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プロフィール
コメント数 1252
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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21.  宇宙からのメッセージ 《ネタバレ》 「スター・ウォーズ」(1977)直後に東映が製作した宇宙映画である。同時期の東宝「惑星大戦争」(1977)が旧来の和風疑似SF映画なのに対し、この映画はスペースオペラ色を強めたことに特徴が出ているとはいえる。 しかし中身としては単純な便乗企画であって、メカニックデザインはあからさまにSW風、他は手持ちのありあわせのもので埋めた感じになっている。センス・オブ・ワンダーのかけらもない一方、戦争で受難した者と儲けた者の明暗の差とか損を承知で政権を引き継ぐ心意気とか、俗世の一般人が容易に思いつく程度のディテールが目につく。「SF考証」のスタッフもいるにはいたが、科学知識でまともなところは「200万光年」の数字だけで、その200万光年を星一個が超光速で渡って来たのは奇想天外というしかない(何時間くらいかかったのか?一昼夜とか?)。 お話としては八犬伝のように見せておきながらいつまで経っても8人揃わず、これ以上の新しい人物はもう出ないだろうと思ったあたりでその辺のキャラクターを適当に指名したかに見えたのは非常に間に合わせ感があった。地球人が下賤の民であるところを延々見せておいて、特に関西人など勇士らしい特性を全く見せないまま挽回もせずに終わったのは完全に変だ。ほか戦闘テーマがショスタコーヴィチの引用というより丸ごと真似というのは節操がなく、毎度のホルンソロも煩わしい。 役者についてはジャパンアクションクラブの面々はまだしも、成田三樹夫氏とか織本順吉氏とかまともな役者を無駄に使った印象で中身と釣り合っていない。ほか変なのは老婆役が二人とも男優だったということだが、それはまあ別に問題ない(これでいいかも知れない)。 以上、まともな大人が見られるような作りでもなく、正直見るのがつらい映画だった。これよりなら「惑星大戦争」の方がまだましだと思うが、向こうも映画としての出来の問題があるので同点としておく。 なおこの映画で褒めたいのは、「自由への夢を奪い取ることはできないのです」という志穂美悦子嬢のキリっとした表情が素敵だ、ということと、ラストで地球との名残を惜しむ帆船の場面が絵的に美しいことだった。自分としては宇宙が青いというところに東映らしさを感じる。[DVD(邦画)] 3点(2017-05-08 21:44:44)《改行有》

22.  太秦ライムライト 《ネタバレ》 京都・太秦といえば個人的には大映の「大魔神」三部作(1966)だが、この映画は東映である。劇中で大御所役の松方弘樹氏も、大魔神と同時期の東映特撮時代劇「怪竜大決戦」(1966)に出ていたが、これは映画自体がそれほど知られていない。 この映画では冒頭から現代的な映像で斬新な印象を出しており、また特にラストが非常にすっきりした形で終わったのは感動的で、続くエンディングの曲も騒がしくなく素直な余韻を残していた。主人公は非常に謙虚な人物に見えたが、その場になれば大御所でも挑発してみせたりして、大御所の方もまたそれなりの顔で応じていたのはベタなようだが盛り上がるのは間違いない。 全体としては福本清三氏の時代劇への貢献を顕彰し、いわば記録保存する映画のように思われる。終盤、川島Pが突然変節したように見えたのは悪い意味で意外だったが、序盤でもこの人物は「人気のダンスグループ」の男の扮装を見て表情を曇らせた場面があったりしたので、別に時代劇を破壊するつもりだったのではなく、この人物なりに若者向け時代劇を再構築しようとしていたと思われる。この映画の監督は、年齢(と経歴)からすれば劇中の若手監督に相当するだろうが、実は劇中プロデューサーと同じ立場で先人に敬意を表する映画を作ったのかも知れない。 また本編の英語字幕が完備していて「北米劇場予告編」というのがあったりするので、時代劇というものを国内限定の文化遺産にせず、いわば人類全体で共有できる文化的価値として知らしめる意図があったとも思われる。実際この映画の監督が、このあと海外向けに「NINJA THE MONSTER」(2015)といった映画を作っているのは実践例かも知れない(が、中身を見ると少し心許ない気がしなくもない)。 ちなみに自分としては松方弘樹氏が、戦国時代を舞台にしたアイドル映画「ギャルバサラ -戦国時代は圏外です-」(2011、有村架純初主演)で織田信長役をやっていたのを見たことがあるが、これも前記の特撮時代劇と同じように、基本のところがしっかりしていてこそのバリエーションということだろう。その時代劇の基本部分(歴史的事実の尊重を含む)をどのように維持していくかも重要ではないかと思われる。 なお余談として、主人公の妻役で出ていた海老瀬はなという女優は京都の出身で、これより前の松竹映画「京都太秦物語」(2010)には主演で出ていたが、その相手役が著名ダンスグループのメンバーだったことが映画の価値を落としていた。また軽薄なアイドル女優役で出ていた中村静香という人も、京言葉を話す場面はなかったが実は京都出身であり、特に意味のないキャスティングのようでも一定の意図があったのかも知れない。[DVD(邦画)] 7点(2016-11-24 22:22:33)《改行有》

