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プロフィール
コメント数 1252
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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41.  恋空 《ネタバレ》 好きな女優が出ているわけでもないので、これを見たのは完全な冷やかしである。この手の映画としては「天使がくれたもの」(2007)を見たことがあるので一定の耐性はついている。 まず劇中人物のほとんどは異性のことしか頭にないようで、いったい何しに毎日学校へ行っているのかわからない。こういう生殖本能だけで生きているような連中も高校生かと思うと、同時期に見た「幕が上がる」(2015)とのあまりの落差に呆れてしまう。まあその種の人間はいつの時代も人口の一定割合を占めているわけなので存在自体は否定できず、自分としてもここはそういう世界なのだからと納得して多少のことは見逃すようにしていたが、しかしその後に主人公が大学に進学することになっていたのは非常に驚いた。この映画で最も違和感の大きかったのはここである。 ただ自分としては実際のところ、意外にまともに見ていられる映画という印象だった。ストーリーも一応できており、時間は少し長目だがとりあえず最後まで見られないことはない。原作に対するネット上の酷評(罵詈雑言)を見る限り、そのままでは一般人には受け入れがたかった内容をさらりと通るようきれいに映像化して、ある程度見られるものにしたのは映画の功績だろうから、ここはそれなりの点数をつけておくことにする。 なお、この話の内容が不道徳だからといって原作者を責める筋合いのものではなく、また書籍の出版や映画化に関わった業界関係者に倫理感など求めるつもりもないが、一方でこの映画に関して心底呆れたのは、O県教育委員会という公的機関が制作に協力していたことである。学校内で生徒が妊娠させられる映画に協力する教育関係者は脳の機能が疑われるわけだが、さらにその県教委が映画公開の次の年に組織体質の問題で世間を騒がせていたことを思い出すと、自分としては本来この映画に感じるべき悪感情を、常識外れな県教委への怒りに転化させずには済まなくなった。O県出身・在住の人々全体の不名誉につながらないように願う。[DVD(邦画)] 3点(2015-09-20 10:23:17)《改行有》

42.  告白(2010) 《ネタバレ》 映像・音響が刺激的で中身も痛快な高級エンターテインメントである。 何より主人公の元教員が一貫した姿勢を堅持していて安定感がある。心の葛藤が外に見える場面もあったが、これは主人公の行動が間違っていることを示唆していたわけではなく、本来この主人公がどこにでもいる普通の人間であって、決して特殊な性向の持ち主ではないことを示しただけと思われる。 またラストの一言には安堵した。直前の台詞がご立派すぎたのでそういう幕引きなのかと落胆しかけたが、ここまで来ておいて正しい教育映画のように終わるのでは到底納得できるものではない。これはいわば刑吏の温情のような形で一応まともな説明をしてみせてから、ただし自分は復讐者の立場であるから実はそのような観点はなく、あくまで非情なだけである、と突き放したと解される。 ところで、いわゆる綺麗事というのはそれ自体が間違いともいえないが現実妥当性の面で難があり、また一方では耳触りがよく反論されにくい、あるいは自己陶酔しやすいといった発言者に都合のよい性質を含むのが厄介である。劇中で最強の綺麗事は主人公の夫の教育論だろうが、そのほか“他人を疑うのはよくない”だとか、また劇中の少女が信じたがっていた“誰の命も重い”も含めて、この映画では綺麗事全般があっさり否定されて終わったようである。 しかし現実には綺麗事に含まれるもの全てを叩き潰していいわけでもなく、例えば少女の“私の命も重いと言ってほしい”という心情まで踏みつけにすることはできない。綺麗事を粉砕してしまった後に、改めて従うべき行動規範が残されるかどうかは別の問題であり、その点主人公は思慮深い人物なので自制していたと思われるが、それでも最後の爆発が事実であれば適正な復讐の範囲を逸脱していた恐れがある。 別に主人公が個人でここまでしなくとも、公権力が適切な刑罰とともに遺族感情の慰撫(公権力が復讐を代行したと感じさせる)をまともに行えればいいはずだが、綺麗事にまみれた社会では今さら何を期待しても仕方ないという諦めもある。まあ世の中などその程度のものであって、何かを期待することの方が間違っているのだろうが。 なお余談として、生徒役のうち別映画で見たことのある近藤真彩と三吉彩花と山谷花純は発見できたが、能年玲奈は最後までわからなかった(探す気がないわけだが)。[DVD(邦画)] 9点(2015-06-30 23:49:01)《改行有》

