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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  襤褸の旗 部分的には田中正造をちゃんと対象化しているところもある。草野大悟が小作の苦衷を切々と訴えて離れていっちゃうとか。社会主義の煽動家の軽薄さなんかも、決め付けすぎてるけど、日本の社会派映画の中では面白い描写のほうだった。でもやっぱり全体として日本の社会派ものの基調である「嘆き節」からは抜け出せていなかった。心の深いところで無力感を「堪能」してしまっているようなとこが感じられるのよね。本当に勝ちたいと思っているのか、それよりも滅んで「恨みの鬼」になるのを望んでいるようなとこがあって(けっきょくそのほうが気楽で、江戸の町人時代から続いている「狂歌作って溜飲下げるだけで満足しちゃう」性癖)、日本人のこういう傾向って分かるからヤなんです。けっきょく理より情で動くの。製作当時は三里塚の強制執行と重なってある種の感慨もあったのだろう。天皇への直訴のところなんか、もっと盛り上げられそうなんだけど、左翼の作家としては天皇を最終判定者とする「直訴」の扱いは困るとこ。[映画館(邦画)] 6点(2012-08-10 09:59:43)

2.  ラヂオの時間 《ネタバレ》 この人の基本モチーフは「その場しのぎ」を重ねてひたすら横滑りし、とんでもない地平にまで至ってしまう面白さ。リツ子をメアリー・ジェーンへと駒を一つ移動しただけで、次々と横滑りが起こり、海のないシカゴへ、ダムの決壊へ、漁師がパイロットへ、さらに宇宙飛行士へと、どんどん非日常へ拡散していく。芸術と仕事との関係とか、芸術者の署名の責任とか、副次的なテーマもあるけど、この拡散の勢いこそが本作の眼目。拡散に手を貸していく面々のキャスティングが楽しく、三谷組の役者と芸能界からの起用とのアンサンブルが見事。ただただ事態を面白がっているような井上順なんかが、すごくいいのよね。そういう芯まで「芸能界の人」と、「車のセールス」やってる実直な旦那・近藤芳正(疑惑に囚われている彼を横移動で捉えるとこが傑作)と、まったく地平の違う人たちがここに集められて、ドラマをこね上げていく祭のような楽しさ。いかにもこういうところにうろちょろしてそうな業界の便利屋・モロ師岡も忘れてはならない。世界が閉じてしまうのを壊そうとトラックの運ちゃんを登場させた意図は分かるが、なんか蛇足の印象。こういうコメディは閉じてていいんじゃないか。外の目としては我々観客がいるんだから。[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-06-26 10:29:18)(良:4票)

3.  羅生門(1950) 《ネタバレ》 黒澤は『虎の尾を…』から『夢』まで屋外でのドラマを好んだが、とりわけ本作は徹底していて、おそらく屋根の下に座っているはずの取調べ役人は姿を見せず、調べの庭のみを映していく(このときの塀ぎわに控えている証人たちの姿の美的正確さ)。あとは森の中。屋内の停滞している空気を本質的に嫌ったのだろう。流動している空気と一緒に呼吸していたい気持ち。そういう空気の流れの中に多襄丸も侍も妻も投げ込まれ、それぞれの証言を演じさせられる。ちょっとした気流の違いで、証言は大きく変わっていく、屋外にいるとはそういうことなのだ。それまでに映画の起承転結の文法はいくつかの型を生み出していて、いわばソナタ形式のような定型が生まれていた。黒澤はそこに変奏曲形式を付け加えた。同じテーマが変奏されていく面白味。もちろんアイデアを生んだのは芥川だが、それを映画に持ち込めると判断したのは監督だ。本来記録する装置だったフィルム、無意識に信頼を寄せていたフィルムだからこそ生じる変奏の面白さは格別である。うるさいぐらい音楽が鳴り続けるのも、その4つの変奏を強調したかったんだろう(4つめは音楽抜きでかえって印象深い)。大きな門というモチーフも忘れてはならない。監督は繰り返し映画に大きな門を登場させ、そこを人が通過する物語を描いた(『赤ひげ』ではそこに青年が入るまでの、『影武者』や『乱』ではそこを老人が追放されるまでの、『隠し砦の…』ではそこを突破するまでの)。これもラスト、子を抱いた志村喬がその非情の大門を通り抜けたようにも見えるのだ。おそらく封切り当時、捨て子や通りすがりの強姦はもっと生々しく受け止められるモチーフだったろう。黒澤の作品の中では理知的で異色作だが、彼の表現様式が十全に提示された名作だと思う。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-12-05 10:19:01)

