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プロフィール
コメント数 604
性別 女性
ホームページ http://www.geocities.jp/suminoe_kagaya/
自己紹介 2004年から映画専門サイトをたちあげました。
ジャンルはSFが主ですが、サスペンスも大好きです。
リバーランズスルーイットや、ショーシャンクの空に
のようなヒューマンものから、未知との遭遇やバックトゥ
ザフューチャーなどのアンブリンもの。
十二人の怒れる男やパルプフィクションなどの脚本もの・・
自分が良いと思った映画が合う映画で、見る人の数だけ
思いも変わると思います。その中で、共感できる人が
多ければ売れるのでしょうね。
たまに<これだけ映画を見てるんだから万人受けは・・>
と、マニアックな映画にも手をつけますが、
できの良い映画や単館ものなど多趣味なジャンルに疲れ、
子供時代に帰ってるみたいです・・
それらは映画館で見た映画本来の娯楽作だった・・

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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1.  疑惑(1982) 《ネタバレ》 コレは面白い! やはり松本清張のサスペンスはわかっていても面白い。 昔観た「鬼畜」「天城越え」もまた観てみよう。 そして最近見直した「砂の器」といい、 同じパターンだった・・ このあざとい演出は野村監督の技なのか原作からくるものなのかは不明。 今作はコメディかとも思わせるくらいの法廷劇が見事に笑える。 計画的な殺人容疑者桃井かおりの無計画さも見事だが、 弁護士役の岩下志麻の事務的なそっけなさは、 かっこいい~と見ほれてしまった。 保険金目当ての殺人容疑事件を当事者発見者、 報道側裁判側そしてお得意の容疑者の過去に至るまでの描写、 どれをとっても見事で飽きることがない。 桃井の親友であるチンピラ役の鹿賀もはまりすぎ。 エンディングは黒澤明の「悪いやつほどよく眠る」のような感じで、 真実は一体どこにあるのかないのか・・ その後味は不気味なものでも嫌悪感を覚えるものでも爽快なものでもなく、 なんともいえないしたたかさがある。 大人のサスペンス娯楽といっていいだろう。 私は邦画はあまり観ない方だが清張に代表されるサスペンスは、 洋画より地域の細やかな描写が親近感を感じるしテンポも悪くはない。 法廷モノでこれだけ笑えるドラマは珍しいだろう。 ワインを岩下にかける桃井のシーンも見世物。 そしてクライマックスの松本清張のお決まりシーンの、 それは言えない・・シーン。 またかと思いつつこれが楽しみ。 今作では泣きを誘うまでには至らなかったが、 感動作というのではないので仕方がないかも・・ しかしそれでもその真実が明かされたとき、 脚本のうまさや演出の見事さに深いよなぁと感心してしまう。 [DVD(字幕)] 7点(2006-09-21 07:09:51)《改行有》

2.  地震列島 《ネタバレ》 何しろ特撮はあの爆破!中野監督。 突然マンションが大揺れするシーンは多岐川さんには知らせてなかったので、 逃げ惑うシーンは演技ではないのです。 特典にある監督のコメントが面白い。 割れた高速道路から火ダルマになって飛ぶ車や、 高層マンションが階段のようにつぶれてゆくシーン。 助けに来た永島は宙吊りのエレベーター。 そして一方の勝野夫婦は営団地下鉄に閉じ込められる。 これはすごかった。 燃え爆破した車両は今度は水。 「インディジョーンズ魔宮の伝説」での水が溢れ出す場面、 あれと同じ演出なのですよ。 隅田川の水があふれ地下に閉じ込められた人らは水攻めに・・ 「ポセイドン・アドベンチャー」の後半のシーン・・ しかもじわじわ沈みゆく車両の向うを見るため潜るのですが、 幽霊列車のごとく死体が浮遊(爆) 流れゆく死体の描写はまるで「宇宙戦争」です。 あ、スピルバーグは邦画が好きに違いないと憶測。 パニック映画の最大の楽しみは、 いかにしてなすすべもない現実から抜け出すか。 それがある意味冒険映画に参加している観客の楽しみ。 あと夫婦たちを引き合わせる役の大滝秀治(殺虫剤?のCMで最近出てる) これがまたえらく派手なシーンの犠牲に。 「エアポート」シリーズのようなものです。 航空機に乗ってるところで地震に遭遇し、 割れた滑走路に航空機が突っ込み爆破・・ 飛んでれば助かったかも(苦笑) ・・ダンヒル。 これ突っ込む人いると思うんですが(苦笑) いや、私はこれが成功するなら災害時に絶対活用しますよ。 その前に泳げない潜れないんだけどね(爆) ラストはまるで洋画のようなエンディングでしたが、 こういう映画は大袈裟にしめてもまあいいか。 それからどうなったのかを映さないところがなかなかいい感じでした。 [DVD(字幕)] 6点(2006-09-21 07:02:07)(良:1票) 《改行有》

