みんなのシネマレビュー
K&Kさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 833
性別

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12345678910111213141516
投稿日付順12345678910111213141516
変更日付順12345678910111213141516

261.  探偵物語(1983) 《ネタバレ》 赤川次郎の原作自体が、薬師丸ひろ子をイメージした作品だって聞いた記憶があるが、このタイトルからして、相手役は松田優作をイメージしていたんだろうか? 探偵事務所に所属しているけど単独行動・孤立無援な辻山は、個人事務所だけど仲間とワイワイな工藤ちゃんとは、人物像が真逆と言うか… 本で見るとナルホドってなるかもだけど、実際画で見るとかなり無理があるトリック殺人。ものすごい偶然が重なってたどり着く推理。都合よく置いてあるペンダント。ゆるく楽しむのが正しい観方なんだろう。 事件解決からが見応えがあって、辻山の部屋での長回しが素晴らしい。というか、ここから先だけでも良いんじゃないか?って思ったりする。 今まで直美を“調査対象の子ども”として、一歩引いた距離で扱ってきたが、ホテルの話を聞き、落胆の表情を見せる辻山。 「ずっと一人で寂しかった!」「…一人で居て寂しくないやつなんていないよ」直美を大人としてみて本心を話す。 「帰ります」と2回。背中に向けて投げ捨てるような告白の言葉。そんな事解ってるから振り向きもしない辻山。 アイドル映画の告白シーンなのに、重苦しく物哀しい。切ないテーマソングの入り方もイイ感じ。 空港での別れのシーン。エスカレーター逆走から手を重ねて無言のキス。 キスの後も名残惜しそうにしがみつき、胸に頭をくっつける薬師丸ひろ子の演技は素晴らしい。 …ただディープキスにしたのはどうだ? 欧米の映画に比べて日本の映画界が劣っていると考えている松田優作が、ちょっとやり過ぎてしまったんじゃないかと思うんだけど。どうだろう。 普通のキスで良かったんじゃないかな。話題作りにはなったと思うけど。 もう一回ちょんとキスして、小さく手を降り去っていく直美。しばらく後に小さく手を振り返す辻山。 棒立ちの松田優作と、ディープキスのあとだけにホンワカした音楽がちょっとシュール。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-05-21 11:04:34)《改行有》

262.  アルプスの若大将 《ネタバレ》 初めて見るシリーズ。 本当にスイスで撮ってるんだスゴイ。って思ったらイタリア行ってしまった。そして大半は日本が舞台。 「ぼんど、じぇーむず・ぼんど」歴代ボンド意外でこのセリフを言った映画俳優って、りき婆ちゃん入れて数人も居ないだろう。 シリーズ共通設定だろうけど、りきさん、フランス娘のリシェンヌに屈託なく接する様子とか、一番上等な牛スキを振る舞うとか、日本人らしいおもてなしと、理想とする順応っぷりがとても可愛らしい。 対象的に久太郎の外国人客への苦手意識や失礼な態度。東京オリンピック後に日本の国際社会化に向けて、ちょっとしたマナーの勉強になってる。 思いっきり道交法違反なカーチェイスが予想外に楽しいのに対し、メインのスキー大会が冗長に思える。 冬季五輪に向けて関心を高める意味合いもあったんだろうか?この年、札幌冬季五輪の誘致に成功しているそうだ。 海外旅行に石山のオープンカー、雄一の広い部屋、スキー合宿、コンパと歌と美男美女。まさに上流階級ブルジョアな暮らしっぷり。 きっとこのシリーズはどの作品も同じ様な構成だとは思うけど、なんか良いな。 映画ってこういう、庶民には手の届かないものを見せて、芸能人に憧れを抱かせる。映画の田沼雄一=加山雄三って見せ方、魅せ方。 若大将カッコイイ!青大将面白い!澄子ちゃん可愛い!マドンナ綺麗!なんか、それだけってのが逆に良いなぁ。 観てるだけで幸せだなぁ… 今の時代、芸能人を見下して笑いものにするのばかりでなく、テレビやネットのドラマでなく、こういう、ただ楽しいだけの中身のない映画、撮ってくれないかなぁ…[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-05-20 10:08:15)《改行有》

