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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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21.  時計 Adiue I 'Hiver こういう長い記録をドラマに織り込むって試みは、きっと多くの人が思いついても実際は面倒でやれなかったものだから、そのことだけでも褒めていいと思う。ただその5年間の少女の成長の記録をあまり生かせてなかった。お話が決まっていなくちゃ、そう無駄にも撮れないから、まあ通うとことか練習するとことか何にでも使えるカットになってしまう(現在なら廉価でハイビジョンビデオ使えて、いろいろな想定されるシーンをたっぷり撮っておけただろう)。だから本当にドラマが動き出すのは、現在に至った後半になってしまう。最初にかっちりシナリオを作って配役を拘束し5年撮影し続けるってのは大変だろうし、それではその5年の間に新たに発見するものを映画に加えていけない。そこらへんうまく働けば、映画ならではの記録性とドラマ性が融合した作品が生まれただろう。こういう試みがテレビ畑の人から出てきた、ってのが皮肉。刹那的なものを追っていたようなテレビのほうが、記録性ということに敏感になっていたのか。[映画館(邦画)] 6点(2010-11-17 09:57:23)

22.  トイレの花子さん(1995) 《ネタバレ》 子どもらは緊張している。いじめもあるし、変質者もいる。いじめも、「だってこれは多数決よ」なんてあたりに現代の特徴があろう。じわじわくる。そういう緊張の凝り固まったものとしての恐怖の幽霊、ではなく、変質者から守る守護霊になっていくところが、古い伝統を残していてちょっと嬉しい。階段の踊り場という中途半端な場所の鏡が繰り返される。この中途半端さも利いているのだろう。理科室は定番、骸骨の標本を出さなかったのは偉い。そういえばこの映画には母的なものが不在だったな、しいてあげればケーキ屋のおばさん、あとは保健室の先生の土屋久美子だが、母的にしては色っぽい。そこらへんも、現在の子どもの緊張と関係があるのかも知れない。昔は学校に守衛さんてのがいたが、おらなくなったのか。[映画館(邦画)] 6点(2010-03-15 09:07:13)

23.  トウキョウソナタ 《ネタバレ》 こんどは普通のホームドラマだ、って聞いてたから、最初のうちは「粗雑なシナリオだなあ、そんなリアクションはないでしょ普通」などとブツブツ言いながら見ていたが、失業友だちのエピソードあたりからか、「これいわゆるリアリズムじゃないのだな」と分かってきて、途中からちょっと守備位置を変えて鑑賞した。だから役所が出てきても、そう驚かないですんだ。広い意味でのファルスというか。このタイトルは小津の『東京の合唱』を意識してるんだろう。あれも苦いコメディだった。戦前の大不況期の失業家族のドラマを、今回の平成の不況に読み換えていく(子どもの病院行きが共通し、トイレの札束もボーナスシーンを思い出させた)。あっちはラストで“合唱”に至ったが、こっちは家族がばらばらに“ソナタ”という独奏曲を奏でた果てに、三者三様の朝を迎え、とりあえず肩を寄せ合って終わる。でも流れる曲はまだ朝には至らない「月の光」だ。あの時代も現代も、家族ってものは隠し事をする対象であり、また踏ん張る力を与えてくれるよりどころでもあると、変わっていない。ショッピングモールから発進する役所・小泉の車を追って併走するカットや、住宅街のたたずまいのノッペリとした気味悪さなどに、この監督の味。香川照之の赤いネクタイは、作業服の予告でもあるが、同時に朝日の希求でもあった、と思ってやりたい。[DVD(邦画)] 6点(2009-10-08 12:04:44)

24.  トキワ荘の青春 典型的な“貧しいけれど夢があった”式の話で、でも仲間うちのワキアイアイの描写がベタついていないのが感じいい。なれなれしくない。新漫画党結成のパーティシーンなんか、ちょっと距離をおいて話し合ってる雰囲気が好ましかった。実際のトキワ荘がそうだったのか、市川監督の理想なのか。みんな似た帽子かぶってんのね、と母親が言う。恋愛のない青春ものというのも珍しい。石森の姉へのほのかな感情はあるが。全体の骨格としては、マンガの時代の到来と、寺田ヒロオ式のマンガの凋落とが重ね合わされている。そこらへんの陰影がよく、細部に満ちている映画なので、何か芯が物足りないと不満を持ってはいけないのかも知れない。[映画館(邦画)] 6点(2009-09-22 12:02:59)