3.  シンプル・プラン 《ネタバレ》  アタマのいい夫婦が始めに決めたシンプルプランを破ってゆく・・ この夫婦は贅沢ではないけれども、 他のふたりより明らかに幸せのはず・・ 兄は援助を受けてその日暮らしのフリーターでひとりで住む。 このビリー・ボブ・ソーントンがすごくよい。 あの役は子供を生みたてというのが鍵です。 守りに入っています。 入る予定の大金は誰にも邪魔させない(爆) 役として一番ヤな役なのに子供を出すから非難できない。 そういううまい脚本で得をしていますが・・ 先が読めるストーリーであるにもかかわらず、 緊迫感をいたるところでイベントとして演出し、 最後は静かに静かに後味の悪さが残ります。 これがサスペンス・ミステリーの基本じゃないでしょうか。 もともとサスペンスの王道とは後味が悪いものです。 だから推理小説が売れる。 ベストセラーとなったこの作品の原作はわかるような気がする。 後味の悪さは「二十日鼠と人間」のような感じ。 コーエン兄弟の「ファーゴ」は観ていません。 コーエンといえばライミ監督の「死霊のはらわた」の編集。 そしてライミといえばコーエン監督の「未来は今」の脚本。 と親密なる仲なのです。 雪に現ナマと同じような作品にはなりましたが、 シンプルプランは元がベストセラー小説。 あのスティーブン・キングが絶賛したらしいです。 話が読めるのに面白いサスペンスってちょっとないですよ。 どんでん返しというよりも、 なるべくしてなるという雪ダルマのような転がりがた、 ドミノ倒しのこっけいな哀れさ。 古くはヒッチコックの「ハリーの災難」的な手法なのですが・・ お金のない人間がお金を持つとどうなるのか。 つもりごっこはもうできない。 高級車に乗ってるつもり、 大邸宅に住んでるつもり、 美女と暮らしているつもり・・ そんなつもりごっこが本当になるとしたら? 呪われた(悪いお金)お金は悪い心を呼び、 ひとつついた嘘は引き金となり自分に向けられる。 夢を見ながら愚痴をこぼす生活が楽なのかもしれない。 人間はお金では買えないし、 お金で繋がった営利な人間はなくなれば去るのですよ。 [DVD(字幕)] 8点(2006-05-28 15:19:17)《改行有》

4.  クイック&デッド 《ネタバレ》 監督で選んだこの作品なんですが俳優陣の豪華なことにびっくり。 それがあとの祭りかも(苦笑) もうこの違和感から覚悟してコメデイと割り切って観ることに・・ ホラーで笑えるサム・ライミが撮る西部劇の主役は、 なんと中世貴族のような顔のシャロン・ストーンと、 ディカプリオがなぜなぜ西部劇・・?? あのラッセル・クロウはなんとも情けない神父役~?? ゲイリー・シニーズなんてどこに出ていたんだ?? ・・ジーン・ハックマンだけはなぜか違和感アリまくりのこの映画の中で、 全く違和感がなかったのは悪役顔だからでしょうか??ポパイ~! 趣味で撮ったとしか思えない違和感アリまくりの俳優陣に演出。 だからコメデイ西部劇。 西部劇というのは意外と私には合いましたね。 元から西部劇は苦手だったのに克服するため何本か観ていたんですよ。 西部劇とはこうゆうものだと「真昼の決闘」「大いなる西部」等観ました。 その西部劇の世界をサム・ライミでどう料理するんだろうか? その世界で楽しめましたので内容はあまり気にしません(爆) 「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」みたいだ。 カメラワークはもろサム・ライミでありまして、 大袈裟でこだわりがあっておかしい。 なぜホラー演出!? シャロン・ストーンは制作にもかかわっているせいかひとり真面目(爆) ディカプリオはこういう軽すぎる役が合うのが不思議。 いやぁここまで悪の権化のように描かれているハックマンならば、 対決で息子にとどめさしちゃった方が逆に効果ありかも。 漫画、漫画、つまらないのに面白い。 久しぶりにこんな見方で映画を観ると肩が凝らないです。 それもまあ好きな監督の演出を観て豪華な俳優陣を楽しんだから。 ちなみに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でおなじみの、 アラン・シルベストリが音楽やってるんですが、 漫画チックなライミ監督の演出とまた変に合ってるようで合ってないようで、 おかしい(苦笑) やっぱり・・サム・ライミ=スピルバーグというよりは、 ゼメキスに近いかもね(この作品では) [DVD(字幕)] 6点(2006-05-28 14:46:19)《改行有》

5.  亡国のイージス 《ネタバレ》 (平和とは戦争と戦争の隙間にあるもの、 それでいいと思っている) という岸部一徳のセリフはよかった。 過去現在未来どの時代にも意義があり、 ただ自分がどこにいるかが問題なだけで・・ 日本を守るとかたいそうな内容でもなくそういう話なのである。 そこに熱い熱血漢の真田広之が抵抗し自分のあり方を主張するのだが、 これが本来の昔からの日本人の正義なのかもしれない。 ただ演出がハリウッドのアクション映画のようで、 そのわりには全体のキレが悪くつながらない。 なぜ真田広之は律儀に名乗ってから再入船するのか、 これってヒーローものなのか??ととまどった(爆) 派手に人が死んでゆくシーンだけはやたらと小気味良い。 それも違和感があった。 まあ「レッド・オクトーバーを追え」のような映画は作れるわけがないんだけど。 総理が出てきてからの中半がとにかくたいくつ。 なぜ人間ドラマになると切れが悪いんだろうか。 そこで先ほどの岸部一徳のぽつりとしたセリフがよいのだ。 中井貴一が好きなので観たんだけれど、 外見的にはOKだけれど(日本人に見えない) 内面を描けていない。 野球観戦と家族の写真だけのシーンではやってることの意味がない。 テロリストなんだからもっと祖国の思いとか演出しないと、 ただでさえ複雑で日本人に馴染みのない題材なのに・・ その分寺尾聡への時間はあったので、 こちらはわかりやすいと思う。 登場人物でよかったのは、寺尾聡、中井貴一、岸部一徳くらい。 もっとクールで深刻な大人っぽい作品を期待していた・・ 冒頭が日本の行く末や日本の盾の話だったので。 真田広之の役は織田裕二でも変わらないと思うし・・ 日本の戦闘SFというのを観たかったんですが・・ ああどうせアメリカのお世話になるんだろうなぁと観てて、 そうなったら東京湾は被害を受けるから、 いやそれよりも目の前には発電所がなぜかあるし・・ 後半忙しすぎ中半たいくつで無駄前半ネタばらしすぎ。 真田広之がブルース・ウィリスのダイ・ハードしちゃってるし。 中井貴一はゾンビのように復活する執念の役なのに過去や祖国の演出がない。 [DVD(邦画)] 5点(2006-04-23 13:07:03)《改行有》