263.  日本沈没(1973) 《ネタバレ》 小さい頃、ウルトラマンの感覚でこの映画観て、怖かったなぁ。 今でも小さな地震さえ怖いのは、私の根底にこの映画の記憶があるからかもしれない。 OPの地殻変動の地球と、映画のセリフっぽくない先生のマントル説明を見ると、本当に日本が沈没しても不思議じゃないなって思える。 関東大震災から50年目「火さえ出さなければ大丈夫だ!」という、お爺さんの教訓を覆す予想外の大津波。 建物倒壊で小路に逃げ込む人たち。そこに逃げてくる服に火の付いた人たち。逃げ道が無くなり炎に包まれる人たち…あぁ、火災に巻き込まれる人って、こうやって死んでいくのか。あそこに自分が居たらと思うと、怖くって仕方なかった。 着水する飛行艇(US-1?)や自衛隊のUH-1ヘリの大群が飛び立つ様は迫力満点だ。 …だけどお腹がパカッと開いて消火カプセルを落とす特撮は、今見るとちょっと可愛い。 生放送で大暴れする田所先生。表舞台に出しちゃ駄目なタイプの人なのに、政府の責任回避の生贄に使われるなんて、腹黒い。 小野寺の「逃げるんだ!」も、群衆の中で唯一、日本の行く末を知っている身として苦しい気持ちが伝わる。その後災害救助に当たる藤岡弘の眼力がスゴイ。 3つの案を聞き「何もせん方がいい」と言われ涙を流す山本総理。疎開先が思うように決まらず「1億人でなく10万人なら」も充分わかる。個人の想いと総理大臣の立場の苦しみが良く出ていた。オーストラリアめ。 姪っ子の花江。木村文乃ソックリ。角ゆり子というのか、綺麗な人だけど一言も喋らない。 国の統制を映画では非常措置要綱と言ったか。いま緊急事態宣言が各地に出ているが、映画ほど重たく捉えられないけど、これが正常化バイアス? 最後の方のテロップ“地球のどこかで”という文字は、きっと“いい日旅立ち”の歌詞に影響を与えたに違いない。[地上波(邦画)] 6点(2021-05-09 15:17:48)《改行有》

264.  黒部の太陽 《ネタバレ》 映画の大半がトンネルの中という、地味な絵面の超大作。 冒頭の剛によるフォッサマグナの解りやすい説明から、支柱を潰しに来る圧力を伝える軋む音は恐ろしく、すべてを押し流す水流はとても迫力がある。まるで列島の抵抗、日本人VS日本列島のように見えた。 暗いトンネルとむさっ苦しい男たちばかり映るから、合間の雄大な黒部渓谷の大自然や、剛と由紀のデートシーンが美しい。 細い山道を大きな荷物を背負って現場に向かう人夫たち。当時のカメラがどれくらいの大きさか解らないが、かなり恐ろしい撮影風景だったんじゃないだろうか?怖いなぁと思って観ているうちに、人夫の滑落死!…って、説明とか無いんだ?流しちゃうんだ? 実際171名も亡くなっていて、そのうち飯場の雪崩でいっぺんに87名も亡くなっているそうだが、確かにそこをしっかり描いたら、後味の悪い重たい映画になってしまうから、バッサリ割愛したのかな。 前段として語られる黒サン工事が、国家総動員法のもと人海戦術による地獄だった現場を表すのに対し、今回の黒ヨンは豊潤な資金とバックアップ体制で挑んでいる。だけど結果として、行き当りばったりで完成予定ありきの無理な日程。人夫を使い捨てて、金に物を言わせて作業を急いだことが伺える。どちらの現場も岩岡の親父が仕切っているんだから、時代が変わっても同じような地獄が展開されている。発破事故の際、人夫から「お前ら親子が!」と言われたときの剛の辛さが伝わる。 開通時の爽快感、開通後のセレモニーの神々しさ。最後に日本酒を撒く姿が、まるで強敵日本列島を称えるようで美しい。 一緒に樽酒を飲みたい気持ちになるが、やっぱ樽にヘルメット入れちゃダメだ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-05-09 13:53:35)《改行有》

265.  クリフハンガー 《ネタバレ》 ~Cliffhanger~崖に引っ掛かって吊り下がってる人≠いつ落ちるかハラハラ・ドキドキ=続きが気になる!のスラング。 冒頭サラの事故が何度見ても手に汗握る。今回も手汗かいてた。 空撮を多用したカメラワーク。スポーティな軽装で、スイスイ崖を登る姿が、慎重に一歩一歩ゆっくり登る山岳映画のイメージを一新させたと思う。 スタローンという映画界の絶対安心男の判断ミス(ではないと思うが)で始まるのは、当時意外に思えた。 飛行機の攻防が結構好きなシーンで、FBIマセスンと財務官トラバースのどちらが悪人か迷わす展開、その後のマセスンの意外な健闘は、上手だなと思った。スタローン映画と言えば、彼一人で何でもやってしまう印象しかなかったから。 初見は勢いで流して見たところも、複数回観ると引っかかる点や、よく考えろ!って展開も出てくる。 友人「あんな雪山でシャツ一枚だと凍え死ぬだろ。それが『寒い寒い』だけで済ますのどうよ?」私「いや、目的地(山小屋)がわかっていれば根性で行けると思う」あの格好で一晩以上生きられるか?で引っかかる人の評価は低いみたい。 強盗団「ガイドは二人いらない、殺せ」って、そういう話は金を探させてる最中でなく確実に手にしてからにしよう。 札束で焚き火は豪快だけど、強盗団がナイトビジョンゴーグル持ってるのに焚き火とか、見つかる。 トラバースとの最後の戦い、あんなにセット感丸出しだったっけ?あんな雪山の上に凍らない池があるなんて… 1200m。8ヶ月前サラが「…1200mもあるの?」って怖がって死んだのに、最後に彼氏のタッカー「クウェイランは1200m下だぜ!」って、絶対言っちゃいけないジョーク。 そのせいかラジー賞に多数ノミネートされてたけど、受賞はならず。かなりハラハラ・ドキドキしたことだろう。[ビデオ(字幕)] 6点(2021-05-08 11:07:13)《改行有》