25.  時をかける少女(2006) 木洩れ日や室内の陰りなど、光と影の“照明”が丁寧になされていて、平板な人物たちがそれで救われた。リセット願望というか、やり直し願望というか、なかったことにしたい願望、そういうものは若者よりも中年以上の世代のほうが強くあるんだけど、年とると深刻になっちゃうから、さわやかな話にならない。こういうテーマでさわやかにキュンとなれる主人公も、若者の特権なのか。タイムリープするにも、かなり体力が要りそうで、若くなければできそうもない。悔しい。停められない時間・魔の時の始まりを告げる商店街の自動人形時計の凶々しさなんかよかった。アニメとは動く画のはずだが、停止した時間も描けたのだ。停止した世界をゆっくり移動で捉えるシーンが美しい。それがあって走り続けるヒロインの場も生きてくる。映画ならではの反復の楽しみもいっぱい。それにしても、「遅刻しちゃ~う」と階段を駆け降り、朝食もそこそこに飛び出していく女の子で始まるドラマを、人はいったい一生のうちに何十本目にするのだろうか。[DVD(邦画)] 6点(2009-03-06 12:15:07)(笑:1票) (良:1票)

26.  とんかつ大将 《ネタバレ》 タイトルが活字でサッパリと出て、無音のままキャスティングも過ぎ、唐突にブレーキの音が轟く、というニクい導入。でも話の軸は、病院の悪徳弁護士と町医者との対立で、善悪が恥ずかしいぐらいにきれいに割り切れている。なにしろ病院を増築してキャバレーにするっていうんだから。そしてグレてた高橋貞二は佐野周二の説得ですぐ警察に自首し、徳大寺伸も子どもを手術で救われていい人に戻り、岡惚れしてる飲み屋の女将は津島恵子のために身をひく。実は財界の御曹司だった、ってあたりはもうついていけなかった。迫り来る火事の中での手術がポイントで、これで浄化され、悪徳弁護士は退散、盲目少女の目は見え、不良高橋は真人間になって戻ってくる、という大団円である。御都合主義もここまで来ると、いっそいさぎよく爽快である。[映画館(邦画)] 6点(2008-12-07 12:13:20)

27.  どら平太 30年前だっら誰が演じることになったんだろう、と考え、しかし考えつかず、役所の貴重さを改めて思った。柔剛あわせ持つキャラクター。でもやはりこの監督は女性映画の人で、たとえ浅野ゆう子でも、彼女が出てくると崑らしさがパーッと出る。遊びみたいなシーンだけど、岸田今日子の女博徒もおかしかった。活劇映画としては、も一つ駄目押しの見せ場がほしいところだなあ。ま、どら平太のサワヤカさの方に主眼が置かれているのだろう。宇崎竜童と片岡鶴太郎は、配役をちょいとひっくり返しているような面白味。[映画館(邦画)] 6点(2008-09-29 10:45:20)

28.  富江 re-birth 《ネタバレ》 一作目ではともかくも警察が動いた。二作目では病院が一つ潰れた。富江の活動がそういう社会的反映をもたらしたが、今回は狭~い友達関係の中だけで話が閉じている。富江にしてもやりがいがなかったのではないか、と思われるが、青春ドラマの線は出た。富江がヒトミに憑依していくとこが本作のポイントで、「富江は分裂増殖する」って謳い文句がやっと意味を持った。恋人が・自分がしだいに富江化していく切なさの、妻夫木聡・遠藤久美子による記憶喪失恋愛ドラマ味が、ホラー味と重なってくるラスト近くの3人の場で楽しめた。実はもう一ヶ所、風呂場で富江を解体する場もけっこう気に入ってて、奥の洗面器に酒井美紀の生首が斜めに突っ込まれてる前で、母と子が「夏休みの工作を思い出すわ」なんて言いながらノコギリ引いてるあたり、劇場では笑いが起こったかもしれないが、なんかこういうとこ好きなの。「シュンちゃん、起こしちゃった?」とか「男の子はやっぱり力があるわね」とか、淡々とした会話と血みどろの同居。[ビデオ(邦画)] 6点(2008-08-02 11:05:57)