23.  海の金魚 《ネタバレ》 「チェスト!」(2008)の監督が、同じく鹿児島の海を舞台にして撮った青春映画である。前回は結構よかったが、今回は残念な結果になっている。 まず台詞が変に説明的で不自然なところがあり、また肝心のストーリーも観客が素直にわかるようにできていない。不法係留少女に関する物語はあまりにファンタジックで、「冒険」「宝探し」とかいう要素が現実世界の中で浮いて見える。一方で人殺し少女はより現実世界に寄せた形だが、これはこれで設定や展開の現実味のなさが目についてしまって共感できない。 加えてテーマ上は些細なことかも知れないが、地元の若手漁業者を最底辺のゴロツキのような扱いにするのは許されるのか。不法係留しておいて開き直った上に、咎めた漁業者のほか県当局までを悪役扱いしており、これでよく鹿児島県の推薦などもらえたものだ。また人殺し少女の父親が、実行委員としては動けないが父親としては動けるというのでは、親の情を示すというより親の権威を背景にしてルールを曲げた話にしか思われず、いったい現実社会というものをどの程度まともに意識して作ったのか疑わしい。 また一方では終始画面に赤黄青緑というような色がかかっているのが目障りで、空や海の素直な青が出ていない。あからさまに歌詞の入った歌や、悲しい場面での悲しいメロディなども過剰で苛立たしい。 そのほかご当地映画的に見た場合、桜島は何度も映るもののそれで地元らしさが出ていたのかどうかわからない。ヨットレースの扱いに関して自分としては何もいえないが、ヨットマンはともかく漁師には見せられない映画だったろう。 そういうことで映画全体としては褒められないが、不法係留少女役の若手女優はけっこう好きだ。かなり人工的な感じのするマンガのような人格をちゃんと演じていたのはご苦労様である。微乳なのでボーイッシュで活発な役に向いていると思ったがそれはよけいなことか。[DVD(邦画)] 4点(2016-10-25 19:59:44)《改行有》

24.  丑三つの村 《ネタバレ》 個人的に思い入れのある「八つ墓村」(1977)の関連映画として見たが、そのほか出演女優の大胆な演技が見られるというのも大きな動機である。しかし当然ながら主人公には全く共感できず、この男のドラマとしては見るところがない。 劇中では「天才と○チガイは紙一重」という発言が出ていたが、少なくとも天才には見えないのでこの言葉が当たっているとは思えない。主人公が徴兵検査から帰ると村人の態度が一変していたのは情報伝播が早すぎて不自然に見えたが、これが主人公の被害妄想による主観映像だったとすれば、これから精神状態が悪化していく最初の兆候だったとも取れる。何かと不安定な逢魔が時に“不要な人間は山に埋める”などという話を聞いたため、殺される殺されるで頭が一杯になってしまったのはまことに気の毒なことである。 また決行に当たり、女が来るのを期待して手紙を出すというのもみっともない話だが、終盤の別れの場面なども、もしかするとこれで本人としてはヒロイックな(格好いい)つもりだったのかも知れない。とにかく若年者のこっ恥ずかしい妄想を大真面目に映画化したようで、同感というより単に痛々しい。 最後の山上の場面では、近くの山に送電線の鉄塔が建っていたり眼下の集落の道路がアスファルト舗装のように見えたりで、まるで主人公が突然時間を飛び越えて現代に出現したような変な印象があった。ここで主人公がカメラ目線で皆様へ別れを言ったりするので、これは現代の観客に対して直接何かを訴えかけているのだろうとは思ったが、自分としては全く聞く気がなく、早く映画を終わりにしろと思っただけだった。 そのようなことで、決して内容のない映画ではないとは思うが、個人的には出演女優それぞれの持ち味を賞する以上のものにはならなかった。点数は女優陣に入れておく。[DVD(邦画)] 3点(2016-07-25 19:52:24)《改行有》