266.  東京家族 《ネタバレ》 私はまだ東京物語を見ていないのだ。だけどある程度のイメージは持っている状態での視聴。キャストがセリフを言うたびに切り替わるカメラ。置かれるセリフ。うん、うん、こんなイメージだと思う。 サザンの名曲を星野源が歌ったら、きっと想像も付かない味わいが出るんじゃないか?…なんて思ったのに、星野による桑田のモノマネだったらきっとガッカリするだろう。それも素人がカラオケで誇張して歌うレベルの、上っ面だけのモノマネだったら。 東京物語を観てない私にさえも伝わる小津監督のモノマネレベルの撮り方。…なのかな?何でこうしたこうなった。 その、観ていて疲れる前半を乗り切れば、充分に引き込まれる内容だと思います。 観光先は東京タワーでなくスカイツリー。(たぶん)当時最新のラジコンヘリのおもちゃで遊ぶ孫。3.11で町を飲み込んだ津波。そして復興ボランティアに参加した昌次と紀子。 家族の間でたらい回しにされる老夫婦。旧友の服部さんのアパートで廃品回収に運ばれていく、まだ使えるテレビや自転車。粗大ゴミ扱いされる昌次の愛車チンク。とみこの形見として渡される古い腕時計。 都会と田舎。古いものと新しいもの。スクラップ&ビルドを、広島から出てきた老夫婦と若い昌次と紀子の視点から、いろんな形で観せるが、それが単純に、懐古主義に偏重させない気配りは感じられた。 さっきまで話していた母親が、階段で倒れて、それっきり死んでしまう。母の最後と同じ日に紹介される未来の家族。 生前の母親の家族への振る舞い、無愛想な父が私の両親とカブってしまい、色々と思ってしまうところがあった。こういうのは反則だ。母の日が近いし、短時間でも顔見てこようか。 紀子を上っ面だけの理想のフィアンセにしなかったのが良い。昌次の実家で愚痴る演技が特に良かった。 本屋でお客が探してた絵本が“ちいさいおうち”とか、そういうのは要らないと思う。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-05-07 02:20:25)《改行有》

267.  ラヂオの時間 《ネタバレ》 面白い!誰かの身勝手な都合で、内容がどんどん改変されて行く過程で、ラジオドラマの原作と言える「運命の女」が実はどんな話だったか、なんとなく見えてくる辺りが上手い。 主人公の職業とか、ストーリー上特に重要じゃないように見えるけど、鈴木みやこ先生自身がモデルだと解ると、そりゃ拘るよな…って納得してしまう。 どうでも良い内容のラジオドラマで、作者は素人。それでもプロの仕事をする現場スタッフ。色んな感情がありながらアドリブで乗り切る芸能人。保坂アナが最後の出演発表に、みやこ先生の夫を入れる演出が何とも憎い。 収録中、みんなが面白くない思いをしながら作っているのに、終わってしまうとみんな満足そうなのが、観ているコッチも一緒に満足感を味わわせてくれる。 唯一、今回の結果を面白くなく思っている牛島。『いつかみんなが満足するモノを作る』夢。たった一人だけど、わざわざ感動を伝えに来たトラックドライバーが救いになってるのも、ベタだけどイイ。…渡辺謙、大型トレーラーのバック操作が出来るんだな。 掃除婦が宮本信子だったなんて気が付かなかったから、種明かし的に嬉しい出演者の紹介だった。 90年代後半のお洒落な空気も味わえて、すごく得した気分だ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-04-30 01:45:20)《改行有》

268.  映画 聲の形 《ネタバレ》 原作未読。将也の同級生=主な登場人物がみんな美男美女だ。 これには違和感を感じたが、唯一、永束くんだけはコミカルなカタチをしている。 イジメは複雑な問題で、解決の糸口を見つけるのは大変だから、ついつい『イジメは良くない!!』って簡単なワードに飛びついて、漠然と流してしまう。 実際のイジメ問題で面倒くさいのはグループの存在だ。植野と川井みたいのがもう何人かでグループを組んで、西宮をイジメたり佐原をハブったりが現実に起きていると思う。グループ行動だから、多少の良心の呵責が生まれても流されてしまう、負のスパイラル、悪意の連鎖が起きる。 そしてこの映画の高校編のような、当時のみんなで集まってイジメ問題を振り返る機会なんて、現実には無いだろう。 クラス会があっても、そもそもの西宮が来なかったり、佐原が帰ってから植野の愚痴を川井が聞かされるとか、そんなじゃないかな? 大事なのはイジメを各自が考えること。 この作品では、複雑なイジメをシンプルに考えられるよう、西宮(女子)のイジメに絞り、タイプ別に登場人物をスリム化したんだと思った。 ①イジメを受けていた子。②生理的に嫌いなことを隠さない子。③八方美人でピンチの時は自己保身に走る子。④イジメから助け続ける勇気がなかった子。 この4カテゴリでイジメ問題は成立しそうだ。 容姿による優劣や贔屓目を無くすために、みんな美少女に描かれたんだと思う。極端な言い方をすれば4つの記号。 高校編から将也への具体的なイジメ描写は無い。将也をイジメる側だった島田と広瀬は高校編ではフェードアウトし、真柴くんは(映画では)単なる一般男子代表だろうか?男子のイジメがテーマなら、きっと永束くんも美男子に描かれていただろう。 イジメという大きな問題を、シンプルに解りやすく、コンパクトにスリム化(=タイトルのshapeに結びつけて良いものか?)したのが本作じゃないだろうか? 自分の周りでイジメが起きたとき、この映画を参考に、自分は4人のどのタイプかを考えると、その時どうすれば良いか?が見えてくると思う。 硝子が将也に送ったメールがあまりに普通の子の書くメールだった。耳の不自由な硝子と健常者の将也が同じ条件になるメールって、ある意味魔法のアイテムだなって思った。 たまたま先日『Love Letter(1995)』を観て「メールやスマホって無かったほうが良かったんじゃないか?」なんて思ったばかりなのに。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-04-25 17:00:31)(良:1票) 《改行有》