6.  南極物語(1983) 《ネタバレ》  やはり探して思いつかないときは昔の(70-80年代)邦画ですよ。 「復活の日」これも映画選びに迷い借りて感動しDVDを買った。 そういえば復活の日は日本初の南極ロケ映画だったのです。 その3年後の作品になります。 あらすじはもう誰でもわかるネタバレもしかられないストーリー。 南極版中犬ハチ公というか犬が南極に置き去りにされるのですが、 テンポはゆるやかで音楽もいいから眠くならないか? その心配は冒険ドラマのようなストーリーでなくなりました。 作品がうまいこと作られていて置き去りにした隊員の日本と、 南極に残された犬たちの時間が同時に進んでゆきます。 置き去りにされたといっても、 これは上の連絡ミスなんです。 人間の命優先非常事態といっても、 助かった(船に乗せてくれた)犬たちもいるんだから、 絶対連絡ミス不手際以外ないでしょう・・(怒) 現実にあったことなのですが当時大人気であったらしい、 生き残った2匹の兄弟犬よりも私はすごく好きになった犬がいます。 ゴロは最初によく出てくるどうしょうもないバカな犬です。 でも隊員の手を煩わせるこのかわいさがなんともいえない。 犬を飼ったことのある人は共感し苦笑するでしょう。 そしてリキはもうその存在だけで泣けるのです。 私はすっかりリキに感情移入をしてしまい、 このリキの最期のシーンでは最高にボルテージが上がりました。 そのあとが実は見せ場の再会シーンとはなるものの、 リキ以上には感動しなかったなぁ・・ リキはかっこよすぎますよ。 怖い自然雄雄しい南極、 本編で演出された南極とはまた違う穏やかな南極・・ そこに行き続ける命があることは当たり前なんですが、 この穏やかさを最後にもってこられると、 環境とか命とか自然とかそこまで考えてしまう・・ ただの犬と隊員の泣かせ映画ではない。 すごく大きな作品だなと感じました。 [DVD(邦画)] 9点(2006-04-02 13:39:10)《改行有》

7.  海と毒薬 《ネタバレ》 日本の黒い夏 冤罪 の熊井監督の作品を探していて見つかりました。 医療サスペンスになるし実話にヒントを得たミステリーにもなります。 邦画でこの世界をコレだけ真面目に描けたのはすごいことです。 淡々と進んでゆきますので客観的に見るしかないので、 主人公の奥田瑛二と視点は近くなると思います。 国際映画祭出品作で世界的にも認められたこの作品は、 なんと86年作なのに白黒です。 なぜ白黒なのか疑問に思いただ気取ってるだけかと観ていましたが、 白黒でなければリアルな手術シーンは再現できないかも。 カラーであれば単なるキモイ映画になっていたかもしれない。 このたった2色のメリハリが社会派映画としても見られるような演出になっています。 難を言えば世界を意識したのか外人や日系(岡田真澄)の使い方が・・ この時代(いつの時代もですが)の日本の医学界、 戦争時の退廃的な生き方生かされ方、 文学的でもあるし過度な演出による娯楽的な残酷シーン・・ 邦画でもこういう作品があったんだなぁと感心。 渡辺謙のセリフが的を得ていてそれでもなんかなぁと・・ なぜか戦時下だから人体実験をするっていうのは無理やりな説得力ある。 無差別に病院や公共施設も破壊したアメリカ兵だから、 人間ではなく物として扱うから死ぬまで実験をするというのも、 患者はどうせ死ぬんだから、 戦争で死ぬよりも実験に使うほうが世のためになる、 こういうことが本当に行われていたとしたら、 医学の発展とは犠牲の元なんだと暗くなります。 見終えたあともドヨ~ッと暗いまるでホラー映画のようなのですが、 見ごたえのある演出と感情移入さえ許さないような乾いた演技、 戦争映画を根本的に嫌いな私もこういう切り口なら観られます。 どことなく巨匠シドニー・ルメットを思い出しましたが、 それは言いすぎでしょうか・・ 誰に感情移入できるか、 誰にもおそらく主人公にでさもできかねないのに、 実験手術されるアメリカ兵捕虜を好奇心で取り囲む日本兵。 彼らと同じ好奇心でこの映画を観ていることに気がつきました。 その後味の悪さも何か問いかけていて怖い作品でした。 [DVD(邦画)] 7点(2006-04-02 12:58:08)《改行有》

