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1. おくりびと
久々に味のある良い邦画を見た。キャスティングも良い。本木雅弘が特に良い。きっちり訓練し、きっちり撮った秀作。[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-02-24 12:06:55)
2. おおかみこどもの雨と雪
《ネタバレ》 想い人と結ばれる喜び、別れの悲しみ。若き母子家庭の苦労、子供が元気に成長していく姿を眺める楽しさ。自然の中で生きていく苦労、実を結ぶ喜び。ご近所のしがらみ、ありがたみ。秘密を守る事の難しさ、秘密を打ち明けられる相手の存在。親の子離れ、子の親離れ。半狼人という空想上の生物である姉弟の日常が興味深く描かれる中で、人として生きる苦労や喜びもしっかりと描かれている。二人はこのまま人としての生涯を歩んでいくのかと思いきや、後世を選択する分かれ道が訪れる。二人の違いは何だったのだろう。遺伝だったのか、環境だったのか。そんな事を鑑賞後に考えてみるのもまたこの作品の楽しみ方かも知れない。とにもかくにも二人の子供が可愛くて、とてもほのぼのとした気持ちにさせられる反面、突然の別れの寂しさを二度も突き付けられる、中々にしてリアルな人生模様だ。童話的な設定を生々しい人の人生に置き換えて喜怒哀楽を描いた点に高評価を差し上げたい。…それにしても一度目の別れのエピソードは唐突だし残酷だし辛かった。二度目の別れは逞しく巣立っていく子供の背中に頼もしさを感じ、嬉しくはなるが…ちょっと寂しさの残る作品ではあります。辛い別れもあるけれど、残された人達で元気に笑って生きていくんだ!というメッセージが込められているんだと好意的に解釈してみたい。[映画館(邦画)] 9点(2012-10-10 22:11:32)(良:1票)
3. おろち
《ネタバレ》 木村佳乃の熱演に尽きる。谷村美月も可愛い。ちゃんとサスペンスしているし、一昔前な雰囲気も良い。楳図かずお原作の映画の中ではトップクラスの出来。ただ、原作を知らない人にしてみると、おろちのキャラ性がよく理解出来ないのではないか。「不老不死、超能力者、人の人生を見守っている」という主要3点の特異な設定にまず馴染んでもらわないといけない。なのに「100年周期の眠りがやってくる」という唯一最大の弱点を突如露呈、また「佳子という少女に意識が乗り移る」のも唐突過ぎる。この2点は超人であるおろちが弱体化する姿を描き、キャラの幅を持たせるためにも重要なエピソードであり、1作に詰め込むには情報過多。第1作目におろちの魅力と個性をしっかりと描き、その後シリーズ化して何話かに分けて描くべきだった。本作のベースになっている原作「姉妹」だけでもおろちの主要3点の設定を活かして魅力的に描く事が可能で、且つ単体で傑作と呼べるエピソードでもあり、他のエピソードと混ぜる必要性を感じない。また、妹が佳子と姉の血を入れ替えようとした意図もよく分からないまま終わり、薄幸の少女・佳子が幸せを掴んだ矢先に殺されてしまうという悲劇も軽く扱われてしまったように思う。複数の話を混ぜて尺伸ばしを計るとこうした弊害が起こり、それぞれにある良さを薄めてしまいかねない。さらに、姉妹の嫉妬を強調するなら山本太郎をもっと好青年に描くべきでは?あんな男を奪い合うのも理解しがたい。まあ鑑賞後感も悪くなく、映画を観たな~という気分になれるので普通に5点、キャスティングの良さで+1点。出来れば本作をリセットしてシリーズ化し、各話をそれぞれじっくり描いてほしい。 この「おろち」という作品は特に、各話とも明確なテーマがある。そこをしっかりと強調し、余分な要素を入れて薄めたりせずに。もちろんおろちは谷村美月で。[DVD(邦画)] 6点(2009-11-14 17:34:02)(良:1票)
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