269.  Love Letter(1995) 《ネタバレ》 ~Love Letter~恋文。愛を告白する手紙…って甘酸っぺーなーもう。 手紙文化が滅びつつある今でも、たぶん、まだ多少は使われるであろう“手紙で告白”という手段。 時代設定が私の世代に近く、回想シーンの学校風景から女の子の髪型まで、みんな懐かしく思えた。デジカメやカメラ付き携帯が普及するちょっと前って、ネットで検索しても当時の画像とかあまり出てこない。当時の写真とかは、まだそれぞれの家庭のクローゼットに眠っているんだろう。 樹たちの中学時代の描写がとても綺麗。自転車のライトで答案用紙見るシーンなんて、そんな体験が無くても懐かしさを感じさせる。薄氷の張る丘を滑り降りる樹の美しさも忘れられない。 家が国道になる…そうそう、札幌から小樽に向かう国道5号線はかなり危ない道で、昔は冬道の事故が多かったけど、私が免許を取る頃には走りやすく改装された。って聞いた記憶がある。 同じ顔の二人、同じ名前の二人、死んだ人に手紙が届き返事が来る。ちょっとしたミステリーが適度に興味をくすぐって序盤からグイグイ楽しめた。 タクシー運転手の「似ているなぁ…」はあったけど、博子は免許証の写真、卒業アルバムの写真を実際に見てるのに義母に「私に似てますか?」って聞く辺り、博子と樹はそんなに顔が似ているわけではないんだろう。実際に中山美穂が一人二役を演じているが、決して瓜二つとかではなく、二人はきっと空気や匂いなんかが似ていて、樹(男)は、そういう女性を好きになったんだろう。 主役意外の登場人物がしっかり描けているのも楽しい。強烈キャラ及川早苗は、彼女で一本映画が撮れそうだし、家の取り壊しは妥協できても、病院まで走るのは譲らないお爺ちゃんも面白い。 生徒全員を覚えている浜口先生は恩師の鏡。ネットが普及していないあの時代に、生徒のその後(しかも転校している)まで気に留めているなんてスゴい。 漫画やアニメっぽくもあるけど、登場人物のほんのちょっとした厚みが、それぞれの人にも物語や想いがあることを感じさせ、作者が書きたいメインテーマだけ強調した、その辺の物語とは一線を画す。 文通から中学時代の甘酸っぱい思い出を思い出し、実はその人が亡くなっていたことを後から知る。 最後、図書館の本にラブレターが挟まってる?と思ったが、貸出表の裏ってのがすごくイイ。誰も借りない本の裏に込められた想い。 仕事もサボりがち、実家からも出ていかない。日々を適当に生きていた樹の人生、ここから先大きく動き出すんだろうな。[CS・衛星(邦画)] 9点(2021-04-25 15:17:07)《改行有》

270.  セーラー服と機関銃 《ネタバレ》 決して完成度の高い映画ではないんだけど、不思議な魅力がある。 ただそれは、この時代、この映画に少しでも触れた人でないと、魅力的に感じないものかもしれない。 薬師丸ひろ子。映画界から生まれたトップアイドル。何でか知らないがブリッジで登場する。 …当時はトップアイドルでも、今の容姿端麗なアイドルたちを見ると、なんかこう、子供っぽいと言うか、やっぱり時代を感じてしまう。 効果的だったり無駄だと思えたりするワンカットカメラ。暴走族のバイクを借りて走り出す流れとか、最後の方の屋上で豆粒みたいな二人が塔婆なんかを焼くシーンは印象的だった。 原作未読だが、映画を見る限りマユミの存在が後半、投げやりというか、適当になった感がある。 泉の父とマユミの愛人関係。佐久間とマユミ。太っちょとマユミの親子の関係。こんなに多くの絡みがあるが、効果があったようにも思えず… ただ、親子のネタバラシが出た頃には、映画自体の方向性がおかしくなっていたので、仕方ないのかもしれないけど。 あの宗教団体とか秘密基地とか、変な拷問とか、着替えてリゾートブランチとか、実は歩けましたとか、太っちょのくだりが色々ブチ壊している。 良く言えばこの映画の不思議な魅力かもしれないが、必要性はあったのかなぁ?あの辺、丸々バッサリ… 浜口物産で、超有名な『カ・イ・カ・ン』からは、高品質なバイオレンス映画として見応えがある。 というか太っちょの秘密基地を考えると、奇跡的とも言える出来栄え。 『カ・イ・カ・ン』のとき、破片が頬に当たって実際に出血したのは有名だと思うけど、そこから政が撃たれてからの展開。 頭を撃ち抜かれる萩原の生々しさ。アイドル映画なのに。 政を抱く佐久間と泉。威嚇射撃をする泉。この時の2丁拳銃の構え方、威嚇の仕方がリアルで格好いい。 素人らしくピョコピョコしながらも、腰が引けつつも後方に視線と銃口を向ける。アイドルとは思えないほどの名演技。 エンディング。時代を感じるナレーションと、意味不明な路上ゲリラ撮影。変な画だけど、テーマソングの癒し効果が相殺してくれる。[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-04-24 22:18:02)《改行有》

