間足らずのところに,こうした火種が存在する,と思うと,妙なリアリティが感じられた。ラストシーンはあまりにはかなく悲しい。もし,自分があの立場だとしたら,到底撃てまい。生産も経済も疲弊し破綻した北と旧西側に開かれた南と。次は,「JSA」でも見て,韓国映画の勢いを更に感じてみようか・・・。7点(2002-05-24 22:18:34)
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