4.  落葉樹 作者が取り乱している。息せき切って取り乱している、それを隠そうとしてない、それが良かった。大の大人が「おかあさん」と口にするときの、もうハニカミも何もないみっともなさを思い切って肯定してしまうところに、この作品の立地点があるようなのだから。小林桂樹はかつてテレビで山口瞳の「血族」をドラマ化したときも、母を思い出す初老の男を演じた。たぶん同じ原作者による映画『江分利満氏の優雅な生活』の小林を引き継ぐイメージでキャスティングしたんだろう。でもこのころの小林はかつてのヒョウヒョウよりも深刻な演技をするようになっていて、「血族」原作のハニカんだニュアンスはゴッソリ失われてしまっていた。しかしこの新藤作品では、その深刻ぶりが、かえって生きたようなのだ。照れながら語ってくれる山口瞳のような人もいてほしいし、こう取り乱して語ってくれる新藤兼人のような人もいてほしい。『江分利満氏』の小林桂樹と『落葉樹』の小林桂樹と、演技の変化に合ってうまく出会えたそれぞれの作品という気がした。前半、ほとんど民俗学の教育映画じゃないかと思われるような静かな家庭の風物のあれこれが描かれ、そこから一人ずつ葉が落ちるように家族が減っていく。コウモリ追い、狐火、夏の海、おもちゃを買ってとねだる…、などの記憶が淡々と綴られていく。その淡々の中に母を思う気持ちが、取り乱さんばかりにうねっている。社会派新藤監督作品としては異色作だが、けっこう好きです。[映画館(邦画)] 7点(2010-08-09 10:35:51)

5.  落第はしたけれど 《ネタバレ》 これはギャグの豊富さでは、現存する小津作品の中でも一二を争う。試験場のカンニングをめぐる連発の密度の高さといったらない。四番を教えて、の合図が飛び交う感じ。教授の背中のカンニングペーパーを取り損なって、腕時計に耳を当てるリズム。あるいは下宿の仲間たちのワイワイやってる内輪の雰囲気。それらを通して「腐る」感情と「意気揚々」とした感情が交錯する(泣いてた突貫小僧がサンドイッチもらうと手をピンと伸ばして意気揚々と退出なんてのもあった)。小津のサイレント期のシナリオを読むと、失われた作品も含めて「腐る」というトガキがやたら目に付く(しばしば斎藤達雄の役どころで)。そうなのだ、小津作品とは「主人公が腐る」ドラマなのだ。意気揚々としたい学生生活・サラリーマン生活が、なんらかの障害に遭い、腐らざるを得なくなる。不機嫌を抱えたまま誰かに甘えかかって解消しようとし、活動が停滞する。それをスラプスティックな笑いに持っていってしまうところが小津の天才。止められた大きな動きは、小さな無意識の動作となって現われてくる。本作では、机にのせた足のリズム、角砂糖を放り上げて口でキャッチする遊び、などなどに。そして卒業したほうが「腐り」、落第したほうが「意気揚々」とすることになる。それだって問題が解消されたわけでなく、単なる延期ってところが苦い。純粋にコメディとしても傑作だが、時代の記録としても優れた作品。[映画館(邦画)] 9点(2010-05-31 12:04:32)

6.  ラッキーさん 《ネタバレ》 もうすでにスタイリッシュな白と黒のタイトル。飲み屋で次々とサラリーマン小景を展開していくあたりのリズム感。崑です。前社長がパージされ河村黎吉がとりあえずの社長となり(これ『三等重役』と同年の作品)、その秘書になって張り切る主人公の話。そのはしゃぎの中のうつろさみたいなものが描かれ、そうか、戦前の松竹の小市民ものは戦後の東宝のサラリーマンものにつながっているんだ。そういえば、うだつは上がらないがニセ社長として葬式に行く才能だけはあるという役で斎藤達雄が出てた。自室に取締役の机を置いてるの。ブルジョワ令嬢に見初められるためのマラソンでコースを間違え、“水を打ったような”運動場に帰ってくるというギャグもある。ひらサラリーマンはがむしゃらに働くしかない、という苦みが笑いの裏に潜む。島崎雪子にブーッと洟をかませたり、パーマ屋の杉葉子に乱暴に伊藤雄之助を扱わせたりと、美人で笑わせるのが好きな監督だ。このパーマをかけられてしまう学者役でちょっとだけ出た伊藤雄之助、翌年の『プーサン』に通じるものをすでに醸してる。[映画館(邦画)] 7点(2008-04-21 12:22:56)

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