8.  帝都物語 《ネタバレ》 こういう邦画のホラーSFはまだ観たことがなかったので、 興味しんしんでした。 そういえば「ソドムの市」というホラーコメディは観ていますが・・ わからなさ度ではあれと同じくらいかなぁ・・ もちろんこの作品は原作の小説も有名なきちんとしたSF映画ですが、 それを読んでないとわかりにくいのではと思う難解な世界でした。 途中からもう割り切って、 (これはバビル二世とジョジョの奇妙な冒険を合わせた作品だ) などと楽しんで観賞していました。 途中から「グレムリン」や「インディジョーンズ」みたいな世界になっていた・・ 原作がそうなんだろうけれどちょっとついてゆけませんでした。 あの・・カトーというのは何なんでしょうか?? 冗談で言えばあの加藤というのはなまずでしょう。 本当は平家の仲間割れと思うんだけど・・ 五芒星と言えば陰陽師でした。 まだ見ていないので今度は陰陽師を見てみよう。 六芒星はユダヤの星ですが五芒星というのは、 その力を身につけることは世界を征服できるくらい危険だそうです。 ムムッ・・そう考えたら面白そうなんだけれど・・ このての世界はわからない。 そういえば大地震を防ぐために平将門の霊を呼ぶとかなんとか、 前に真剣にテレビで言ってたのを見た記憶がある(爆) 日本は多神教だなぁとこの作品を観てて思います。 風水にタロットに神社に仏教・・ 不思議と作品中には洋物(キリストとか)は出てきませんでした(笑) 原田美枝子はきれいでした。 嶋田久作はデビッド・ボウイかと・・(笑) どう見てもナチの軍服に見えてしまうんだけど・・ あまり知らない世界なので見て面白い程度にしました。 大正時代の世界などはよく出来てましたので、 実を言えば「SAYURI」も邦画でやればよかったり・・ [ビデオ(字幕)] 4点(2006-02-28 09:54:26)《改行有》

9.  帝都大戦 《ネタバレ》 先に見た帝都物語より私はこちらの続編の方が面白かったです。 普通は続編の方が面白いはずなんですが(評価もたぶん) でもこちらのほうがより(漫画チック)になり、 さらにホラー色が濃くなっていてオカルト~! このくらいオドロオドロしいほうが面白い。 もの哀しいホラーは苦手なのですがこういう笑えるホラーは大丈夫。 時代も第二次世界大戦のころ、 日本とドイツと組んでいたのかぁ・・と今さらながら思いました。 こういう映画の見方をしたのも初めてです。 だいたい映画はドイツは悪い敵国みたいなのばかり見てるから。 新鮮というか戸惑いました・・ 日本側からも見なきゃいけないんですが・・ しかし・・カトーと将門の末裔との対決が、 ヒットラー自殺に関係あるとは(嘘) このくらい飛んでる方がまあ楽しいかも・・ 主演女優は前作の方がいいのですが男優はこちらがいいかな。 加藤(カトーではない)昌也はガタイがあってかっこいいです。 よりいっそうジョジョの奇妙な冒険+バビル二世っぽい。 そしてカトーはもう、 ストリート・ファイターズのベガですよ! 知ってる人は懐かしいかな? ベガというキャラがいてたんですが、 この速い動きが面白くて制御ができず難しい(爆) 私はこのゲームではバルログを好んで愛用しておりました。 ふわりと飛ぶキャラが好きで別の(侍スピリッツ)では右京使いでした。 いやぁ、ベガはカクッと飛ぶので難しいのです。 まさにカトーの動きはワイヤーを使い放題の、 中国映画のような(マトリックス系)サーッ!ピタッ(と立つ)動き。 怪しくも似合っている丹波さんの僧侶もいい。 加藤昌也の白いロングコートは学ランみたいでバビル二世だし・・ 内容はどうあれ見て楽しめますよ(笑) [ビデオ(字幕)] 5点(2006-02-28 09:50:12)《改行有》

10.  連合艦隊 《ネタバレ》 戦争とは(やむを得ないに始まってやむを得ないに終わる) (戦争を始めるのも難しいが終わらせるのも難しい) こんな名言が随所で出てきます。 「男たちの大和」を劇場で前に観てあまり私は世界に入れずににいたので、 こちらを観ないといけないなぁと思い今頃この作品を観たわけです。 世界が大きくてわかりやすい! 時間も長いし特撮もチャチなのですが勢いがあります。 そして役者が揃っている・・ 多分特撮を除いてはこれ以上のものは作れないことと、 今こういった作品を作るならば一番人気のあった大和になったのでしょうか。 この作品は第二次世界大戦がどうやって戦略的に行われていたか、 かなり細かいところも描けているし戦争の理由もいきさつも終焉も全部描いています。 もし「男たちの大和」を観て全体像が知りたい人はぜひ観てください。 勢いで泣いてしまったけれど細かいことはわからない人にもお勧めします。 こちらの作品はもちろん時代からいって特撮や演出は今観たらガクッとするかもしれない。 しかしなぜこういった作戦ミスがあったのか、 大和が最終的に沖縄に行かなければいけなくなった理由、 世界的な政治の裏側・・ この時代にも天皇制も露骨ではありませんが描かれています。 上官の派閥や他の戦艦はどうだったのか・・ 歴史の勉強にもなるので日本史近代史に興味のなかった私には助かりました。 音楽もあまり好きではなかった谷村新司の群青。 こんないい曲だったとは・・ しかも曖昧に終わるあの場面でピアノとともに語りかけてくる。 これは哲学だと思いました。 もっと突き放したところで戦争を描いている。 もちろん色々な家族との絡みもある。 残された家族特に時代に翻弄される古手川祐子(夫兄弟が戦死)のセリフもいい。 主役級の夫役永島敏行とその弟の 金田賢一。 また別の家族としてはもうひとつの主役、 中井貴一が沈む大和の父に宛てた言葉・・ (父より少しだけ長生きする息子の親孝行をお許しください、 さよなら母さん・・)と、特攻隊を選び空から沈む大和を見ながら終焉を迎えます。 [DVD(邦画)] 7点(2006-02-28 08:53:25)《改行有》