25.  宇宙人東京に現わる 《ネタバレ》 子どもの頃、東京のビル街に巨大な宇宙人が立っているスチル写真を見た記憶があるが、実際に映画を見るとそういうものでは全くなかったので騙されたと気づいた。他の写真を見てもあからさまな嘘が多いが、こういうのは突っ込まずに笑って済ませることが期待されていたらしい。 また宇宙人の着ぐるみは、アクションが不要だからか中の人に合わせる気がないようで、頭と手足が全て同じ大きさで揃えてあるので均整が取れている。しかし立っていると着ぐるみに皺ができ、いかにも布のような薄手の素材で作ったように見えるのはシーツを被ったオバケのようでもあるが、制作側としてはこれで特に問題があるとは思っていなかったらしい。 内容的には、前半は普通の娯楽映画のようで気楽に見られる。市井の人々の会話が楽しいが、学者一家がまるで身分の違う人のように扱われていたのは当時の社会通念を示したようで興味深い。また当時の東京郊外の風景や(杉並区?)、開発初期の小型ロケットが出ていたのも時代を感じさせる。しかし後半はあまりにも適当な展開になってしまうのが残念なことで、博士を誘拐した悪党連中は行方不明で終わり、また満を持したかのように宇宙人が介入したタイミングも合理的には説明できない。 テーマとの関係で見れば、人類を救うための使用を最後にして原水爆が地上から消えた、という感じのハッピーエンドにしたかったのかと想像される。しかしそれに心から共感するためには、実物が失われても知識や技術や保有の動機は失われていないはずだ、と考えないようにする必要があるので難しい。反核にしても観念論にとどまっており、とても「ゴジラ」(1954)のようなインパクトは感じられない。 また最後のミサイルは宇宙人が製造したわけだが、これは心正しい人々が正しい目的で核兵器を使うのは容認されるということなのか。一般に反核というのは核兵器の存在自体が悪なのであって、目的を問わず製造・使用などとんでもないというのが普通だろうが、この映画では保有国によっては批判の対象から除外するのと同様の印象があって理不尽に思われる。 ただ、他のレビュアーが書かれているように、ラストの妙なほのぼの感が非常に印象的な映画ではあった。[DVD(邦画)] 4点(2016-06-04 09:59:48)《改行有》

26.  ウォーターボーイズ 《ネタバレ》 若い連中がバカをやらかす映画は嫌いなので、なんでこの監督はこういう面白くもないおふざけをやっているのか、と醒めた目で見ながら半分以上が経過する。ときどき突発的に可笑しいところはあるがその気分があとに続かず、こんな映画に時間を使っているおれはアホではないかと思っていた。 しかし転機になったのが桜木女子の伊丹弥生さん(演・秋定里穂)の登場である。この人はもう個人的に大好きだというキャラクターで、ここから気分が一気に好意的な方向に変わる。その後は男どもの大舞台であって、満場の女子に大受けというのは男子にとって最高の見せ場といえる。男子校と女子校を分けていたのはそういう意味だったかとここで初めて納得した。最初の方では何のためにいるのかわからなかったヒロインもこの場で俄然輝きを増し、バカな主人公を全面肯定してくれる存在になるのが嬉しい(:例のパンツは、本当は前の晩に用意していたのを当日になって渡すことができた、という話だったのか? 物わかりの悪い観客ですいませんが)。 上達の過程をろくに描かないのはスウィングガールズと同じだが(製作順と逆に見た)、クライマックスは映像+音楽の面でもかなりインパクトのあるものになっており、見る者をしあわせな気分で一杯にして終えるので細かいことはもう関係なくなる。監督はこの時点で30代前半だったわけだが非常に才気ある人物という印象だった。 なお関連して、「桜木の天使たち」3人組が出るサイドストーリー(監督・脚本:矢口史靖)も好きだ。この連中の漫才は腰が抜けるほど可笑しい。[DVD(邦画)] 7点(2015-12-31 09:31:13)(良:1票) 《改行有》