271.  ホタル(2001) 《ネタバレ》 健さんの鶴。爪楊枝マンゴーを次々渡す田中裕子は良かった。しっとりとした良い映画にも出来たと思う。 富屋食堂、特攻の母こと鳥濱トメさん、朝鮮人の特攻隊員の光山少尉のことは、この映画で知った。 富子の「殺した」スピーチ、金山少尉の遺言は創作のようだ。こういう肝心なところがフィクションだから、敢えて実名は使わなかったんだろう。 今の時代ネットで色々調べられる。勉強になった。ぜひ鹿児島に行った際は、知覧に寄ってみようと思った。 「検閲を受ける遺書に、本当の気持ちが書けるか」「貴様らにもすぐ出撃命令が出る。特攻が特攻に言い残すのか?」 どちらにしても最後の言葉を残せないが、遺書ではなく遺言を残す金山少尉。 「大日本帝国のために死ぬのではない。」「朝鮮民族万歳。」 …まさかとは思うが、山岡は許嫁の智さんに、あの日まで少尉の遺言を伝えていなかったんだろうか? あと、ふと思ったけど、金山少尉の遺族はなぜ戦後、誰ひとり知覧に来なかったんだ? 残された人は、サハリンでも硫黄島でも御巣鷹山でも、行ける限り会いに行くイメージが強いけど…文化の違いかな。 そして韓国へ… 親族と対面し、まずお辞儀と挨拶をする山岡夫婦。 対してお辞儀もしない韓国の親族。 遠くから来た異国のお客さんに、玄関先で本題に入らせる。 …通訳を連れての訪問、親戚一同で出迎えてる訳だから、事前にアポイントを取っての訪問にも関わらず、玄関先で立ち話。 山岡夫婦に怒りをぶつける韓国の親族…一人は彼が遺言を託した部下で、一人は彼が愛した許嫁にもかかわらずだ。 ここで健さんが、金山少尉の遺言本文を丸々ぶっ通し読み上げ。 それを韓国語で通訳。親切にもこちらも丸々ぶっ通し。 アリランを歌い、頭を下げて遺品を渡す健さん。 遺品を受け取らず、頭も下げない韓国人親族。 車椅子のお婆さんが受け取る。そしてやっと、家の中へ。 昭和天皇崩御ののち、昭和のスター高倉健に、韓国人の玄関先で頭を下げさせて「朝鮮民族万歳」と言わせる。 そのために黙読できる遺書ではなく遺言にしたのね。 さすがに土下座ではないが、健さんを誰よりも低頭させるための車椅子? 当時話題になっていた、慰安婦問題を連想させるために老婆?謝罪と賠償? 健さんにさぁ、こんなコトさせるんじゃあないよ![CS・衛星(邦画)] 2点(2021-04-20 00:17:53)《改行有》

272.  名探偵ホームズ2/海底の財宝の巻 《ネタバレ》 ~『青い紅玉』のつづき~ 青い…で描かれるロンドンの街並み、群衆の動き。海底…で描かれる戦艦の水兵たち、砲の動き。砲撃と爆発。 子供向けの作品だけど、作画やストーリーに手を抜かない姿勢がこの2作に込められている。 この当時は『大人の鑑賞にも耐えられるアニメ』なんてジャンルはなく、あくまでターゲットは子供だけだったのに、この作画クオリティ。 共同制作のイタリアに日本アニメの底力を魅せつける意味もあったかもしれないが。 戦艦のシーンで延々と流れる軍艦マーチ。時々チリン・ジャラジャラ…ってパチンコかい!遊んでるけど、ふざけてない。 キャラの見せ方が上手く、たった23分×2の作品なのに、メインキャラの性格がしっかりわかる。 ゲストのポリィにしてもライサンダー兄弟にしても、人じゃないけど怪鳥や潜航艇といったゲストメカも、1話のみの登場(TV版はあまり覚えていないので、たぶん他の回には出てこないと思う。)なのに、魅力が込められている。 これだけ短時間で密度が濃いにも関わらず、山盛りサンドイッチの調理や、飛行船のイギリス周遊など、本筋とは特に関係がないシーンだけど、宮崎作品らしいシーンをしっかり入れているのが凄い。 個人的な思い入れが強いため。とは思うけど、やはり宮崎監督の、一番脂が乗っていた時期の作品。 素人に声を当てさせたり、独り善がりな芸術性が出てなくて、監督の個性と商業作品としてのクオリティが共に高く出ている名作。[映画館(邦画)] 8点(2021-04-17 19:00:51)《改行有》