11.  壬生義士伝 《ネタバレ》 中井貴一はやっぱりうまい俳優だなぁとあらためて感心。 最初は貧乏くさい役だとかなり違和感(なまりも役柄ひどい)があったのに、 ここまで完璧に演じられては逆に寺尾聡の演技のように見え苦笑・・ 言葉を理解するために字幕つきで邦画を観ました。 何を言っているのかわからない部分もありましたので・・ それほどなりきっていたのですが。 だから寂しいのです。 後半の見せ場をあんなふうにひつこくしなければよかったのに・・ 切腹をするまでが長い・・長すぎる。 満身に傷を負いもとの旧友邸に転がり込んだ行き場のない体。 あの時代なら切腹もいたしかたない(武士の情けです) しかしそこで観客にソレは違うと考える余裕を与えてくれず、 勝手に不幸の主人公の語り部と化してしまいます。 そしてそれからもひつこい説明的な演出・・ 観ている方はわかっているから考えたいのですが、 もしかしたら本を映画で読ませようとしているのか・・ う~ん「男たちの大和」で感じた思いと同じだった。 頭の中でそのメッセージを映像化したいのに朗読とかされると・・ こういった邦画の最近の演出を見ると、 過去の旧「砂の器」の素晴らしい演出が思い出されます。 時代の政治の犠牲になった人を美化しすぎなく、 観客に考える余裕を与えてくれるような作品を邦画に期待します。 [DVD(字幕)] 6点(2006-02-15 11:17:56)《改行有》

12.  日本の黒い夏 冤罪 《ネタバレ》 この作品は誰でも知っている松本サリン事件を題材にした、 きわめてリアルなドラマなのですが・・ 視点は報道の体制を問いかけ、 犯人扱いされていた河野氏(もちろん違う名で登場)を中心に、 真実は報道によってゆがめられる怖さを描いていますので、 カルト教団の事件は二の次です。 私はこの描き方はよいと思いました。 悪いことをした架空の人物ではなく実在の人物がモデルならば、 こういう描き方の方がありかなと。 実在の犯人たちを派手に中心に持ってくると、 恐怖は間違えれば英雄視される恐れもあるのです。 ハリウッド映画ならば最後に真実の映像のあと、 カルト教団がいかに悪いことをしたかで終わるかもしれないし、 裁判のシーンまでつけてくれるかもしれない。 娯楽的にはそのほうが緩急がついていいのですが、 そうなると報道の冤罪を問うテーマがぼやけてくるのです。 邦画でそこまでやるのは無理でしょう。 好意的にこの真面目な作品を観ていたのですが・・ どうも作風が丁寧すぎというか、 私的には高校生は邪魔でした。 演技がどうというのではなくて、 ストリーテラーのように回想シーンに割り込んで問うのです。 これでは観ている方が自分で考えることができない。 頭で考えるのではなく自分のそのときの10年前の記憶で考えていくのに、 語られてゆくと自分の考えが映画を通しての理屈のようになる。 と私は思ったのですがもしかしたらこの描き方が共感できる人ももちろんいると思う。 そうだ思い出した、そうなんだよね、いや違うと思う、なんでそうなの・・ そういった問いかけは映画の中でできればしてほしくないのです。 それに扱っている問題が10年ほど前の最近の実話。 個人個人が思いを馳せ反省し共感し考えればいいことではないのでしょうか・・ ドキュメンタリーにはしたくはないと監督は言っていたけれど、 これではドキュメンタリーのようです。 [DVD(字幕)] 6点(2006-02-15 11:00:37)《改行有》

13.  新幹線大爆破(1975) 《ネタバレ》 西村京太郎と小松左京を足して割ったような贅沢な作品。 のちの洋画ヒット作の「スピード」の元ネタとなったことでも有名。 前に夜中にやってたので気にはなったものの、 やはりCMが映画のテンポを邪魔をして楽しめないので、 借りてきちんと見直すことにしたのです。 面白い! やはり邦画は昔はよかったと思う。 脚本も俳優もですがなによりこの作品は、 編集が素晴らしい。 洋画も含めてお手本にしてほしいくらい編集がうまい。 やたらと斜め構図の演出が目立ちますが、 古い洋画を大胆に邦画に反映したセンスのいいことといったら・・ 邦画奇跡の作品といっても過言ではないのですが、 難を言えば宇津井健の最後のほうの正義感あふれる演出はどうかと。 あの(もし)というスピーチがなければ、 この作品を観る観客の想像に身をゆだねさせ、 娯楽作から社会派娯楽作まで高められたのではないか。 それはおかしいとかすっきりしないとか、 もし・・という解釈は観客の良心を呼び起こす手立てで、 それを映画の中で全部演出してしまうのは丁寧すぎだと思う。 ラストの画が見事でそしてそれまでの退廃的で観客に訴えるものがあっただけに、 そこは宇津井健の想像という使い方もできるので惜しいと思いましたが・・ 今観るとチープな模型かとも見える場面もあるのですが、 そこはエアポートシリーズやカサンドラクロスのような感じで、 脚本がよいことと編集がうまいことの相乗効果で全く気にはならない。 おおまかには犯人側と国鉄側(JR)と刑事側なのです。 そして新幹線の中でのパニック模様。 時間と速度のトリックに科学のトリック、 そして最後には刑事側のトリック・・ 最終的には「砂の器」をはじめとする松本清張的な演出。 邦画でこれほどドキドキしたシュミレーション映画は、 やはり他には小松左京ものくらいでしょう。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-15 10:49:59)《改行有》