27.  宇宙戦艦ヤマト 復活篇 《ネタバレ》 旧作のヤマトではほとんど毎年のように大事件が起こっていたが、今回は前作の17年後になって時間が少し飛んでいる。これは公開年の差を反映しているというよりも、古代夫婦の娘の年齢設定に合わせたものと思われる。ほかにもアニメ美少女のようなのが出ていて華やかなのは大変結構なことだった。 新しいだけあって映像面はさすがに高水準になっており(主にメカニック関係)、劇中に挿入されている前作(1983)との差が著しい。また特に色彩感が豊かで、とりあえずこういう点だけでも楽しめなくはない(ただし有名クラシック曲はうるさい)。 ストーリーの面でも、少なくとも開始後1時間程度は普通に面白い。これまでヤマトが何度も人類を救ったことは劇中でも強調されていたが、本来このシリーズでの人命はメインキャラの物語を見せるための消耗品でしかなく、本当に人類全体を守っているという実感など全くなかった。しかし今回は移民船という守るべき対象が明示されており、この船団に億単位の人間の人生が詰まっていると思えば見る側としても緊張感を覚えなくはない。護衛戦でヤマトが見せた献身的な行動に敵が感服したというのも感動的なエピソードではあった。 しかしその後の展開を見ていると、強権に対抗するためには民がどれだけ犠牲になっても構わない、というような決定が平気でなされていたのは困ったことである。また戦いが始まってみれば強大な敵の本拠地がすぐその辺にあって、そこにいきなり突っ込んで行って撃滅するというお手軽感覚は昔のままらしい。結局は、従来からこなしてきたイベントを21世紀になっても繰り返しただけのようで、これでまた続編を作る気満々だったというのはさすがに呆れるしかない。[DVD(邦画)] 5点(2015-10-14 19:21:09)《改行有》

28.  宇宙戦艦ヤマト 完結篇 《ネタバレ》 劇中の水惑星の名称はラテン語由来であるから地球人が命名したのだろうが、新天体にわざわざ“みずがめ座”という名前を付ける人間の気が知れない。 内容は前作をさらに上回る超超大作になっており、従来の路線を集大成してパワーアップした大仰で独りよがりでくどい映画になっている。「わたしは××」と名乗る謎の女が唐突に出現するとかは通例であってこの映画が特別なわけではないが、ただし最後に2人がやっと結ばれたという場面を置くことで、ここで本気で終わらせようとした意気込みは感じられる。 この映画で珍しいのは僚艦の乗員救助の場面があったことで、また避難民の輸送船が全滅させられるといった展開は民間人を巻き込む紛争の悲惨さを感じさせる。要は敵の冷酷さを強調するためだろうが、逆に今回は制作側が柄にもなく人命を気遣っているように見えたのが特異な印象だった。そのほか純粋に面白かったのは、敵の君主が自ら騎馬兵団を率いて突撃した場面である。古代シュメール人の末裔らしく前近代的な行動様式だが、その心意気はまことに立派であり、彼の人間的な魅力のなさもこれで許せる気になった。 ところで空中に出現する謎の女は台詞が長いので聞くのがつらい。最初はとにかく戦って勝てと言っているのかと思ったが、そればかりを目指していた敵が滅んだところをみるとそうでもなかったらしい。まずは現世的な(いわば横の)つながりを作ることが勝利に結びつき、その結果として人類の命が未来に続いていくということなら、唐突にデスラーが参戦したのもこの映画的には必然性があったことになる。これまで人類(というか古代)が培った友情がここで実を結んだということだろう。 またこの映画で素直によかったのは終盤で古代と雪が黙って敬礼していた場面で、その後の「お父さん」というのも何気に感動的だった。ここで見送られていた艦長にも亡くなった子がいたはずだが、その分も背負って二人の子孫が未来に続く(いわば縦のつながり)というのなら、これも謎の女のメッセージにもかなうことだろう。宇宙戦艦ヤマトを見て感涙するなどまともな大人としてどうかとは思うが、ここは少々泣けた。その後の子作りの場面はやりすぎだが、少子化の時代の今こそ見てもらいたい(しかし誰も見ない)映画といえなくもない。[DVD(邦画)] 5点(2015-10-14 19:09:39)《改行有》

29.  宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち<TVM> 《ネタバレ》 次回作のヒロインと敵を紹介したプレイベントのような映画である。 地球にしてみれば恩義ある個人(と乗組員の身内)のため、またデスラーにしてみれば惚れた女のための戦いだろうが、地球そのものが壊滅の危機に瀕するヤマトの通例からすれば緊迫感も悲壮感も感じられない。結果的にはスターシャが死んだことで、デスラーが未練を振り切ることができた?のは幸いだったともいえるが、それだけのためにガミラス人全部が滅亡しかけたように見えており、またヤマト側にも明らかに死者が出ている。こういうメインキャラクターの個人的感情のためにどれだけ人が死んでも構わないというのはまるで他人の痛みを感じられない人間が作ったようで、「戦争のためのエネルギー源なんか採掘させてたまるか」などという唐突な台詞がいかにも空虚に感じられる。だいたいイスカンダルの2人を助ければ済むはずなのに、相手の申し出を蹴ってまで戦闘を始めるのではどちらが好戦的かわからない。 個人的にこの映画の価値と思われるのは、新作の劇伴で「新コスモタイガー」という曲が出て来たことである。ただしそれほど印象的な使われ方でもなかった。[DVD(邦画)] 3点(2015-10-14 19:09:29)《改行有》

