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1. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦
《ネタバレ》 楽しさ(笑い)、感動、それ以外の面白さ(サスペンス、スペクタクル、アクションなど)の3つを全てそこそこのレベルでクリアした佳作。特に感動が押しつけがましくなく素直に心にしみてくるようになっているところがいい。いちばんグッとくるところで「オラの体だけがめあてだったの?」とギャグで風穴を空けたりしている(「野生の王国」にも同じ趣向があった)。逆にしんおすけが品詞から蘇るところは不発だった。悪の組織のバックボーンが完全にギャグである点は毎度のことながら、超然たる独裁者として登場しながら結構やさぐれているラスボスコンビを始め、今回はなかなか面白かったと思う。お下劣度が非常に高い点、ヒロインが珍しくおねいさんでなく7歳である点など、子供にとってはいっそう楽しめる1本ではないだろうか。[DVD(字幕)] 7点(2023-09-15 12:47:50)
2. クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁
《ネタバレ》 ほどほど楽しめる作品だと思うが、芯になる恋愛部分が、いまいち感動できない。感動させようとはしているんだろうが、外れているより、スカーっと心を素通りする感じなのだ。やっぱり「オトナしんのすけ」がキャラクターとして全く立っていないせいだろう。
最後、「しんのすけさんよりイイ男になってね」というセリフと、隕石のニュースで、舞い戻った現在は分岐して別の未来へと繋がっていくことが示される。この描写は悪くはないが、ダサくなってもいいから、ボーちゃんあたりに説明させた方が親切だったかなという気もする。[映画館(邦画)] 5点(2023-09-14 23:29:57)《改行有》
3. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾!
《ネタバレ》 「超能力大決戦」を、ぶっちぎりのワーストとして別格扱いするなら、手探り状態の第1作で全体に冴えなかった『ハイグレ魔王』と、前半退屈な『金矛』、後半ぐちゃぐちゃな『踊れアミーゴ』、そして本作が“おすすめできないクレヨンしんちゃん映画”群だと思う。
他の3本と同様、本作にも美点はあって、前半はかなり良い。笑いは足りないが、しんのすけの必死の逃避行にはが迫力がある。だが、そこに共鳴できるのは、彼が5歳児だからだ。両親が抵抗に加わるあたりで、一挙に気持ちは冷めてしまう。「幼稚園のみんなも、じいちゃんもばあちゃんも、みんな死んじまうんだぞ」と言っていた同じ人間なのである。じゃあ、このまま二人はシロの見殺しを耐えて看過し、しんのすけ一人だけが活躍する形で終われば良かったのかと問われれば、確かにそれでも締めくくりはつかない。あえて言えば、そもそも映画として描くことに無理があったテーマだったのだろう。強いていえば、土壇場で二人になにか衝動的な行動を取らせるという脚本も有り得たかも知れないが、この脚本はダメだ。これじゃあ完全にテロリストだし、そこで感動を誘おうというのは完全に間違っている。正論を吐いているように見えた時雨院も一種の異常者だったという描き方も、あまりに言い訳くさい。文句なしに共感できるのは、苦渋の表情を見せつつ行動し、捕獲時に銃の使用をやめるUNTI隊員の姿だろう。[映画館(邦画)] 4点(2023-09-14 21:18:34)《改行有》
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