14.  男たちの大和 YAMATO 《ネタバレ》 後半の最大の見せ場(プライベートライアン顔負けの演出) ここまで人間ドラマに力を入れ大和の全景をリアルに描写しておいて、 人が死んでゆく演出が軽すぎます。 最近のハリウッド映画に特に多いのですが、 名前を呼ばれないとわからないくらい死体の扱いが粗末。 カメラワークが早すぎるのです。 ハリウッド映画では最近の「アイランド」「キングダムオブヘブン」の戦闘シーンのような・・ 人間ひとりが死ぬ場面を丁寧に撮れとは言わないけれど、 命の尊さが逆にあまり私には伝わってこなかった。 だから生き続ける人のほうが存在感があったことはまあいいことなんですが・・ この後半の最後の船出に向かう大和は圧巻で、 この映画の最大の見せ所だと私は思いました。 「鳥」のように囲まれサンドバックのように米軍戦闘機に攻撃を受ける大和。 これはすごくよくできているなぁと思いました。 それまでの人間ドラマからしてここから主役は大和から人間だ。 ひとりひとりきちんと最後まで描いてほしいと見ていました。 ・・なぜ早回しをするんだろう。なぜ必要以上にカメラを揺らせるんだろう。 誰が誰やらわからないじゃあないか(爆) 大事なところで感情移入ができないのに、 なんと回りは泣いている・・?? そしてさらに感情移入ができなかった理由があります。 若い役者の顔が見分けがつきにくい(苦笑) 現在のシーンと回顧シーンとが重なっているのですが、 コレだけよく似た役者を揃えると誰を主体に見たらいいのかわからない。 パンフを購入しあとで見たらよくわかるんですがやっぱり似てた・・ 仲代達矢の若い頃の神尾君役松山ケンイチ がピンとこなくて、 結局は神尾君と西君と内田守が必要な役であり、 その他の配役に時間をさけばこの3人の焦点がぼやけてしまう。 もちろん上司は必要不可欠ですが・・ 反町はどうだったんだろうか・・ 渡哲也が出てきたあたりから面白くなってきたんだけど、 それまでが誰を主体にしているのかついてゆけませんでした。 私の評価としては、 後半の大和の最後の戦闘シーン(人間の描き方は悪い) 歴史をきちんと描けている。 天皇制や戦争の意味など今の時代に描けたこと。 こういったことが評価の好対照です。 [映画館(字幕)] 6点(2005-12-23 14:33:06)(良:2票) 《改行有》

15.  砂の器 《ネタバレ》  この作品でやはり誰もが褒める名演技の役者が加藤嘉です。 後半の犯人の幼少時の父とのロードムービーが、 まるでサイレント映画のようにほとんどセリフがありません。 ハンセン病というその時代では差別的な病気により、 村を追われ旅を続ける父子がたどりついた先は・・ 決して明るくも和やかでもない旅なのになぜかほっとする、 そんな父子が引き裂かれる(宿命) 少年が選んだのは名前を変え生き場所を変え過去を捨てることだった。 後半の音楽だけの回顧シーンはピアニストの演奏会のシーンとだぶり、 もうひとつ重ねるように説明するのが主役の刑事 丹波哲郎。 この3つのトライアングルが見事で、 この作品のクライマックスでありモノローグでもあります。 私はこの回想シーンで涙が止まりませんでした。 父がかわいそうでかわいそうで、 そして育ての父でもあり父子を引き離した善意の父もかわいそうで・・ なんでこんなことになったんだろう。 救いようがないじゃないか・・ 犯人には全然感情移入できないしかわいそうとも思えない。 でもなんで・・そう心が揺れていたエンディングにラストの大逆転の真実。 ここで犯人の気持ちがわかったような気がした。 この人はパニックになったんだろうと・・ 宿命に囚われた過去を捨て人を踏みつけても這い上がってきた。 それがまた切っても切れない宿命で繋がってしまう・・ 多分私が犯人だとしてもパニックになって自分を押さえられないと思う。 もちろんそこで自分を抑えるのがしなければならないことで、 それができなかったことが犯人の宿命なのです。 感動し見終わったあと考えてしまう後半に対し、 前半はまるで西村京太郎(も好き)の旅情サスペンスのノリで、 邦画にしては長いのですがその長さを全く感じさせず、 特に地方の方言やトリックによる面白いドラマになっています。 昔観たときには感動はしたけれど暗いかなぁと記憶していたのですが、 今回久々に見てみると前半が意外にテンポよくしかも後半も暗く感じず、 ただ扱う問題がかなり特定される救いようのないテーマなだけで、 それをここまで娯楽も取り入れ映画化できたのはすごいなと思いました。 非常に丁寧で好感の持てる映画です。 [DVD(字幕)] 9点(2005-12-04 15:40:21)《改行有》