43.  こわい童謡 裏の章 《ネタバレ》 予定通り「表」の謎は解いているが、真犯人に関していえば映像的にほとんど説明済だったため意外感は全くない。一方「表」では主人公の母親が死んだ理由も示唆されているように見えたが今回は説明がなく、これは観客向けの謎解き要素として残したということなのか、あるいは単に当方の思い違いだったのか。 今回の特徴点は、「表」で心霊現象としか思われなかった事件の謎を音響のプロが合理的観点から解明していく形になっていることである。映像面でのホラー風味は維持しながらも、謎解きの面では“この世に科学で解明できないものはない”というかのような勢いが感じられたが、しかしその説明が面倒臭くて無理やり感があり、また主人公の口調が一本調子なこともあってあまり感心できるものにはなっていない。 ただし、ラストで一つだけ合理的な説明のできない問題を残して終わっていたのは実は期待通りだった。自分としては昔の特撮番組「怪奇大作戦」(1968)を思い出したが、原作・脚本・監督の人物は1967年生まれのようで、これと直接の関係があるかどうかはわからない。 なお今回の主演女優は個人的に好きなわけでもないが、この映画では普通に清楚な正統派美女に見えるので印象は悪くなかった。[DVD(邦画)] 5点(2015-04-25 19:59:11)《改行有》

44.  こわい童謡 表の章 《ネタバレ》 童謡を扱っていること自体は特に目新しいものではない。学者に監修してもらっているのはいいことだが、劇中に出ていた説明がどこまで本当なのか見る側としてはわからない。舞台は今どきお嬢様学校とのことで、これは外見と内情(表と裏)のギャップを表現しようとしたようにも取れるが、ただし全寮制というのはどちらかというと生徒が夜間の学校に出入りするのを不自然でなくするための設定かと思われる。 ストーリーに関しては、初めから「裏の章」で謎を解くという構成のため細かいところはわからないにしても、まあ大体のことは想像できる。この「表の章」で不明なまま残るのは主に何でこの学校にこういう事件が起きるのかということだろうが、普通一般のホラー映画のわけわからなさに比べれば特に支障はない。単純なホラーとして見るならここで終わりにしても問題ないだろうが、裏もあるというなら一応見なければと思ったので総合評価は保留しておく。 なお主人公が可愛いのは大変結構なことだった。これだけは間違いなくこの映画の見どころである。[DVD(邦画)] 4点(2015-04-25 19:58:49)《改行有》

45.  コネコノキモチ 《ネタバレ》 ネコの出番は意外に少ないが、映像面での美しさは全編にわたり徹底されていたようで、また音楽の使い方もオーソドックスで心地いい。監督はPV制作で有名な人とのことで、その面の特徴も出ていたものと思われる。 主演はアイドルグループ「アイドリング!!!」3号の人(ただし2014.2月卒業)であり、この人のPV的な意味があったような感じもある。別映画で主演していたのを見たときは、役どころのせいもあって茫洋とした感じでどこをほめればいいのかわからなかったが、この映画では喜怒哀楽も出ており、ちゃんと普通の人間だったことがわかって好印象だった。この人の歌う「空の木」が映画のテーマ曲であり、劇中でも墨田区が舞台だったことから、東京スカイツリーのプロモーションを兼ねたような印象もある。  それでストーリーとしては、父親/夫の死による心の欠落を埋められずに2年が経過した家で、ネコの登場により娘と母の心境変化が促され、やがて家族の再生に至るという話である。そのようにまとめてしまうと非常にありきたりな感じだが、実際見れば相応の感動がある。娘と母それぞれの年代に応じた気づきや悟りが描かれているが、特に母親が“生きている今が大事”と思い至る場面は印象的だった。言葉のほかに状況や映像で語られている内容も多いので、一つひとつの場面を大事に見なければという気にはさせられる。 ただし中盤以降では、なぜか意味不明な登場人物が乱立している印象もあった。しかしこれは一見意味がないようでも、世間ではどこで何がどう関係して来るかわからないので、一瞬のつながりでもとりあえず大事にしておこうという意味に取ればいいのかも知れない。  そのほか友情出演のアイドリング!!! 6号(外岡えりか)が、終盤でネコ役になって登場していたのは斬新な試みかも知れない。演じるヒトとネコの年齢がイメージ的に一致せず、とても同一人とは思われないのだが、まあ微笑ましい趣向とはいえる。この擬人化ネコがラストで再登場するのも失笑というかユーモラスだが、ただしいくらアイドルでも本物の子ネコには絶対かなわないだろうと一応書いておく。[DVD(邦画)] 7点(2015-02-04 22:50:39)《改行有》