30.  宇宙戦艦ヤマト 《ネタバレ》 「古代くんが死んじゃう…」がないのは知っていたが、「馬鹿め」の返信や、ワープ時の視聴者サービスくらいは短いので入れてくれてもいいだろう。要はTVシリーズの総集編なので映画として評価すべきものでもないだろうが、中身は一応ヤマトなので、ヤマトに関することを書いておく。 まず2世紀前の廃物を改造するのが不自然なのはもちろん、全体的にも科学考証度外視でサイエンス・フィクションとしては落第だと当時の小学生でさえ思っていた。また何かと適当な作りに思える部分が多く、ご都合主義も満載で動画としても粗い印象があり、決してベタ褒めできるようなものではない。 しかし自分にとってこのストーリーの価値は、実はそんなことには全く左右されない。悲運の軍艦大和が宇宙戦艦として復活し、大遠征の果てに目的を遂げてちゃんと還って来る、という点に激しく共感したからこそ、各種の問題点は当時から全部不問にしていたのである。また、勝利と引換えのあまりに大きな犠牲に茫然とする描写や、周囲が喜びに沸く中でひとり家族の写真を見ながら息を引き取る姿など、見るべき場面もちゃんと用意されている。個人的に忘れがたいアニメであったことは間違いなく、自分にとってのヤマトはこのTV第1シリーズだけで充分だというのが、その後の商業展開を横目で眺めて来た立場からの実感である。個人的に一定の思いもあることから、ここは総集編というよりTVシリーズに対する評価をそのまま点数にしておく。 ちなみに思い出話になるが、うちのクラスでは短いチョークを教室の天井に投げ、跳ね返らせて目指す相手に当てるのを反射衛星砲と言っていた。授業中にこれをやったら、怒った相手からチョークが一直線に飛んで来たことがあった。[DVD(邦画)] 7点(2015-10-10 22:20:03)《改行有》

31.  うた魂♪ 《ネタバレ》 主演女優は普通の美少女かと思っていたが、この映画では変顔を惜しみなく見せており(これを見るのが鑑賞動機)、それでいてちゃんと美少女としての印象も出している。何よりこの女優の表情が見どころの映画である。 また序盤のコメディ部分がかなり笑える。主人公の我田引水的な妄想が実体化して飛んでいくのも可笑しいが、フェロモンに誘引されて鱗翅目の昆虫(大型!)が飛来したのは爆笑した。 ところで個人的に合唱にはいい思い出がない。熱心な音楽教員が児童に歌わせたい理想の歌を、学年全員に歌わせたことで一体その何割が合唱嫌いになったことかと思う。合唱部なり合唱団に属していれば、どんな曲でもいわば“業務”としてやらなければならないだろうが、それでも個人の嗜好に関わらず「自然な笑顔」を強いられるのでは多少なりとも自己洗脳が必要になり、「将軍様を讃えてる」と揶揄されるのも無理はない。 しかし逆に人間であるからには感情が顔に出てしまうのは仕方ないわけで、劇中でも「私の青空」を即興的に歌ったときの楽しそうな表情は見ている側も嬉しくなる。一連の事件の経過を受けて主人公の心境にも変化が生じていたらしく、アンコールの段階になればもう、写真愛好家の馬鹿に見せつけてやるに十分な最上の笑顔を見せていた。ソロ部分の歌い出しは主人公のドラマに即して聞くと心に染みるものがある。 ここで指揮者が反対向きになっていたのは実際あることなので珍しくはないだろうが、アンコールとはいえ“業務”だったはずの合唱が、最後は全員が心から共感できる歌に変わっていたのは本当に感動的だった。独りで歌えばいいと思っていた主人公がこういう場面に居合わせることができたのも、やはり初めから「みんなと歌う」ことを志向していればこそのことだろう。自分としては今でも合唱など男のすることではないと思っているので他人事ではあるが、この映画を見ていると、改めてそういう人々がうらやましいと思わなくもない。 そのように一般人にも歌う喜びを感じさせる一方、合唱側の人々にも一定の注文を付けたように見えるところがあり、合唱人と一般人の間の越えられない深い溝に何とか橋をかけようとした映画のように感じられた。コメディ部分はともかくとして、合唱というものを真正面から真摯に扱った映画として評価したい。[DVD(邦画)] 9点(2015-09-30 23:35:50)(良:1票) 《改行有》

