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1. 二十四時間の情事
《ネタバレ》 冒頭、砂なのか灰なのかも分からないようなものにまみれながら抱き合うワンカットから、情事に耽るシーンに重ね合わさるところで、早くも特異な雰囲気に包まれます。
出会いのいきさつには触れられてませんが、男の方は被爆によって家族を亡くしていて、また、女の方も戦争によって心に深い傷を負っているようで、お互いに何か通じるものがあったという感じでしょうか。
けど、それはただ単に傷を舐め合うだけで、双方どちらにとってもいいことなんかないんじゃないか。理屈ではそう思うけど、やっぱり離れられないわけで、もし仮に離れられたとしてフランスに帰ったなら、何年後かには忘れてしまうのではないかという不安や恐怖があったのかもしれません。
忘れれば、しばらくの間は楽になれるのかもしれませんが、忘れること自体が凄く罪な事。記憶に残し、咀嚼し、ケリをつけることは大きな痛みを伴うけども、逃げてはいけないのだと言っているような気がしました。
もし、彼女があのまま本当に日本に残るとしたらどうなるんだろう。
偶然出会ってしまった二人、そして、原爆を投下したアメリカと計り知れない悲しみを負わされたヒロシマ。
皆、過去に折り合いをつけて生きていかなければならない、そういう映画だと思いました。[映画館(字幕)] 7点(2010-01-04 04:48:51)《改行有》
2. 人間椅子(1997)
《ネタバレ》 これも、「双生児」と同じ日に拝見しましたけど、こちらもなかなか面白かった。
この映画では、家具職人がふとしたことがきっかけでちょっと変わった性癖を持ってしまうのですが、まぁ、これはわからなくもないような気がしますよ。
最近の世の中は昔と違い、価値観が多様化してきてますから実にさまざまな要求や願望がいろんな場面で交わされるわけです。もちろん異性の好みや性癖についても同様のことが言えます。しかも、この多様化した好みというのはなかなかそれに合う人が見つかりにくいのもまた事実で、もし、それが偶然にもうまい具合に合う人がいれば、それはもう水を得た魚のように二人の絆は一昔前の今ほど価値観が多様化していない頃の異性の結ばれ方とは比べものにならないくらいの強い絆で結ばれるものではないかと思います。
この映画では結局、こんな風変わりな性癖がきっかけで夫婦間の仲を取り戻すことができ、ハッピーエンドとなったわけですが、これは現代人へのちょっとしたメッセージとしても取ることができます。
同じ性癖とまではいかなくても、同じことを考え、同じ趣味を持ち、同じ苦痛を共に感じるってすごく大切なことですよね。
ところで、佳子が手紙を読んでいるとき、「もうお気づきのことと思われますが・・・」の後、佳子と同じように後ろの椅子に気を向けてしまっている自分がいました(笑)。※[映画館(邦画)] 7点(2009-12-30 15:19:00)《改行有》
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