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1. メアリと魔女の花
《ネタバレ》 「人」の存在しない映画でした。
駄作というほどではないものの、ひどく薄味な物語であることは確かです。
ヒロイン(女性主人公メアリ)とヒーロー(男性主人公ピーター)の絆が
まったく描けていないのが致命傷。ほぼMOBのような扱いしかされていなかった
ヒーローを命がけで助ける、とヒロイックに力説されても白けるだけ。
さらに、魔法大学が物語の大半を占める舞台ですが、
あくまで物語が展開するための舞台に過ぎず、そこでどのような生活が営まれて
いるかがこれまたまったく描かれていません。そこが物語の要だと思うのですが。
特に後半、大学が大騒ぎになっているにも関わらず
まったく生徒の姿がないというのは? 彼らはどこに行ってしまったんでしょう。
さらにちょいちょいジブリの映画から拝借してきたような
場面が見受けられますが、これまたノスタルジックなだけで内容がない
ので興ざめ。
この監督はどうも「人」を描くのが苦手なようで、
この先どうなるのか心配になるような映画でした。
正直この監督は作画に専念した方が良いような気がします。[映画館(邦画)] 5点(2018-03-14 18:17:28)《改行有》
2. めがね
《ネタバレ》 かもめ食堂ではあまり感じられなかった狙っている感じがそこかしこから感じられたのが残念でした。シチュエーションの面白さから人の面白さにフォーカスを移したような感覚。同じ緩さをテーマにしても、ちょっとしたさじ加減でこれほど物語が作為的に感じられるのは驚きでした。前作では引きずってきたものをさらっと触れるだけで済ませたのが、今回は人や物、セリフで説明してしまうので描き方がちと生臭い。小林聡美さんを追いかけてきた男性もそう。どうやら小林さんは先生(作家や芸術家方面)で、几帳面だけど面白みがないという批評なんかを受けて逃避してきた、というようなものが透けて見える部分はなくて良かったかなと。徹底的に大人の童話を貫いて欲しかったと思います。[ビデオ(邦画)] 5点(2015-01-12 22:58:06)
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