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1. 風立ちぬ(2013)
《ネタバレ》 誠実な男が、魂魄を込めて作った優美な機体は殺人兵器であるという皮肉。この哀切が何とも心に迫る。しかし何のために造られたものであれ、本当のマスターピースは美しい。戦争は忌まわしい。零戦は美しい。どちらも真だと信じる、この機微、アンビバレントを正直にさらけだしたところが素晴らしい。
SEの類を人間の声で再現したところは、「古き良きキカイ」に寄せる宮崎駿のアニミズム的慕情を表すようで微笑ましく、また上手くいっていたとも思う。「おお、一生懸命動いてるなあ」という。また庵野秀明のアテレコは、出てきてからの10分ほどは「どうなることか」と顔を覆ってしまったが、じきに慣れた。終わってみれば、技術の巧拙よりも演者(庵野)にも通底する「志あるマニア」だという心性の方を優先したのかな、という気がして、これで良かったのだと思えた。
ヒコーキ屋の二郎と、菜穂子の恋人二郎の話がほとんど別立てになっていて、そこはどうかなという嫌いはあるけれど、それよりも好もしく感応する部分の方が大だった。[ブルーレイ(邦画)] 8点(2015-12-10 22:14:13)《改行有》
2. 隠し砦の三悪人
「スター・ウォーズに影響を与えた」という事で観てみたけど、なるほど、確かにあの二人の農民は二体のロボットとだぶる。しかし、僕はどうしても三船敏郎に目がいくんだな。あの馬で追っかけてって斬りつけるシーン、格好いいね。雪姫は可愛かったけど、演技がどうもなぁ・・・。新人だったらしいから、しょうがないか。7点(2002-07-27 01:58:24)
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