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1. 逆流
《ネタバレ》 「思ひ出」(1927)との二本立てで、澤登翠さんの活弁&生演奏付きで鑑賞することができました。
上映時間も短く、見るべき箇所があまりないようにも思えますが、一つ挙げるとすると、やはり主人公役の阪東妻三郎の格好良さでしょう。この映画の作られた当時は若干23歳。大正13年の作品ながら今の平成の時代の美男子のような風貌です。きっと、その当時としてはかなり宇宙人的なイメージを博していた事と思われます。
その妻三郎ですが、こんな短い作品でもさまざまな表情を見ることが出来、早くから大物ぶりを感じさせています。
序盤の、操(剣術の師匠の娘)に見せる明るい表情で好青年な一面を見せたと思えば、母が亡くなったときや姉との会話のシーンで見せる悲しみや怒りの表情。そして、ラストの鬼の形相といい、若き千両役者って感じが漂っています。
ラストでの“殺戮の虚しさ”を前面に押し出した無常観が何とも言えず、ストーリーもあっという間だったということもあり、ちょっと控えめに6点とさせて頂きます。[映画館(邦画)] 6点(2009-11-14 20:15:40)《改行有》
2. キル・ビル Vol.1(日本版)
一番最初の格闘で早くも意気消沈。そのすぐ後の千葉の語りで幻滅し、「ナニが乾いてるときは~」の卑猥なセリフに唖然。突然のアニメにただならぬ違和感を感じ、模型の飛行機に怒りを覚え、何を言っているのかわからない片言の日本語でさらにテンションが下がります。ラストの、100人斬りならぬ88人斬りでここでもさらにトーンダウンさせられ、ルーシーとの決闘にはもう絶句するしかありませんでした。
この映画はなにがやりたいのか全くわからない。ジャケットを見て完全なアクション映画と思いきや、実際に見てみると実はコメディの要素も含まれているらしく、ギャグととっていいかもわからないようなプチネタが至るところにあるおかげで非常に中途半端なものになってしまっています。それがギャグのつもりなのか、はたまたタランティーノの日本に対するイメージの勘違いなのか、判断に苦しみます。百歩譲ってそのことには目を瞑り、アクションに目を向けてみてもとんでもなく間の悪いアクションばかり。ウマの日本刀を持っての立ち振る舞いの悪さは言うまでもなく、ワイヤーの使い方にしてもいいかげんなのが素人目にも見て取れます。そもそも、今どき青葉屋を舞台に持ってくること自体、いかにも日本かぶれの外人の発想。ナンセンスと言わざるを得ません。おまけに、血飛沫の多さにも愕然。グロテスクでエグい描写をすれば観客が喜ぶとでも思っているのでしょうか。エロいセリフ回しや露骨な殺人シーンのような、直接的な表現ばかりの映画がもてはやされ、これからの映画界がこのようなものばかりになってしまうと、人間の想像力に訴えた表現をする作品がますます廃れていってしまうのではないかと心配になってしまいました。[DVD(字幕)] 2点(2009-11-04 01:05:20)(良:2票) 《改行有》
3. ギブリーズ episode 2
登場人物が立体的に浮き出て見えたりと、実験的に作った作品であることはわかるけど、もう少しストーリーを組み立てて欲しかった。エンドロールが見えにくくてわからなかったが、おそらく複数の人がそれぞれ短編を作り、繋ぎ合わせて作ったように見えた。そう考えると、ストーリーが繋がっていないのも納得がいく。私はDVDで観たからまだ良かったけど、映画館でこれを見せられた方は本当に気の毒だと思う。「シベリア超特急」ばりに続いて欲しくない作品。[DVD(邦画)] 2点(2006-03-12 22:44:33)
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