46.  子猫の涙 《ネタバレ》 大阪の映画というととにかく怒鳴り散らす人物が出るとか暴力沙汰が頻発するのは呆れる(本当にそういう土地柄なら仕方ないが)。ギャグも多いのだろうが自分としては笑えるところがない。 また主人公の人生については特に積極的に肯定する気にもならず、単にこれはこういう人だと思うだけである。個人的な感覚としては、オリンピックで銀メダルを取り、その後の途中経過はいろいろあったにせよ、子息に継承したボクシングジムが現在も続いているというだけで普通人としては十分な業績と思われる。そのため本人のボクシングに対する思いがどうだったかというようなことはそれほど重大事にも思われず、葬儀の場面に至って蒸し返されても何の感慨もない。 一方で、主人公の娘は毒舌だが邪気がなくて愛嬌があり、この人が映画全体を支えているのは間違いないようだが、成人後のイメージがあまりに違っているため統一感が全くない。その他の人物も半端な感じで、実母は娘を棄てるためだけに出て来て、また継母は娘に説教するためだけに出て、それぞれの役目を果たすと用済みになって存在感を失ってしまう。猫を拾って来たのも、途中で死なせて一家を泣かすためだけのようだった。 以上、個人的には見どころがない上に、全体構成としても個別エピソード優先ということなのか、ストーリーとしてのまとまりが不足しているように感じられ、残念ながら面白いとはいえない映画だった。 なお余談として、娘の友人2人のうち1人は、後のAKB48→NMB48所属の市川美織(みおりん、レモンちゃん)という人のようで、この時点で結構な美少女に見える。もう1人が誰かも大体想像はつくが、根拠が見つからないので書かない。[DVD(邦画)] 5点(2015-02-04 22:50:34)《改行有》

47.  婚活バトルロワイアル<OV> 《ネタバレ》 どうせどうしようもないバカビデオだろうと思っていたが、しかし見ると結構まともな話になっていたので驚いた。 最初は作り手の良心が全く信用できない状態に見えたが最終的には許容範囲に一応収まり、また演者それぞれの性質に応じて適切な役が振られている(当然だが)ので、何でこの人がこんなものに出ているのか、という不審の念も一応解消される。中盤のインタビューで出ていたシンデレラ観には少し感心したが、最後は少なくとも主人公に関してはちゃんとしたシンデレラストーリーになっていた。 そういうことで、当初のマイナスイメージと、終了後のそれなり感とのギャップが感動的なお話だった。 なお主演女優はこれまでかろうじて存在だけは知っていたという程度だが、これを見るとけっこう可愛いタイプの人だったらしい。汚れ役になりそうでならないハラハラ感が大変結構でした。[DVD(邦画)] 4点(2014-10-26 20:50:58)《改行有》

48.  ゴースト・リベンジャーJK<OV> 《ネタバレ》 主演女優が別のOVでこれの宣伝をしていたので見たが、これを見るよりなら、同時にPRしていたグラビアDVDを見た方がよほど有益だろうと想像する(見てないが)。 これもジャンルとしては「アイドルもの」なのかも知れないが、その性質を除くと他にほとんど何も残らない。笑えるわけでも泣けるわけでもなく、復讐の爽快感もない一方でラストが感動的なわけでもない。あまりに出来が悪いために怒るならまだしも、なぜかそういうこともない(これは自分が寛容な人物だからか)。見た人間の記憶に残さず、スルーさせることを意図して作ったとさえ思えるのが不思議なことである。また「アイドルもの」としても、この人のファンにとって本当に見るべきものになっていたかどうかは怪しいものだが、それは自分が判断すべきことではない。 以上、基本的には見どころのない話だが、それだけでは感想として冷淡すぎるので少し特徴点を書いておくと、主人公の姉役が怪演だったのと(この人は誰?)、魔女館や秘密基地の設えが若干目を引いたとはいえる。 なおどうでもいいことだが、ヒロインは彼氏より背が高く(しほの涼172cm、野崎純平170cm)、かつ顔が小さい。[DVD(邦画)] 1点(2014-10-26 20:50:40)《改行有》