273.  名探偵ホームズ1/青い紅玉の巻 《ネタバレ》 懐かしい。劇場で続けて2回観て、TVシリーズで1回。今回は久々の視聴になる。まさかまた観られるとは… 正直、当時10歳の自分には、本命の風の谷のナウシカより、同時上映のコッチのほうが面白かった。 ここでのレビューは『海底の財宝』とは別作品の扱いなのね。 後年TV版を観た時、名前が微妙に違うので違和感を感じた記憶がある。 モロアッチ教授だったのにモリアーティ教授と呼ばれてたり、エリソン夫人がハドソン夫人だったり。 なんか、TV版はニセモノだって、そんな認識だった。 TV版の作画の甘さも気になった。ホームズやモロアッチ、エリソンの顔が人間臭かった。 恐らく制作第一話だった本作は、登場人物の顔が長めで犬っぽさが強い。やっぱこうでないと。 ウィキによると、この回はTV版の第5話だったそう。 モロアッチとの初顔合わせで「シャー(ベ)ック・ホームズ」と名乗る。ここがなんか、格好いいんだ。 当時の雑誌で『シャーロックと名乗った上に、後から(ベ)の音声を乗っけた』みたいな事が書いてあったけど、劇場では気が付かなかったな。 TV版では「ホームズ!」としか名乗らなくて、長年消化不良だったけど、ついに当時の劇場版を観られて感激。 劇場版初期の声が広川太一郎じゃなかったのも、今回初めて知った。 ~『海底の財宝』につづく~[映画館(邦画)] 8点(2021-04-17 18:56:06)《改行有》

274.  小さいおうち 《ネタバレ》 世間を何も知らない田舎娘が、東京の丘の上の小さいおうちで女中をする。自分が初めて好きになった人が、そのお宅の奥様だった。 こんな同性愛だジェンダーだが無い時代。恋愛の延長が結婚ではなかった時代。どうしたら良いかわからないタキちゃんの気持ちがよく描けていたと思う。 宝塚歌劇団から飛び出してきたような睦子なら、きっと自分を理解してくれるという直感。そして理解してくれた。 その時のタキちゃんの声を押し殺した泣き声が、見ていてコッチの心まで締め付けられそうになる。この映画イチの名場面。 『一生この部屋に暮らして、奥様や坊ちゃんの世話をしたいと思っています』狂おしいほど好きになったにもかかわらず、なんてささやかな告白だろう。 人妻の身でありながら、そこまで人を好きになれて行動できてしまう時子と、目の前に好きな人が居ながら、気持ちを伝えることすら出来ない自分。 嫉妬心からだろう、板倉に届けなかった手紙。そんな事でしか時子への愛情を表現できなかったタキちゃん。墓場まで持っていく秘密。 『街中の噂になっている奥様の不倫事件』の影に隠れた、タキちゃんしか知らない『坂の上の小さいおうちの恋愛事件』。 時子を裏切ることで、タキちゃんの恋もここで終わる。手紙に書いてある内容は解っている。でもその手紙の封を切ることは生涯出来なかった。 「私ね、永く生きすぎたの」背中を丸めて泣くタキお婆ちゃん。好きな人を裏切った事実は、何年経っても辛かったんだろう。 空襲でおうちが焼け、夫婦は亡くなった。タキちゃんにはもう、板倉の行方とかはどうでも良いのだ。 手紙を隠した意味がイマイチ解っていない健史。恭一の「そんなに苦しまなくて良いんだよ」は、時子の代弁なんだろう。 今回2度目の鑑賞で↑のような感想になりました。こんなに良い映画だったか?と再評価。 「床がベタベタするわ」時子は体が火照ると足に汗かくんだな。何も言わずに床を拭くタキちゃん。 仕事から開放されて女中部屋で雑誌見ながらくつろぐタキちゃん可愛い。 南京陥落で大喜びはわかる。江戸末期からずっと戦争してたんだし。でも戦中のトンカツとか、ちょっとビックリするけど実際あったんだろうな。 おうちを焼く焼夷弾。『母と暮せば』でも思ったけど、山田監督の描く爆撃は、短時間で大事なものを破壊される恐怖が見事に描けている。[地上波(邦画)] 8点(2021-04-17 02:59:00)《改行有》