29.  富江 tomie 永遠の被害者ってのがちょっとユニークかと思うが、もともと日本のお化けは被害者の恨みが凝り固まって生まれるもので正統中の正統。あどけなさがそのまま怖さになるってのも珍しくはない。やっぱこれ菅野美穂の顔の怖さに尽きるなあ。前半伏せといて、後半満を持して特殊メイクなしで素顔を出し、それでも怖い。顔の造作の各パーツはいたって単純(目など単純すぎてそれも不気味ではあるが)、その各パーツの釣り合いが微妙にアンバランスで、下半分が膨らみ気味になるのを、ともかくも一つの顔に収拾しているところに、何とも知れん緊張がある。顔自体が膨張したがっているのを、無理に押さえ込んでいるような。各パーツの単純さを裏切る魅力的な複雑さが生まれている。「永遠にかわいいまんまなんて、かわいそうでしょ」なんて、その顔で言われると、なんかこう、複雑な気持ちだが、ホラー的気分にはなる。ただし凄味をきかせると怖くなくなります。[DVD(邦画)] 6点(2008-07-25 10:27:30)

30.  TOKKO―特攻― やさしい叔父さんと狂信的なカミカゼとがつながらない、という個人的疑問から出発しているのが、ドキュメンタリーとしての強みになった。兵士サイドが特攻戦法をどう受け入れたのかの説明としては「どうせ遅かれ早かれ死んでしまうのなら、少しでも有効に」っていうのが一番納得がいく。ほとんど整備もろくにできてない戦闘機で、毎日飛んで生きて帰ってくる確率を考えれば、そう判断するほうが合理的だったろう。しかしこういう“外道の戦法”を常態化させていった軍の上層部サイドの説明にはならない。この若き“英霊”たちをいわば人質にして空疎な精神主義を煽った面があり、これはどう考えても許せない。そしてこの“外道の精神主義”が、都市空襲や原爆の使用という虐殺に関してアメリカ軍側の心理的負担を軽くし(ジャップは命を軽んじるクレイジーな連中だ)、踏み切り易くしたという責任もあろう。出撃途中で敵機と遭遇し、爆弾を使い切ったので引き帰した、というエピソードがよかった。証言する人の表情や語り口がよかっただけに、アニメの使用は疑問。[DVD(字幕)] 6点(2008-06-13 12:19:46)

31.  どっちもどっち 松田聖子は喜劇やれる人じゃないんだ。とりわけはしゃぐシーンは、バラエティ番組のおふざけコントになってしまい無惨。沢口靖子は、お嬢さんでかまわない役どころだけど、やり直しが利くと思っていた若さで不意に死んじゃって、その恨みを多食で晴らすというやりがいのある設定なのに、惜しい。なら代わりに誰が出来るか、となると、ま難しいんですけど(当時の日記には、もう少し若ければ石田えりあたりでどうか、と記している)。各種スポーツ中継をめぐる趣向。飛んでるときの東京の夜景が美しい。沢口靖子がさんまの部屋で、でぶでぶと言うとこがおかしい。隣室の夫婦はただ目撃するだけじゃなくて、もっと積極的に関わってきてもよかったんじゃないか。[映画館(邦画)] 5点(2014-01-08 08:48:04)

32.  東京キッド サトウ・ハチローがゲテモノと評した子どものころの美空ひばりのゲテモノぶりが如実に味わえる。「おばちゃん、死んじゃいや」と泣きじゃくるあたりや、「さんちゃん、おじちゃん」と粘っこく川田晴久をを探し求めるあたり。だいたい「達者な子役」ってのは総じて気持ち悪いものだが、彼女の場合、それが煮詰まっている。このベトベトした気持ち悪さは「悲しい酒」のようなしみじみした歌や、「柔」や晩年の“人生の応援歌”ものなどの底にも生き続けていた気がする。だから彼女の歌で好きなのはそういうベトベトがない「お祭りマンボ」などのコミックソングだ(「車屋さん」も入れてもいいかもしれない、あと『七変化狸御殿』の中で歌ってた「日和下駄」ってのもいいの)。しかしちょっと前まで戦争協力の歌を量産していたサトウ・ハチローにどうこう言われたくない、という思いはひばり側にあっただろし、ゲテモノとして簡単に片づけてしまえる存在でもなかった。時代がゲテモノを要請していたのか、それとも日本文化の根っこにゲテモノ的なものが存在しているのか、そんなことを考えさせられる彼女の媚態ではあった(歌舞伎の子役ってのも、だいたいこういう哀れさ・けなげさを強調する役だが、あちらではわざとゆっくりとした棒読みをさせ、様式に閉じ込めてリアルにしない工夫がある)。終盤のアチャコが身の上を語る長ゼリフは、フレーム外の膝元のカンニングペーパーをしっかり読んでたな。[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-03 10:01:11)