49.  高校デビュー 《ネタバレ》 [2018-01-07 BD視聴による修正] 原作は読んでいない。世間では「のだめカンタービレ」のキャラクターを真似ていると指摘されていたようだが、自分としては「のだめ」のコミックは全巻読んだが映像化されたものは見たことがない(見る気がない)ので気にしないことにする。 この映画に関しては、初回は宴会後に帰宅してから見て序盤から大笑いしたが、酔っぱらっていたため13分くらいのところで寝てしまった。しかし次の日に改めて見たところ、素面の状態でも序盤から大笑いしたのでこれは本物だと確信した。とにかく最初から最後まで笑える泣けるの大感動作で、細かいネタが連続して飽きさせず、ある意味しっかり作り込んだ映画と感じさせる。終盤では次第に泣かせる場面に移行しているのにまだギャグネタを出してきて(黒ネコは好きだ)、笑い泣きしながら感動のフィナーレに突入するのは最高の幸福感を与えてくれる。 登場人物に関しても、ヒロインが超素朴で悪気がない(変な色気もない)ので純粋な好意を寄せることができる。相手の男もいい奴だったようで安心したが、そのほかヒロインのまわりが自然にいい人たちで固められていくのもいわば人徳のおかげだろう。一つだけ障害のように見えた元彼女にしても、ヒロインが善人のため対立関係にもならず、かえって元彼女の方がかわいそうになったが、しかしこれはヒロインのまっすぐさには誰も勝てないという教訓かと思われる。 ちなみに主演女優は映画初出演とのことだが、この場にふさわしい人物像が適切に表現されていて全く問題を感じない。視覚的にも彩度の高いポップでファンシーな映像によって映画の世界観が端的に提示されている。また音楽としては懐かしめの「愛のしるし」(1998年、PUFFY)が印象的に使われていたが、エンディングの主題歌も切ない感じの曲で好きになった(「フォーリン・ラブ」(2011年、7!!))。 以上により、意外に自分の人生を豊かにしてくれる映画を発見した、というのが初見時以来の実感である。少なくともこれまでの経験では、少女マンガ原作でこれほどしあわせな気分になれる映画は他に見たことがない(脚本が福田雄一というのと関係あるか)。当初段階で9点などという破格の点数を付けてしまったので、いずれ見直しが必要かと思っていたが、改めて見ても修正する気にはならなかった。[ブルーレイ(邦画)] 9点(2014-02-17 22:53:19)《改行有》

50.  高速ばぁば 《ネタバレ》 「先生を流産させる会」の内藤瑛亮監督の映画ということで注目される(が、個人的には女優の未来穂香を見ようとしただけである)。 まず登場するアイドルグループはコンセプトが極めて適当で、持ち歌を聞いても脱力感を免れず(これのフルバージョンをぜひ見たい)、こんなののファンもバカばっかりだろうと思わせるものがある。メンバーそのものは劇中に出た通り少し性悪な普通の女子なわけだが、アイドルグループとしてのおバカな印象とのギャップがほのかに可笑しい。 またストーリーとしては、最初の事件が起こってこれは大騒ぎになるだろうと思うと場面が飛んで、また何事もなかったように芸能活動が続いているのがとぼけた感じだが、その後も事態が進展して登場人物が次々に破滅していき、これはさすがにただでは済まないだろうと思うような大事件が起きても、なお無反省に脱力系アイドルの営業を続けているのが非常に変である。画面上では公園のステージや事務所の外観が出るたびに、まだやるつもりなのかと呆れてしまう。まったく懲りない連中だと思うが、結果としては微妙にシュールでブラックな世界が表現されていたようで、これは意外に面白い(変な)ものを見せられた気がする。最後のソロデビューの曲は「夢見る少女日記」とのことで、これも聴きたかったが果たせずに終わったのは無念だった。  ところで出演者としては、アヤネ役の女優(未来穂香)はある程度キャリアもあり、この人が主役と思っていたら実際はそれほど出番がなく、かえって他の2人に焦点が当たる場面が多くバランスがいいと感じられる。特にナナミ役(北山詩織)はモデル出身らしく細身で美形だが、劇中人物としてもわりと良心的で実質的な主役のように思われる。一方で最も可愛くなくてアヤネに嫉妬していたという設定のマユコ役(後藤郁)も、現実にはアイドルグループ「アイドリング!!!」のメンバーとしてファンに愛されているらしい(よく知らないが)ので決して侮ってはならない。 [2014-05-13追記] 先日、マユコ役の後藤郁が6/7を最後に「アイドリング!!!」を卒業するとの発表があった。映画の価値には関係ないことだが、かおるんの新しい旅立ちを祝して+1としておく。[DVD(邦画)] 6点(2014-01-09 21:24:08)《改行有》