32.  ヴィタール 《ネタバレ》 知り合いにDVDを貸されたので一応真面目に見た。お勧めというだけあって好きな人は好きかも知れないが、自分としてはまあ普通というところである。 その知り合いは、一生の最高の瞬間が「匂い」とともに思い出される、というところに感動したのだろうと勝手に想像していたらそれは当方の思い込みで、実際は映像の色彩感が好きだとのことだった(彩度の高い部分ではなく、灰色だか何だかわからない微妙な色がいい、というような話だったが理解不能)。自分としては相手役の女優2人が、演技のキャリアにかかわらず映像的に好印象なのが評価ポイントである。 ところで自分としては当初、解剖を通じて呼び覚まされた記憶や感情はどうせ主人公本人のものだろうと思っていたのだが、最後は死者との交感のようになっていた(生きろ、と言われていた)のは、いわば物的な人体に“魂”までが内在しているという感覚だろうか。だとすれば本当の別れが斎場になるのも自然なことと思われる。 主人公が最後に「医者の勉強は続けたい」と言っていたらしいのは一体何を研究したいのか怪しいもので、そのうちその辺の人間を無差別に解剖し始めるなどということになると別ジャンルの映画になってしまうわけだが、あるいはこれが医学上の大発見(心理学との統一理論など)につながる研究ということなのかも知れない。 なお劇中では解剖中の学生がオイデオイデをやっていたが、こういう場合の定番である「壁に耳あり」をやらなかったのは意外だった。[DVD(邦画)] 5点(2015-04-05 00:22:19)《改行有》

33.  51(ウーイー) 世界で一番小さく生まれたパンダ 《ネタバレ》 ひたすら微笑ましいパンダ映像が延々と続くというわけではなく、基本的にはパンダの生育過程を描いたドキュメンタリーである。成長してしまえばのっそりして薄汚いだけなので、見どころはやはりパンダ幼稚園が中心ということになる。飼育員の女性の物言いがきついので呆れてしまうところがあるが、本人はこれでも愛情をこめた罵倒のつもりかも知れない。 この映画で特徴的なのは見ている人間が感情移入できるよう作られていることで、特に後半ではナレーションと音楽での脚色が過剰なため個人的には全く歓迎できないが、これはまあ子どもだけでなく、一緒に映画館に来ている両親にも楽しんでもらおうという趣向だろう(それにしては少々きつい内容だが)。パンダが好きで見ようとする人々は、そういった点が気にならなければ素直に楽しめると思われる。また人によっては、制作側の意図のとおりパンダ映像に乗せた人間の物語に感動するかも知れない。 なお余談だが、以前にここの現地(成都大熊猫繁育研究基地)に行った際、パンダは人間を襲ったりしないのか、と同行していた地元の人に聞いたところ、いかにも心外だという顔で「優しい!」(日本語)と否定された。しかし外見的にはどう見てもクマであり、山奥では人を食ったりしているのではないかとまだ疑っている。[DVD(邦画)] 4点(2014-11-04 20:38:34)《改行有》

34.  海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ 《ネタバレ》 主要人物がみな可愛いので多少のことは許すといったタイプの映画だが、別に外見だけで優遇しなくても、個人的には演技の面で特に不満は感じない。特に佐津川愛美の情けないような泣き顔は微笑ましいというか笑ってしまう。 しかし当然ながら話の内容には全く感心できない。特に終盤で、みんなが友達になれないのは学校のせいだ、大人のせいだと言っていたのはいかにも前世紀的な発想で、かつ劇中でそのことが十分に表現されていたとも思われず、制作側の思い込みがここで唐突に表面化したようにしか見えていない。またどうすれば友達になれるかといった話も説明的で底が浅く、そんなことを台詞で延々と言われて死神までが感動したというのも難がある。それよりも、例えばイチゴの持つ意味をもっと明瞭にして、高校生の友情物語が素直に心に染みるよう作ってもらいたかった。 ほかにも苦情を書けばいくらでも出るが、それでも決定的に悪い印象にならないのはやはり主要人物4人のおかげである。また主人公の姉(演:三船美佳)が恐ろしく可愛気のない女になっていたのは少しビビった。そういったこともあって、点数は少し高目に付けておく。[DVD(邦画)] 3点(2014-06-28 23:50:45)《改行有》