275.  ザ・マジックアワー 《ネタバレ》 設定も展開も面白く、出ている俳優陣がこれでもか!!ってほど豪華。 村田扮するデラ富樫がオーバーな演技をする毎に面白さが滲み出る。 村田がボスに会いに行く辺りまでは大変面白く、その後がどうも不自然さが目立つ。でも村田が劇場で自分の演技を観る辺りは、さすがだなって思った。 ただこれは、無名の俳優さんを多用して、映画でなく舞台で演ったほうが、面白かったんでないかな? 映画でやるには豪華俳優陣が出てくるたびに『お?今度は中井貴一だ』なんて引っかかってしまい、お話に集中できなくなってしまう。 悪く言えば豪華すぎて煩い。 タクシー運転手が滝藤賢一に見えたんだけど、確認したいからもう一回出てこないかな?なんてストーリーそっちのけになってしまった。 香取慎吾なんて出てたっけ?いやこんな豪華俳優陣の映画で、知ってる芸人一人見逃したからって、わざわざ確認してどうなるっていう訳でもないし。 守加護=すかご≠シカゴ?ははは…無国籍感はよく出ていたと思う。 あんな雰囲気ある街並みで、住人も止まっている車も世界観にあっていて、よくロケも行われるという設定。 そんな街があれば観光客とか大勢来そうだけど、通行人とかお店の利用者とか、いわゆるエキストラがゼロに近いのが不自然。 そのせいか、なんかあの街に空気感が感じられなかった。セットだからとかでなく、街の匂い、生活臭がしないと言うか、留まった空気感。 デラ富樫最後の死に場所をどうするのか?格好良い死ではなくボスの突然の横槍。その前の事務所での備後との会話がマフィアのボスらしくて良かっただけに、消化不良と言うか… でも用意した火薬は無駄にしないで使いました。うん。用意できる俳優は全部突っ込むこの映画らしいエンディング。[CS・衛星(邦画)] 3点(2021-04-15 23:55:57)《改行有》

276.  新幹線大爆破(1975) 《ネタバレ》 これは凄い。今なら『スカイツリー大倒壊』みたいな感覚か。 東京オリンピックから約10年。 世の中の役目を終えた工場の社長。目的を無くした活動家。集団就職で上京した失業者が、高度経済成長の象徴、新幹線に爆弾を仕掛ける。 とてもテンポが良く、故障車の回避や妊婦の出産、徐々に不安が広がる乗客のパニックと、現実に起きそうなトラブルが、観ていて手に汗握る。 爆弾を探すための写真撮影を2回やるのがリアル。 新幹線のミニチュアもよく出来ていて、東京から来た汚れたひかり109号と、ピカピカの救援車の並走なんて胸熱だ。…そのあと運転士の青木君がバーナー使うのはどうかと思ったけど。 指令室で提案された『後続車両に乗客を移して』…は出来ないにしても面白いアイディア。 並走させて乗客を移す作戦だったら上手く行くかも?と思った。実際この作品の影響を受けたといわれる『スピード』でやったんだよな。 引っ掛かったのは現金受け渡し、最初から高速道路で良かったんじゃないかな。 川からロープで引き上げるのはかなり体力使うし、そのあとバイクの運転は腕が辛いし。 警察の描き方がかなり雑。 大学の柔道部の件は冗談みたいなシナリオだし、逃げるだけの犯人をやたらと銃で撃つのは何故だ?…まぁ撃たれた健さんがカッコいいけど。 あの太鼓叩く宗教団体が頭から離れない。彼らが無事停車した時に喜ぶ姿が、なんか可愛くて良い。[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-04-08 20:15:37)(良:1票) 《改行有》

277.  劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 不思議で仕方なかった。この映画がどうして興行収入歴代1位になれたのか? 原作漫画ありで、オリジナルストーリーではなく、また映画として独立した話ではなく、物語全体の中盤辺りの話。 ここまでのあらすじや登場人物の説明もなく始まり、この章のみで終わる。それが、歴代興行収入1位?それはあまりに映画をナメてないか? 単なる流行で、漫画がヒットしてTVアニメも好評であっちこっちで話題になって、歌がヒットして、そんで劇場版も出来て。クオリティは高いんだろうさ。そこそこ売れる映画なんだろうさ。でもそれが1位って、どうなってんだ? それを確かめる必要があると思って、今更ながら観てきました、4/3。 予習も兼ねて漫画を買って全巻読んで(いや、作品自体には興味があって正月に買って読んでた。ホントは映画は見るつもりがなかった)からの鑑賞。 当然話は知っていたけど、面白かったし、泣けた。絵も綺麗で技のエフェクトは素晴らしい。 善し悪しは別として日本のアニメ文化らしいギャグパートは、ピクサーのCG技術がどんなに進んでも表現できない、日本アニメらしい技術だと思う。 この映画に「このドラマの結末は劇場で」みたいな嫌らしさも、“◯◯-THE MOVIE-”みたい安直さも無い。そもそもストーリー自体は漫画で読めるんだから。 物語の展開は聖闘士星矢に近いと思う。今の若い人に限らず、星矢で育った世代にはとっつきやすく、スムーズにハマれる設定だと思う。 鬼滅の刃の原作は人気の絶頂期に完結した。ちょっと考えられない。 普通は無理に話を伸ばしたりで、話のクオリティが落ち、人気が無くなり、読者に飽きられるまで搾り取られるのが週間連載漫画の宿命だ。 北斗の拳、聖闘士星矢、ドラゴンボール…終わるべき時に終わっていれば。って作品が沢山あった。 でもこの作品は何故か大事にされたみたい。 今は何でもネットとスマホの時代、私たち昭和から平成の時代の文化は滅びつつある。 そんな中、原作コミックは驚異の売上を見せて、紙媒体が売れない今、たくさんの街の本屋さんを救った。 『炎』『紅蓮華(映画と関係ないけど)』のCDシングルセールスは、配信サービスに負けっぱなしの街のCDショップを潤しただろう。 そして映画が映画館ではなく、アマプラやネットフリックスで手軽に楽しめる今、この劇場版は、このコロナ渦にも関わらず、街の映画館に沢山のお客さんの足を運ばせている。 それって、素晴らしくないだろうか? 映画は映画通だけの狭くマニアックな娯楽ではなく、いろんな人が楽しむ大衆娯楽だと思う。 メディアミックス。TVアニメの続きのブツ切りのストーリー。胡散臭いヒット。キメハラ。 観ない理由はナンボでもある。批判もナンボでも出来る。そういうのは観てからすればいい。 多くの人が劇場で見たいと思ったから観た。その結果が2001年の映画の記録を超えた。このネットとスマホの時代で、しかもコロナ渦に。 ここのレビュワーさんたちの多くはそれを理解したうえで、この映画を観てきちんとした評価をしている。7.21か、やっぱ凄いな。[映画館(邦画)] 7点(2021-04-04 03:23:49)《改行有》