51.  ことりばこ<OV> 《ネタバレ》 ネット発祥の著名な怪談を題材にした映画ということになっている。 冒頭に文章で延々と説明が入るので、元の話を下敷きにしているのはわかるが中身は別物になっている。元の話がかなりまともにできている(素人の創作とすれば秀逸)ので、その通りに映像化したものを見てみたいとは思うが、そのようにできない事情があるのかも知れない。 ホラー映画としてはどこかから既成のイメージを借りて来ただけのところもあるが、しかし見せ方や演技でけっこう雰囲気と迫力を出している。出演者も若年者らしく自然にふるまうべきところは自然に見せる一方、演技すべきところはそれなりに演技しているように見えており、主要キャストについての印象は悪くない。 物語に関して真面目に考えると、機能不全のおかげで(いわば代償として)生き延びたはずの主人公が、結局は逃れられずに終わったことで、やはり本当に怖いのは呪いよりも生きた人間だということが言いたかったのかと思われる。しかしそれが見る者の心情に訴えかけるかというとそうでもなく、やはりまず村人の演出に問題があって真面目に見る気がしなくなるのと、片思いの先輩がそれほど魅力的な人物でもないので、主人公の純な心情が素直に受け取れないというのが残念なところである。またその機能不全ということ自体も理屈先行という感じで、特にこの主人公をめぐるドラマがもう少しうまくできていればという気がした。 結果として、それなりに作ろうとしているようには見えたが惜しい映画だった。[DVD(邦画)] 3点(2014-01-09 21:24:04)《改行有》

52.  恋するナポリタン 〜世界で一番おいしい愛され方〜 《ネタバレ》 よくある話とはいえ、こういう荒唐無稽な設定を普通に受け入れる現代人は思考が柔軟なものだと感心する。そもそも題名からしてチープで安易だが(「恋する…」「世界で一番…」の両方)、中身の恋愛ドラマの方も納得がいくものではなく、ヒロインを幸せにするために男2人を使い捨てにしておいて、“だって死んじゃったんだからしょうがないじゃん”的に決着をつけたようなのは男の立場として悲しい。一方ではヒロインが乗り換えた先の男が、口は達者だがどことなく胡散臭い顔で素直に祝福してやる気にならないのも問題である。 ところで、自分にとっては食い物など①嫌いなもの、②まずいもの、③その他の3種類しかないので、劇中の料理がどれだけ美味そうなのかも実のところわからない。しかしこの映画では、劇中の武と瑠璃に“作る人”と“食べる人”の立場をきっちり代表させることで、人間にとっての料理(食料ではなく)の意義を端的に表現しようとしていることくらいはわかる。瑠璃が料理を食べるときのデレっとした嬉しそうな表情は中学生時代も現在も共通であり、またこの顔を見ることが武にとっても何よりの喜びだったわけで、そこには料理が仲立ちになって“作る人”と“食べる人”の両方が幸せになる関係が成り立っていたが、これは現実に料理に携わる人々の理想とするところではないかと思われる。それで成人後の武はシェフになり、また瑠璃もグルメ情報誌の編集者になったということなら、この関係が互いの資質を高め合って自己実現にもつながっていたということだろう。 味オンチの自分はそういう幸せな関係から疎外されていて不幸だとは思うものの、世の中に幸せな人が多いのはいいことだし、この映画を見て触発される人が多ければわが国の食文化の向上にもつながるのでは、と他人事ながら思わなくもない。武(佑樹)が南紀白浜の海岸で即興的に作った料理をその辺の皆さんにふるまうのを見ていると、料理人というのはみんなに幸せをふりまく人、というように感じられて、自分には利害関係がないながらも変に感動的だった。 まあ世間的にはあまり評判がよくない映画のようだが、それも料理に関わる上記の関係と恋愛感情をあえて混同させないようにしたことで、恋愛ドラマとしては捉えにくくなった面もあってのことと考えられる。そのため自分としては、まずは料理映画という面から一定の評価をしておきたい。[DVD(邦画)] 5点(2013-08-11 18:25:36)《改行有》

53.  五条霊戦記//GOJOE 《ネタバレ》 宇宙空間から見た過去の地球の映像というのは、自分の記憶ではNHK大河ドラマ「北条時宗」OPの例があるが、年代的にはこの映画が先かと思われるので、当時としては斬新な発想だったろうと想像する。子午線に沿ったグリッドパターンの都市設計が惑星表面に浮かび上がるのは、理性と意志をもった文明の存在を如実に示しているように思われる。 ただし、地面に降りて見ればあまりに草ぼうぼうで文明の実態が伴っていない。まあ大昔の京都などこんなものかも知れないと自ら納得するにしても、さすがに五条橋がこれほど辺鄙に見える場所かどうかは疑問である。またロケ地がどこかを知ったとたん、そこら中全部が岩手県にしか思えなくなるのはご愛嬌である。 内容としては義経と弁慶の話を大胆に組み替えた娯楽映画になっており、過度に期待せず気楽に見ていればそれなりに面白い。また事件後は普通に知られた歴史の流れになったのだろうから後腐れのないフィクションともいえる。しかし逆にこの事件があってもなくても平家の没落自体は変わらなかっただろうから架空の歴史モノとしては半端な気もするが、そこはまああえて突っ込むほどのことでもない。 また登場人物の背景は別にわからなくても見られるが、DVDのキャラクター解説では「平家の高官に手込めにされ…」といったことを監督本人が書いており、考証的にはどうかわからないが「白河飛礫(つぶて)」という設定は面白い。刀鍛冶の男は歴史上の有名人とは思われないが、最後は失明していた(鬼を見ると目がつぶれる、と自分で言っていた)のを見ると、その後は琵琶法師にでもなったのだろうと想像される。 なお個人的に不快な人物としては巫女(すぐ出なくなった)、水辺で自害しようとしていた男(すぐ死んだ)であり、また遮那王側の僧も途中で斬られるかと思ったのに最後まで生きていたのが残念だが、これは実在の人物だったらしいので仕方ない。ほか京劇風の剣術はどうも好ましいとは思えない。現代風の映像表現や背景音楽は別に構わないが、日本の伝統には敬意を払っていただきたい。[DVD(邦画)] 5点(2013-07-15 18:49:03)《改行有》

54.  ゴジラ対ヘドラ 《ネタバレ》 当時わざわざ映画館に行って見たが、子ども心に非常に強い印象を残した。テーマ曲は今でも全部歌えるし(DVD特典にカラオケが入っていたので実際に歌った)、この曲で名前を覚えた元素名もある。毒々しいイメージで悲惨な場面もあるが特にトラウマになるようなこともなかった。いま見れば全体的にコミカルな作りで素直に笑える場面が多く、アニメもユーモラスで好感が持てる。 ところでこの映画を見ていると、子役は別として誰が主役なのかわからない。一見重要そうに見える青年は、実は無責任でおバカな若者の代表だったらしく、最後はどうやら皆と一緒に死亡したらしいのは自業自得っぽい。お相手の女性歌手は生き残っていたが、これは当時の若者にもあった純粋な良心(または批判精神)をこの人が代表していたからかも知れない。 一方ゴジラについては、時期のせいもあるだろうが擬人化の度合いが大きい。今回は海のゴミ掃除の延長で?ヘドラ退治にもご尽力いただいたわけだが、そもそもの原因となった人間側にもそれなりにお怒りだったらしく、最後にはきついお叱りをいただく形になっていた。映画のラスト、ゴジラが去って行く場面では男声コーラスの歌うテーマ曲がかかり、なんでこんな間抜けな歌を入れたのかと一瞬思ったが、ああこれはゴジラ本人が歌っているのだと気がついた。ゴジラの心がわかったのは、最初から共鳴関係にあったらしい少年と、テーマ曲を歌う女性歌手の二人だけだったようである。 なお当時の記憶では、田子の浦のヘドロ公害は都市部の光化学スモッグと並んで環境汚染の代名詞だった。当時は富士山麓の海辺という程度の認識しかなかったが、劇中の被害地図は現在の地図と対照可能な程度には正確で、ヘドラの被害がどこまで及んだかが具体的にわかる。ヘドロ問題に関する現在の住民感情がどうかはわからないが、せっかくのご当地怪獣であるから、地元の皆さんにもぜひ見ていただければと思う。[DVD(邦画)] 7点(2013-03-16 12:44:11)(良:1票) 《改行有》