33.  遠き落日 《ネタバレ》 差別用語とされる「てんぼう」という言葉をちゃんと使ってたことは褒めましょう。文久三年(1863)に尾羽嬢だったシカが明治元年(1868)にはもう三田佳子になってるのには驚いた。中盤のちゃっかりと手術費用を捻出するとこ、餞別をもらい回るとこ、山本圭のとこに強引に乗り込むあたりなどに「人間野口」が感じられかけるとこは若干あるんだけど、やっぱり偉人伝ものの枠からは抜け出せなかった。母の手紙が映画のキモで、このころはまだ有名ではなかったのではないかな。東西南北を読み込む中国の文章の伝統が、こういう僻村にまで及んでいることに驚かされる。母との再会のとき、左手の手袋は脱いでるの。ついにオッカアに「こんな手にしたのはおめえじゃねえか」と言ってしまった後の愁嘆場はモロ「日本映画」でしたなあ。牧瀬里穂の無理なフケメイクがなくてホッとした。[映画館(邦画)] 5点(2012-03-15 10:17:08)

34.  富江 アンリミテッド 《ネタバレ》 シリーズ八作目・末広がりの今回は、ホームドラマで始まって学園ものに移行し、再び家庭に戻って最後は社会に出てオチを付ける、という波瀾万丈。まあいつもの「富江」パターンで、それぞれは閉じた世界の中で異常を異常とも感じさせず血みどろやってるだけなんだけど、なんか久しぶりだったせいもあるのかなあ、終盤の畳み込みはけっこう嬉しかった。放課後の校舎を首なし女生徒がバタバタと駆け回る賑わい、ムカデ人間と化した富江が壁や天井を這い回るゾワゾワ感(今回は本当に富江が増殖するの、ムカデになったり弁当箱の中で)。包丁でグサグサやるのは現実感なく平気だけど、ハサミで上唇切ろうとするのはコタえた。この監督はセーラー服出すとやはり生き生きしてくる、女性の口に何かが突っ込まれるシーンも昔から好きだし。あと風呂場での解体シーンはシリーズの旧作を思い出して懐かしかった。何より驚いたのは製作者が「富江とは何ぞや」というテーマのようなものを考えていることで、主人公月子(富江の妹)のコンプレックスってのがモチーフになっている。人に嫌われないよう地味に地味に生きてきた彼女が、終盤に先輩や友だちに「おまえなんかなんとも思ってなかったよ」とののしられ、常に憧れの対象だった姉富江に憑依されて世間へ出て行く。彼女は「誰かに必要とされる特別な存在」の富江としてエンディングを迎えることになる。うーん、「作者の言いたいこと」、テーマってヤツだよ、これは。「現代人の孤独」と言うか。コンプレックスと共に生きることが出来なかった月子の物語。たとえばアカデミー作品賞を獲った、コンプレックスと共に生きることを選んだ英国王の物語と対になるよ、これは![DVD(邦画)] 5点(2011-12-19 10:23:07)

35.  富江 最終章~禁断の果実~ 《ネタバレ》 前作は青春ドラマだったが、とうとうホームドラマにまで作品の世界は縮まった。その分密度が増したかというと、そうはいかなくて、なんかパサパサ。富江に俗世を超越したものが感じられないのが致命的だ。キャビア食べたがってるただの性格の悪い女。父親の初恋の女性を娘が飼育するって三角関係の趣向が、神話を組み立てそうでいて、でもよく考えてもあんまり意味を見出せない。今までの富江は男を迷妄に導いて自分を殺させるのだったが、今回は、バケモノめ、と罵られて殺される。正体を見破られて殺される。新機軸というより、凡庸化であろう。それにしても副題の「禁断の果実」は恥ずかしいなあ。[ビデオ(邦画)] 5点(2008-08-07 12:14:05)

36.  富江 replay SFにホラー味が加わったのは『エイリアン』からだろうか。昨今はホラーにもSF味が必要になる。富江がのりうつるのに、臓器移植が必要になる。科学的背景で説得力を増させようとしているのか、逆に、ホラー話の不合理を際立たせようとしているのか、とにかく病院の陰気さはホラーに似合う。私たちがもともと持っている死生観と医学との噛み合わないところに、恐怖が入り込みやすいからだろう。前半の病院シーンはけっこう悪くなかったと思う。シンメトリーの多用も冷たさを生んでいた。でも肝心の宝生舞がただの性格の悪い女って感じなんだよなあ。この世ならぬものの気配に欠けて、ナマすぎる。まあ彼女の問題というよりシナリオの罪だと思うけど。ヒロインとの絡みぐあいが前作より弱いので、たたる必然性も弱くなっちゃう。窪塚君が弱いからかなあ。富江から呼び出し受けてヒロインが車椅子で廃病院へ乗り込み、血の足跡がついている階にどんどん進んでいくのを納得させるほどには、窪塚君に魅力がなかったからなあ。[ビデオ(邦画)] 5点(2008-07-30 11:09:15)