16.  復活の日 《ネタバレ》 ほとんどの人がこの作品のラストに感動をしたかもしれませんが・・ 私は(嘘だろ?)とひいてしまいました。 人類終焉のスペクタクルドラマともなれば仕方のないことなのかもしれないけれど、 シリアスな内容をテンポよく重苦しくなく描けていたのでよけいリアル感があり、 逆にあのメロドラマチックなラストが非現実な物語となったわけです。 非現実さだから感動できるのかもしれないけれど、 読めてしまうから私にはついてゆけなかった・・今のハリウッド映画になってしまいました。 さて、未見の方はぜひぜひ見終わってこのラストをどう見るか・・ 原作と比べてみるのもまた面白いかもしれません。 「渚にて」のオマージュといわれるだけあり導入部から潜水艦が登場。 こちらは最初の潜水艦からしばらくすると長い回顧シーンとなります。 なぜ世界がこうなったのか、世界がどういうふうに滅んでゆくのか、 実に丁寧に描かれています。 パニックSFで私が重要視する(苦笑)逃げ惑う人々や暴徒の描写もきちんと描かれてる。 悲惨な映像の連続から世界各地のニュースまで盛り上げ、 見ているほうもSFだし変な映像もあるんだけれど見入ってしまう。 非現実さの中に観客も入ってゆけるのです。 この描写の細かさはハリウッド映画にはちょっと見られないです。 ウィルスに感染した死体の山を焼いたり(現実問題ならあるはず) 廃墟になった街のあちこちには骸骨・・ 水槽の魚や鳥かごの鳥の屍なんて細かい! どんな悪い奴らがどんな操作をしてこうなったのか・・ 悲劇の共感の次は勧善懲悪です。 普通の映画なら勧善懲悪はつまらないのですが、 ここまで地球規模となるともう悪なんて狂気だとしか言えません。 しかも計算された報復コンピューターなる同じ人間が作ったもの。 「博士の異常な愛情」この作品のオマージュ(というか完全なるパクリ)もあり、 「未知への飛行」もちろんこちらの作品にも似ているのは仕方ない。 けれどこれ邦画なんですよねぇ・・いやぁすごい! ウィルスによって世界の多くが滅びる・・今では古いSFかもしれないけれども、 この作品の原作はなんと1964年! [DVD(字幕)] 7点(2005-11-04 08:00:27)《改行有》

17.  首都消失 《ネタバレ》  首都消失という題のまんまなのですが、 日本沈没もまんまなんですが違うんですよね・・ 恐怖が伝わらない。 SFはある意味ホラーなのですから恐怖が伝わらないと辛い。 日本沈没は世界の中で日本だけがなくなる恐怖、 これは世界地図から日本が消える想像をするだけでも怖い。 首都消失は日本の中で東京だけがなくなる・・ のなら怖いかもしれないのですが(いわゆる神隠しやタイムスリップ) 雲に覆われて東京は存在するのです。 孤立するという状態で生物の消息もわからない。 私が面白いのになぁと思ったのは日本を救うのは日本しかないということ。 ここらは面白く映画を作っていたら今でも観られるテーマだと思います。 そしてこの作品は今のハリウッド映画(それもB級の)によくあるパターンだと・・ 先進的かもしれなかったのですが・・ 自然災害が起こり同じように救うのも自然なる力、 そして人間の祈りが救ったようにつじつまが合う。 これはスケールは天と地ほど違えどディアフタートゥモローなどたくさんあるはず。 やはりSFは見せ場の自然現象にお金をかけないと。 もしかしたらこの作品はハリウッド向けかもしれません。 邦画には向いていなかったということ。 舞台がアメリカでワシントンが厚い雲に覆われたとしたらどうでしょうか。 ワシントンと世界中が連絡が取れないのです。面白いと思う。 軍事の指揮参加も政治もできないのです。 さらに自然災害が首都を救うとなれば・・ 例えるのもなんですがハリケーンが雲を吹き飛ばす。 これは風刺にもなるしハリウッド映画として成功すると思うんだけれどなぁ・・ 余談ですが音楽はなんと、 モーリス・ジャールなのでした! [DVD(字幕)] 3点(2005-11-04 07:57:33)《改行有》

18.  七人の侍 《ネタバレ》 映画自体は非常によく出来ており、 侍モノが大好きな人には特にこたえられないと思う。 私は新選組は大好きなのですがちょっとこれは趣味の問題・・ でも面白かったです。 特によかったのが脚本です。 洋画のほうを多く見ているのでこの出だしは新鮮でした。 普通は無法者や新参者が現れて街や村が荒れるんですが、 これは主役は農民たちなのです。 野武士に荒らされた村を守るために考えたのは・・ 農民たちのわずかな食料で侍たちを雇い野武士を退治してもらう。 出演者が知らない人ばかりでしたがマゲを切り坊主になる役の俳優さんよかったです。 実はこの出演陣の中で唯一知っていたのが他の黒澤作品でほとんど主役の三船敏郎。 他の作品は(天国と地獄など)演技が固くて演技力に疑問を持っていたのですが、 この役はあまりにはまっていたしうまいのでびっくりしました(苦笑) 三国志でいえば張飛みたいなおっちょこちょい。 コメデイのような前半はとても楽しかったです。 7人集めてゆく過程も面白いし戦術を練る坊主侍を中心としたやりとりもよい。 ただ中半からが長く感じてしまいました。 200分少々あるからというのもでしょうか。 野武士が来るまでのあたりがわりとテンポがよかったです。 カメラワークについてです。 さすがにハリウッドの有名監督がこぞって参考にしている映画。 構図の素晴らしさは他の(といっても侍モノ以外しか観てないけど)作品でも気になっていました。 特にいいなぁと思ったのが柵や小屋の隙間から魅せる演出。 このあと野武士は前を駆け抜けカメラは切り替わります。 ラストの坊主侍のセリフもよかったです。 「また生き残ったな」これは深いものがあります。 荒野の7人を見終え比べてみたいと思いました。 [DVD(字幕)] 6点(2005-11-04 07:45:35)(良:1票) 《改行有》