35.  宇宙大怪獣ギララ 《ネタバレ》 上映当時は見ておらず、衛星放送が始まった直後くらいが初見だったが、昔の怪獣映画など期待して見ても落胆させられる場合があることを初めて思い知らされた映画だった。 まず一応褒められる点としては、ミニチュアセットの中で小さい車両を動かすのにこだわっていたことである。また怪獣のデザインも未来的で、外見だけ見れば「宇宙大怪獣」にふさわしい。しかしこの怪獣が変にオーバーアクションで、鳴き声もBGMも単調でやかましいのは評価を落とす。ストーリーに関しても、特に人類の火星到達を阻止しようとした勢力が何だったのかわからないまま終わってしまい、せめて登場人物の台詞で“宇宙にはまだわからないことが多い…”くらい言わせないと最後が締まらないだろう。 一方で登場人物としては、主役のオヤジじみた男、香港映画にでも出そうな通信士、可愛くない外人女性、わがままいっぱいの外人医師など全てが魅力に欠けている。特に主役は和洋で両手に花状態になるのが極めて不自然に思われる容貌だが、まああまりこの人の悪口を書いてしまうと「ミラーマン」<TV>(1971~1972)の村上チーフに対して失礼ということになるので自粛する。 劇中でかろうじて好意的になれるのは日本人ヒロインであり、見た目はわりと地味だが外人女性に比べていかにも若々しく(撮影当時は17歳程度?)、またすらりと背の高い人のようで外人女性に負けておらず、日本人の男連中が低身長に見える。この原田糸子さんという人は女優としての活動期間が短かったようだが、この映画のほかには「レモンのような女」<TV>(1967)の第6-1話(佐々木守脚本、実相寺昭雄監督)で主演しており、昭和特撮ファンにとっては少し重要人物かも知れない。[DVD(邦画)] 4点(2014-01-06 23:46:23)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

36.  宇宙大戦争 《ネタバレ》 この映画を見ると毎回思うのだが、「スピップ」というのがどうも間抜けに聞こえて仕方がない。名前の由来は劇中でも説明されないので落ち着かず、仕方なく自分で調べるかと思ってネット上を探してもどこにも書いてないが、そのうち何となくわかってきたのは、SPACE SHIPを大胆に略して一語にしたのがSPIPなのではないかということである(今ごろわかったのはおれだけか?)。 このSPIPの打ち上げ直後は、乗員が手で顔の皮を横に伸ばしてまで加速を表現していたが、宇宙空間に出た後は噴射をやめて慣性飛行に移り、以後は側面への噴射でコースの移動や機体の反転を行うといったあたりは現実的で、当時としては志が高い映画だと思う。 しかしその割には、終盤に出るロケット戦闘機が宇宙空間で格闘戦ができるほどの旋回性能を発揮していたのは方式が不明であり、また特に無重力というものを映画のスタッフがどのように理解していたのかがわからない。ほかストーリーとしても、真っ正直に宇宙戦争を描こうとした映画だというのはわかるが、あまりにストレート過ぎて味気なく思えるのが残念である。 ただ宇宙ステーションの破片とともに乗員が宇宙を漂っている光景は、当時の観客にとっては慄然とするものがあったのではないかと想像され、この場面については率直に評価できる。また終盤で、ロケット戦闘機が実戦投入される際の博士の言葉を聞いていると、日本人としては何となく太平洋戦争中のロケット機「桜花」が思い出され、これは戦争なんだと思わされるものがあった。 なお、ヒロイン役の安西響子さんは外人女優よりもスマートで美しいと思うが、本編ドラマの方ではあまりいいところがない。月夜に二人きりの場面でこの人が「いつまでも変わらないものがあるでしょう?」とか言い出すので、もうわかったから答えは言うな、と思っていたのだが、結局言わせてしまうのだった。本当にしょうもないドラマである。[DVD(邦画)] 4点(2013-10-21 22:00:55)《改行有》

37.  宇宙怪獣ガメラ 《ネタバレ》 別のガメラ映画では過去映像を長々と使い回ししていて落胆したが、この映画は初めからそういうものとわかって見たので個人的には問題ない。 内容としては、一度は手放したカメがガメラになって戻って来て、最後は宇宙に去るというのは昭和ガメラ第一作への回帰を意識したのかと思える。が、それ自体にそれほど重い意味はなさそうである。また過去映像が重厚なのに劇伴が妙に軽快で、ドラマ部分も30分番組程度の軽さであり、ちょっとお色気の場面(おねえさんが短パンでアクション)もあるのは東映TV特撮を見ているようだった。ほか主人公の少年の歌う「ガメラのマーチ」(=主題歌)は、どう頑張ってもちょっと受け入れがたいものがある。 ところでこの映画ではガメラの存在感が薄い代わりに、善悪計4人のおねえさんが出ているのが少し豪華で、うち失敗続きで哀れっぽい悪玉のおねえさんを応援したくなるのは製作側の狙い通りだろう。善玉のおねえさん方は武器を持たない宇宙人とのことで、戦力不保持の平和日本に滞在しているのはふさわしいと思えるが、ガメラにばかり頼るわけでもなく自己犠牲も厭わないのはなかなか覚悟が据わっている。大きいおねえさんはいかにも強そうだったが、小柄に見える2人にももっと活躍してほしかった。 ほか具体的な場面として、亀有交番の警官の台詞には不覚にも笑ってしまった。一方でゴジラ映画を揶揄するような場面も挟まっていたが、これは笑えるというより、他人のことなど言えるのかという感じだった。これが昭和ガメラの最後というのはやはり寂しいものがあり、ぼくらのガメラもここまで落ちたかというのが正直なところだが、ただ過去怪獣総登場の上に他メディアからの引用やパクリまで入れ込んだ賑やかさは、「ゴジラ FINAL WARS」の雰囲気に通じるものがあるように思われる。[DVD(邦画)] 3点(2013-01-19 10:07:17)《改行有》