37.  富江VS富江 このシリーズでは、とても大変な世を揺るがすような事態が、小さな狭い世界で展開してそのまま小さく狭く終わるってのが多く、たとえば学校の一クラス、たとえば一つの家庭内。そして今回はと言うと、マネキンリサイクル工場という中小企業内で、赤い富江と黒い富江とが争っている。世界にばらまかれた富江の血が起こした結果にしては、話が小さい。いや、それがいけないって言うんじゃなくて、それにもっとこだわれば面白くなれたんじゃないかと思うの。赤と黒それぞれに心服し服従している男どもがいて、いわば二つの女王国が中小企業の中で戦争しているようなもの。その戦争を描けばこのシリーズに新展開をもたらしたかも知れない。歌舞伎でよく、市井の世話物的な暮らしが実は源氏と平家の武将のせめぎあいだった、っていうのあるでしょ、ああいうのが至って好きなんだけど、ああいったスケールの意図的な混乱によるめまいのような味(普段のものと超絶したものとが簡単に入れ替わり得る世界)が、もしかすると生まれたかも知れないのに、二派の対立ってのは膨らまないで終わっちゃって、いつものドロドロした再生シーンになってしまった。惜しい。パッケージの表記を信じるなら、これでシリーズは終了って言うんだけど、どーだか。[DVD(邦画)] 4点(2008-11-25 12:13:56)

38.  富江REVENGE 《ネタバレ》 ラストに至って「そうか、オリジナルの富江は誰なのかという謎でドキドキさせる仕掛けの映画だったのか」とやっと気がついた。そもそも最近、若い娘の顔を識別する能力が劇的に衰えてるもんで、途中でちょっと誰が誰か混乱しちゃってたんで、そんな方面にまで気が回らなかった。行方不明の所長の娘の顔と、高笑いしている富江の顔とがすぐにつながらず、そしたら内臓食ってる富江も出てきて、所長が娘見て富江ーって叫ぶでしょ、男がいなければ戦争やテロはなくなる、って御立派な演説も始めちゃうし、もう頭んなか渾沌の渦巻き状態。終わってからもう一度要所を再見し、ああこれはどうもあれらしいぞ、と遅まきに理解し、なんとか話の輪郭は認識できた。一苦労であった。ビデオをフィルムに起こしたぼんやりした画調が、記録ビデオのシーン前後になるとビデオそのものの画質になり、また戻ったりと落ち着かない。とにかくこれでやっと全シリーズ見終えたとホッとしてたら、いつのまにかもう1作増殖している。[DVD(邦画)] 4点(2008-11-14 11:16:06)

39.  富江BEGINNING 《ネタバレ》 このシリーズからは4作目でキッパリ足を洗ったつもりだったが、ここの皆さんの悪口を読んだら、なんか“三度笠”とか“居合い抜き”とか面白そうなのでつい見てしまった。皆さんが、これはとってもつまらないよ、と口を揃えて警告して下さっていたのに見てしまった。私が愚かであった。いままで青春ものとかホームドラマ調とかいろいろな趣向でやってきたシリーズだが、今回は学園もの。それが一クラス、生徒と先生だけしか描かれない。というかこのクラスの外部は存在してないみたい。警察も病院も(耳がちぎれても富江が病院には連れて行かないでって言うと自宅治療ですます)親も存在していない。クラス全員で死体をばらばらにしても、みんな黙ってようぜ、で済んじゃうと思っている。富江の学費の払いはどうなってたんだろう、転入の書類の保護者欄はどうなってたんだろう。分からない。富江は何であんなに不必要に凄むんだろう、凄まないほうがまだ怖いのに。分からない。このシリーズは、3作目で妻夫木聡4作目で宮崎あおいと、大河ドラマの主役を輩出しているが、5作目からも出るのだろうか。分からない。それにしてもあの三度笠はいったい…。分からない、分からない…。[DVD(邦画)] 3点(2008-10-24 10:34:51)

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