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1. 横道世之介
高良健吾と吉高由里子のコンビが実に良い。青春ものの映画にしては上映時間が非常に長いのが特徴だが、この長さが苦にならない、むしろずっと続いてほしいと思わせるような、いい意味でのユルさや多幸感に溢れている。そしてその多幸感やユルさを象徴しているのが、主役二人の演技。ボケにボケを重ねて押し通すようなカップルなのだが、観ていて「なんかこいつら可愛いな、すごく楽しそうだな」という印象を持つから、これは二人の演技が凄いのか、もしくはこの二人の組み合わせが抜群の化学反応を起こしているのだろう。高良・吉高コンビはこれで2度目だと聞くが、今後も30代・40代になって歳を重ねてもこのコンビが見てみたいと思った。
既に他の方も仰っているが、主人公の死去が中盤から提示されるにもかかわらず、この映画は切なくはなっても、空気感は常に明るく爽やかだ。世之介の人物像、ふとたまに思い出しては、あいつは良い奴だった、面白い奴だったと笑顔で口にしたくなるような男。そんな主人公の人柄が映画全体の空気にもリンクしている。そしてこの映画自身、ふとたまに思い出しては、あれは良い映画だった、面白い映画だったと口にしたくなるような存在になりつつある。良い映画だ。[DVD(邦画)] 9点(2018-09-14 18:11:13)(良:1票) 《改行有》
2. 用心棒
三船の豪快な殺陣に圧倒された。
作中の舞台や敵役の設定が西部劇テイストなのは、本作の脚本がアメリカのハードボイルド小説「赤い収穫」をベースにしているからだろう。
それでも幕末の混沌とした時代設定を思えば、あまり荒唐無稽にも感じないのが不思議。
ただ剣の凄腕というだけでなく、知恵を使って敵を追い詰めていくという主人公の描き方が良い。
腕っ節だけでなく知恵もたつというのは、のちのジョン・マクレーンにも通ずるようなヒーロー像だ。
要所要所で挿入される豪快なアクション、ハードボイルドな物語(原作がハードボイルドだから当然だが)、黒澤の映像演出もあいまって、
世界にも通用する素晴らしい時代劇になっている。[映画館(邦画)] 10点(2018-08-18 14:52:58)《改行有》
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