278.  実録外伝 大阪電撃作戦 《ネタバレ》 実録で外伝、凄いタイトルだ。ヤクザ映画をマトモに観たのは初めてかもしれない。たまたま録画していたもので、俳優陣があまりに豪華なので鑑賞。 OPのモノクロ写真が雰囲気抜群。実際の抗争事件がモデルだそうで、まぁ~まヤクザ同士が喧嘩ばっかりしている。 神戸の老舗大組織と大阪の新興中小組織(連合?)の闘い。のようだが、組織が複雑でどの組織の誰が何をしてたか、正確に把握できてない。 安田と高山の友情をメインに、作戦とは言い難い場当たり的な大阪組の闘い方と、神戸組の軍隊のように統率の取れた組織的な作戦行動。俯瞰してみると勝敗は火を見るより明らかだ。 実話を元にした映画だから実録。負けた側から描いた映画だから“外伝”なんだろう。 他のヤクザ映画を見ていないから比較はできないが、やはり目玉は裏社会の仕組みと暴力とエロだろう。特にカーアクションはかなり力が入っている。 ボクシングジムでの高山の虎の入れ墨のイジり方は『さすが大阪人、上手いこと言うなぁ』と、ちょっとクスッときた。 1976年当時の大阪の商店街などの街並みが賑やかで懐かしく、抗争の中身よりそちらに目を奪われてしまう。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-03-30 23:16:20)《改行有》

279.  天気の子 《ネタバレ》 大好きな女の子一人のために国家権力や自然の神秘と戦う事を全肯定。新海監督版、天空の城ラピュタかな。 ラピュタが観てる自分をワクワクさせる冒険活劇だったのに対し、この作品はパズーみたいな行動力が無かった過去の自分を思い出させる。 バカみたいなオカルト話が信じられて、また会いたい気持ちだけで、常識的に万に一つの可能性もないことに突っ走れる帆高。 ファンタジックな現象は大抵科学的に説明がつくし、そもそもそんな話に真面目に耳を貸さず、ハナから信じない自分。 この映画を見る自分はもう若くなく、帆高ではなく圭介の気分。老刑事が言う「大丈夫ですか、あなた今、泣いてますよ」が刺さる。 女の子一人の為に東京が水没したのには驚いた。バルス!自己犠牲の真逆。でもこれが悪いとは思えない。 おととしまで、今の日本のほぼ全ての人が、24時間マスクをしないと外出できない世の中が来るなんて、誰が想像したろうか? こんなとんでもない世の中になっても、アッケラカンと映画見てるんだから、きっと東京が水没しても何とかなってるんだよきっと。 スマホで何でも解る時代、世界情勢とかリアルタイムに分かるようになってきたけど、 そんな世の中のこと心配するより、自分が大切に思う人をもっと大事にしよう。と思えたりしました。 はい、自分で書いていて全然作品レビューじゃないなと思います。[地上波(邦画)] 8点(2021-03-27 02:05:04)(良:1票) 《改行有》

280.  ギターを持った渡り鳥 《ネタバレ》 孤高のヒーロー、可愛いヒロイン、凄腕の悪党、見知らぬ街の旅情…当時の楽しい映画の要素がいっぱい詰まった娯楽映画。 滝は元刑事で、ギターも歌も射撃も上手いが、そんな経歴の割に随分と若い。 殺し屋ジョージの不気味な薄ら笑いがとても印象的。女性の扱いは酷いが、ズルさの無い悪役だから何か憎めない。 この映画ではピストルの扱いが軽いなぁと思った。簡単にポッケから出して簡単に撃つ。 これは日活無国籍アクション。固っ苦しい法律や貧乏くさい日常生活は描かない。架空の日本ってことだろう。 自然豊かな駒ケ岳の原野を背景に滝が現れる様は、日本を舞台にした西部劇然としている。 函館は北海道で南西の大都市。観光地も多いし、自然も豊かだ。まさに(サウス)ウエスト・ワールド。 駒ケ岳、金森倉庫、函館山…当時の函館の景色が綺麗。ロケ地で同じ角度から写真を撮った人のブログがあり、今と昔を見比べると楽しい。 肩の凝らない映画だったから、ぜひ他のシリーズ作品も見てみたい。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-03-15 23:17:41)《改行有》

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS