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1. スウィートホーム(1989)
《ネタバレ》 まごう事なき珍作です。この年代特有のチープさもさることながら、裏でゴタゴタがあった影響がそこかしこから伺うことが出来てしまいます。その浮いた感じがこの映画の痛々しさとして出てしまっています。中でも、文芸大作にでも出演しているかのような伊丹十三の大仰な演技。宮本信子の似合わないこと甚だしいふわふわのドレス姿。チープな作りとは裏腹な異様にミスマッチな部分は監督と、制作側のゴタゴタが端的に出ているのかなと。それが良い意味ではなく、珍奇な方に出てしまっているので見ていて痛々しい作品に感じてしまいました。[ビデオ(邦画)] 3点(2016-03-23 23:58:12)
2. スマグラー おまえの未来を運べ
《ネタバレ》 案外この手のお馬鹿な映画は嫌いではないです。なので多少の気になる部分に目をつむって甘めの点数になります。とはいうものの、この監督の映画はどうにもやり過ぎからくる興ざめが気になりますね。拷問シーンの無駄な長さや、最後の背骨のクリーチャーもどきの動き。唾や血が中を舞うシーンを長々と見せたり。そのセンスも10年前のタランティーノレベルのようで、シリアスなシーンでも笑ってしまうようなことが多々ありました。せめて興ざめする前に踏みとどまることが出来るなら、300のように嘘に酔える作品になるのかもしれません。妻夫木さんの唐突な目覚めに?がついたり、あれだけの拷問に耐えられた訳や、拷問に耐えたにしても何事もなく立ち上がったりという部分も興ざめのポイント。ストーリーで何かを語るのではなく、断片的な小ネタに走りたがるのがこの監督の癖のようです。この監督にもっとも必要なのは興ざめする直前で踏みとどまり、リアルさと嘘のギリギリの線を把握するというバランス感覚なのかもしれませんね[DVD(邦画)] 5点(2015-01-17 11:15:20)
3. ストレンヂア -無皇刃譚-
《ネタバレ》 殺陣に関しては文句のつけようがない。丁寧で斬新な映像、見せ方にはひとつの極地を感じました。ただし、物語に関してもっさりした物を作ってしまったなぁという感想です。終盤、物語が動き出すまでは敵方の思惑や説明がメイン。一方で名無しと少年の交流が描かれます。その交流が大きな流れの蚊帳の外のほのぼのストーリーなので、それほど時間をかけて描く必要なシーンとは思えません。流れの中で扱うのなら解りますが、本筋にほとんど絡まないエピソードでこんなに時間をとるのはどうかと(ほぼ一時間経過するまで)。髪の色や過去の話に関しても同様で、物語にとって重要な意味を持たせられないのなら綺麗さっぱり切った方がよほどすっきりした流れになったと思います。虎杖と名無しのいかにも因縁ありげそうで実際は何もなくスルーされた過去エピソードが筆頭ですね。あとは人が描けていないところでしょうか。感動させようというシーンが目立ちますが、思い入れ出来るような描き方が出来ていないのでしらける場面が多かったです。様々な人物に焦点を当てすぎた結果、個々の掘り下げが浅くなるのなら対象を絞ってその人物を掘り下げるべきだと思いました。いくら良い殺陣や見せ方が出来ても物語が伴わなければ片手落ちに終わってしまうと感じられ、残念でした。[DVD(邦画)] 5点(2014-12-29 08:11:21)
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