55.  ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 《ネタバレ》 当時わざわざ映画館に行って見たが、子ども心にやり切れない思いが残った。自分は“ゴジラのいる世界”を見に来たのであって、スクリーンにゴジラが映りさえすればいいというものではない。これでは子どもでも騙せない、というのは自分の経験で証明されている。過去映像を最大限に使う工夫なのはわかるが、そのためにシリーズ中で唯一、ゴジラが出現しないゴジラ映画になってしまっており、こんなことならガメラ映画のストレートな流用の方がまだましだろうと思える。 ただし今見てみると、荒唐無稽な怪獣場面は全て子どもの夢物語と割り切ることで、かえって普通の映画として見られるという効果もある。まず注目できるのは何と言っても昭和40年代の工業地域の景観で(川崎市か)、冒頭、やさぐれた感じの「怪獣マーチ」にも出る大気汚染は画面上でも表現されており、小学生の通学路も殺伐とした雰囲気で、廃工場の荒れた風景は初見時の記憶としても残っている。一方、劇中のTV報道に出ていた「若者の狂った行動」などは高度成長期の社会の歪みと認識されていたのだろうが、こういった時代感覚は次回作にも引き継がれているように思われる(スタッフは違うようだが)。 ところで主人公は、当時増えて来ていたと思われる「カギっ子」という設定だが、性格が「引っ込み思案」というのはカギっ子という以前に一人っ子のせいだろう。劇中のガキ大将は、いじめっ子というより仲間に入れと誘っているようにも見えて、その後の深刻ないじめ問題とはまだ無縁な時代と感じられる。終盤では、ナマの実力行使がものを言ったというよりも、主人公が少しだけワルになったことで仲間になれたことを評価したい。 ほかキャストでは、母親役の中真千子さんの出番があまりないのは少し残念だが、母親のいる部屋を独りのときより明るく見せていたのは若干印象的だった。また天本英世氏が優しい大人の役で、主人公を見る慈愛の目が他人事ながら嬉しく思われた。当時の人は殺伐とした世相と思っていたかも知れないが、こういうご近所さんが普通にいる映画ができているというのは逆に、まだまだ日本社会も捨てたものではなかったと感じさせる。[DVD(邦画)] 5点(2013-03-16 12:44:07)《改行有》

56.  コンセント 《ネタバレ》 以前、主演女優がNHKのドラマに出ていたのを見て探したのがこれで、そういう面では何かと満足のいく映画だった。結果的にかなり得した気分である。極端に個性的な風貌だが個人的に嫌いではなく、役柄にも合っている。 その役柄について、劇中では「シャーマン」と言っており、具体的にはイタコとかユタの例が挙がっていたが、しかし実際にやっていたことからすると、むかし日本にいた市井の(神社所属でない)巫女のイメージをもとに創作したのではないかと思われる。そういった前近代的なオカルト要素を現代社会にまともに位置づけようとした感じの映画であり、劇中では主人公の専攻が心理学だったことから、その関連知識で現状を自己分析していたのが面白かった。 ところで映画の最後を見ると、主人公はこの能力を使って何か起業でもするのだろうかと思うのだが、原作を読んでみると具体的な業態まで書かれており、どうもこの部分は評判が悪いらしい。確かにこれをそのまま映画に出すのがよかったとも思えないが、しかし映画の終わり方だと主人公にとって新たな世界が開けたというだけで、それが本人の天職につながることが表現されていないため、だからどうした、という感情だけが残ってしまう。これはストーリー的には難点かと思う。 ただし全体としては主演女優のほか、特に精神科の医師役の好演と映像美(後半の特殊効果を除く)が印象的であり、自分としては低い点をつける気にならない。[DVD(邦画)] 5点(2012-08-05 20:12:49)《改行有》

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