19.  日本沈没(1973) 《ネタバレ》  今の邦画はハリウッドに追いつこうと何かを無くしてしまっている。 そのひとつが特撮だと思うのです。 ハリウッドはCG使い放題ですが役者も時間もお金も邦画とはかけ方が違います。 「ゴジラ」などの特撮は邦画のオハコだったはず・・ 特撮がチャチだなと観ていて思いましたがお話がよければいいんですよ。 日本が沈没するくらいの現象がおきているのにお隣の国に影響が出ないのはおかしい。 しかしそれはSFの範囲でかまわないのです。 なぜなら日本だけアトランティス大陸のように沈むお話なのだから。 突っ込みどころを引いても魅了するのがSF映画だと私は思います。 この日本沈没は暴徒&逃げ惑う人々を描いています。 マドンナ役のいしだあゆみが恋人とはぐれるんですが、 あらら「宇宙戦争」しちゃった~まあいいか暴徒も描けてるしと苦笑。 考えれば宇宙戦争の原作も死んだと思った家族と再会なんてあるんだし、 左京氏がこれをオマージュとさせたのは間違いない。 渚にて、宇宙戦争、ここらの原作を読んでいない昭和のSF作家はいないでしょう。 人間ドラマとしてみるならば「復活の日」より重く深いです。 最初に観た時は東宝の特撮のチャチさで減点しました。 ところが今回は最初に違和感を感じた特撮も、 人間ドラマとして見ることが出来(すでに見たから) 後半なんか感動して泣けました。 日本人にしかわからないかもしれない感情・・ それを沈む島国に残る人に見ました。 一番日本のことを思い力になった人が・・ そこを離れたくないと言うのです。 それもまた彼らの生き方なのです。 しかし・・あの感動したキーワード役の渡老人・・ 来年のリメイク作ではないかもしれないのです。 渡老人を抜きにして制作して何の意味があるのか・・ もし災害になったらどうなるかがこんなチャチな特撮でも、 リアルに感じ感情移入ができる怖い映画です。 この感情を洋画に感じるのは難しい。 やはりいしだあゆみの役どころや突っ込みどころはありますが、 あの「宇宙戦争」だって原作も生き別れ再会なんだし、 SF映画に細かい突っ込みは仕方なくそれを上回る出来なので許せる。 良い映画なら邦画に高得点をつけたっていいと思うので、 7点から8点に加点したいと思います。 [映画館(字幕)] 8点(2005-10-22 12:46:49)《改行有》

20.  悪い奴ほどよく眠る 《ネタバレ》 ラストにドーンとその題が現れるともう、言葉をなくしてしまいます。 なにかが足りませんので題材の説得力が伝わってこないのです。 それは何かと考えました。 悪い奴・・もっと掘り下げて描いてもよかったのでは? 「天国と地獄」の犯人のような時代の必要悪の否定や理由のない反抗の怖い環境の哀れさ。 そういったある意味犯人=悪人の過去や人間性が足らなかったように思います。 これを観ると政治家や建設業がみんな悪く見えてくる(笑) もちろんそれは一部であることは承知ですが、親玉の描写が足りない。 過去に心の傷を負うとかトラウマですね、そういうのを絡めるとステレオタイプになる。 けれどそれにしても主役の西秘書の家庭環境や身の上は細かいのに、 影の主役である義父役をこんな時代劇の悪役のような描写だと憎しみが薄い。 観客も感情移入して悪い奴は悪く思いたいのですが・・ 途中まで逆に西秘書の方が悪い奴か?と首を傾げたくなるくらい粘着質です。 この主役・・またまた黒澤映画には不可欠な三船さんでしたが、 全く今回は気がつかなかったです。 メガネをかけてすごく若く見え私にはG・ペック日本人版か(苦笑)と見え、 三船さんはセリフが少ないほうが存在感があるなぁと妙なところで感心。 しかし脚本は良く出来ており昔見た「砂の器」とか思い出しました。 復讐は美学とも言われていますがそれはマフィアとかの世界で、 こういう現代サスペンスになると美学とは言えません。 復讐とはノウノウと行き続ける悪を本当に眠らせること。 だからこの映画の後味は悪くちょっと考えます(重い本を読み終えたような) それでその手の作品を見たあとはしばらくはその気分にひたるのですが、 現実的に気味が悪いのでいいほうに考えたり映画の世界だと忘れようとします。 「天国と地獄」「悪い奴ほどよく眠る」このふたつは外国の監督でいうと、 白黒のときのシドニー・ルメット(十二人の怒れる男の監督)の社会派の世界です。 黒澤監督は本当に白黒映画がうまいと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2005-10-09 14:59:20)《改行有》

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