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1. 夕凪の街 桜の国
《ネタバレ》 作品そのものが訴えようとしているメッセージやこの作品のテーマそのものはとても大切なことであり、原爆の被害を受けた唯一の国に生きる者としては決して忘れてはならないことだと改めて感じる。ただ、映画としては面白くない。くどいというか、説教臭いというか、台詞やナレーションを始め、演出や美術、小道具など、多くのことがあまりにもストレートにぶつけられ過ぎて正直退屈だった。作品としては素晴らしいことは言っているのだが、映画としての魅力、面白さはさっぱりだった。[映画館(邦画)] 5点(2007-08-14 02:25:57)
2. ゆれる
《ネタバレ》 主人公の目線で物語が始まり、二人が画面の中に収まった時点から確実に揺れ始めていた。兄との違いに揺れ、それは嫉妬であり、劣等感であり、優越感だった。兄の背中を見て育った弟は、兄の幸せを望み、兄が掴もうとしていた幸せを奪い取り、兄を庇い、そして兄を陥れようとした。全ては兄への嫉妬から生まれた物。自分に無いものを全て持っている兄に対し抱いていた劣等感。優しさなどはそこには存在しない。兄の幸せを願ったのは、自分はすでに幸せであるという遠まわしな嫌味であり、兄を庇おうとしたのは、自分が始めて優位に立てる状況を作ろうとしたからだった。全ての原因は捻じ曲がった弟の心がもたらした。そんな目には見えていない危うい心が、しっかり雰囲気となって、まさにゆれている橋の上にいるような恐怖や緊張感を僕に感じさせてくれた。この映画は素晴らしい。[映画館(邦画)] 9点(2007-01-06 21:36:52)(良:1票)
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