38.  宇宙大怪獣ドゴラ 《ネタバレ》 むかしTV放送で見た時には、怪獣の姿がまともに出ないまま終わったので非常に落胆した。ポスターなどに出ているのはデザイン画の状態であって、撮影用の造形物は単純化されている(特に頂部の突起3本がないのは残念)が、それさえ映画ではろくに見えない。せめて発光するなら見栄えがしただろうが、成体は水中で動かす関係で無理だったか。 ただ、映像特典で特撮の中野昭慶氏が語るには「重力に反した怪獣」にしたかったとのことで、そういえばこれ以前に重力無視で浮いている怪獣というのは存在しない。飛ぶ怪獣は翼・飛膜・翅を使っており、この映画と同年のキングギドラも一応大きな翼がついている。空飛ぶ円盤が未知の科学力で飛ぶのは別として、生物でも怪獣なら重力無視で可という風潮の発端はこの映画だったようで、これは大変勉強になった。 また映像面では北九州市の風景が珍しく、洞海湾の周囲に広がる街の上空にクラゲが漂うような映像は印象的である。ぜひ北九州市の“市の怪獣”として制定してほしい。 ところで本編では、刑事、博士と調査官のやりとりが面白い。特に調査官は予告編でも「変な外人」とキャプションがついており、当時としても相当可笑しいキャラクターだったと思われる。防衛司令も真面目な顔を崩さないがコミカルな演出に貢献していた。これが事実上、この映画の最大の魅力と思う。 なおこの怪獣は「宇宙細胞」が放射能のせいで変化したことになっているらしく、初代ゴジラから10年も経って放射能ネタをどこまで引きずるかと思うが、ラストで博士が「宇宙細胞の平和利用」と言っていたのには笑った(少々意図不明だが笑うところなのだろう)。発電に使うつもりに違いない。核の脅威など感じさせない明るい雰囲気で終わり、刑事と秘書はこれから二人でお幸せに(多分)という感じだった。[DVD(邦画)] 6点(2012-06-23 21:25:58)《改行有》

39.  宇宙ショーへようこそ 《ネタバレ》 宇宙旅行の目的地だったイヌの惑星は、りょうけん座(猟犬座)のM51銀河にあったらしい。けっこう遠いので驚いてしまうが、複数の銀河を含む広大な文明世界の中で、地球が辺境の惑星として知られているというのはかなりの知名度である。 内容的には、宇宙生物や小物の設定などに力が入っているのはわかるが、全体的にはどこかで見たような要素の組み合わせという印象で、大作の割にはセンス・オブ・ワンダー不足という気がした。また宇宙人側の背景事情が細切れでほとんどわけがわからず、力みすぎて破綻したようにも見えていたが、それでもまあ普通に面白い冒険ファンタジーだと思う。 銀河系外に出るような大冒険でも、子どもらにとっては夏の体験の一部に過ぎず(合宿の枠内にちゃんと収まっていた)、その後も普通に夏休みが続いていたらしいのが変というか微笑ましいのだが、5人それぞれに何か心境の変化はあったものと思う。特に最年長の少年は、大人の期待に応えようとするあまり狭い責任論ばかり語って情けなかったのだが、今回はみんなの力を借りて、あえて困難に立ち向かう体験をしたのはよかった。 また映像面では、朝陽の射すわさび田の風景と、彩度を抑えたイヌの都市の景観が印象的だった。 なお後半で敵役の登場人物が、拉致した人々を強制労働させて「弱い者を救うことこそ、宇宙の未来だ」と言ったのに対し、味方の登場人物が「自分の力で生きることが真の未来だ」と反論していたのは、“国民に雇用をあてがう大きな政府など不要”と言っているように聞こえて、これが新自由主義とグローバル化の時代の教育的観点なのかと苦笑してしまった。個人的には政府部門の役割はなお重要だと思うが。[DVD(邦画)] 6点(2012-05-09 23:18:44)(良:1票) 《改行有》

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